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レチタ・カルダ『ジャンヌ・ダルク』新妻聖子さんインタビュー 2012年05月

(2012年05月10日記載)

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朗読活劇レチタ・カルダ『ジャンヌ・ダルク』ご出演
新妻聖子さんにインタビューしました



朗読活劇レチタ・カルダ『ジャンヌ・ダルク』公演について(公演資料より)

レチタ・カルダ・・・それはイタリア語で「熱い朗読」という意味。
朗読・芝居・音楽が織り交ぜられて進行する新たなジャンルの舞台、それが朗読活劇です。
今までに、大沢たかお、要 潤、早乙女太一や坂本真綾などの出演で公演が行われました。

今回は「ジャンヌ・ダルク」を題材にした作品を、上野水上野外音楽堂で上演します。

時代に愛され、翻弄された女性。時代を疾風のように駆け抜け、そして散った少女。神の啓示を受け時代の流れにあらがいながら儚くも砕け散ったジャンヌ・ダルク。「オルレアンの乙女」とも呼ばれ、フランスの国民的英雄であり、カトリック教会で聖人となる。百年戦争の際にオルレアン解放に貢献し、シャルル7世をランスで戴冠させ、フランスの勝利に寄与し、平和実現のために立ち上がった悲劇のヒロイン、ジャンヌ・ダルクの生涯を、「朗読」「活劇」「音楽」の三つから「朗読・活劇舞台」として構成・演出し、原作の持つ魅力をエンターテインメントとして表現します。

聖人にして異端、凛として可憐。
六百年の時を超え、
いまジャンヌ・ダルクに、新妻聖子が挑みます。

<出演者>
◆語り・歌:新妻聖子
◆演 奏:スパニッシュ・コネクション


新妻聖子さんプロフィール



<新妻聖子 SEIKO NIIZUMA> 1980年10月8日生まれ。愛知県稲沢市祖父江町出身。
父の仕事の都合で、11才から17才までをタイのバンコクで暮らした帰国子女。幼少の頃からJ-POP、洋楽、クラッシクと様々なジャンルの音楽に触れ、自然と歌手を志すようになる。上智大学法学部在学中の2001年、TBS「王様のブランチ」でタレント活動を開始。
2003年、5,000倍のオーディションを勝ち抜きミュージカル「レ・ミゼラブル」エポニーヌ役で初舞台。続く大作「ミス・サイゴン」ではヒロインのキム役を松たか子らと交互に演じ、豊かな声量と表現力で来日した海外スタッフからも絶賛された。
2006年、ポニーキャニオンよりCDデビュー。
2007年、第31回菊田一夫演劇賞 、平成18年度文化庁芸術祭演劇部門新人賞受賞。
2010年、初主演映画「アンダンテ~稲の旋律~」(共演:筧利夫、松方弘樹 他)公開。
2010年・2012年と連続で、ミュージカル誌が選ぶ女優部門第一位を獲得している。


新妻聖子さんインタビュー
(取材日2012年5月1日/写真・インタビュアー 住川絵理)



―――朗読活劇レチタ・カルダ『ジャンヌ・ダルク』に初挑戦なさるそうですね。
出演が決まりどのようなお気持ちでしょうか。


最初はレチタ・カルダって何だろう?と思ったのですけど、過去の公演の資料を見せていただいて、大沢たかおさんの『義経』や早乙女太一さんの『沖田総司』などのチラシを見たときに、いろんな演劇を観に行った時にこのチラシを見たことがあった、ということを思い出しました。

朗読活劇ということで、座って読むだけでなく、音楽とのコラボレーションがあったり、時には本を置いて客席に下りたりする、新しいジャンルの朗読劇だということで、おもしろいなと思いました。さらに、題材がジャンヌ・ダルクと聞いて、これは面白くなりそうだなと。

朗読はNHKで放送された「日本怪談物語」という番組で日本の怪談を朗読したのですが、その経験がすごく私自身も楽しかったので、挑戦してみたいなと思いました。


―――今回、語りだけでなく歌も入るそうですね。

音楽はスパニッシュ・コネクションさんが演奏してくださいます。ジャンヌ・ダルクという、クリスチャン色が強い登場人物なのでパイプオルガンなどのイメージがあるのですけど、壮絶な人生を若くして駆け抜けたジャンヌ・ダルクの情熱を表すのにスパニッシュのギターの音などはすごくマッチしそうで楽しみです。

レチタ・カルダの『ジャンヌ・ダルク』は過去に坂本真綾さんが演じられ、その時歌はなかったのですが、私が今回この作品に挑戦させていただくのであれば歌も是非入れたいです、と申し上げたところ入れさせていただけることになりました。ジャンヌの言葉の延長戦上に歌がある形が自然なのではないかと考えまして、讃美歌、そして孤独や寂しさを表す手段として子守唄など、今のところ全部で3曲位入れられたらと思っています。既存の歌にストーリーに沿った歌詞を乗せる形を考えています。


―――台本を読んでの感想は。


今回の作品は、数あるジャンヌ・ダルク本の中の一つを脚本化したものです。今まで私の中でジャンヌ・ダルクはイメージしかなくて、詳しいことは知りませんでした。今回演じるにあたり、リュック・ベッソン監督の映画や資料を見た上で台本を読ませていただいて、悲劇のヒロインとか、フランス目線で見ると英雄、という存在そのものが美化されている印象の中、実際に起こったであろう出来事を知るにつれ、自分の中でひとつ消えないしこりがありました。

戦争の時代に生まれ、生き抜いた人なので、戦いを避けて通ることはできなかったとは思いますが、でもやっぱり彼女が名を馳せるに至ったのには、「戦争」が果たした役目も大きく、ある意味で武勇伝という戦果によって伝説となっている人でもあるんですよね。それをあまり美化したくないなという思いが自分の中に出て来ました。スタッフの方にこの気持ちを投げかけさせていただき、何か一行でも、ちょっとしたニュアンスでもジャンヌ自身が戦争に加担したことの重さや痛みを感じているという、そんな表現を追加できないものかとリクエストさせていただきました。

ジャンヌは神の啓示で行動を起こした人ですが、きっと戦いの中に身を置くにつれ、彼女の中には仲間の兵士を殺された時のうらみつらみの気持ちもあったでしょう。一種のアドレナリンが出ていないと戦場にいられないと思うのです。生身の人間である以上なんらかの感情とリンクしているのではないかと。

私たち役者も、人前で服を脱いでラブシーンをするとか、泣き叫ぶような場面など、トランス状態じゃないと出来ないようなこともするわけで、それに似ているところがあるような気がします。ただ役者と大きく違うのは、ジャンヌの指揮によって実際にたくさんの敵兵が死んでいったということ。その重さをジャンヌ自身が受け止めた上での行動であったと思いたいのです。私がそういう信念を持って演じ、お客様がどう感じてくださるかは、それぞれの方の中で考えていただけたらと。


―――今回のジャンヌ・ダルクもそうですが、歴史上の人物を演じる時、
難しい部分もありますか?あまり意識はしませんか?


昨年、『GOLD~カミーユとロダン~』という作品でカミーユ・クローデルを演じました。最近生きていた人なので資料もたくさん残っていて、動画も探せばあるのではないかという時代の人だったので、色々な資料も見ましたが、フランス人と日本人という差異もありますし、カミーユ・クローデルを演じさせて一番うまい人が居たとしたらそれはカミーユ・クローデル本人だと思うので、形態模写することに大きな意味はないような気がしました。私というフィルターを通したカミーユの人生を表現したいなと。私がもしカミーユとして生まれ、同じ感情が芽生えたらどうなるかというところに落としこまないと、と思いました。


―――一人芝居は経験がおありですが、一人で演じることの楽しさ、難しさはいかがですか?

昨年一人芝居をやったのですが、稽古期間中はとにかく孤独でした。こんなに孤独なのかと思いました。もちろん、演出家やスタッフさんもいるので、みんなが同じ方向を向いて作品を作り上げるのですが、舞台上に上がるのは私一人。単純に言えば、稽古場でお疲れ様でしたと声を掛け合う共演者がいない、もうそれだけでかなりの孤独です。これがこんなにきついということをその時に初めて知りました。あとは、膨大なセリフ量を覚えて一人で話さないといけないという大変さ。セリフ覚えはいい方なのですが、稽古期間も10日しか無かったりして、さすがに無理かもと思いましたね。

私はフランスものを題材にした作品が多いんですよ。『レ・ミゼラブル』に始まり、『21C:マドモアゼル・モーツァルト』『マリー・アントワネット』『サド公爵夫人』など。今回の『ジャンヌ・ダルク』もそうですね。ジャンヌは名前のイメージから「まっすぐ」とか「白」という印象があって、すごく惹かれるキャラクターです。サバイバルな感じが自分に合っている気がします。『ジャンヌ・ダルク』を野外の朗読活劇で、しかも音楽付きでやるというのは、個人的に心が寄り添える要素がたくさんあるので、「一人旅」を存分に楽しめそうな匂いがします。一人芝居の醍醐味をこの公演で見つけられそうです。


―――劇場ではない空間でやることについてはいかがですか。

芝居としてはやったことないと思います。野外で開放感はあっても屋根があるそうなので、雨の心配もそんなにないし、6月の夕方5時開演なので徐々に日がしずむ感じも自然の舞台装置としてお楽しみいただけるので、いいと思いますね。虫対策だけしていただいて(笑)、お楽しみいただけたらと思います。


―――子供の頃から歌うことが好きでした?

アイドルになりたかったんですよね。カラオケに行ったりはしていましたが、特に習っていたわけではなく。高校時代の部活動でコーラス部に入っていました。友達とバンドを組んだりもしていましたね。


―――子供の頃の夢は?


アイドルだったんじゃないかな。小学校1年生くらいの時、光GENJIさんやWINKさんが全盛期で、歌番組にかじりついていて、CDを買ってもらってソファーの上に立ってまねしていましたね。5年生の時は「世界ふしぎ発見」のレポーターになりたいとか言っていた気がします。高校卒業後は政治家や医者にもあこがれていたし、せっかく海外にいたのだから通訳もいいなと思ったりしました。結局大学受験では、一番就職に有利そうな法学部を選んだんですけど。


―――法学部を出て、芝居していく上で役立ったことは?

あまりないですね、残念ながら(笑)。試験が終わったら忘れてしまうんです・・・。


―――今年も数々の作品に出演しますが、原動力となっているのはどんなお気持ちからでしょう。
過密スケジュールで色々なことを同時進行なさっていますよね。


お仕事に関しては、今までやれと押し付けられたことはほとんど無くて、自分も中身を理解した上で、こういう形だったらやりたいと提案させていただいたものをやっているので、自分で選んだのだから責任を持ってやり切ろうと思っています。あとは、やっぱり皆様に喜んでいただけるのが嬉しいから、頑張れちゃうんじゃないでしょうか。


―――今年また歌も出されるそうですね。今後やりたいことは。

シンガーソングライターの方と違って、女優業にしろ、歌にしろ、ボーカリストやアクターとして既存の作品を表現する立場なので、その中で自分のイデオロギーを持って、作品をアウトプットするにとどまらないようにしたいです。作品が裸の状態であるならば、私色にラッピングしてお届けできるような器を作っていきたいなと思っています。あとは、追求し続けること。いつも、昨日の自分の作品を観てヘタだなぁと思うんですよ。それをずっと思い続けていたい。いつまでも、昨日より今日の私の方がいいと思えるようであれば、また次のステージに進んでいけるような気がします。


―――最近運転免許とられたそうですね。

友達に免許を取ったと言ったら、みんなから叫んでいる絵文字で返事が来ました(笑)。でも、意外と慎重派なんですよ。


―――全く違うジャンルのことに新たな挑戦、楽しいんじゃないですか。

教習所の学科の授業は楽しかったですね。普段と全然違う刺激はもらいましたが、勉強は基本的には好きじゃないのです(笑)。


―――今後挑戦したいことはありますか。

うーん、役としては振り幅のある事をやらせてもらってきていますし、気がふれる系はやりつくした気がしますしね(笑)。男の子も子供も母親もやったし・・・。あ、先生とかいいかもしれないですね。役との出会いは自分で脚本とか書かない限り受身じゃないですか。でもね、最近自分から発信するのもありかなぁと考えたりもします。でも私、そっちに足を踏み入れちゃったら抜け出せなくなる気がして。性格的には多分、作る方に回るのも好きだと思うんですけどね、まだちょっと早いかなぁと。“その時”が来たら、やらざるをえない状況になると思うのでその時は挑戦してみたいかな。流れに身をまかせつつ、これからも力強くバタフライで泳いでいきたいと思います。


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★新妻聖子さん今後のスケジュール

◆三人芝居「骨唄 」
2012年6月28日(木)~7月1日(日)
東京 池袋あうるすぽっと (他、全国公演)
◆ミュージカル「Bitter days, Sweet nights 」 
2012年8月2日(木)~8月11日(土)
東京 CBGK シブゲキ!!
◆ミュージカル「ミス・サイゴン 」 
2012年8月22日~9月8日
東京 青山劇場 (他、全国公演)
◆新妻聖子ライブツアー 2012
2012年11月17日~12月8日
東京、神奈川、他 関東7ヵ所開催


◆CDリリース
New Maxi single 「ありがとう」
2012年5月16日 ポニーキャニオンより発売決定
歌 新妻聖子 × 作詞作曲 辛島美登里 × 編曲 武部聡志

新妻聖子さん公式サイト
http://www.seikoniizuma.com/

 

朗読活劇レチタ・カルダ『ジャンヌ・ダルク』

 

日程:2012年6月3日(日)17:00開演

会場:上野水上野外音楽堂

料金:全席指定7000円 

 

主  催:キョードー東京

企画制作:フリーダム

 

お問い合わせ

キョードー東京 0570-064-708

【オペレータ受付時間 平日12:00〜18:00/土日祝10:00〜18:00】

 

*未就学児童のご入場はできません。

*雨天決行・荒天中止

*雨天の場合、会場内での傘のご使用はご遠慮ください。
雨合羽のご使用をお願い致します。

 

 

 
 

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あらかじめご了承下さい。

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