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『宝塚BOYS』稽古場潜入レポート 2013年07月

(2013年07月13日記載)

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『宝塚BOYS』
稽古場潜入レポート

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やはり「宝塚」と言えば大階段!

公演について(公演資料より抜粋)

“女性だけのレビュー劇団”として、日本のみならず世界でも知られる存在である、宝塚歌劇団。 100周年を迎える長い歴史のなかで、かつて「男子部」があった事実はほとんど語られていない。 1945年、「明日の宝塚スター」を夢見て集まって来た個性豊かな男たち。しかし9年後、解散。 その間、彼らはメインステージである宝塚大劇場に立つことは一度もなかった。 そんなBOYSの、ちょっと可笑しくも哀しい青春グラフティ。 2007年の初演から、2008年、2010年と上演を重ね、2013年、BOYSに4度目の夏がやって来る!!

原案:辻 則彦
脚本:中島淳彦
演出:鈴木裕美
出演:吉沢悠 良知真次 中河内雅貴 入野自由 上山竜司 小林大介 板倉チヒロ 初風諄 山路和弘

製作発表の模様はこちら


STORY

幼い頃から宝塚の舞台に憧れていた若者・上原金蔵は、一枚の召集令状で青春を失い、今度は自らの書いた手紙で、人生を変えようとしていた。手紙の宛先は宝塚歌劇団創始者・小林一三。内容は宝塚歌劇団への男性登用を訴えるものだった。折りよく小林一三も、いずれは男子も含めた本格的な“国民劇”を、と考えていたのだ。そうしてその年の12月に集まったメンバーは、上原をはじめ、電気屋の竹内重雄、宝塚のオーケストラメンバーだった太田川剛、旅芸人の息子・長谷川好弥、闇市の愚連隊だった山田浩二、現役のダンサー・星野丈治、と個性豊かな面々だった。

宝塚歌劇団男子部第一期生として集められた彼らだったが、劇団内、観客などの大半が男子部に反対だ。前途多難が予想される彼らの担当者として歌劇団から、池田和也が派遣されていた。池田の口からは、「“清く正しく美しく”の歌劇団内では生徒といっさい口をきいてはならない。」「訓練期間は2年。その間、実力を認められるものは2年を待たずに仕事を与える。」と厳しい言葉が語られた。

それでも男子部のメンバーはいつか大劇場の舞台に立てることを信じ、声楽・バレエ…とレッスンに明け暮れる日々が始まった。報われぬ稽古の日々が一年近く続く中、やっと与えられた役は…馬の足…。そして男子部の存在を否定するかのような事件が起こり、彼らの心中は揺れ動く。そんな中、新人・竹田幹夫が入って来る。月日は流れて行く。やり切れない想いをかかえながらも、日々のレッスンに励む男子部の面々。しかしながら、彼らの出番は相変わらずの馬の足と陰コーラス。プログラムに名前すら載らない。それどころか、男子部反対の声はますます高まり、孤立無援の状況。そんな彼らをいつも暖かく見守ってくれるのは寮でまかないの世話をしてくれる、君原佳枝だけだ。

そんなある日、彼らの元に宝塚男女合同公演の計画が持ち上がった。喜びにわく彼らだったが……。


『宝塚BOYS』の稽古場に行って参りました!(取材日:2013年7月8日)

東京も梅雨明けし一気に気温上昇する中、稽古場は更なる熱気に包まれていました。この日まず最初に稽古が行われたのは「大階段」を使ったダンスナンバー。「宝塚歌劇」ならではの場面ではありますが、男性だけで構成された『宝塚BOYS』にとってこのシーンは、とても大きな意味合いがあり、非常に感動的な場面となっております!稽古場取材をしていた私も、思わずラストで拍手してしまいました。

どの方がどの役を演じるかはまだ秘密ですが、稽古場の模様をちょっとだけご紹介いたします!

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▲フォーメーションを次々と変えながら展開するダンスナンバーなので、立ち位置の確認をしながら進めていきます。 「清く正しく美しく」をモットーにした「宝塚の美学」を表現するのは、なかなか大変!!写真手前中央は、中河内雅貴さん。
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▲体の向きや手の挙げ方を揃えながら踊ります。写真手前は左より、上山竜司さん、板倉チヒロさん、小林大介さん。
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▲このナンバーの振付の中で、それぞれに「見せ場」があるのが、とてもいいんです!個性が輝いた上での一体感。まさに、『宝塚BOYS』の作品像をこのダンスナンバーで表現している形です。帽子やステッキの小道具も宝塚らしいアイテムですが、使いこなすのも一苦労。写真左は良知真次さん。
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▲「モンパリ」や「おお宝塚」など宝塚ファンにはお馴染みの名曲も。繰り返し繰り返し練習する様子からは「青春」という文字が浮かんできました。写真手前は、吉沢悠さん。舞台上では衣裳も着けて、華やかなナンバーになりそうです。
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▲ダンスナンバーの練習が終わり、休憩を挟んだ後、芝居の稽古が始まりました。鈴木裕美さんは時間をかけながらじっくりと稽古をしていく演出家。この日も上演時には数分のワンシーンを何時間もかけて作りあげていきました。
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▲なかなか表舞台に立つことが許されず、もやもやしているBOYSたちに吉報が舞い込んでくるシーン。男女合同公演の話が持ち上がり、その台本を手に山路和弘さんが登場します。「(BOYSたちは)台本を手にした時の感情を大事にして。まず大事な台本を手にした時どうやって持つのか、どのようにめくるか、紙質を感じながら丁寧に表現して。一つ一つの出来事に反応し、それを自分なりに表現するように」と演出の鈴木裕美さん。
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▲初演から出演なさっている山路さんの存在感が、作品全体を引き締めます!
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▲台本に書かれた劇中劇をどのように演じるのか。パリから連想するものをこの部屋にあるもので表現する、というお題でそれぞれが案を出していき、役者のみなさんの発想力が試されます。こういうのはどうだろう、ああやったら面白いんじゃないか、と出されるアイデアが面白くて稽古場は爆笑の渦でした。ワークショップのような形で、この役だったらこんな時どうするかを考え、結束力も深めていく稽古の仕方、素敵ですね。『宝塚BOYS』の上演は4回目ですが、キャラクターに合わせてイチから作りあげているというのがよく分かりました。
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▲初風諄さんも初演から出演しています。その場にいるだけで和む空気感。これぞ元タカラジェンヌという気品を感じました!!写真は振付中のヒトコマ。写真左は振付の前田清実さん。
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▲演出家から発表されたセリフの変更点を台本に書き込むキャストたち。1945年から1954年の間の活動模様を描いているので、その当時の時代背景の解説もありました。ある一人の境遇の説明をする際には「ここまで稽古してきたけれど、クリエに立てない」という状況、それを感じて、と現代に置き換えて例えていきます。徴兵、お国のため、そんな中での「宝塚歌劇団」の存在。来年100周年を迎える歴史の一端に、こういう時代があったということを、改めて感じられるシーンも。
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▲BOYSたち、稽古場での姿も爽やかです!

改めてここで今回のBOYSたちをご紹介します。どの方がどの役を演じるかは、劇場でお楽しみください!

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▲写真左・吉沢悠さん、写真右・良知真次さん
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▲写真左・中河内雅貴さん、写真右・入野自由さん
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▲写真左・上山竜司さん、写真中・小林大介さん、写真右・板倉チヒロさん

 

『宝塚BOYS』

 

【東京公演】

2013年7月23日(火)~8月11日(日)

シアタークリエ

 

【名古屋公演】

2013年8月13日(火)

愛知県芸術劇場 大ホール

 

【兵庫公演】

2013年8月24日(土)・25日(日)

兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

 

【横浜公演】

2013年9月3日(火)~5日(木)

県立青少年センター 一般発売なし

 

【新潟公演】

新潟市民芸術文化会館 りゅーとぴあ・劇場

 

【千葉公演】

2013年9月15日(日)

四街道市文化センター 一般発売なし

 

2013年9月17日(火)~20日(金)

千葉市民会館 一般発売なし

 

http://takarazuka-boys.jp/

 

 

 
 

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