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スタジオライフ10月公演『PHANTOM 語られざりし物語-The Kiss of Christine-』 2012年08月

(2012年08月29日記載)

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「オペラ座の怪人」で語られなかったもう一つの物語が完結
スタジオライフ『PHANTOM 語られざりし物語-The Kiss of Christine-』 公演概要

劇団スタジオライフ2012年10月公演に『PHANTOM 語られざりし物語-The Kiss of Christine-』の上演が決定しました。
「オペラ座の怪人」のファントム、エリックの語られなかった幼少年期を描いた「PHANTOM THE UNTOLD STORY 語られざりし物語」(劇団スタジオライフ2011年6月上演)の続編とも言える作品が満を持して上演されます。

■前回公演について
 劇団スタジオライフ『PHANTOM THE UNTOLD STORY~語られざりし物語~』
 『PHANTOM THE UNTOLD STORY~語られざりし物語~』マット&ニック インタビュー

 

『PHANTOM』への想い <脚本・演出:倉田 淳>~スタジオライフ公演『PHANTOM THE UNTOLD STORY 語られざりし物語』(2011年6月上演)より~


 この壮大な物語を前にした時、人間の深淵を感ぜずにはいられない。壮絶な、これ以上の絶望はないと言うほどの絶望から、微かな、消えてしまいそうな手がかりを頼りに希望を紡いでゆく。しかし運命は容赦なく、薄絹のように積み上げた希望の上に重い石を被せ傷つけ切り裂いてゆく。その度に新たな絶望に打ちひしがれながらも、それでも僅かに残った薄絹をまた丁寧に重ねてゆく。それが生きるということなのだろう。この物語は、そう語っていると思う。

 主人公エリックの授かってしまった絶望――――それは醜く恐ろしい容姿ゆえに、愛とは無縁の状況に置かれてしまう宿命だ。この世に生を受けた瞬間から、その醜く恐ろしい容姿ゆえ母親に拒絶されるという、凄絶な人生のスタートを余儀なくされたエリック。自我の目覚めを迎える頃には、愛を諦めて生きてゆこうとする。しかし愛は拒絶しきれるものではなく、他からも自己の内側からも、絶え間なく心の呼び鈴を鳴らしつづけるのだ。その微かな遠慮がちに響く声と、理性で折り合いをつける術を習得してゆくエリック。しばらくは平安を保っているが、壮年期になり激しい熱情に駆られる。それこそ彼の一生分の愛が堰を切ったように溢れだす。醜く恐ろしい容姿と引き換えのように彼に与えられた天才的頭脳、建築家としての才能を遺憾なく発揮できる状況を掴んだ彼はパリのオペラ座の構築に取り掛かる。その完成したオペラ座で出逢ってしまったクリスティーヌが恋の相手だ。この部分の恋の物語は、ミュージカル「オペラ座の怪人」も表わされているが、この物語「ファントム」の素晴らしさは、愛の結晶を未来へと繋いでいることだ。そして、クリスティーヌのキスが、彼の全人生へのキスであることを慈愛に満ちた優しさで著していることだと思う。母親に一度もキスをされなかった子供――――エリックが初めて受けるキスなのだ。そのキスの刹那に、生まれおちた瞬間からの絶望が昇華されてゆく。なんともドラマティックで切ない。そして薄氷を踏むように生きてきた彼の人生に、人間の深淵を思うのだ。

 心を鷲づかみにされる物語に出逢うと、芝居作りを生業としている者として、舞台上に追体験させていただかずにはいられないという抑えきれない熱情に駆られてどうしようもなくなる。「ファントム」の物語に出逢って15年ほどになるだろうか・・・・。舞台にエリックの人生を乗せたいという熱情は、この物語に出逢った時から、絶えず心の中で疼き続けていた。しかし、物語のあまりの壮大さ、深さに恐れをなし、湧き上がる熱情と現実との相克に苛められるだけの日々を余儀なくされていたのだ。正直に言えば、怖くて踏み出せずにいる自分がいたのだ。私事で恐縮だが、昨年スタジオライフは創立25周年を迎えさせていただいた。今年、次なる一歩を踏み出す時に、新しい未来を拓くために、是非、15年間、置き去りにしてきた想いに挑戦させていただきたいと思ったのだ。単に物語をなぞるだけのダイジェスト版にはしたくない。エリックの人生に失礼の無いよう歩み寄り、彼の魂の真髄に触れてゆきたい。その覚悟で、舞台化に臨ませていただきたいと切望している。


Story


世界的な奇術師としてロシアにいたエリックの所にペルシャの警察長官ナーディルが訪れ、エリックはナーディルと共にペルシャに赴く。天才的な発想力と技術力で皇帝、そして太后をも魅了していくが、彼らの要求と欲望は次第にエスカレートしていき、遂にはエリックの身に危険が及ぶ事態に至る。ナーディルの計らいでペルシャを脱出したエリックは生まれ故郷ボッシュヴィルに立ち寄るが既に母は他界した後だった。母の幻影と決別したエリックは偶然古い新聞でオペラ座建築決定の報を知り、パリのガルニエのもとに乗り込んでいく。そして十数年に及ぶオペラ座建築に携るようになるが地上生活に疲れたエリックはオペラ座の地下深くに秘密の安住の住処を作り上げる。安住の地を更に確固たるものにする為、科学知識を駆使して「オペラ座の怪人」となり、人々を震え上がらせていくが……。
そして、エリックは新人歌手クリスティーヌとの運命の出会いをするのだった……。


出演者

  Avenir Espoir
エリック 笠原浩夫 山本芳樹
クリスティーヌ・ダーエ 関戸博一 松本慎也
ラウール・ドゥ・シャニー 曽世海司 岩﨑大
ナーディル 石飛幸治 佐藤滋(客演)
マドレーヌ 及川 健
エリック(子供時代) 林 勇輔

小林浩司・牧島進一・荒木健太朗・仲原裕之・緒方和也・神野明人・原田洋二郎・堀川剛史
山﨑康一・倉本徹・藤原啓児・河内喜一朗 他

※ Avenirチームと Espoirチームのダブルキャストになります。
※ 出演者全員がAチーム・Bチーム共に出演いたします。
※ 出演者は都合により変更になる場合があります。予めご了承下さい。


スタッフ

【原作】 スーザン・ケイ
【脚本・演出】 倉田 淳
【映像・美術】 マット・キンリー
【照明】 ニック・シモンズ
【舞台監督】 岩崎健一郎 (ニケステージワークス)
【照明・映像オペレーター】 泉次雄 (RISE)
【音響】 竹下 亮(OFFICE my on)
【衣裳】 竹原典子
【ヘアメイク】 角田和子
【殺陣】 渥美博
【振付】 新海絵理子
【演出助手】 平河夏
【美術助手】 渡邉景子
【宣伝美術】 河合恭誌(VIA BO,RINK)
【制作】 揖斐圭子 / 阿部のぞみ / 麻場優美 / 吉田隆太
【デスク】 山﨑みれい / 武井和美 /粟野謙二
【協力】 本田和男(ニケステージワークス)/トレント・キム/沖山哲/永井純/東容子/小泉裕子/粟野謙二/荒川真寿恵/株式会社キューブ/株式会社クリオネ/舞台屋/株式会社エムアップAE/株式会社扶桑社



 

スタジオライフ公演

『PHANTOM 語られざりし物語-The Kiss of Christine-』

 

作: スーザン・ケイ

脚本・演出: 倉田淳

出演: スタジオライフ劇団員 ※ダブルキャスト公演になります。

 

公演日程: 2012年10月8日(月・祝)~10月24日(水) 全28公演

一般(前売・当日)5800円

Youth ticket ¥3,000(※23歳以下の方が対象となります。

ご来場の際に年齢の証明できるものをご持参下さい。)

 

プレヴュー公演 10月6日・7日 一般(前売・当日)4800円

 

会場: 東京新宿 シアターサンモール

 

2012年8月26日(日)より前売開始

 

http://www.studio-life.com

 

 

 

 
 

情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。

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