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『逆転裁判3』主演 宝塚歌劇団宙組・悠未ひろさんインタビュー 2012年12月

(2012年12月10日記載)

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『逆転裁判3 検事マイルズ・エッジワース』主演
宝塚歌劇団宙組・悠未ひろさんにインタビューしました




『逆転裁判3 検事マイルズ・エッジワース』公演について


宝塚歌劇団宙組、悠未ひろさん主演で『逆転裁判3 検事マイルズ・エッジワース』が上演されます。人気ゲームソフト「逆転裁判」を題材に宝塚歌劇が舞台化しているシリーズで、2009年2月に上演した『逆転裁判-蘇る真実-』、同年8月に上演した続編『逆転裁判2-蘇る真実、再び…-』に続いて3作品目となります。悠未ひろさんは前作より、主人公の熱血弁護士フェニックス・ライトに対峙する天才検事マイルズ・エッジワース役として参加。今回はエッジワースを主人公にした作品として上演され、悠未さんが再び同役に挑みます。



悠未ひろ(ゆうみひろ)プロフィール

1997年、宝塚歌劇団入団。男役。雪組公演『仮面のロマネスク/ゴールデン・デイズ』で初舞台。宙組発足時から宙組に。2003年『傭兵ピエール』『白昼の稲妻』で新人公演初主演。2005年『Le Petit Jardin 幸せの庭』でバウホール公演初主演。2012年『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』ではパウル・フォン・オーベルシュタインを演じた。




悠未ひろさんインタビュー (取材日:2012年11月10日/東京宝塚劇場/インタビュアー・撮影:住川絵理)
フリーマガジン「情報紙ターミナル2012年冬号」にも記事掲載。





▲「逆転裁判」のマイルズ・エッジワース(御剣怜侍)と言えばこのポーズ!


―― 「逆転裁判」との出会いは?

「逆転裁判」を知ったのは、このシリーズ宝塚初演の『逆転裁判-蘇る真実-』を観に行った時です。私はあまりゲームをやるタイプではないので話に付いていけるかな?と思ったのですが、舞台を見たら面白くて一気に引き込まれました。初演の後すぐに続編の上演が決まり、『逆転裁判2-蘇る真実、再び…-』のマイルズ・エッジワース役(日本のゲーム版では御剣怜侍)で出演させていただきました。ゲームのファンの男性の方も見に来てくださり、反応も普段と違って新鮮でした。私も出演が決まった後、初めてゲームの「逆転裁判」をやったんですけれども、それがまた面白くって。特に法廷のシーンは、私はゲームボタンを押して進めているだけなのに、「なんでこんな興奮しちゃうんだろう」って。曲のテンポも大好きですし、ゲームに合わせて一緒に叫んだりしながらやっています(笑)。自分の演じるキャラクターがゲームで動いている様子を見ると、またちょっと面白いです。逆転裁判ワールドが大好きです。

――天才検事マイルズ・エッジワースを演じた時の工夫点は。

ゲームをやってみて仕草が印象に残ったので、これを思い切ってコピーしてみようと思いました。演出の鈴木圭先生とも相談しながら、「グッ」の角度も、先生が「もっと顎引いて!」とか「もっと重心はこっち」とか言われながら調整しました。舞台上でそれをやった時、お客さんの反応が大きかったので、“掴みはOKだな”って思って(笑)。だから私は特に姿や形にもこだわりましたね。法廷の最後のシーンで自分自身とエッジワースが一つになった瞬間がありました。蘭寿とむさんが演じていらしたフェニックス・ライトとアイコンタクトをした時、役と自身が重なってとても熱くなっている自分がいました。役を超えて心が通ったあの瞬間は忘れられないですね。



――そして、いよいよ来年『逆転裁判3』としてマイルズ・エッジワースを主役にした舞台が上演されます。どのような作品になりそうですか。

ポイントは、この天才検事の時空を超えた逆転劇です。あとはやっぱり「逆転検事」ではなく『逆転裁判3』にしたというところですね。宝塚で上演した前作2作に入っていた法廷シーンを鈴木先生は入れたいとおっしゃっています。だからあえてエッジワースが主役ですが「逆転検事」ではなく『逆転裁判3』となりました。法廷シーンは見せ場の一つになりそうです。あと、エッジワースはゲーム上で今まで恋愛的な要素がゼロだったと思うんですけれども、今回の舞台ではちょっとヒロインのすみれ乃麗ちゃん(宝塚版のオリジナルキャラクター、アリソン・トレーザ役)とちょっとそういう香りもするような・・・だからといって、ゲームファンの方のイメージを崩さないようなものを、絶妙な感じで鈴木先生が脚本に書いてきてくださると思うので、そのあたりも楽しみです。

――配役を見ると父親との関係みたいなのが多少描かれてくるのかなと。どうして検事になったのかという部分も触れてくるのかなと思ったのですが?

まだ内容を詳しく聞いているわけではないのですけれども、多分、エッジワースのバックボーンというか、ここまで来るに至った過程や宝塚版で描かれていなかった部分も、今回は主役と言うことでお話の中に盛り込まれていくんじゃないかなと。だからゲーム版のどこの場面をやるというのではなく、お父さんとのことや、学級裁判のことなど過去の色々なエピソードも織り交ぜながら膨らませるかなと、想像しているところです。ゲームファンの方にも宝塚ファンの方にも、間違いなく楽しんでいただけるような作品になると思います。自分が役者として培ってきた部分も活かしながら、逆転裁判ワールドを自分の中に染み込ませて挑みたいです。初心に返ろうと思って、昨日からゲームの「逆転裁判 蘇る逆転」をもう一度やり始めました。



――エッジワースは確か身長178cmぐらいの役。悠未さんは宝塚歴代一の高身長だったと思いますが。

そうですね。身長はエッジワースと同じ位ですね(笑)。長身の人っていう設定で衣装もドレッシーでエレガントな感じなので、宝塚の男役としてバッチリ着こなしも決めたいなと思います。

――大阪のシアター・ドラマシティ公演、東京の日本青年館公演としては初主演ですね。

やっぱり主演は念願でしたので、本当にお話を聞いたときは嬉しかったです。お客様やファンの方に喜んでもらえるというのが何より嬉しいです。東京出身なので自分の生まれ育った土地で主演できるのは幸せだなと思います。実はどちらの劇場にも思い出があります。私の期の音楽学校の文化祭がドラマシティだったんですね、通常はバウホールなのですが。ですから、初めて私が舞台に立ったのはドラマシティなんです。東京特別公演の日本青年館も、私が宝塚を受験する前に通っていたスクールの発表会があった場所。本当の初舞台が日本青年館なんです。自分の最初の土台となった舞台で主演させて頂けるというのは縁を感じますね。



――逆転に継ぐ逆転で気持ちが高揚していくようなお話ですが、悠未さんが普段の生活で「逆転の発想で答えを導いた経験」なんてございます?

全く無いですね(笑)。なかなか思いつかないですよね。だからこそ、よく出来ていると思いますし、このストーリーを作った方は本当にすごいなと尊敬します。私も、逆転の発想が思いつける人になりたいです(笑)。

――「異議あり」など名台詞が色々ありますが、印象に残っているのは?

エッジワースで言えば、「グッ」ですね(笑)。完璧な人が不意をつかれた時のたじろぎみたいなのが出ていますよね。そこがまたこの人の魅力を象徴している動きだと思うんです。この人がこんな顔しちゃうんだ、と(笑)。そこはちょっとポイントですね。

――悠未さんが最近「グッ」って思ったことは(笑)

「グッ」・・・思い出せないですね(笑)。あ、嬉しい驚きは最近ありました。誕生日が公演中だとみんなにお祝いしてもらえるので、私も毎年していただいていたのですが、今年は不意をつかれたタイミングでその時がやってきました。自分で歌稽古をしていたら組長さんが、迫真の演技で、「ちょっとお話があるんで全員集まって下さい」とおっしゃるので、“何かアクシデントでも起きたの?大変!”とドキドキしていたら、私の誕生日を祝ってくれるための集合でした。どうやら陰でこっそりケーキのロウソクに火を付けたものの、私がなかなか歌稽古を終えないので、慌てて呼びに来て下さったようです(笑)。

――『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』もそうですが、原作があるものを舞台化した時、演じる上でも苦労点、楽しい点、色々あるのかなと思うんですが、その辺りはいかがですか?

やっぱり原作があるものはそこで人物像が一つ完成しているので、一から自分の想像で作るよりは資料がある分作りやすいというのはあります。その反面で私が思うのは、やっぱり原作ファンの方をガッカリさせたくないし、原作ファンの方にも「宝塚すごいねー。やるなー」と思ってもらえるようなものにしたいなと。特に今回『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』のオーベルシュタインは原作とは違った小池先生の宝塚バージョンのオーベルシュタインだったのですけれども、原作と違うけどすごく好きだったとか、魅力的だったという言葉を宝塚ファンの方はもちろん、原作ファンの方にも言っていただいた時は嬉しかったですね。原作があるものは、やりやすいところと、難しいところの両方がありますが、その上でどこまでやるかとかいうのを自分の中で考えるのも楽しいです。お客様の層を広げられるチャンスなので、そこは大切にしていきたいと思っています。

――最後に、改めて抱負をお願いします。

『逆転裁判3』ということで、前作、前々作を観て頂いたお客様の想像を、良い意味で裏切って「はっ!こう出たか!」と思って頂けるような作品にしたいです。観ていないお客様やゲームをやったことがない方でも、本当にキャラクターが魅力的なので、十分に楽しんでいただけるはずだと思います。今回、いろんな感謝の気持ちがすごくあるので、気持ちを込めてエッジワースを演じたいと思います。

 

宝塚歌劇宙組 ミュージカル・ロマン

『逆転裁判3 検事マイルズ・エッジワース』

 

原作・監修・制作協力:株式会社カプコン

脚本・演出:鈴木圭 

(C)宝塚歌劇団

 

大阪 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 2013年1月9日(水)~1月17日(木)

東京 日本青年館大ホール 2013年1月23日(水)~1月28日(月)

 

 

 

 

 
 

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