情報紙から飛び出した 演劇系エンタメ サイト
Copyright Since1999 情報紙ターミナル
Copyright Since2010 株式会社ERIZUN

ミュージカル『いつか~one fine day』藤岡正明さん、荒田至法さんインタビュー 2019年03月

(2019年03月22日記載)

『エンタメ ターミナル』では舞台を中心としたエンターテインメント関連情報をWEB記事として発信しています。
掲載内容は、掲載日付のものとなりますので、最新情報は各自ご確認ください。

※ 記事・写真等の無断使用・無断転載は禁止しています。なお、リンクはフリーです。

 
この記事おススメ!って思った方は   をクリック!(5 人がクリック)
Loading...

ミュージカル『いつか~one fine day』
藤岡正明さん、荒田至法さんインタビュー

イントロダクション

コンスタントに人間ドラマを描き続ける韓国の映画監督イ・ユンギの2017年最新作を原作に、
ストレート・プレイ、ミュージカルのフィールドで説得力ある作品提供をし続ける
板垣恭一(脚本・作詞・演出)と映像から舞台まで活躍の幅を拡げている
新鋭・桑原まこ(作曲・音楽監督)のコンビでミュージカル化!

あらすじ

保険調査員のテル(藤岡正明)は後輩・タマキ(内海啓貴)の担当だった仕事を
引き継ぐよう新任の上司・クサナギ(小林タカ鹿)から命じられる。
それは交通事故で植物状態の女性・エミ(皆本麻帆)の事故の原因を調べるというもの。
しかし、エミの代理人・マドカ(佃井皆美)と友人・トモヒコ(荒田至法)は調査に非協力的で敵対。
仕事が進まないなか、病死した妻・マキ(入来茉里)のことをまだ整理できずにいる
テルに声をかけてきたのは、意識がないはずのエミだった。
俄かには信じがたいと思いながらも自分にしか見えないエミと交流を重ねるうちに、
事故の陰に幼い頃にエミを捨てた消息不明の母親・サオリ(和田清香)の存在が浮かび上がってくる。

藤岡正明さん、荒田至法さんインタビュー(2019年3月17日 取材・撮影・文:栗原晶子 )


2019年4月11日から21日までシアタートラムで上演される
オリジナルミュージカル『いつか~one fine day』に出演される
藤岡正明さんと荒田至法さんに、役柄や作品についてお話を伺いました。
キーワードは「挑戦」。
今作を手がけるキャストとスタッフが挑むものとは?

―――『いつか~one fine day』でのお二人の役柄についてご紹介ください。 


◆藤岡 正明
夏目テルという男を演じます。彼は奥さんを亡くしていて、その傷を抱えたまま仕事復帰をし、
奇妙な出来事に遭遇します。そして皆本麻帆さん演じる樋口エミという女性と出会います。
彼はどこにでもいる普通の人、そして何かを失っている人です。
人間誰しもが何かを失って生きていると思うんです。
特別な才能に秀でた人物ではない、保険調査員という職業の夏目テルは、
出来てしまった傷、隙間を抱えて必死にもがいている男です。

◆荒田 至法
田亀トモヒコを演じます。彼はヒロイン・エミの友人でゲイ。
思ったことをストレートに伝えるオープンな性格です。
伝えることって難しいけど、思ったら言う、感じたらそうする、
それによって痛みを伴うこともあるけど、恐れず進んでいくタイプだと思っています。
彼についてはまだまだ探っている最中でもあります。

―――原作は韓国で大ヒットした映画『One Day』です。
お二人はご覧になりましたか。


◆藤岡 正明
僕は作品のお話をいただいた段階で見ました。
ただ(脚本・作詞)演出の板垣(恭一)さんからは敢えて見る必要はないよと言われていたので、
出演者の中にも見ている人、見ていない人がいると思います。

◆荒田 至法
僕は見てないですね。作品の世界観やたどり着く場所は脚本を読めばわかるだろうと思って。
ましてや僕の役は原作には登場しない、この『いつか~one fine day』のために書いていただいた役。
だから、自分の中でもがいて作っていこうと思い、原作は敢えて見ないでいます。

◆藤岡 正明
最初に見た印象は画の描写が美しい、韓国映画らしい作品だなと。
正直言うと見ている最中はしっくり来なかったんです。
でも物語のラストまで見た時に、自分の中で読み解けなかった、受け取れていなかった何かがある気がして、
後日改めて見直しました。そこで見えてきたものはとても奥が深くて、いやぁ、自分はまだまだ浅かったなと。
演出の板垣さんも仰っていますが、この作品は社会派な作品だと感じています。

―――今作は脚本・作詞・演出を板垣恭一さんが手掛けられるオリジナルミュージカルですが、
新作への思いについてお聞かせください。


◆藤岡 正明
シアタートラムという劇場でこの作品がミュージカルとして上演されるってどんな感じかな、
あのシーンはどう表現されるのかなと想像がつかなくて、それが面白そうという好奇心につながりました。
稽古中の今は、板垣さんの頭の中が少しずつ具現化している状態です。
オリジナルミュージカルって「挑戦」なんだと思います。
(確実に集客できるという意味で)石橋を叩いて渡るようなミュージカル上演が多い中で、
これをオリジナルとして世に出すという使命感を持って進んでいるプロジェクトであることに感銘を受けています。
だからこそお客様には作品を観て、その「挑戦」の証人になっていただきたいと思っています。

◆荒田 至法
僕はこの作品へ参加させていただくこと自体が「挑戦」ですが、
確かにこの作品は、革命も起こらなければ、舞台はフランスやイギリスでもなく、日本のある日常です。
だって保険調査員が主役のミュージカルってないですよね。
身の回りにいるかもしれない人たちが登場するこの作品を観て、お客様がどう感じるんだろう、
何を持って帰っていただけるんだろう…やっぱり「挑戦」ですね。

◆藤岡 正明
日常には、テルやこの物語の登場人物たちのようにさまざまな痛みを抱えている人が、
それこそ今、街を歩いている人の中にもいるかもしれない。
この作品はそういう誰かに寄り添える応援のストーリーだと思っています。
「わかるよ、そういうもんだよね」って寄り添えるような。

◆荒田 至法
テルとエミが描く本編のストーリーはもちろんあるけれど、登場人物8人が8人なりの悩みを抱えながら、
生き抜いていくところも見どころ。それが「いつか」につながっていきます。

―――曲について、聴きどころ、歌いどころはありますか?

◆藤岡 正明
実はこのお話をいただいた時、曲はまだなかったんです。
それって結構不安じゃないですか。ミュージカルなのに曲、聴けないんですから(笑)。
今回、作曲・音楽監督の桑原まこさんとは初めてお仕事させていただくのですが、
1曲目の頭のピアノが始まった瞬間に「あ、これは大丈夫、絶対いい作品になる」って確信しました。
曲って質感、持っている空気なんです。
この『いつか~one fine day』という作品のすごく繊細な部分、
心の弱くてやわらかい部分が表現されているので、この曲を聴いて欲しいということではなく、
この世界に浸ってください、そんな気持ちでいます。

◆荒田 至法
脚本を読んで見えなかった世界や背景が、音楽を聴いたときにサッと入ってきたのを僕も感じました。
曲のことで言えば、僕が演じるトモヒコはストリートミュージシャンで、テルとの出会いのシーンとか、
場面場面で自分の作った曲として歌います。その曲のレベルも作品の中で成長していくのだと聞いて、
難しいけど面白いなって。

―――お二人は共演経験もあってプライベートでも仲がいいと伺いましたが、
お互いのことを紹介しあっていただけますか?


◆荒田 至法
めちゃめちゃ面倒見のいいお兄ちゃんで、僕が迷ってる時はケツ叩いてもくれるし、アドバイスもしてくれます。
で、そういう真面目な姿を見せたと思ったらいきなり「筋トレしようぜ」って言ったり、
台本覚える時は、次の台詞を手で押さえて隠しながらブツブツ繰り返すような(笑)、
そういう子どもっぽいところもあったりしますね。
そうだ、今月で『ちぬの誓い』(二人が初共演したミュージカル)から丸5年。
僕たち5年の付き合いってことになるんです。

◆藤岡 正明
へぇーっ、5年か!

◆荒田 至法
一番最初の印象は「歌うまっ!」でした。
ふらーっと入ってきた藤岡さんが歌い始めたらもう、べらぼうに上手くて衝撃でした。
当時の録音、まだ残ってますよ。

◆藤岡 正明
マジか!? やめてくれー。至法はね、ベイマックスみたいな感じです。

◆荒田 至法
え?あのフワフワのマシュマロみたいなやつ?

◆藤岡 正明
そう、ロボットなんですけどね、融和する感じっていうのかな。場を和ませるものを持ってるというか。
人懐っこいんだけど、能動的ではなくて受動的なの。一家に一台置いておくと和むぞっていう感じ。
絶対抱きたくないけど抱き枕みたいな。

◆荒田 至法
(爆笑!!!)抱かなくていいわっ!

◆藤岡 正明
ひょうひょうとしているところもあって、悩んでいることも表に出にくいタイプなんですよね。
それで損していることがあるかもしれないけど、個人的にはそういうヤツの方が好きなんです。
稽古場で頑張ってる感出し過ぎてる人、僕、得意じゃなくて(笑)。
腹の中でいろいろ抱えてるのに、歯食いしばってそれ出さないようにしてるヤツとか、
それがちょっと垣間見えた瞬間にね、可愛いなって思ったりしますよ。

◆荒田 至法
なんか汗かいてきました。

◆藤岡 正明
彼はね、今はまだ鈍感なところがあるんですよ。
それは緊張もあって表現の出し方、受け取り方がうまくわからないという意味のね。
その感覚、アンテナが敏感になった瞬間、彼は化けると思いますね。
演出の板垣さんがおっしゃっているんですが、これは群像劇で、
個々の感情の線をお客様につかんでもらえる作品だと思うので、
至法が臆病になったり小さく凝り固まるのはもったいない。
だからこそ、これからもお互いに信頼して作りあげていきたいですね。

◆荒田 至法
藤岡さんからもらう言葉がいつもありがたくて、なんかここ3日くらい熱いです(照)。

―――公式HPではこの作品のPVが公開されていますね。

◆藤岡 正明
撮影時は皆、ほぼ初めましてだったので、緊張というかまだよそよそしかったですね。
この段階では脚本はまだなくて、あらすじだけを聞いていた状態でした。
どこにでもある日常の風景なんだけど「自分が一人になっている瞬間」を切り取っています。

◆荒田 至法
僕の場合はカセットテープがキーになるということで、人生で初めてカセットレコーダーってものを操作しました。
藤岡さんと(夏目マキ役の)入来さんに使い方を教わりました。
このボタンを押してしゃべれば録音できるんだよって。テープにはその時の声、入ってると思います(笑)。

◆藤岡 正明
PVの各々のシーンが、舞台のシーンにつながってますので、ぜひ、何度もリプレイして観てください。

―――では最後にお客様へのメッセージをお願いいたします。

◆荒田 至法
今、この時代に生きている人たちが、今、この時代に生きている人たちのために作った
ミュージカルだと自信を持って言える作品になると思うので、
ぜひ皆さんに受け取っていただければと思います。

◆藤岡 正明
今回の公演では、聴覚障害者の方向けの字幕対応という取り組みがあります。これも「挑戦」だなと思っています。
この作品をご覧いただき、こうした取り組みにも触れ、皆さんで共有していただきたいと思っています。
そのためにも僕らは使命感を持ってご覧いただく方にすばらしいと感じていただける作品を届けます。

 

 

『いつか~one fine day』

 

会期:2019年4月11日(木)~21日(日)

会場:シアタートラム(三軒茶屋駅)

原作:映画『One Day』

脚本・作詞・演出:板垣恭一

作曲・音楽監督:桑原まこ

 

公式サイト

 

 

 
 

情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。

[ PR ]