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『Living Room MUSICAL まさこの部屋』演出の岡本寛子さんと十輝いりすさんインタビュー 2019年07月

(2019年07月12日記載)

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『Living Room MUSICAL まさこの部屋』
演出の岡本寛子さんと十輝いりすさんインタビュー


(左から十輝いりすさん、岡本寛子さん)

関連記事→『Living Room MUSICAL スターのいるレストラン番外編 まさこの部屋☆初回SP.』観劇レポート

インタビューについて

5月27日、28日に、渋谷プライム5階にある「eplus LIVING ROOM CAFE & DINING」で開催された
『Living Room MUSICAL スターのいるレストラン番外編 まさこの部屋☆初回SP
〜やっぱりNICEなGUYS&ドールズ!ここはヴェローナではなく渋谷〜』。
この公演の演出をされた岡本寛子さんと出演された「まさこ」こと十輝いりすさんにお話をお聞きしました。

岡本寛子さん、十輝いりすさんインタビュー
(2019年6月27日 撮影:伊藤華織/取材・文:住川禾乙里)


ーーー『Living Room MUSICAL』を始めたきっかけは?

◆岡本寛子
エンターテインメント(以下、エンタメ)は、もっと身近でもいいんじゃないかなと思っていたんです。
もちろん高いチケットを買って劇場に行って楽しむというのが悪いという意味ではなく、
もうちょっと身近に歌ったり踊ったり、楽しい気持ちになれるエンタメがあって、
ここに行けば楽しい!と思える“シアターレストラン”のような場所を作りたいと思いました。
知り合いの技術の方に私の要望を伝えたら「岡本さんのやりたいことを盛り込むと、
少なく見積もって6億円」って(笑)。さすがにそれは難しいので、どうしようかと考えているころに、
株式会社イープラス会長の橋本行秀さんとのご縁ができました。
若手アーティストが気軽に自分のパフォーマンスを披露できる場所を作りたいという思いで
eplus LIVING ROOM CAFE & DINING(以下、リビングルームカフェ)を渋谷で始められて、
いろいろな新しい試みを積極的にやっていらした。
そんな時に、私の弟・岡本悠紀のライブをリビングルームカフェでやらせていただき、
抽選会や、お客様にミカンを配ったりしたんです。そしたら、イープラスの担当者さんが
興味を持ってくださり「何かやってみませんか?」と、お声かけくださりスタートしたのが
『Living Room MUSICAL』のはじまりです。
最近は、物語や作品を通して“愛”や“勇気”を伝えたいというものがたくさんありますが、
直接伝えてもいいんじゃないかな?と思っています。
大きい劇場だと、作品の意図や制作会社など、たくさんの人の意向が入ったりして、
出演者が持ってるすごく純粋な魅力をストレートでぶつけるということが叶わない場合もあると思うんです。
もちろん、その素晴らしさもあるのですが…。それなら、私が演出をすれば、私しかいないから
コンパクトにみんな好きな事ができるんじゃないかと思ったんです(笑)。

◆十輝いりす
すごいですね〜、それで10回目だもの。

◆岡本寛子
次の回で10回目を迎えます。先日、公演を観に行った時に「我々も16年目で12回目の公演です」
と言っているのを聞いて、この『Living Room MUSICAL』は1年間で10回…。
必死すぎて気付きませんでしたがお陰様でハイペースで実施させて頂いています。
キャストのオファーは、急に依頼することも多いので、「そのタイミングは埋まっています」と
言われて断念することもあるけれど、「調整して出ます」と言っていただけた時は、本当に奇跡だと思っています。

◆十輝いりす
ご縁ですね。

◆岡本寛子
“その時に揃うメンバーで最大限のできることを”という思いでやっています。
私は過去に宝塚歌劇団の演出部で仕事をしていたこともあって、宝塚OGの方に出演していただく機会が多いのですが、
それまでも夢咲ねねさんや大月さゆさん、蒼乃夕妃さん、月央和沙さんにも出演していただきました。
昨年10月に悠未ひろさんが出演してくださる時に、「まさこ(十輝いりすさん)いいんじゃない?」と仰ってくださって。
その時、まさこさんは芸能活動しているのかも分からなかったのですが、私は(十輝さんが所属していたことのある組の)
宙組の仕事をする機会が多かったので、すごく印象に残っている生徒さんの一人でした。
その後、いろいろと調べたらピラティスの先生をしていらっしゃることを知って。

◆十輝いりす
その時、関西に住んでいて引越しをしようかな?と思っているころでした。

◆岡本寛子
そこで、ご連絡をしました。すごくカッコよくて背も高いし、歌もお上手な印象でした。
でも現役中は、全然喋った事が無かったんですよね。

◆十輝いりす
私もそんなに喋るタイプじゃないから、廊下ですれ違っても挨拶するくらいでした。



◆岡本寛子
そこで「このような企画を考えているのですが」とご連絡をしたら、案の定…。

◆十輝いりす
ちょっと引き気味(笑)。

◆岡本寛子
すごく怪しまれました(笑)。

◆十輝いりす
退団後、芸能活動をしてなかったし、どういう感じなのだろう?と思って。
とりあえず、お話だけ聞いてみようとリビングルームカフェでお会いしたんですよね。

◆岡本寛子
説明をして「いかがでしょうか?」と言ったら、
まさこさん「私、歌の人じゃないので歌わないけどいいですか?」って(笑)。

◆十輝いりす
歌は下手なんですけどって。

◆岡本寛子
計算外だったので「えっ!?」となりました(笑)。
でも、まさこさんが参加してくることで、おもしろくなる予感がしたので、
歌が駄目なら喋りませんか?とご提案して誕生したのが“まさこの部屋”でした。

◆十輝いりす
渋々(笑)。

◆岡本寛子
まさこさんは本当に人望が厚くて、「まさこさんが出る公演なら」と言って出てくださる方もいらっしゃいました。
宝塚出身の男役だった方に「カフスを直してください」「ネクタイを緩めてください」というと
自然にカッコイイ仕草ができる。それだけの経験と技術は素晴らしいことだと思うんです。
退団をしたことで、もう観られないなと思っていた光景や在団当時は叶わなかった組み合わせなどを
ギュッと詰め込んだのが“まさこの部屋”。やっぱり佇まいがカッコイイし、おしゃれ。
今、この瞬間にもやってください!といったら〜(と十輝さんに振る)。

◆十輝いりす
やりませんよ(笑)。私も20年くらい宝塚に在籍していたので、それこそバリバリの男役には未練はありません。
だからと言って急に“○○よ~”と女性らしい役というのもできない。どうしようかな~と思っていたときに
ロンロン(岡本さんの愛称)からお話しいただきました。「バリバリの宝塚男役のようにはしないし、
新しいオシャレな感じにしたい」とおっしゃっていたので、それならやってみたい!と思えました。
歌は歌いたくないけど(笑)。仲が良かった人と出るのも嬉しかったし、すごく楽しい幸せな時間でした。

―――先日は北翔海莉さん、大空ゆうひさんという豪華なゲストを迎えての
『Living Room MUSICAL スターのいるレストラン番外編 まさこの部屋☆初回SP』でしたが、
実際にタイトルロールを背負ってやってみていかがでしたか?


◆十輝いりす
いい意味で“がんばろう”という気負いは無かったですね。でも、まわりが仲のいいメンバーだったし、
付き合いの長い方々だったので甘えてしまいました。

◆岡本寛子
皆さん、まさこさんのことをよくご存知なので、いい意味でまさこさんのMCとしての役割を誰も期待してなかった(笑)。

◆十輝いりす
みんなが「あの話をしよう」と段取りを考えてくれて、それに乗って頷いていました(笑)。

◆岡本寛子
大空ゆうひさんも、まさこさんのことが大好きで、最初はご負担にならないように15分くらいってお伝えしていたら
「2時間でも3時間でも、ま~ちゃん(十輝さん)と皆と一緒だったら喋れるよ」って仰ってくださいました(笑)。

◆十輝いりす
本当に楽しかった!宝塚時代にメンバーと同じステージに立っていたのが7~8年前。
楽しかったという記憶しかないのですが、喋っているうちに、だんだんいろいろなことを思い出してきて盛り上がりました。

◆岡本寛子
やはり、すごく濃厚な時間を過ごしきている仲間なので、すぐにその空気感に戻れるのは素敵だなと思いました。
他の組や同期の回など、ぜひ続けてゆきたいです。

―――6月には構成・演出が岡本さんで『十輝いりす サロンコンサート』も開催されましたね。

◆十輝いりす
宝塚の時は“歌うのは難しいし怖い”と、勝手に自分にプレッシャーをかけていたのですが、
今はそうではなく、自分の歌いたい歌を、歌いたくて歌うという感じで、
のびのびと楽しめるようになってきました。ロンロンに励ましてもらってね。

◆岡本寛子
やっぱりいい声をしているし、とても情緒がある歌を歌われるので、もっと自信持ってください!と言っても、
最初は全然信じてくれなかったんですよ(笑)。

◆十輝いりす
褒められ慣れてないから、いまだに本当に〜?と疑っています(笑)。

―――そして7月には第10回目となる『Living Room MUSICAL』が開催されますね!

◆十輝いりす
元トップスターの彩輝なおさんがご出演されます!

◆岡本寛子
そして初回から最多出演してくれているエース青野紗穂さん、10月大活躍してくださった悠未ひろさん、
加藤潤一さん、妃白ゆあさん、岡本悠紀が先日舞台で共演させて頂いた橋本真一さん、
雷太さんも初出演頂きます!もちろん、まさこさんも!今回も伊藤辰哉さん率いる最高のバンドです。
リビングルームミュージカルでは毎回テーマを考えています。
例えば、昨年8月6日にやった時はテーマが「世界平和」でした。
とはいえ“LOVE and PEACE ”をそのままやると押し付けがましくなるので、
出演者に「その思いを心に秘めて出るだけで伝わるから」と言いました。
毎公演終えるたびに「もうこれ以上のテーマは見つからないんじゃないか」という気持ちになるのですが、
毎回うまい具合いに何かしら向こうからやってきます。次回のテーマは“チャップリン”です。
彼は素晴らしいエンターテイナーなのですが、私はあまり詳しく知らなかったんです。
先日スイスに行ってきて、彼が晩年をスイスで過ごしていたということを知り自伝を読みました。
私がいつも作品を創るときに一番大事にしているのが“笑い”なのですが、笑うことって、二の次、三の次で、
そんなに大事ではないように思われている。
でも、チャップリンの自伝を読んだら“いいコメディーは、すべての問題を解決する力がある”というようなことが
書かれていて、すごく共感しました。それと、ゴリこと加藤潤一さんがアルプスの少女ハイジになっても
おもしろいんじゃないかな?と考えてみたり。皆でいっぱい笑ってもらえたらいいな〜と思っています。

―――では、お二人それぞれが今後これをやってみたいと思うことを教えてください。

◆岡本寛子
『十輝いりす一人ミュージカル』

◆十輝いりす
同期の『柚希礼音一人ミュージカル』を観て思いついたんですよね。
私も観に行って、最初は冗談のつもりで言っていたんですよ。

◆岡本寛子
何だか『十輝いりす一人ミュージカル』って聞くだけでおもしろい。 

◆十輝いりす
できるわけないじゃん!(笑)

◆岡本寛子
お話もなんとなく考えているのですが、まだ内緒です。まさこさん何やりたいですか?

◆十輝いりす
宝塚の曲もすごく好きなのですが、シャンソンやジャズにも挑戦したいですし、女性らしい感じの歌も歌いたいです。

◆岡本寛子
私は大きさにはこだわらないのですが、野外とかで弟たちにも協力してもらって、
ゲリラ的にいろいろな所で、ただただ純粋に楽しく素敵なエンターテイメントをお届けしたいですね。
それと毎年、大晦日に“餅つきライブ”というのをやっていまして…。

―――どこから“餅つき”の発想が生まれたのですか?

◆岡本寛子
“餅つき”は練習がいらなくて、その場でみんなが盛り上がれる。お客さん同士の垣根も無くなりますよね。
楽しいし、最終的には食べられる!日本の伝統的なものであれば世界を廻れるんじゃないかなと考えて
“餅つき”を思いつきました。ワールドツアーに出たい!と言いつつやっていますが、
いまだにどこに辿り着くのかよくわからない(笑)。

◆十輝いりす
すごくおもしろい!

◆岡本寛子
まさこさん“餅つき”海外公演をやりません?ハワイ辺りよさそうじゃありませんか?

◆十輝いりす
“餅つき”なら海外の方も受け入れやすいかもしれませんね。楽しいし美味しいし!

―――最後にすごい野望を聞かせていただきました!ありがとうございました。

* * *

次回公演については下記URLをご覧ください。

 

 

Living Room MUSICAL スターのいるレストラン vol.10

7月のSMILE

〜アルプスの少女ゴリとハイパーステージな店員たち〜

 

公演日程:

2019年7月29日(月) 夜の部 開演19:30

2019年7月30日(火) 昼の部 開演13:30/夜の部 開演19:30

2019年7月31日(水) 夜の部 開演19:30

 

会場:eplus LIVING ROOM CAFE & DINING

 

公演案内サイト

 

 

 
 

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あらかじめご了承下さい。

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