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新橋演舞場 初春花形歌舞伎 通し狂言『壽三升景清』製作発表 2013年12月

(2013年12月09日記載)

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新橋演舞場 初春花形歌舞伎 通し狂言 『壽三升景清』
製作発表が行われました



市川海老蔵

通し狂言 『壽三升景清』(ことほいでみますかげきよ)について


歌舞伎十八番に描かれた悪七兵衛景清の世界
―『関羽』『鎌髭』『景清』『解脱』―
新たな構想で通し狂言として、新春に新橋演舞場で上演されます。

平家一門が繁栄から源氏との戦いに敗れ没落するまでを描いた
軍記物「平家物語」の中の登場人物の一人、悪七兵衛景清。
「悪」は勇猛さを指すと言われ、その名の通り源氏との戦いの中で勇将ぶりを発揮した“景清”は、
「平家滅亡の後も源氏打倒を胸に秘め、頼朝の暗殺を三十七回も企てた」など、
いわば〝反逆の英雄〟として数々の伝説的なエピソードが語り継がれています。

この“景清”の謎に満ちた波乱の生涯は、魅力的な題材として、
能、浄瑠璃など幅広いジャンルで取り上げられ、歌舞伎でも、
いわゆる「景清物」として多くの作品が創作されています。
七世市川團十郎が撰定した「歌舞伎十八番」には、
二世團十郎が初演した『関羽』『景清』、四世團十郎が初演した
『鎌髭』『解脱』の四演目で“景清”が登場します。

これまで「歌舞伎十八番」の継承と復活に意欲的に取り組んできた
市川海老蔵が新たに挑む『壽三升景清』。
「歌舞伎十八番」ならではの荒事で魅了する、
お正月にふさわしい華やかな舞台にどうぞご期待ください。

配役


悪七兵衛景清  市川 海老蔵
秩父庄司重忠  中村 獅 童
阿古屋  中村 芝 雀
鍛冶屋四郎兵衛実は三保谷四郎  市川 左團次
※昼の部/夜の部 同一演目にて上演します。

初春花形歌舞伎通し狂言『壽三升景清』
製作発表が行われました(2013年11月25日)


◆市川海老蔵
2014年、新橋演舞場興行『通し狂言 壽三升景清』。父・市川團十郎とともに構想していたものです。
本来でしたら、父・市川團十郎に演出をしていただいて、主役は私がしたいということを團十郎に
お願いをしておりました。そうしましたら「そうですか」ということで、快く(快諾いただいて)
実現する予定でした。今回、振付・演出として藤間勘十郎さんにご協力をいただいて、
川崎哲男さんと、松岡亮さんに脚本作っていただいております。
製作の段階ではありますが、大変に充実した時間を過ごさせていただいております。

◆脚本・川崎哲男
悪七兵衛景清という無敵武将を主人公にした作品を、歌舞伎十八番を通して
描いていきたいというお話がありました。
まず、中国の伝説上の英雄である『関羽(かんう)』の魂が“景清”に乗り移る。
京都四條南座で2013年5月に復活しました『鎌髭(かまひげ)』を改訂して、通し狂言の2番目に据えて、
無敵の力を『関羽』から貰った“景清”が、いかに不死身かという、己の力をを見せつける『鎌髭』。
都へ現れてからの景清が何をするのか、絶世の美女・阿古屋と出逢う。
歌舞伎十八番の“景清”ものというのは、牢屋破りの荒事を見せる狂言で、
今回も牢屋破りをさせていただくのですが、都へ乗り込んで、
秩父庄司重忠と“景清”の男と男の駆け引きというのが描かれて、
おなじみの牢屋破りをご覧いただく予定です。
最後に『解説(げだつ)』という舞踊劇仕立てになる予定です。
海老蔵さんと藤間勘十郎さんとお話をさせて頂いている最中ですが、
どのように『解説』の世界を描こうか検討中です。
ただ、天下無双の景清が、悟りの境地、御仏の世界へ入って行く様を
舞踊劇仕立てで見せられたらというのが現在の構想です。

質疑応答


---今回、通し狂言をやろうと思った経緯を教えてください。

◆市川海老蔵
本能の赴くままです。最初から、これをやろうと思っていました。
『雷神不動北山桜(なるかみふどうきたやまざくら)』という演目を二代目市川團十郎が勤めているのですが、
『雷神不動北山桜』の中に、(歌舞伎十八番である)『毛抜』『鳴神』『不動』といったもの(独立した演目)が
入った中での通し狂言で、そこにヒントを得ました。やはり“景清”ものというのが数珠つなぎであることに
気付かせていただいた時に、『関羽』『鎌髭』『解説』も“景清”の話の中にある。
全部繋がっているのではないかと、ずいぶん前から思っておりました。
『雷神不動北山桜』という演目が1つの目標地点ではあります。私としては、今回の“景清”物語で一番大事なのは、
平家と源氏の関係性というのがバックボーンにあるということ。その平家と源氏の関係性というのが
現代人がどれだけわかるのかとういうところは、疑問符が打たれるところであるのですが。
源氏という圧倒的な力を持ったものと、歴史上破れているということになる平家。
その中で、“景清”という人間が、力があって、才能もあり、頭も良い。全てを持っているのに何故平家に生まれたのか。
源氏に生まれていれば、源氏の頭領にもなり得た人物が、平家に生まれてしまった性というか。
川崎さんに書いていただく中での1つの目標は、“景清”が死ぬ間際に走馬灯のように人生を振り返った時に、
自分の人生と、欲望と現実の走馬灯は異なることにしたいという事なんです。
自分がもしこうであったら…という“景清”の願いを全て叶えてあげたい。無敵の力を持つということを
『関羽』で証明して、『鎌髭』は源氏の人間のところへ平家方の人間の“景清”が乗り込んで思う存分言いたいことを言って、
思う存分済まして引っ込む、まさに荒事。その後の、秩父庄司重忠との話し合いは、問答のようなのがあり、
牢屋破りをして立ち回りをしていく。これもある意味、“景清”の無双の夢であった。
そういったものを全て乗り越えていくのが『解説』と言うんじゃないのか。亡くなる0.00何秒という中に、
脳みその中でパーと想像した全てのことが、絵巻物的荒事として表現したいということが、私の今回のテーマなんです。
それを書いていただくためにも、何度も書き直していただいて、少しずつ“景清”の野望、夢、走馬灯を亡くなる寸前に行って、
天に召されて悟りの境地に行くという世界を3時間半くらいにまとめて作りたいということをお願いしている最中です。


“景清”について熱く語る海老蔵さん

公演看板を前に

フォトセッションで笑顔

 

初春花形歌舞伎

通し狂言 壽三升景清(ことほいでみますかげきよ)

 

日程:2014年1月2日(木)~26日(日)

会場:新橋演舞場

開演時間:昼の部 11:00~/夜の部16:30~

 

http://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/2014/01/post_55.html

 

 

 
 

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