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尾上菊五郎さんが歌舞伎座2月公演 通し狂言「新書太閤記」への意気込みを語る 2016年02月

(2016年02月04日記載)

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歌舞伎座2月公演 『二月大歌舞伎』
尾上菊五郎さんが通し狂言「新書太閤記」への意気込みを語りました

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公演について(公演資料より)

w『新書太閤記』木下藤吉郎【撮影/加藤孝】
▲『新書太閤記』木下藤吉郎【撮影/加藤孝】


豊臣秀吉が天下統一するまでを描いた『新書太閤記』(しんしょたいこうき)は、
現在でもいまなお多くの人々に愛読されている名作、『鳴門秘帖』(なるとひじょう)、
『宮本武蔵』『三国志』などを執筆し、国民的歴史作家として親しまれている吉川英治の作品です。
この『新書太閤記』は、読売新聞に昭和14年から連載された後、昭和16年に刊行された動乱の中世に終止符を打ち、
新世紀を切り開いた豊臣秀吉の生涯を描いた規模雄大な出世物語です。この作品は、書籍にとどまらず、
歌舞伎、映画、テレビドラマにもなっています。

歌舞伎では、読売新聞連載中の昭和14年12月に歌舞伎座で吉川英治原作、金子洋文脚色『太閤記』藤吉郎編が
上演され、木下藤吉郎を当代尾上菊五郎の祖父にあたる六代目尾上菊五郎が演じています。
その後も六代目菊五郎は、翌年の昭和15年に「藤吉郎編」「藤吉郎の巻終編」「秀吉編」と3度上演しています。

そしてこの度、平成28年2月歌舞伎座にて、尾上菊五郎が初役で所縁ある木下藤吉郎に挑む注目の舞台です。
今回は新たに、今井豊茂脚本・演出により、天下人として上りつめるまでの秀吉の姿を新たに練り上げる舞台が
通し狂言『新書太閤記』として生まれ変わり、2月歌舞伎座の昼の部で上演されています。


場割 あらすじ

【場 割】
序 幕 第一場 長短槍試合
第二場 大手門馬場先
二幕目 第一場 清州城城下
第二場 浅野屋敷
三幕目 第一場 清州城普請場
第二場 清州城人夫小屋
第三場 元の普請場
第四場 清州城城壁
四幕目 第一場 竹中半兵衛草庵
第二場 栗原山山道
第三場 岐阜城書院
五幕目 第一場 叡山焼討
第二場 本能寺
第三場 中国大返し
第四場 中国陣門
大詰      清洲会議

【あらすじ】
尾張国清洲城主の織田信長に新参者として仕えている木下藤吉郎は、城攻めの槍の手配で采配をふるい、
信長に認められることとなります。同時に周囲の恨みも買いますが、つまらぬ見栄や体面にこだわることの
愚かさを訴えた藤吉郎に、闇討ちしようとする輩も心をうたれる有様。
  ある日、信長に弓衆として仕える浅野又右衛門は、前田利家が娘の寧子を嫁にしたいと望んでいると、
藤吉郎に相談を持ちかけます。当の寧子が承諾しないので利家の機嫌を損ねずに縁談を断りたいという又右衛門に対し、
万事任せるようにと告げる藤吉郎。実はかねてから寧子に心を寄せていた藤吉郎は、寧子も自らを想っていたことを知ると、
驚くべき方法で祝言へと漕ぎつけます。利家もまた、藤吉郎を思って祝言の席に藤吉郎の母を呼び寄せるのでした。
その後、藤吉郎は、清洲城城壁の普請場での活躍や、名軍師である竹中半兵衛説得などの数々の功により、
めきめきと頭角を現し、木下藤吉郎秀吉と名乗るようになります。やがて信長は、自らの天下をより確実なものとするため、
毛利攻めを決意し、その前に延暦寺の焼き討ち決行を命じますが、思いとどまるよう諫言した明智光秀に激怒し、
毛利攻めの総大将に秀吉を任命します。  
毛利方の高松城を攻めあぐねている秀吉のところへ、光秀が信長のいる本能寺に攻め込んだ報せが届き、
声をあげて嘆く秀吉。しかし、信長の時代は終わり、秀吉が信長に代わって天下人となる吉相の持ち主だと励まされた秀吉は、
幕下の将兵を数多従え、日の出とともに光秀の陣へと向かうのでした…。  
国民的人気作家であった吉川英治が描いた「新書太閤記」を舞台化した作品で、これまでたびたび上演されています。
今回は、初めて上演する場面を加え、秀吉の人間的魅力と天下人として上りつめるまでを、
脚色も新たにより大きなスケールでご覧いただきます。

尾上菊五郎さんが歌舞伎座2月公演 通し狂言「新書太閤記」への意気込みを語りました

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―――六世菊五郎さんがさんがおやりになった『新書太閤記』を上演しようと思ったのは、
どういった経緯からでしょうか。


祖父(六世菊五郎)の写真集に(秀吉役の)写真が残っていて、
それを見て、「ああ、やってるんだ、いつかやりたいな」と思っていました。

テレビや舞台でもやられていますが、柝の音も入れて、もっと歌舞伎風にやってみたいなと思ったんです。
六世が演じたのは私が生まれる3年前のことで、写真は残っていますが映像が残っている訳ではないので、
どのように演じたか知らないんです。

―――今回の上演はどのように?

昔、原作を読みましたし、いろんな形でやられているものを拝見してどこが面白いかを考えました。
脚本家と会い、「こういう場面とこういう場面をやりたい」と伝えて、
脚本が出来あがって来たのは最近のことなんです。
全編ほぼ出ずっぱりですし、セリフもとても多いので、
今、DAIGO君の流行りの言葉で言えば「KTO」。
困った、とっても、覚えられない(笑)。

―――本番に向けてこれから更に凝縮していくのですね。

芝居しながら考えてみて、これは無理なんじゃないかという部分が出てきたり、
ここはこうしたほうがいいんじゃないかという部分が出てきたり。
なかなか進まないものなんですが、少しずつ進めています・・・(笑)。

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―――秀吉はどういう人物だと捉えていますか?

魅力がある人。人たらし。信長のことがとても好きだったんだと思います。


―――菊五郎さんと秀吉は、重なるところがありますか?

私は頭の回転も遅いし秀吉のようにはいかないです。
かけ離れているからこそ、演じたくなるのでしょうね。
年齢を重ねるにつれて、その想いが強くなりました。

―――場割を見ると、秀吉の成り上がりの物語になるのでしょうか。

そうですね。秀吉の成り上がり物語として、いろんな難事件を超えていく、
発想の豊かさ、機転のきくところなどを出していきたいです。
舞台でどういうことをやったら面白いかを考えました。

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―――秀吉のあだ名が“サル”ですが、(菊五郎さんが勤めるということは)いい男が演じるのですね?(笑)

歌舞伎だと結構いい男で出てくることが多いんですよね。だから機転のきく感じや、
動作などで「ただの侍ではない」という部分で “さる” と言われたんじゃないかなと。
ポスターの写真はちょっときれいすぎるので(笑)、本番はもう少し変わるのではないかなと思います。
昭和14年の頃の舞台写真も参考にしながら、衣裳も歌舞伎風な感じでいきたいなと思います。

―――吉川英治さんの原作を読んだのはいつ頃のことですか?

20歳頃だと思います。時代物に興味があって読んだというだけで、
その頃から舞台にしたいなと思っていた訳ではないです。

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―――吉川英治さんの書く作品を歌舞伎にしたいと思った理由は?

六世が居たら分かるんでしょうけどね。
私は祖父が演じたから私も絶対にやりたいと思う気持ちが強かったんです。
今回は原作にない部分も付け足して、オチが付くように作品にしたという形です。
ただ、信長の心が変わるだけではつまらないから、
(信長の正室の)濃姫が出てきて信長をいさめるようにして“留め女”の感じですかね。

菊五郎劇団はこれまでも、いくつも新しい物に挑戦させていただいたので、
今回は「太閤記」を題材にしようかという話になりました。

―――戦国時代ものは面白いなとお感じになりますか?

明治時代くらい最近のお話しだと嘘を付けないけれど、
ここまでさかのぼるとある程度創作も出来るので、
芝居が面白く出来るのだと思います。

 

歌舞伎座2月公演 『二月大歌舞伎』

 

日程:2016年2月2日(火)~2月26日(金)

会場:歌舞伎座

 

http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/467

 

 

 
 

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