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KOKAMI@network vol.11 音楽劇『リンダリンダ』
製作発表が行われました
これは、夢見る時期を過ぎても、夢を見続けたいと決意した人達の物語である。
夢が終わっても人生は続く。
青春が終わった後の人生、物語を失った人生、それは夢のない人生と同じ意味じゃない。
夢のない人生を生きることは、人生から歌を捨て去ることと同義だ。
夢見る時期を過ぎても、夢を見続けたいとあがく人達の姿は、
愚かで滑稽で、そして格好良い。
そんなわけで、8年ぶりにやっと再演できることになりました。
ブルーハーツの音楽と共に、またこの作品を上演できることに興奮しています。
ロックが永遠の反抗、持続する抗議だとすれば、本当のロックとは何か?
本当の反抗とは何かを考えた作品です。
それも、深刻にではなく、ブルーハーツの最高の音楽に乗せて。
紀伊國屋サザンシアターをライブハウスにするつもりです。
ぜひ、心と身体の汗をかきに来てください。
鴻上尚史
伝説の最強バンド「ザ・ブルーハーツ」メジャーデビューから25年。
吠える!走る!珠玉の名曲が全編にわたる音楽劇が再演。
<あらすじ>(内容に触れていますのでご注意を)
大手レコード会社にメイン・ボーカルを引き抜かれて、存亡の危機を迎えたバンド「クール・パルチザン」。引き抜かれたボーカリストは、「売れない歌はもう歌いたくない」と言って去り、ドラムスは失意のうちに故郷へ帰っていった。
リーダーのケン(伊礼彼方)とベースのマサオ(松岡 充)、そしてマネージャーのミキ(星野真里)が取り残される。
「バンドに未来がないなら解散しよう」と言うマサオ。「新しいメンバーを探そう」と言うミキ。恋人カオリ(高橋由美子)には「音楽をやるのがそんなに苦しいのなら、パーッとやめて次のステップに踏み出そう」とまで言われ、ケンは窮地に追いこまれる。
ロックは永遠の反抗、連続する抗議。「音楽じゃなくても行動できることはあるんだ!」と息巻き、リーダーとしての責任と祈りを込めて、ケンは、その場のでまかせで物騒な提案をする。それは現在立ち入りが制限されている”あの区域”に関するものだった。
連日、朝まで大騒ぎ。話し合っても何の結論も出ない。これでバンドも消滅するかという夜、近所の通報を受けて職務質問に来た警官の大場(丸尾丸一郎)がやってくる。音楽の打ち合わせをやっていたのだ、という3人の言葉に目を輝かせ、翌日「自分をバンドに入れてくれないか」と押しかけてきた大場によって、バンドの存亡をかけた計画が思わぬ展開に進み始める。
そして3人は、「君たちの味方だ」と語る謎の男と出会う。「力を貸そう」と言う男を振り払う先にも、その男はまたやってくる。
人生に見切りをつけたいと願う人々が、無鉄砲な計画に、次々と巻きこまれてゆく。
◆松岡充(バンドのベース・マサオ役)
司会ーーー1994年にロック バンド・SOPHIAを結成、以来毎年全国ツアーを行い通算600本以上に及ぶライブを行っているほか、俳優としても活躍しています。2004年の『リンダリンダ』初演では今回と同じマサオ役で登場し、劇中で登場するバンドでベースを担当しています。
松岡ーーー初演から8年の月日が流れました。初演から更にステップアップした舞台にしたいなと思っております。
記者ーーーブルーハーツで好きな曲は?
松岡ーーー「チェインギャング」です。
記者ーーー稽古の雰囲気は?
松岡ーーー初めて会った気がしないくらい楽しくやっています。
記者(エンタメターミナル質問)ーーー長い間音楽活動をなさっている松岡さんにとって、役とリンクする部分もあるのでは。
松岡ーーーめちゃめちゃリンクしますね。田舎でインディーズでバンドをやっていて、それからメジャーというものを意識していたので、振り返ることもあります。今となって、アーティストとしてはブルーハーツさんがうらやましいですよね。鴻上さんがブルーハーツのファンじゃないですか。SOPHIAの第二、第三の鴻上が現れてくれることを祈ります。
鴻上ーーーそのためには解散しないといけないんだよ。
松岡ーーーえ、そうなんですか!
鴻上ーーーだって『マンマ・ミーア!』が世界的にヒットしたのはABBAが解散していたからで、次々新曲が出て来ちゃダメなんですよ。
松岡ーーー解散して復活してはダメなんですか。
鴻上ーーーそれはダメだと思うけどなー。
松岡ーーーそうかー。ブルーハーツが、うらやましいです。
記者ーーープレスリリースにロックは永遠に続く反抗だと書いてありましたが、最近何かに反抗したことがありましたら。
松岡ーーー最終的には自分の中のもう一人の自分に対する反抗というか、大人になると色んな知識が増えてわかっていくので、なんとか丸く納めようとすることがあると思うのですが、何かひとつ突き通すものは持っていたいなと思います。
◆伊礼彼方(バンドのリーダー・ケン役)
司会ーーー中学生の頃にブルーハーツの曲に出会ったことがきっかけで音楽活動を始め、路上ライブをしていた時にミュージカルに出会い、『エリザベート』や劇団☆新感線などミュージカルだけでなくジャンルを問わない舞台で活躍。本作品ではバンドのリーダー役です。
伊礼ーーー僕にとって、ブルーハーツの曲と一緒に過ごせるカンパニーは夢のようで、夜も眠れないほど興奮の材料になっています。今まで(バンド時代は)屋根がないところで歌っていましたが、屋根があるところで歌わせていただけるということで、本当にこの公演を楽しみにしておりました。
記者ーーーブルーハーツで好きな曲は?
伊礼ーーー「青空」です。その理由を語らせていただくと、私は和と洋のコラボレーションをした顔をしていますが、幼少時代はこれがコンプレックスで、そんな時にブルーハーツの「青空」という曲に出会い、歌詞に感銘を受け、曲に背中を押されました。ブルーハーツと出会い、コピーバンドをして音楽の世界を目指し、挫折もしましたがこうしてまたブルーハーツに出会えたのは運命的なものを感じますし、ありがたいです。
記者(エンタメターミナル質問)ーーーかつてバンド活動をなさっていた伊礼さんにとって、役とリンクする部分もあるのでは。
伊礼ーーー僕は音楽で食べていくことを目ざしていましたが挫折した人間なので、僕がやらせていただくケンという役とは音楽活動として共通するというよりは、意固地にこの道で進んでいこうとする性格が似ているなと。僕はだいぶ大人になりましたから、考えかたも変わって来ましたが、10代、20代前半は「いや俺は絶対こっちの方向だ」と、人の意見を受け入れずに自分の考えが間違っていない、と思っているところがありましたので、ケンとだぶるところはあります。
記者ーーープレスリリースにロックは永遠に続く反抗だと書いてありましたが、最近何かに反抗したことがありましたら。
伊礼ーーーブルーハーツで育っていると言うのもあり、そこまで社会派ではないですけど、未だに「大人に苛立ちを感じていたいな」という気持ちで生きています。歳は重ねていくのですけど、大人にはなりたくない!、と10代のころに思った気持ちはどこか根本にあります。
◆星野真里(バンドのマネージャー・ミキ役)
司会ーーー1995年にNHK連続テレビ小説でデビュー。その後多数のテレビドラマや映画、CMなどで活躍を続けるほか、歌手としてCDをリリースしたり、エッセイを出版するなど幅広く活躍しています。
星野ーーー今回初めての音楽劇です。声をかけていただいてとても光栄に思っております。皆さんの足をひっぱらないように精一杯お稽古します。ぜひ劇場にいらしてください。
記者ーーーブルーハーツで好きな曲は?
星野ーーー今回劇中でも歌うのですが「キスしてほしい」という曲です。生きているのが素晴らしいって。
記者ーーープレスリリースにロックは永遠に続く反抗だと書いてありましたが、最近何かに反抗したことがありましたら。
星野ーーー周りのかたが自分に対して似合う洋服をすすめてくださるのですけど、私は私なりに黒とか真っ赤な口紅とか好きなものがあって、ポスターで着せていただいた衣裳などが割と好きで、今までこういう格好をしたりはしなかったのですが、最近は自分は自分の好きなものがあるぜ!、という感じで着ています。
◆丸尾丸一郎(警官の大場役)
司会ーーー2000年に劇団鹿殺しを旗揚げ。全作品に出演し、第4回公演より全作品の脚本をてがけるほか、劇団ユニットなどで脚本・演出を担当。近年では、テレビや映画で俳優として活躍しています。
丸尾ーーー鴻上さんは僕が演劇を始めた時に戯曲を読みあさった尊敬する大先輩です。その先輩の、しかもブルーハーツの楽曲の作品に出られるとは本当に今から興奮しております。
記者ーーーブルーハーツで好きな曲は?
「イメージ」という曲が好きです。ネガティブな男なのでイメージがあればいいということで何度も勇気付けられたので、この曲です。
記者ーーープレスリリースにロックは永遠に続く反抗だと書いてありましたが、最近何かに反抗したことがありましたら。
丸尾ーーー脚本を書いているのですけど、演出は座長の女性が行っていて、やはりすごく喧嘩をします。
◆高橋由美子(ケンの恋人・カオリ役)
司会ーーー1989年テレビドラマでデビュー。翌年の歌手デビュー後はアイドルとして絶大な人気でテレビやCMに出演。舞台はミュージカル、ストレートプレイなどジャンルを問わずその実力を発揮しています。
高橋ーーーそうですねー、とにかく頑張ります!
記者ーーーブルーハーツで好きな曲は?
「ラブレター」が好きです。第三舞台を観にいった時に使われていることが多かったので、それがきっかけというのが大きいです。
記者ーーープレスリリースにロックは永遠に続く反抗だと書いてありましたが、最近何かに反抗したことがありましたら。
高橋ーーーどこまで言っていいのかな(笑)。常にです(笑)。反抗と言うか、戦いです(笑)。自分の中でのプランと見ているお客様との距離感を、どのように埋めるかを考えたりしますね。
◆大高洋夫(元過激派の男・荒川役)
司会ーーー早稲田大学在学中に鴻上主宰の第三舞台旗揚げ公演に参加。以降、第三舞台の全ての公演に出演し中心俳優として活躍。現在はテレビ、映画、舞台など幅広いジャンルで活躍を続け、本作『リンダリンダ』には初演に引き続き同じ役で出演します。
大高ーーー初演では、劇場に行く途中で2度ほど職務質問を受けました。今回は職務質問を受けないように頑張ります(笑)
記者ーーーブルーハーツで好きな曲は?
僕は「夕暮れ」です。ギターを弾くので簡単なコード進行なのにこんなにメロディラインがすっと入ってくる曲はなかなかないなと思って。
記者ーーープレスリリースにロックは永遠に続く反抗だと書いてありましたが、最近何かに反抗したことがありましたら。
大高ーーー僕はナビに反抗します。ナビ通りには絶対に行かないぞと(笑)。
◆鴻上尚史(作・演出)
司会ーーー本作品の脚本、演出を手掛けます。
鴻上ーーー8年ぶりに、やっと再演ができることになりました。そしてこうやってご機嫌なキャストに恵まれ、非常に興奮しております。8年前はある堤防をめぐる話でしたが、今は新作のつもりで書きました。堤防から離れ、少し今の日本の状況にがっぷり組むロックバンドの話になりました。是非ご期待下さい。
司会ーーー8年ぶりの再演の理由は?
鴻上ーーー8年前の楽日(千秋楽)から松岡くんとは、またこの作品をやりたいと話をしていました。音楽劇ですけどやればやるほど育っていく作品だと思います。
司会ーーー初演との変更点は?
鴻上ーーーどこまで話していいのか確認を取っていないので・・・。初演はリーダーだけが抜けて、残されたバンドマンたちの話でした。残された人たちが本物のロッカーになろうとして、ある堤防を勢いで爆破しようとする話でしたが、今回は8年たちあの堤防の問題も残っていますが、去年の3月11日(震災)を絡め、ロッカーたちが大切なことに向き合おうとする姿が描かれています。
記者ーーーブルーハーツで好きな曲は?
好きだからこの作品を作って今回18~19曲入るのですけど、「人にやさしく」かな。本当はそれを作品タイトルにしたかったくらい(笑)。
記者ーーープレスリリースにロックは永遠に続く反抗だと書いてありましたが、最近何かに反抗したことがありましたら。
鴻上ーーー僕は最近コンビニなどで手をおへその前に置いて深々とお辞儀をするというのを見て、「執事か!!」と思って、
内心毎回突っ込んでいます(笑)
▲和やかなムードで会見が進められました
▲フォトセッションの様子
▲囲み取材の様子。左より鴻上、松岡、伊礼の3名。
KOKAMI@network vol.11
音楽劇『リンダリンダ』
作・演出:鴻上尚史
出演:松岡 充 伊礼彼方 星野真里 丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)
田鍋謙一郎 岸 博之 佃井皆美
三上陽永 小沢道成 大杉さほり
恩地 徹 本多剛幸 明石鉄平
高橋由美子 大高洋夫
東京公演
2012年6月20日(水)~7月22日(日)
紀伊國屋サザンシアター
お問い合わせ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337
大阪公演
2012年7月28日(土)~7月30日(月)
森ノ宮ピロティホール
お問い合わせ:キョードーインフォメーション 06-7732-8888
福岡公演
2012年8月2日(木)~8月3日(金)
ももちパレス
お問い合わせ:ピクニック 092-715-0374
http://www.thirdstage.com/knet/lindalinda2012/
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