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第六回 システィーナ歌舞伎『百合若丸弓軍功 ユリシーズ』製作発表 片岡愛之助さん 大和悠河さん 2014年12月

(2014年12月11日記載)

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大塚国際美術館 システィーナ・ホール
第六回 システィーナ歌舞伎『百合若丸弓軍功 ユリシーズ』製作発表
片岡愛之助さん、大和悠河さんが出席しました

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システィーナ歌舞伎について
(公演資料より)


大塚国際美術館では、2009年よりヴァティカンのシスティーナ礼拝堂を
原寸大に立体再現した「システィーナ・ホール」を舞台とする
『システィーナ歌舞伎』を上演しています。
これまでに、2009年の『切支丹寺異聞 伽羅紗』、2010年『スサノオ susanoo』、
2011年『GOEMON 石川五右衛門』、2012年『『主天童子』、
2014年『満月阿波噺 Le Mariage de Figaro フィガロ』と、
美術館の空間を最大限に生かした画期的な演目を披露。
今年度は、2015年2月20日~22日にかけて6回公演します。

大塚国際美術館について


「大塚国際美術館」は、徳島県鳴門市の鳴門公園に位置し、世界の名画1000点以上の
原寸大の作品が一堂に展示されている、陶板名画美術館です。古代壁画から世界25ヶ国
190余の美術館が所蔵する現代絵画まで、世界の名画を特殊技術によって、
原寸大の陶板で忠実に複製。鑑賞ルートは約4kmに及び、現地の空間そのままに
再現した古代遺跡や礼拝堂の立体展示のほか、レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」、
ゴッホ「ヒマワリ」、ピカソ「ゲルニカ」など、美術書などで一度は見たことが
あるような名画を展示されています。
今回上演を行う「システィーナ・ホール」も、ミケランジェロが描いた天井画と
正面祭壇壁画「最後の審判」とともに立体再現。その迫力は必見です。

『百合若丸弓軍功 ユリシーズ』あらすじ


蒙古の来襲を撃破した百合若は、帰途、島に上陸し、勝利の美酒に酔う。
百合若の家来、雲住、雲足の兄弟は、まどろむ百合若を見て、百合若を一人、
絶海の孤島に取り残し、百合若の領土を我がものにしようと悪計を企む。
目を覚ました百合若が見た景色は、家来の姿も、船の影もなく、
ただ、茫洋と広がる大海原であった。
孤独、気力もなえた百合若だったが、島に住む一人の女性と恋に落ちる。
国に残した許嫁立花姫によく似た女性だった。二人の間に、男の子が誕生する。
雲住、雲足は、国を乗っ取り、権勢を極めていた。快く思わない忠臣秀虎は、
百合若の居所を探すべく海原に船を出す。
その船の舳先に、一本の矢が突き刺さる。矢の方向に舟を走らすと…。

古来から伝わる百合若伝説はホメロスの『オデュセイア』と同様の
壮大なロマンとスペクタクルに満ちた物語です。
説教節や近松門左衛門の浄瑠璃でも取り上げられています。
システィーナ・ホールの空間で、甦る百合若伝説。
和と洋のコラボレーションによるシスティーナ歌舞伎第六弾です。

製作発表が行われました(2014年12月9日)



◆作・演出 水口 一夫
システィーナ歌舞伎の1回目から作・演出を担当しております。システィーナ礼拝堂(システィーナ・ホール)は、劇場機構としては何も無いので、やる度に難しい(と思う)空間でございます。システィーナ礼拝堂に舞台を作って、いちから舞台を作っていく公演です。今回公演する『ユリシーズ』は日本では珍しい英雄叙事詩ですので、壮大で長いスペクタクルのお話をどのようにあの空間で(表現)出来るか、非常に頭を悩ませております。演出面をどうするかによって本の内容も変わって来ると思いますので、色々考えている最中です。客席が舞台の周りを囲む、アリーナスタイルの舞台で、舞台に道具を飾ることが出来ないので、いかに空間だけを生かして芝居を作って行くか。それには出演者の皆様の高い演技力が要求されるお芝居になると思います。その点、愛之助さんや大和さんに期待をしております。頭の中にひらめいている発想としては、ノーベル賞・物理学賞を受賞したLED(発光ダイオード)を使おうと思っております。それ以外のことは、まだ全然できておりませんが、和と洋のコラボということも活かし、歌舞伎の“かぶく心”を大切に芝居を作っていきたいと思っております。





◆片岡 愛之助(2011年から参加、4回目の出演)
システィーナ歌舞伎に僕は3回目から参加させていただきまして、今回で4回目の出演になります。その回ごとに色々なことを勉強させていただきました。フラメンコやサンバなど、普段歌舞伎役者をやっているとそういうことを勉強する機会が無いので、ありがたく思っております。『ユリシーズ』は、まだ私も全くわかっておりませんが、元(の話)があって、そこから色々書いていこうと思っていらっしゃるみたいです。やはりシスティーナ歌舞伎の良いところは皆で知恵を出し合いながら作り上げて行く、手作り感満載の舞台になります。そして今回は大和悠河さんに出て頂きまして、歌舞伎、かぶく心を忘れず、今回ここで作った舞台を他(の劇場)にも持っていけるようなお芝居になるように作り上げていきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。





◆大和 悠河(元宝塚トップスター 今回初参加)
初めて出演させていただきます。まずはシスティーナ歌舞伎を上演する場所が礼拝堂の中の舞台だということで、素晴らしいところでやらせていただけるので、今から楽しみです。今回は、歌舞伎やテレビでも大活躍されている愛之助さんの相手役ということで、先程、待っている間に(作・演出の)水口さんから何度も何度も今度の役は宮中一の美女だと、プレッシャーをかけられたのですけれども(笑)、良いものを作れるように、愛之助さんと、皆様と頑張っていきたいと思います。宜しくお願いいたします。



―――愛之助さんは4回目の出演ということですが、システィーナ歌舞伎の魅力と
今回新しい挑戦があれば教えてください。


◆片岡 愛之助
システィーナ歌舞伎は、やはり舞台が特徴的です。アリーナスタイルで(舞台を取り囲む)
360度が客席ということで、どこを向いて芝居をすればいいのかと、最初は慣れませんでした。
片方ばかり向いているとお客様に背中ばかり向けることになってしまうので、非常に勉強になりました。
やはりシスティーナ歌舞伎でしか観られないのは、礼拝堂の中で勤めさせていただくので、
役者と礼拝堂の壁画が素晴らしく見渡せるというのが魅力的なところだと思います。
今回挑戦したいことは、やはり大和悠河さんに出演して頂きますので、
“大和悠河さんと一緒にダンスを踊る”ということを心に固く決めてきました(笑)!
あとは、きっと大和さんも歌ってくださると思いますし、僕もちょこっと歌いたいなとも
思っていますが、ご迷惑にならない程度に頑張りたいと思います。

―――歌舞伎というと男性だけしか舞台に上がれないというイメージがありますが、
女性を舞台に上げることについていかがお考えですか。


◆安孫子 正(松竹株式会社 取締役副社長)
歌舞伎は色々な歴史の中で、究極的には女性が舞台では演じられないという時代になってきて、
そこから男性だけでお芝居をし、芸術的なことも高められてずっときたわけです。
それはそれで一番大きな流れなのですが、やはり新しい演劇を創るという時に、
その形式とは別に、歌舞伎自体が持っている演劇様式だとか、自由な発想での芝居、
400年前の発祥が出雲阿国とされていますが、その阿国と呼ばれる女性を中心にしながら、
色々な集団ができて、かぶき踊りをしながら、それがだんだんまとまってきたものなので、
もう一度、最初の原点に戻って、自由な発想を元に劇を創って行ったらどうなるか、
新しい歌舞伎を創っていったらどうなるか、というようなことをシスティーナ歌舞伎でもやってまいりました。
それ以前にも愛之助さんが若い頃にやっていた平成若衆歌舞伎でも
宝塚歌劇の方に出ていただいたということもありました。ですから歌舞伎の発祥の頃の
時代の精神を取り戻してみたらどうかというところから始まったということです。
これが思いのほか、面白い結果を出していっているということは、
とても素晴らしいことだと思います。今回も、その精神を引き継いで継承していきたいと思います。

―――大和さん、歌舞伎の舞台に女性である大和さんが出演されることについて、
どのようにお考えですか。


◆大和 悠河
私はシスティーナ歌舞伎のお話をいただいた時に、歌舞伎と名がついているところに
女性が出ていいのかなと、嬉しい反面、「いいの?」と思ったんですね。
私も宝塚(歌劇団)で全員女性だけ、絶対に男性は入れないという世界でやっておりましたので、
歌舞伎に女性が出てもいいのかなと思っていたのですが、お話を伺っていると、
踊りにしても色々なものがあったりだとか和洋取り混ぜたことをやられているということで、
そういう新しいものに挑戦する歌舞伎に出させて頂けるということは本当に嬉しいことです。
歌舞伎というものがどんどん前へ進んでいるような、そんな中にご一緒させていただけるのは
嬉しいですし、何か新しいものができたらいいなと思います。

―――愛之助さんは普段は(男性が演じる)女形さんが相手ですが、
本当の女性を相手役ということで、心づかいなどあれば。


◆片岡 愛之助
普段男性を相手にお芝居をしておりますけれども、僕が女形だったらすごく困ると思うんですよね。
女形だと、やはり本物の女性には叶わないんです。まず首の細さが全然違うとか、顔の大きさが違うとか。
(自分は)立役なので、そういう意味では困ることはないと思うのですが、
どう扱って、どこを触って良いのか分からない。普段男性が相手なので、雑にバッとできるのですが(笑)、
どこに触っていいのかなっていうドキドキ感はありますね(笑)。
でもやっぱり、400年前は出雲阿国という人が始めたことであって、これはいわゆるレビュー的な、
お芝居をしていたわけではなく、踊りを踊っていました。そこからかぶいている人たちから
歌舞伎になったというのが、元々の元祖の形なので、
“かぶく魂”を忘れずにかぶき続けていきたいと思います。
みなさん、歌舞伎というと古典歌舞伎を思い浮かべる方が多いようなのですが、
色々な歌舞伎があるんですね。それを含めて歌舞伎な訳で、僕らは一番大切なことは伝統芸能ですから、
先輩から型を教わり、その型を後者へ渡して行くのは、絶対にしなくては行けない作業です。
そして、もう1つは新しい歌舞伎をどんどん創っていく。これも残していける作品を創るということに
意味があると思うので、そういうことに挑戦し続けていきたいと思っております。

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大塚国際美術館 システィーナ・ホール

第六回 システィーナ歌舞伎

百合若丸弓軍功

(ゆりわかまるゆみのいさおし)

ユリシーズ

 

作・演出:水口一夫

振付:藤間勘十郎

出演:片岡愛之助、大和悠河

 

日程:2015年2月20日(金)・21日(土)・22日(日)

時間:午前の部 11:00/午後の部 15:30

会場:大塚国際美術館 システィーナ・ホール

入場料(美術館入館料・観劇料込):

S席 12,000円 A席 10,000円

発売日:12月17日(水) 午前10 時より販売開始

 

http://www.o-museum.or.jp/

 

 

 
 

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あらかじめご了承下さい。

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