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七代目中村歌右衛門 十代目中村福助 襲名披露会見 2013年09月

(2013年09月11日記載)

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七代目中村歌右衛門 十代目中村福助
襲名披露会見が行なわれました

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写真左 中村児太郎、写真右 中村福助

襲名について(資料より抜粋)

中村歌右衛門は、江戸時代半ばの初代から始まる名跡。五代目は明治末から昭和初めを代表する女形。六代目は「女形の至宝」と言われ活躍し、2001年没。七代目中村歌右衛門襲名で13年ぶりの名跡復活となります。現・中村福助にとって、六代目歌右衛門は大叔父。七代目中村芝翫の長男で、兄弟は中村橋之助、故中村勘三郎の嫁・好江。 中村福助は、江戸時代から続く名跡。八代目は四代目中村梅玉。九代目は現・中村福助。十代目はその息子で現・中村児太郎。


公演について

襲名披露は来年3月・4月の東京・歌舞伎座での「三月大歌舞伎」「四月大歌舞伎」を皮切りに、6月福岡・博多座、7月大阪・松竹座、12月京都・南座で行われる予定です。新たな歌舞伎座では初の襲名興行となり、「本朝廿四孝 十種香」八重垣姫、「金閣寺」雪姫、「籠釣瓶花街酔醒」八つ橋などを演じることが予定されています。


会見が行われました(2013年9月4日大安)

多くの報道陣が詰めかける中、およそ1時間に亘り襲名披露の会見が行なわれました。

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▲松竹株式会社社長 迫本淳一
本日は七代目中村歌右衛門の発表をさせていただきます。こちらにおります中村福助さんが来年三月・四月の歌舞伎座におきまして、七代目中村歌右衛門の名跡を襲名致すこととなりました。あわせて中村児太郎さんが十代目中村福助の名跡を襲名致します。本日は発表にあたり、亡き六代目中村歌右衛門さんのご長男であられる中村梅玉さんにも同席いただきました。歌右衛門さんの名跡は歌舞伎界にとりましてまことに大きな名跡でございます。歴代が名優として知られておりますが、ことに近代では女形として明治後期より戦前まで活躍なさった五代目、戦後の歌舞伎界を代表する俳優として広く海外でも活躍なさった六代目は皆様もご存じかと思います。本年四月に歌舞伎座が新開場いたしまして、お陰様で盛況を続けておりますが、来年新しい歌舞伎座で初めての襲名披露が行なわれることとなります。中村芝翫さんが亡くなられる直前まで色々とお話をしておりました。このお二人のことを心にかけておられました。新・歌右衛門さんには、六代目やお父上・芝翫さんの成駒屋の芸脈を受け継いでいただき、立派な俳優さんになっていただきたいと思っております。新・福助くんには代々に劣らぬ俳優になっていただけるよう、心から願う次第です。皆々様のお力添えをお願い致します。

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▲松竹株式会社専務取締役演劇本部長 安孫子正
いよいよ歌右衛門さん、福助さんの襲名披露ということで発表となりました。スケジュールと致しましては各劇場と調整しております。来年3月・4月の東京・歌舞伎座、6月福岡・博多座、7月大阪・松竹座、12月京都・南座の顔見世で行われる予定です。名古屋・御園座は立て替え中となりますのでどういう形で名古屋で襲名興行をさせていただくかを調整中でございます。決まり次第ご報告致します。明くる年には各地方公演をさせていただきたいと思っております。出し物は、これから決まりますが五代目六代目が女形としてやってこられた縁の狂言を考えております。「本朝廿四孝 十種香」八重垣姫、「金閣寺」雪姫、「籠釣瓶花街酔醒」八つ橋などを演じることが予定されています。歌右衛門と歌舞伎座の関係は深い物がございまして、歌舞伎座が明治22年に第一期が開場し、明治44年に第二期が開場した時に五代目中村歌右衛門の襲名興行が行なわれました。戦後昭和26年に歌舞伎座が開場した時に六代目中村歌右衛門の襲名が行なわれました。今回もまた新しい歌舞伎座のこけら落とし興業の最中に新しい歌右衛門の襲名が出来るということも、いろんなご縁があるのではないかと存じます。素晴らしい興業になりますよう、皆様方の絶大なお力を賜りたいと思います。

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▲中村福助
今日はご多忙の中、雨が降り、今朝は地震もございましたが、たくさんの皆様お越し下さりありがとうございます。歌右衛門襲名のお話を伺った時、本当に私は夢だと思いました。ご承知の通り私は六代目歌右衛門に憧れ、目標にして女形の道を進んで参りました。そのお名前を自分が襲名させて頂くということについて、ただただ身の引き締まる思いです。今日も雨が降っておりますが、父の芝翫のイベントごとの時に必ず雨が降った雨男です。父が天国からエールを送っているのかなとそんな思いで雨を見ておりました。父から五代目歌右衛門のお話はずっと聞かされておりまして、六代目歌右衛門は私の心の師です。そのお名前を襲名することになりました。歌舞伎座新開場となって初めての襲名興行として襲名させていただくということで、この大きな名跡だからこそなので先祖に感謝しております。益々精進し、お名前に追いつける役者となるよう頑張る所存です。そのためには皆様のお力添えを賜りますよう、叱咤激励、ご指導ご鞭撻の程宜しくお願い致します。

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▲中村児太郎
福助の名跡を継がせて頂くこととなりました。この福助の名跡を継ぐと聞いた時に、嬉しかったのと同時に身の引き締まる思いが致しました。私が生まれた時からずっと父は福助でおりました。その福助という名前を襲名させていただくということを考えた時に、成駒屋が大事にしてきた名前なのでありがたいと思いました。それに恥じない役者にならないといけないと思っております。未熟者ではございますが、精一杯舞台を勤めますのでどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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▲六代目歌右衛門長男 中村梅玉
この度ようやく歌右衛門襲名の話が決まりました。かねてから約束されていることと承知しておりましたが、こうしてこぎ着けることができましたのは、松竹をはじめ関係各位のご尽力そして歌右衛門という名前を大事に思って下さった俳優諸先輩の皆様のおかげあってこそと思います。一門の端に座るものとして感謝申し上げます。先祖に対しても顔向けが出来るということでございます。個人的には児太郎の福助襲名を非常に喜んでおります。子どもの頃からいい青年でしたがなかなか学業もあり舞台に専念することが出来なかったのですが、(祖父)芝翫の死を機に本人も覚悟を決めたことと思います。福助という名前は成駒屋にとって大切なお名前ですから、これからも精進努力をなさって一日も早くお父さんのような輝かしい福助になってもらいたいと思っております。これからは結束して成駒屋一門のために頑張っていこうと思っております。

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―――福助さん、六代目思い出がございましたら。また、どのような歌右衛門を受け継いでいきたいですか。

◆福助
父も芝翫という女形で、家に帰ると父は父だったので、女形として見られるのは照れくさいところがございました。私が学業から歌舞伎に飛び込んだ時に、六代目歌右衛門の芝居を拝見して衝撃を受けました。こういう風になりたいというよりは、憧れでした。こんな素敵な方がいるんだ!と、歌舞伎のファンとなり、自分も女形に進みたいと思うようになり、父のアドバイスも受けてこうして道を歩んできました。六代目からは厳しく色々と教えを賜りました。女形としてやっていけるのはそのお陰と、いつも心にございます。来月名古屋で「鷺娘」を踊らせて頂きます。六代目が亡くなった時も「鷺娘」を踊らせていただいていて、自分でもご縁を感じています。歌右衛門という名前は子どもの頃から父からこの名前の大事さを聞かされて育って参りました。それをずっと守っていらっしゃった六代目の素敵さを今になって身にしみております。先祖たちの歌右衛門像を調べていくにつれ、本当にみんな歌右衛門という名前を大事にし、歌舞伎を愛しているということをしみじみ感じます。襲名させて頂き益々精進し、歌舞伎を一人でも多くの方に見ていただくことを願う次第です。

―――児太郎さん、芝翫さんがお亡くなりになったときにどのような覚悟をお持ちになったのかを。どんな福助になりたいですか。

◆児太郎
祖父が亡くなる前に「京鹿子娘道成寺」の花子をずっと教えてもらっておりまして、いつか勤めたいなという思いが、絶対勤めるぞという思いに変わりました。役者として一生懸命やっていきたいと思うようになりました。福助の名跡は大きな物なので、一生懸命基礎から積んで、自分なりの福助を作るのと同時に、福助という名前が守ってきた物を自分の物に出来るように、勤めて行きたいと思います。

―――児太郎、福助、歌右衛門という名跡になられ、芝翫さんのお名前にはなられないわけですけれど、そういう寂しさはありますか。

◆福助
松竹からお話をいただいた時私がこの名前を襲名させていただくことについて、五代目歌右衛門の遺言がございまして、福助を空白にしてはいけないということで、父が芝翫を襲名する時も梅玉兄さんが福助を襲名し、梅玉兄さんが梅玉襲名する時に私が福助を襲名しました。この度もそういうことです。芝翫が空席になるのは一端の寂しさがあります。父が命をかけて守ってきた名前なので、一度は私がと思っていたのは事実です。芝翫というお名前もひとかどの名前です。芝翫はもとは立役の名前ですので、ゆくゆくは弟・橋之助が継ぐことになるのかな、と感じております。

◆我孫子
芝翫さんのお気持ちが大きくございまして、前々から色々なお話をさせていただいておりました。お亡くなりになる1ヶ月ぐらい前に会社の方と相談させていただきまして、新しい歌舞伎座が出来た折、皆様のご同意を得た上で、なるべく早く福助に歌右衛門を継がせたいというお気持ちを伺いました。その後幹部でも相談した上で、歌右衛門の襲名が正式に決まった訳です。

◆迫本
芝翫さんは、亡くなられる直前のお話でもお二人の襲名をのぞんでいらっしゃいました。歌舞伎座での襲名する舞台をどれほどご覧になりたかっただろうなと思います。その遺志を受け継ぐことが大切だと思っております。

―――五代目六代目女形の当たり役が多いですが、どのような歌右衛門になりたいと思っていらっしゃいますか。福助さんからお名前が変わる寂しさは。

◆福助
五代目六代目は歌舞伎史上に残る女形でこのお名前を襲名させていただくことになり、福助や児太郎の時代とは違ったプレシャーを感じているというのが正直なところです。一つ残念なのは、歌右衛門と勘三郎という名前を並べてご覧にいれたかったです。すごく残念です。勘三郎兄さんもきっと天国から見て下さると思います。この名前に恥ずかしくないよう、芝居の道を歩んで少しでもこの名前に追いつきたいと思います。児太郎から福助になった時、寂しさが込み上げましたが、福助という名前も21年間名乗ったので愛着があります。しかし歌右衛門という大名跡を継ぐことで寂しさよりもプレッシャーを大きく感じています。諸先輩のお許しを頂く時に、歌右衛門というお名前を大事にしなさいというお言葉をかけていただき、このお名前の大きさを改めて感じました。身が引き締まる思いです。児太郎が福助を継ぎますが、みなさんに愛される役者になって欲しいなと思います。

―――新しい歌舞伎座で新しい歌右衛門としてどのようにしていきたいですか。

◆福助
自分が教えてもらってきたことを精一杯勤め、後輩にも自分が培ってきたことをお話しして、歌舞伎の輪が増えるようその一端が担えたらと思います。

―――歌右衛門襲名に関してご両親から何かお話がございましたか。勘三郎さんと何か襲名の話をなさいましたか。

◆福助
親子は照れがあるのか、松竹から聞くまで父からそういう話を聞いたことはありませんでした。父が思っていてくれているのは肌で感じてはおりましたが、直接の言葉ではありませんでした。勘三郎兄さんとも襲名については、相談できずに逝ってしまわれたので、残念に思っております。

―――歌右衛門を襲名するためにこの半年間でやってみようと思っていること、願掛けしていることは。

◆福助
お酒は随分やめております。頭が立て込んでおりますので、半年間で何をしようというのはまだ考えておりません。襲名は一般の方には理解しにくいことかと思いますが、役職が変わるようなものなのかなと思います。取締役のようなお役をいただいた感謝とプレッシャーで心の中が揺れ動いております。自分がこの道を進み、一人でも多くの方に歌舞伎をご覧頂くことが使命と思っております。心を引き締めて邁進したいと思います。

―――先輩や後輩から七代目と声をかけられましたか?

◆福助
まだないですね。でもメールを後輩のみなさんからいただきまして感謝しております。一番最初は中車さんでした。

―――今朝、家を出る時にどのようなことを考えましたか?

◆福助
いろんなことを考えていたのですが、皆さんの顔を見たら真っ白になってしまいました。児太郎はいま大学生ですが、平成中村座での勘九郎襲名に出演させていただき、その時に1ヶ月間小日向の自宅に呼んでいただいておりました。芝翫や私から話すのとは違う考え方や厳しさを教えていただいたようです。歌舞伎役者に邁進しようと心を決めたのは勘三郎の兄のことが心を占めているようで、そういう思いを胸に襲名にあたるのだと思います。

―――親子で襲名披露ですね。21年間父親が名乗ってきた名前を継ぐのはプレッシャーを感じているのではないかと思いますが、ストレスの解消法は。

◆児太郎
福助という名前は僕が生まれたころから父が名乗ってきた名前ですので、稽古をしたり芝居を見るのが一番だと思いますので、それに関してはストレスを感じていないです。襲名することに関してはプレッシャーは感じますが、幸せなことなのでストレスは感じません。

―――福助さんと呼ばれたらお父様も返事をしそうですが、ニックネームを付けるとしたら。

◆児太郎
福助さんと呼ばれても違和感がない役者になりたいと思います。

 

 
 

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