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湖月わたるさん、水 夏希さん、蒼乃夕妃さん、TAKAHIROさんインタビュー 2012年05月

(2012年05月18日記載)

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『BAD GIRLS meets BAD BOYS』インタビュー
湖月わたるさん、水 夏希さん、蒼乃夕妃さん、TAKAHIROさん



公演について(公演資料より抜粋)

2011年、米国、ヨーロッパ、オーストラリアの公演にて、全てのチケットを完売させた男性超絶ダンス技巧派集団 BAD BOYS OF DANCE が初来日。 シアトリカルなジャズダンスの頂点を極めた、湖月わたる、水夏希、原田薫、蒼乃夕妃、矢野祐子が、クールな新レディーダンスユニットBAD GIRLS OF DANCE を組織。 独自のダンスで太平洋を飛び越え、マドンナのワールドツアーにも出演した日本人パフォーマーTAKAHIROも、2つのダンスユニットを繋ぐストーリーテラー/橋渡し役として参画し、夢のコラボレーションが実現します。


湖月わたるさん、水 夏希さん、蒼乃夕妃さん、TAKAHIROさんインタビュー
(取材日2012年4月25日/写真・インタビュアー 住川絵理)


―――ラスタ・トーマスさん(BAD BOYS OF DANCE主宰)、並びにBAD BOYSの印象は?

◆湖月わたるさん
YOU TUBEで踊っている姿を観させていただきました。鍛え上げられた肉体、そしてバレエのしなやかさを持って、ジャズやタップ、アクロバットなことまでなさる、多才なBAD BOYSの皆さんと共演できることを嬉しく思います。ラスタ・トーマスさんは、お会いしたら、なんて穏やかな方なんだろうと。空気が柔らかくて、この雰囲気からあの情熱ほとばしるダンスに一変するラスタさんは素晴らしいと思いますし、早く稽古場でお会いしたいです。

◆TAKAHIROさん
僕は2007年に『ラプソディ・イン・ブルー』という舞台で、ラスタと共演しています。そこで“ハンパなさ”は実感しています。跳べるし回れるし、魅せられる。エンターテイナーであり、主役にふさわしい男という風格も持っています。もう、彼を嫌いな人はいないでしょう、という位、人柄もすごくいいです。あの時は、ヒップホップやコンテンポラリーなど色々なダンスの融合に挑戦し、僕もパントマイムとストリートダンスを組み合わせたような特殊な動きをやりました。
その後、マドンナのワールドツアーに僕が参加した時、ヘルシンキかどこかで、<ラスタ・トーマスBAD BOYS>というポスターが貼ってあり、彼が世界ツアーをしていたのは聞いていましたが、ここでもやっているのか!と思いましたね。日本でBAD BOYSのパフォーマンスが観られるのは、今回が初めてなので、僕は友人として彼らのダンスを是非皆さんに観て欲しいと思いますし、一緒の舞台に立つ演者としては気が引き締まる思いです。すごいものを作りたい!と、モチベーションが上がっております。

◆水 夏希さん
私も2月にラスタさんにお会いしました。日本にお仕事の関係で短期間いらしていて、その打ち合わせの合間に、お話させていただきました。すごくお忙しいスケジュールだったので、「寝ていらっしゃらないんじゃないですか?」とお話したら、「忙しくて自分の時間がなくても、一つのものに向かって情熱をかけてワクワクしていたら、疲れなんて感じないんだよ」とおっしゃっていて、そういう感覚がすごく分かりますし、この公演でその感覚に私も早くなりたいと思いました。宝塚ではバレエが得意な人、ジャズダンスが得意な人、と、割と決まっていると思うのですが、どんなジャンルの踊りも素晴らしくて、ここまで色々なことを出来る方がいらっしゃるということに驚きました。それは世界を魅了した彼らだからこそだと思うのですが、その方たちとご一緒できることをすごくありがたく思いますし、楽しみです。

◆蒼乃夕妃さん
私もYOU TUBEで拝見させていただきまして、すごすぎて(笑)。自分たちとあまりに違いすぎて、付いていこうとか、そういう感じとはまた別の感覚に襲われました(笑)。ただ、この方たちと同じ場所で同じ空気を吸いたい!という感じがしました。このタイミングで、共演できる機会を頂けたことは、すごく恵まれていることなのだなと思うので、限られた期間ではありますが自分の中でできることを探していきたいと思っています。

―――BADBOYSに対して今回、BADGIRLSとしてのご出演となりますが、どのようなBAD GIRLSっぷりを見せたいと思いますか?

◆湖月わたるさん
先日のフィギュアスケートの大会(国別対抗)で日本が一位をとりましたよね。一人ひとりのパフォーマンスが素晴らしい上に、エキシビションでみんなが踊った時に、迫力と情熱を感じてすごく感動しました。目指すところはここだな、と。それぞれが光を放って、個々が集まった時に、どんなエネルギーを出せるかが楽しみです。BAD GIRLSという位ですから、危険な香りを漂わせ、かっこよくセクシーに大人っぽい姿をお見せして、観ている方々がドキドキワクワクするような、まいった!と思っていただけるような雰囲気を出せたらと思います。私たちが歌い踊り演じてきたことを、今回はダンスに集結して、私たちにしかできないダンスを極めていきたいなと思います。

◆水 夏希さん
宝塚退団後、あまりダンス(公演)はやっていなかったので、男役としてではないダンスというのは、自分の中でもどのような表現をするのか未知の部分も多いです。今回、男役経験者、ジャズダンスなどダンサーとしてやってこられた方、宝塚の娘役で退団したばかりの方、など色々な色があるので、たくさんの刺激をいただけるのではないかと思います。最近、“何を持って女性か”ということをよく考えます。これから自分がどのように表現していくか・・・ということが、難しいところであり、面白いところだと思います。

◆蒼乃夕妃さん
(湖月)わたるさんと水さんには、男役さんとしてやってこられた上での女性らしさがあるのではないかと思うのですが、では私には何があるかというと、娘役としてずっとやってきたものの中から出せるもの、私にしか出せないものがあるのではないか、と今お二人のお話を伺って思いました。共演の原田薫さんや矢野祐子さんという、男性と一緒に踊ってこられた方とご一緒できることも勉強になるだろうなと思います。私はそういう経験も今回が初めてなので、どういう風に出していけばいいのかがまだ分からないところもありますが、それも楽しみです。自分の個性はしっかりと出していかないといけないと思うので、そこはちゃんとやっていきたいなと思います。

―――TAHAHIROさん、今回ストーリーテラーということですが、何か楽しみにしていることはございますか?そして、昨年、湖月さんとは共演なさいましたがその時の感想を。

◆TAHAHIROさん
先に去年の感想を言わせていただきますと、湖月さんは舞台の上ではストイックで、NOと一回も言いませんでしたね。「これできません」とか「無理です」とか、そういうことは全くなかったです。床で背中を使って回転をしたり、膝をついて動いたり、ちょっとハードなことをたくさん盛り込んで挑戦もしてもらったけど、それを受け止めつつ、楽しんでさえくれたような雰囲気もありましたね。新たな挑戦を苦痛として捉えるのではなく、その中にやり甲斐を見付けられる方だなと思いました。あとは、圧倒的な存在感もありましたし、(湖月)わたるさん以外は男性だったので、その中でしっかり役割を果たしてくださり、プロだなとも思いました。個人としては、すごく優しいですし、リハーサル中とかでもムードメーカーになってくれる存在です。客席から見ていた舞台上のかっこよさとは違う、優しいわたるさんの姿を見ましたね。とてもいい経験でした。
今回僕はストーリーテラーという役です。明るい雰囲気のわたるさん、クールな水さん、女性らしい蒼乃さん、さらに原田さんと矢野さんという円熟したセクシーなテクニシャンの女性たちに、実力派揃いの外国人男性たち、それぞれがすごく個性が強いメンバーがいる中で、それぞれの魅力を引き立てながら、ひとつのまとまりになっていくように接着剤の糊(のり)のような役割を担っていきたいと思っています。そして、日本とアメリカの糊にもなりたいし、舞台と客席をくっつけていけるようにもなりたいですね。かっこいい中にもたまにはおどけて見せて、笑わせたり。辛いものをしていたら甘いものに、甘いものをしていたら辛いものに、一瞬のスパイスを提示できるように、しっかり務めていきたいと思います。

―――湖月わたるさん、先日部分上演ではありましたが『DANCIN’ CRAZY 2』の中で『CHICAGO』に挑戦なさいました。世界で初めて女性のみで上演されましたが、ヴェルマを演じてみていかがでしたか?

◆湖月わたるさん
フォッシーの世界は、フォッシー風という形で踊ったことは今までもあったのですが、基礎の部分から大澄賢也さんに教えていただいて、振付のゲイリーが来日してからは、みんな魔法がかかったように息づいていきました。フォッシーのダンスはすごく制約があるのですが、その中から出てくる奥深さを感じました。私たちはどうしても大きく見せようとして、やり過ぎてしまったりするのですが、いかにシンプルにやるかということに挑めたので、フォッシーを経験できたこと、そして昨年TAKAHIROさんに出会って仲間と一緒にヒップホップの世界に挑戦できたことというのは、私の中ですごく大きな経験となりました。色々な出会いの中ですごく刺激をいただきます。TAKAHIROさんは、体ひとつでアッと言わせるんですよね。私たちがするパフォーマンスは舞台があって、衣装があって、メイクや照明があって、その世界を作り出すものという形だと思いますが、自分にしかできないダンスというものを、追求していきたいなと思っています。今回は女性5人の個性も重要だと思うので、皆さんからたくさんの刺激をいただいて、自分を磨いていきたいです。

―――水 夏希さんは、先日『7DOORS~青ひげ公の城~』ではドレス姿でデュエットダンスにも挑戦しました。また、『TATTOO14』では、椅子やステッキを使ったダンスもなさっていますね。宝塚時代とはまた違ったダンスに挑戦することも増えているのではないかと思いますが、そのあたりはいかがでしょう?

◆水 夏希さん
宝塚時代とは全然違いますね。筋肉の使う場所とか、力の入れ具合とか一つひとつこれでいいのかな?というものを確認しながらやると同時に、今わたるさんがおっしゃったように、これが私の個性なので、作品や踊る場面によってそれをどうやってシフトチェンジしていくかというのを、いろいろなダンサーの方とご一緒して見極めていきたいなと思いますね。蒼乃さんはまだ退団して3日ですが、私は退団して1年半たちました。宝塚在団中は、組替えをしても1年経てば、だいたい何となく自分の立ち居地が分かるのですが、外の世界では千秋楽と同時に全部が、はい次、という感じなので、自分自身“私は誰だ?”と思うところもあります(笑)。自分という存在は、過去もあって今があるわけですから、またこれからもひとつひとつ積み上げていくという感じでしょうか。退団後、ダンスだけの公演をしていなかったので、今回すごく楽しみにしています。先ほどわたるさんがおっしゃっていましたが、体ひとつで「じゃあここで何かお願いします」と言われた時に、バッと何かができたら、手に職じゃないですけど、自分にとっての財産ですよね。小さいのでいいので、そういう引き出しを作りたいなと(笑)。

◆湖月わたるさん
芝居だと男役と言うものを全く捨てて演じる場合もありますが、ダンスはやってきたものを活かしつつスパイスを変えていくということができる世界なので、それは活かしていけばいいですよね。

―――続いて、蒼乃夕妃さん、ご卒業おめでとうございます。3日前に退団したばかりですが、現在の心境は。

◆蒼乃夕妃さん
正直、いつもの、千秋楽があって、お休みがあって、また次の集合日があるという流れの中にまだいるような感覚です。終わった!という感じではなく、今日はまだ歌劇団の中での取材という雰囲気があり、慌しさがまだ続いているような気がします。このお稽古の初日や、全員と顔を合わせた時に、すごく新しいことをしているんだということに実感するのかなと思っています。

―――最後の日、相手役の霧矢さんとは言葉を交わされたんですか?

◆蒼乃夕妃さん
サヨナラショーの前に二人でハイタッチをしました。いつもそんな感じだったので、いつも通りでしたし、別れる時も「ほな、またねー」と。

◆湖月わたるさん
へぇー、そうだったんだ。

◆水 夏希さん
でも、私たちがいるから、宝塚に居ながらにして外部出演という感じと変わらないかもしれないよね。

◆蒼乃夕妃さん
今日、みなさんのお話を聞いていて、本当に新しいスタートをしているということを実感し始めました。最初が肝心だなって。

◆水 夏希さん
そんなに気負わなくても大丈夫だよ。

◆蒼乃夕妃さん
自分を打ち出していくことがとても重要になっていくと思うので、そこは今できる限りちゃんと打ち出していきたいなと。

―――こうして再び共演できるのもご縁ですね。公演を楽しみにしております。本日はありがとうございました!

 

『BAD GIRLS meets BAD BOYS』

 

東京公演

2012年7月14日(土)・15日(日)

東京国際フォーラムホールC

 

広島公演

2012年7月17日(火)

アステールプラザ大ホール

 

愛知公演

2012年7月19日(木)

愛知県産業労働センター ウインクあいち

 

大阪公演

2012年7月20日(金)~22日(日)

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

 

http://www.umegei.com/schedule/157/

 

 

 
 

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