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濱田めぐみさんインタビュー『ソングス・フォー・ア・ニュー・ワールド』 2012年06月

(2012年06月13日記載)

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濱田めぐみさんインタビュー 第1弾
『ソングス・フォー・ア・ニュー・ワールド』を語る



『ソングス・フォー・ア・ニュー・ワールド』について(公演資料より)

本作はジェイソン・ロバート・ブラウンのブロードウェイ・デビュー作であり、1995年にオフ・ブロードウェイで幕を開けてから、世界中で約700のプロダクションが上演してきました。決して誰でもが歌えるような曲ではない、手強い曲の集まりにもかかわらず、これだけの公演が行われるということは、この作品の持つ力、魅力、普遍性を如実に物語っているでしょう。

そして驚くべきことに、彼は当時、弱冠25歳で、全16曲からなるミュージカル・レビューと題した作品をまとめ上げたのです。

彼の持ち味である、「一度聴いたら頭から離れない魅力的な音楽」「物語を超えた切実な言葉の力」「これまでのミュージカルとは明らかに違う新鮮な感覚」は、本作でも如何なく発揮されています。

また、1995年初演は、デイジー・プリンス(『オペラ座の怪人』などの演出家ハロルド・プリンスの娘)が演出にあたり、出演者の個性を十分に引き出すことに努めました。

その後、この時の成果もあって、父であるハロルド・プリンスが演出を行った『Parade』は、トニー賞作詞・作曲賞受賞という成功につながっていきます。

彼の中からほとばしり出る音楽の素晴らしさ。本作は、彼の作品の中で最も純粋であり、世界各国の人々の心を魅了し続けています。


濱田めぐみさんプロフィール

生年月日:1972年8月2日
出身:福岡県北九州

1995年12月劇団四季オーディションに合格。抜群の歌唱力と将来性が認められ3ヶ月後、
1996年2月『美女と野獣』ヒロイン・ベル役に大抜擢され劇団四季デビュー。
その後、劇団四季の初演『ライオンキング』、初演『アイーダ』、初演『ウィキッド』の3作品でヒロインを演じた。
しかも、この四季4作品のヒロインを演じたのは濱田だけである。伸びのある歌唱力と定評のある演技に加え、タップダンスもこなす。
劇団四季では看板女優として2010年12月退団まで15年間活躍。

退団後は、2012年1月 『ボニー&クライド~俺たちに明日はない』 ボニー役、 3月 『ジキル&ハイド』ルーシー役を熱演。

<今後の出演作品>

ソロコンサート
日程:7月10日(火)~12日(木) 天王洲 銀河劇場
公式ページ:http://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=186

ミュージカル『ソングス・フォー・ア・ニュー・ワールド』
日程:8月1日(水)~7日(火) シアタークリエ ほか
公式ページ:http://www.tohostage.com/sfanw/

ミュージカル『アリス・イン・ワンダーランド』
日程:11月17日(土)~12月4日(火) 青山劇場 ほか
http://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=187

ミュージカル『シラノ』
ロクサーヌ役ダブルキャスト
日程:2013年1月予定 日生劇場
http://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=183

濱田めぐみオフィシャルブログ「Be natural!!」
http://ameblo.jp/megumi-hamada/


濱田めぐみさんインタビュー
(取材日2012年5月17日/インタビュアー 住川絵理)



―――『ソングス・フォー・ア・ニュー・ワールド』 は、短編オムニバスミュージカルということで、ちょっと珍しい形式になりそうですね。

昨日も演出家の哲ちゃん(田尾下哲)と「オムニバスだけということだけではなく、登場人物のドラマを描けていけたらいいですね」という話をしました。全部歌で構成された作品なので、セリフを話すところはあまりないのですが、「幕開きから幕締めまでドラマとして成立するようなイメージで作っていけたらいいね」と。全部で16曲あって、1曲1曲の状況は違うのですけれど、それぞれの曲の持ち味を最大限に引き出して、色んな人生を垣間見られるような雰囲気が作り出せたらいいなと思っています。

―――色んなシーンが登場し、誰もが共感するような場面がたくさん出てくるようですね。

本当に色々な場面が出て来ます。人生の中で一番最高潮のピークで足をひっぱられて落ちちゃって、またゼロに戻ったときの心を描いている曲や、結構年配の方をイメージするような曲もあります。

例えば、喧嘩を繰り返しながら何十年も一緒にいるような男女を描いた歌などは、女性の目から見ればいくつになっても心理的なものは変わらないんだな、と思います。あからさまな嫉妬や、旦那へのやきもちを描いているのですが、うまく言葉とメロディーがあっているので、曲自体が生々しいのです。

歌詞の内容や状況がすごいものもあります。3曲目の<たったの一歩(Just One Step)>は、「飛び降りるわよあんた」と旦那を脅すような曲。後半の<スラバヤ・サンタ(Surabaya-Santa)>という曲は、「あなたは子供におもちゃを与えることしか考えていない。私はひとりぼっち。寒くなったらもみの木もやして待っているのよ」と。悲劇的かつドラマチックに自分を語るという曲もあって、色々とすごい女性が出て来ます(笑)。

―――ひとつの作品の中でそれほど幅広い人々が出てくるというのも面白いですね。

幅広いですね。今回描こうとしているのが、昆夏美ちゃんの女性1と米倉利紀さんの男性2がカップルです。この2人を軸に、浦井健治さんと私が色んな形で関わっていきます。例えば、昆ちゃんの成れの果ての女性を私がやったり、昆ちゃんの彼が戦場にいったときに、女性が感じるであろう心情を歌ったり、浦井健治さんは米倉さんの心情を代弁して歌っている曲があったり。

オムニバス形態自体も初めての経験ですし、哲ちゃん(田尾下哲)がこういう作品を演出なさるのも初めてです。現在、ワークショップという形で、若い世代の方たちを中心に、これをひとまず上演してみようということで形を作って、稽古に近いことをやっています。それをベースに演出家が組み立てていくのです。ワークショップは、私も参加しているのですが、とても面白いですよ。世代も違いますので色々な発想が出て来ます。

あとはひたすら歌稽古をしています。曲が持っている力が強いので、今は譜面と格闘している最中です。

―――演出家の田尾下さんとは、『ボニー&クライド』でもご一緒なさっていますが、濱田さんと同年代ですね。

そうなんです。今回、米倉(利紀)さんと哲ちゃん(田尾下哲)と私が同い年なんですよ。哲ちゃんは、アイディアとインスピレーションの宝庫です。ひとつのことにネタが20個ぐらいあって、実際に役者が動いてみて、彼のインスピレーションが合うものを膨らませていきます。アイディアがあふれて、彼がものすごい勢いで考えている時は、同じポーズをしているんですよ。このポーズの時は、「哲ちゃん考えているな」と思います。それを見守っている時間も面白いです。気さくでフレンドリーだから、「哲ちゃん」「めぐ」って呼び合えます。一緒に作っていこうというタイプなので、何でも言えるし、丁寧に作れる。これがとても新鮮ですね。

―――譜面と格闘しているということですが、ジェイソン・ロバート・ブラウンの曲は歌ってみていかがですか?

お相撲を取っているみたいな感じです(笑)。がっぷり四つで対面してやらないと音が入ってこないのです。登場人物4人がばらばらで、和音にはまっていないような音があったりするので、「これ合ってる?」と思って譜面を見ると合っているんです(笑)。その音には普通は行かないだろうというところがあったりしてね。実は私は音取りが苦手なので、今一生懸命取り組んでいるところです。とんでもないハードルの高さですが、怖いと思わずに、前のめりになって楽しもうと思います。

―――今まで 濱田さんの役を拝見していると、情熱的に演じる役が多いですね。一貫した役に取り組む経験は豊富だと思いますが、一つの作品の中で曲によって全く異なる人物を演じるのは難しいことですか?

のめり込むような役の方が得意な部分はあります。今回はその瞬間に出し切らないといけないのですが、必死でやっていたらその場面はあっというまに過ぎてしまうので、緻密に計算して役作りをしておかないと、と思います。

国籍も年齢も全然違う人物たちが登場するので、こういう経験は初めてですね。一曲の中で始まりから終わりで人生を描くというより、人生の一部分にスポットをあてて描いているので、演じわけ、歌いわけをしながら複雑にキャストが絡んでいく。難しさもありますが、どのように仕上がるのか楽しみなところもあります。

今回他の3人の方々とは初共演です。昨日浦井さんと歌稽古をしましたが、彼がこれまたうまいんですよ。思わず聞き入ってしまったら音が取れなくなっちゃいました。

出演者は4人だけなので、これだけ少ないと結束力も深まりそうです。年代もキャラもバラバラだから、フィールドが違う4人がどういう融合でひとつの曲を作っていくのか、その過程が非常に面白くなるんじゃないかと思います。話がつきないんですよ。浦井さんと芝居の話をし始めると、あっという間に時間が経っています。この4人でガチでどこまでやれるかやってみようと言っています。今はお互いに誉めあいながらやっています(笑)。

―――そうやってディスカッションしながら作品を作り上げていくことで、新たな発見は?

今まで劇団時代は、土台が同じで同じメソッドを経験し、そこで先輩後輩があってそこでそれぞれの能力がありながらも、方向性というか色は一緒だった気がします。例えば、赤色の人集まれー!といったら、濃い目の赤、薄めの赤、茶色っぽい赤、紫っぽい赤、という感じでしたよね。外の世界に出たら、ボールペンの人がいたり、サインペンの人がいたり、消えるペンの人がいたり。質も色も全然違う人たちが集まります。だから、私は色んなことにすぐに興味を持ってしまって「あのー」って皆さんに話しかけて、違う世界の話を聞きます。そういうことが新鮮ですし、楽しいです。



今回、濱田めぐみさんに『ソングス・フォー・ア・ニュー・ワールド』について語っていただきました。後日別ページにて、第2弾として「今年上半期を振り返ったお話」を掲載予定です。

 

『ソングス・フォー・ア・ニュー・ワールド』

―新しい世界の扉を開ける14の物語-

 

作詞・作曲:ジェイソン・ロバート・ブラウン

演出:田尾下 哲

 

出演:浦井健治 昆 夏美 濱田めぐみ 米倉利紀(五十音順)

 

東京公演

公演日程:2012年8月1日~8月7日

会場:シアタークリエ

 

大阪公演

公演日程:2012年8月11日~8月12日

会場:森ノ宮ピロティホール

 

北九州公演

公演日程:2012年8月14日

会場:黒崎ひびしんホール 大ホール

 

公演ホームページ

http://www.tohostage.com/sfanw/index.html

公演ブログ

http://ameblo.jp/sfanw/

 

 

 
 

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あらかじめご了承下さい。

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