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ミュージカル『冒険者たち~The Gamba 9~』舞台稽古 2013年06月

(2013年06月08日記載)

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アトリエ・ダンカンプロデュース
ミュージカル『冒険者たち~The Gamba 9~』舞台稽古
“ネズミュ”は見事な“快進劇”!


▲「死する時、我ら皆海の藻屑となりえんことを!」

ミュージカル『冒険者たち~The Gamba 9~』レビュー

斎藤惇夫氏によって72年に出版された『冒険者たち ― ガンバと15ひきの仲間 ―』。40年経った今でも多くの人に愛され読み続けられている児童文学です。75年にはアニメ『ガンバの冒険』が放映され一躍有名になりました。今作は、2009年3月に初演が行われたミュージカル『冒険者たち』を大幅にリニューアル。脚本、演出、楽曲全てがパワーアップし、2幕構成の本格的なミュージカルとして生まれ変わりました。

ミュージカル『冒険者たち~The Gamba 9~』、通称“ネズミュ”が、サンシャイン劇場でいよいよ開幕しました。
舞台稽古を見て、どのように言い表そうかなと考えた時に浮かんだ言葉。

・・・それは“快進劇”。

脚本・演出・作詞は、ショー・ミュージカル・コンサート等、多岐に渡るジャンルで活躍する菅野こうめい。ミュージカルを愛し、熟知した技が冴え渡ります。歌・踊り・アクロバットがふんだんに盛り込まれ、どこをとっても画になるシーンの連続。息をもつかせぬ展開にワクワクハラハラ。仲間を信じて真っ直ぐに突き進むネズミたちの姿は、見ていてすがすがしいです。

このストーリーは一見単純明快に見えますが、見方によっては色々な要素が含まれています。登場するキャラクターは実に個性豊か。何でも人と同じにしていればいいと思いがちな、現代の風潮に警笛をならしているのかもしれません。一人ではなし得ないことも、複数集まれば人数以上の力が出ることもあるのです。登場人物たちからみなぎるエネルギーは、観る人にとっても明日の活力になりそうです。一歩を踏み出す勇気、故郷への思い、迷った時は原点に立ち返って、先人の知恵を大切に・・・等々、たくさんのメッセージが読み取れます。

幕が開いた直後から、自分がまるで物語の一員になったかのような感覚でした。
喜んだり、驚いたり、怖れたり・・・
気が付いたら、勇ましい気持ちがみなぎっていました。
子どもの頃によく考えていたこと。その感覚をもう一度思い出したら、涙が出ました。
でも悲しい涙ではありません。
それは美しい景色を見た時に、涙が自然と出てくるのに似ているのかもしれません。
心が躍るその感覚。人は常にその感覚を欲しているのかも。

ネズミが主人公になっていますが、
これは人間賛歌であり、生きるエネルギーを感じられる物語です。

「苦しくなったら手を伸ばせば、きっとそこには誰かがいる」
「助けに来たのではない、運命を共にしに来たのだ」
「変化を求める心が進化させる」

・・・心に染み入ります。

みなさんも、ガンバたちと一緒に冒険の旅に出ませんか?


あらすじ

主人公ガンバは、世間知らずの町ネズミ。
ある日、友達のマンプクに誘われ、船乗りネズミたちの集会に参加することに。
そこへ、一匹の傷ついたねずみが現れ…。
おそろしいイタチのノロイに絶滅させられそうになっている島ネズミたちを助けるため、
夢見が島へ向かうガンバと仲間たち。
力では到底かなわない相手を前に、小さな生き物たちは、知恵と勇気をふりしぼり立ち向かうのですが…。


舞台稽古(2013年6月7日)

◆関連記事
ミュージカル『冒険者たち』稽古場潜入レポートはこちら

菅野こうめいさんインタビューはこちら



▲ガンバとマンプクは海を目指し冒険の旅に出ます。仲間との出会い、予期せぬ展開、機転を利かした選択、そして・・・
この旅を通して得た物とは・・・そんなことを感じられる作品です。

さてここで、勝手ながらエンタメターミナルが、みどころをご紹介致しましょう。

◆◆◆個性豊かなキャラクター。楽曲も多種多彩!◆◆◆
それぞれに見せ場があります!音楽を担当しているのは、大石憲一郎。
ひとつのミュージカルで、これほど多くのジャンルの曲を使っているのは、かなり珍しいのでは。
それでいて一つの作品としてのまとまりも損なわれていないのです。


▲ガンバ(上山竜司)と仲間のネズミたち

▲兄貴分的存在のヨイショ(坂元健児)。

▲オイボレ(尾藤イサオ)、実は・・・

キャスト紹介(カッコ内は役名)
上山竜司(ガンバ)町ネズミ。正義感があり、勇気があるが、おっちょこちょいで無鉄砲。
坂元健児(ヨイショ)海流丸に乗り、100匹の船乗りネズミたちを束ねるボス。男気があり、力持ち。
森田ガンツ(ガクシャ)ヨイショの親友の船乗りネズミ。物知りだけど、理屈っぽい。
辻本祐樹(イカサマ)いかさま博打を得意とする渡世人。ひねくれものだが、人情に厚い一面も。
大山真志(シジン) いつも酔っ払っている変わりもののネズミ。常に詩を考えているが、傑作が出来たためしがない。
山下翔央(忠太)夢見が島でノロイに襲われ逃げてきた、泣き虫の島ネズミ。ダンスが上手。
土屋シオン(ボーボ)うすのろでいつもぼんやりしている、夢見がちな港ネズミ。
金澤博(マンプク)ガンバの幼なじみ。いつもおなかが減っている、食いしん坊。
尾藤イサオ(オイボレ)身元不明な年寄りネズミ。仲間たちからお荷物だと思われているが…
延山信弘(ツブリ)夢見が島のオオミズナギドリのリーダー。
和田琢磨(一郎)忠太の従弟の島ネズミ。妹を亡くし、ノロイへの憎悪が膨らむ。
皆本麻帆(潮路)忠太の姉。島ネズミたちの憧れの美人なねずみ。
今拓哉(ノロイ)恐ろしいイタチの一族の首領。全身が白いなめらかな毛で覆われている。
ほか

◆◆◆「待ってました!」と言いたくなるようなダンスシーンがふんだんに◆◆◆

「これは見せ場」というシーンのオンパレード、片時も目を離せません!振付は振付稼業air:man。

◆◆◆ファッションショーイベントが開催出来たのでは?
と思うほどの衣裳デザイン!◆◆◆


▲ネズミの耳がキュートです。細部にまでこだわった衣裳デザイン、後ろ姿を激写!

◆◆◆飛んで、跳んで、回って、廻って◆◆◆
特に戦いの場面ではアクロバットにも挑戦。時にはスピーディーに、時にはコミカルに。

▲ガンバ(上山竜司)も

▲忠太(山下翔央)も

▲ツブリ(延山信弘)も

▲ヨイショ(坂元健児)も
飛びます、跳びます!!!

◆◆◆分かりやすいダークヒーローの存在◆◆◆
最近は、善と悪、見方を変えたら・・・という作品が多い中で、この物語には絶対的なダークヒーローが存在します。
ネズミとオオミズナギドリにとっての敵は・・・ノロイ。左手の腕章は、ナチスのマークを思わせます。



さて、ガンバたちの運命はいかに・・・

 

ミュージカル『冒険者たち』

~The Gamba 9~

 

原作:冒険者たち ― ガンバと15ひきの仲間 ―

斎藤惇夫作 岩波書店刊

 

脚本・演出・作詞:菅野こうめい 

作詞:うえのけいこ

音楽:大石憲一郎

振付:振付稼業air:man

 

 

【東京公演】

2013年6月6日(木)~6月16日(日)

サンシャイン劇場

 

【名古屋公演】

2013年6月22日(土)

名鉄ホール

 

お問い合わせ

アトリエ・ダンカン  03-3475-0360 (平日12:00~18:00)

 

http://www.duncan.co.jp/web/stage/boukensha/index.html

 

 

 
 

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あらかじめご了承下さい。

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