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新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』坂東巳之助、中村隼人 囲み取材 2018年08月

(2018年08月04日記載)

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新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』坂東巳之助、中村隼人 囲み取材

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(左から)中村隼人、坂東巳之助

公演内容(リリースより)

『NARUTO-ナルト-』とは
忍者の里である“木ノ葉隠れの里”に育った落ちこぼれ忍者・うずまきナルトの成長を描いたバトルアクション物語。
様々な伝承などに材を得た独自の世界観で、日本のみならず海外にも多くのファンを持っています。
国内ではシリーズ累計1億4千万部、また40以上の国と地域で流通。
海外でのコミックス累計発行部数は9500万部以上を誇ります。
今作では、ライバル“うちはサスケ”との友情や、ナルトに秘められた父母の慈愛などを描き、
共感・感動できる新作歌舞伎として上演いたします。
歌舞伎独自の演出方法と最新映像の融合など、新感覚の歌舞伎として新たな境地を開拓します!

坂東巳之助 X 中村隼人の競演! 市川猿之助・片岡愛之助が最強の敵に!
うずまきナルトとうちはサスケを勤めるのは坂東巳之助と中村隼人。
古典歌舞伎のみならず、人気舞台・スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」(2015,16年初演、17,18年再演)での
活躍が注目されるこの二人に加え、世界を揺るがす強大な敵として、
ナルトとサスケの前に立ちはだかる“うちはマダラ”を、
市川猿之助と片岡愛之助が交互に演じるという類を見ない豪華キャストが実現します!

G2の脚本・演出! 和楽器バンドによる楽曲提供!
脚本・演出は、数々の話題作を手掛け、新作歌舞伎『東雲烏恋真似琴』で大谷竹次郎奨励賞を受賞し、
『嵐が丘』や『ガラスの仮面』の舞台化など、上演が難しい長編作品をその巧みな構成と
演出力により成功させたG2。また、今回和楽器とロックバンドを融合させた
新感覚ロックエンタテインメントバンド「和楽器バンド」の楽曲提供が決定しました。
新作歌舞伎『NARUTO-ナルト-』が織りなす世界との化学反応に御期待下さい。

物語

かつて忍五大国の一つである火の国に、謎の仮面の男が操る九尾(きゅうび)という
巨大な狐の化け物が現れ、国に禍をもたらした。
国を守る忍びの里である木ノ葉隠れの里長、四代目火影とその妻は、
自らの命と引き換えに九尾の化け物を幼い息子の腹中に封印した。
その息子の名前はうずまきナルト(坂東巳之助)。
十数年後、ナルトは忍者養成学校であるアカデミーに通い、
一人前の忍者を目指していたが問題児の落ちこぼれだった。
また里を襲った九尾が封印されていることで周囲の人々から嫌われていたこともあり、
幼い頃からいつも孤独だった。さまざまな試練を乗り越えてアカデミーを卒業したナルトは、
うちはサスケ(中村隼人)、春野サクラ(中村梅丸)とともに、
はたけカカシ(嘉島典俊)率いる第七班に配属され、
木ノ葉隠れの里の忍者として任務を遂行することになる。
ナルトは里の皆から認められる存在になることを目指して努力していたが、
常に自分より先を行くサスケに対してライバル心を持っていた。
だが同時に、サスケがもつ影に対してどこか共感するような思いも持っており、友情を感じていた。
一方、サスケは、幼い頃に両親を含む一族全員が実の兄、
うちはイタチ(市瀬秀和)の手によって殺されるという暗い過去を持っていた。
サスケは他人に心を閉ざし、里を抜けた兄を自分の手で殺すことをただ一つの目標とし、
誰よりも強くなろうとしているのだった。
ナルトたちは数々の試練に立ち向かい、やがてナルトの師匠となる自来也(市川猿弥)、
五代目として火影を継ぐことになる綱手(市川笑也)との出会い、
抜け忍として木の葉隠れを狙う大蛇丸(市川笑三郎)との争いを経て、
世界を揺るがす強大な敵、うちはマダラ(市川猿之助、片岡愛之助)を倒すために
ナルトの戦いが始まるのだった。

キャスト

うずまきナルト/波風ミナト 坂東 巳之助
うちはサスケ 中村 隼人
綱手 市川 笑也
大蛇丸/うずまきクシナ  市川 笑三郎
春野サクラ 中村 梅丸
うたたねコハル 市川 段之
猿飛ヒルゼン 市川 猿四郎
シズネ 中村 梅乃
干柿鬼鮫 安田 桃太郎
薬師カブト 澤村 國矢
水戸門ホムラ 市川 欣弥
うちはイタチ 市瀬 秀和
はたけカカシ 嘉島 典俊
自来也 市川 猿弥
うちはマダラ 市川 猿之助(交互出演)
うちはマダラ 片岡 愛之助(交互出演)

舞台稽古前に囲み取材が行われました。(2018年8月3日)

―――完成度の高いビジュアルですね。

◆中村 隼人
ありがとうございます。今回は歌舞伎でやるということで、
衣裳も帯は歌舞伎でも使われる縄を使ったりしているので、
マンガとはちょっと違った魅力が出たかなと思いますね。

―――中村さんは、コンタクトレンズが入っていますね。

◆中村 隼人
入っています。僕は(普段)裸眼で、(コンタクトレンズを入れたのが初めてで)
最初が、この写輪眼(役の術の1つ)だったんです。世の中のコンタクトレンズユーザーを尊敬しました。

◆坂東巳之助
もっと俺を尊敬しろ〜(笑)。
僕は視力矯正のためのコンタクトレンズが入っています。

◆中村 隼人
全部の場面でつけるわけではないのですが、
マンガにもあるシーンを舞台で再現しているので、役作りの中でも印象的なところとして、
自分もいち『NARUTO』ファンとして、やりたいと思う部分でつけてみようと思いました。

―――『NARUTO』は世界的にも有名なマンガですよね。

◆坂東巳之助
今回は全72巻という長大な原作の中から、どこをやるということではなく、
完結させるということを最初の目標と掲げて始まりました。
最初のうちはそれが制約として働いていたところもありましたが、やっていくうちに
この限られた時間の中で、ここをやらねばなるまいと選りすぐってきたので、
冗談抜きでノンストップで進んでいく、全場面が見どころな舞台になったと思います。

―――アクションシーンも見どころということですが。

◆中村 隼人
普段、歌舞伎でやる立廻りももちろんあるのですが、もっと早いテンポのものもあるので、
今回はアクション部さんが何人も入ってくださっています。
その方たちと一緒にナルト、サスケは立廻りをするわけですが、
歌舞伎には無いようなアクション場面もあります。

―――特別な訓練はしましたか?

◆中村 隼人
僕ら歌舞伎俳優は、1つ1つの型で立廻りを見せるのですが、
アクション部の人たちは型を見せる中でもリアルさがあったりするので、
歌舞伎役者の動作で刀を振る度に足を引くところも、逆に前に出すという細かい部分があります。
無意識にやると間違えてしまうので、そういうところの矯正が難しいけれど、
見どころの1つになるのではないかなと思います。

―――アクションで苦労しているところはありますか?

◆坂東巳之助
ケガをしないようにということが第一ですが、アクションシーンがなぜ見どころなのかというと、
原作の『NARUTO』はバトルマンガなんです。バトルマンガとは、ただバトルをしているのではなくて、
物語の進行にバトルが伴うということ。つまり戦いをすることによって、色々なキャラクター同士が、
気持ちを交換しあったり、物語が進んでいくというのがバトルマンガだと思います。
舞台化するにあたって、ただ単にアクションシーンや立廻りということではなくて物語の進行上、
不可欠な場面である。つまり立廻りも芝居の流れの中の1つであるということが、
すごく大きくなっている作品なので、そういう意味でも見どころがアクションシーンで
あるということが言えると思います。

―――原作ファンに応えようという気持ちは。

◆坂東巳之助
もちろん原作ファンの方にも喜んでいただきたいという思いは、
我々二人も『NARUTO』を好きで読んでいた身ですから、自分たちもがっかりしたくないですし、
自分たちと同じようにナルトとサスケを見て育ってきた世代の人たちもそうですし、
今『NARUTO』が好きな子供たちもそうです。がっかりしてもらたくないという思いはもちろんあります。

―――ここを気をつけたという部分はありますか?

◆中村 隼人
カカシ先生(嘉島典俊さん)の息子さんが観に来て、いま8歳くらいなのですが、
アニメ『NARUTO』の子ども時代を知らないんですよ。
だから「前の(子供の頃の)シーンが追加されていた」と思ったみたい。
本当は子供のころから描かれて大人になっていくという流れの作品なのですが、
いまの小さい子供たちは大人になったナルト、サスケしか知らないんですよね。
でも、そういう方にもわかりやすくできていると思うし、72巻を全部やるにあたって、
色々な用語ばかり入れていると筋を追うだけになってしまうので、
そうならないためにも省くところは省いて、残すところは残してということを
演出家のG2さんと巳之助兄さんと三人で色々話をして、情報をやり取りして作ったので、
マンガを知らない人でも楽しめる作品になっているんじゃないかと思います。

―――G2さんの演出はどうですか?

◆中村 隼人
(G2さん)ご自身でもおっしゃっているのですが細かいなと(笑)。
でも僕ら歌舞伎役者は演出家さんがいる舞台は、なかなか無いですね。
古典歌舞伎では、主役の方が演出をされるので、
そういった事細かに見てくださるのは、ちょっと心強くもあります。

◆坂東巳之助
僕はG2さんとは二度目で、前は21歳くらいの時に歌舞伎ではない主演の舞台でご一緒させていただいたのですが、
相変わらずG2節みたいなものもあったりします(笑)。
今回は新作歌舞伎ということで「歌舞伎を作りたい」という思いがあったので、
そのあたり我々で協力できることはさせていただきながら作っていきました。
殺陣師の諸鍛冶裕太さんがつけてくださったアクションの手(動き)に対して、
物語としてこういう風に見せたいとか、このキャラクターだったら、こういう風に攻撃したいとか、
お芝居、キャラクター、役柄というのを考えて、アクションシーンもご覧になっているんだなと思ったので、
そういうところは心強かったですね。

―――ロックテイストな感じもありますね。

◆中村 隼人
そうですね。今回は「和楽器バンド」さんが色々な形で楽曲を提供してくださったので、
歌舞伎の和のテイストの中にロックが混ざるというのが、新しいんじゃないかなと。
あと書き下ろし曲を一曲くださったので、それが本当に歌詞もそうですが、
舞台のエンディングにはまるんじゃないなかと思っております。
お客様が入らないとわからないことも多いのですが、一回通し稽古をして期待値が上がりました。

―――市川猿之助さんと片岡愛之助さんも出演されますが、お二人の違いは。

◆坂東巳之助
お二人の個性も強く出ていますし、別人が演じていることで色が違うということもありますが、
お二人それぞれこだわりポイントが違いまして、立廻りの手や演出といった部分も違うところも細々とありますので、
お客様にはどちらもバージョンもご覧いただきたきと思います。

◆中村 隼人
稽古をしていて面白いと思ったのが、お兄さんたちが同じセリフを言っているのに
場面によってガラッと雰囲気が変わるんですよ。だから二回以上観に来てください。

―――忍者の役ですが、忍者になったらやってみたいことはありますか?

◆坂東巳之助
ナルトの影分身の特徴的なところは、分身が元に戻ると、分身が経験したことが自分に還元されることですね。

◆中村 隼人
それいいですよね!

◆坂東巳之助
1000人に分身して1時間修行したら1000時間修行したことになるというシステムですから。

◆中村 隼人
そういう設定があるんですよ、物語の中に。

◆坂東巳之助
これは羨ましいですね。

―――『NARUTO』と『ワンピース』は歴史的にも二大大作ですが、舞台として『ワンピース』を経た上での
『NARUTO』は、ライバルのような関係で存在したりするものですか?


◆坂東巳之助
もちろん、そういう風に観るお客様も多いと思いますし、そういった側面もあると思いますが、
ご覧いただけばわかると思いますが、全然違う作風の舞台になっていますが、
極端に言うと、原作のマンガの違いが『ワンピース』が陽だとすると、『NARUTO』が少し陰の部分がある作品なので、
スーパー歌舞伎セカンドの『ワンピース』みたいな、みんなで一緒に盛り上がろう!わ〜というような
盛り上がり方をする作品とは少し違った、スピード感のある中で、
じっくりと物語や舞台の濃密な時間を楽しんでいただく作品に『NARUTO』は仕上がったと思いますので、
全く違うものとして観ていただけると嬉しいなと思います。

―――最後に意気込みを。

◆坂東巳之助
始まったら終わるまですべてが見どころのスピーディーかつ濃密な作品になっております。
『NARUTO』をご存知の方、知らない方にも楽しんでいただけるというのを目標に我々は今日まで作ってきました。
それが実を結んでいると思っております。ぜひ新橋演舞場に足をお運びくださいますよう、
よろしくお願い申し上げます。

◆中村 隼人
8月24日まで、外は暑いですが、舞台では水とか流れて結構涼しいシーンもありますから、
どうぞよろしくお願いいたします。





 

 

新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』

 

岸本斉史 原作

G2 脚本・演出

 

日程:平成30年8月4日(土)~27日(月)

会場:新橋演舞場

 

https://naruto-kabuki.com

 

 

 

 
 

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