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宝塚歌劇雪組公演
『Shall we ダンス?』~周防正行 原作・脚本・監督「Shall we ダンス?」(アルタミラピクチャーズ)より~
『CONGRATULATIONS 宝塚!!』
制作発表会 その③ ~登壇者コメント~
▲写真左より、愛加あゆ、壮一帆、周防正行、早霧せいな
都内のダンスホール(東宝ダンスホール)にて制作発表会が行われました。(2013年8月7日)
速報その①はこちら。
速報その②はこちら。
▲周防正行
映画版の監督の周防です。たぶん、この舞台をどんな熱狂的な宝塚ファンよりも、僕の方が楽しみにしているんじゃないかと思います。映画『Shall we ダンス?』が宝塚の舞台でどんな風に変わり、楽しく美しく見せてもらえるのか、楽しみにしています。今『舞妓はレディ』という映画を制作中なのですが、実はその企画を思いついたのも、20年ぐらい前宝塚を熱心に見ている時期でした。それまで『Shall we ダンス?』とか『シコふんじゃった。』とか、男の子たちが活躍する映画を作っていたんですけど、ぜひ女の子が活躍する映画を作れないかと思って宝塚音楽学校を取材したり、舞妓さんたちを取材したりしていたんです。宝塚の話はその後なかなか発展しなかったのですが、1990年代初期の宝塚に僕はとてもハマっておりまして、天海祐希さん、一路真輝さん、涼風真世さん、そういう人たちが活躍していた時代の宝塚は非常によく見ていました。『Shall we ダンス?』がどんな宝塚の作品として蘇ってくれるのか、すごく楽しみにしています。プレッシャーをかけるわけではないですけど・・・(笑)
▲小柳奈穂子(第一幕『Shall we ダンス?』演出担当)
ミュージカル『Shall we ダンス?』の演出を担当させていだきます、宝塚歌劇団の小柳奈穂子です。99周年終わりの宝塚大劇場公演、そして100周年幕開けの東京宝塚劇場公演、および全世界における大ヒット映画『Shall we ダンス?』初の舞台化ということで、大変プレッシャーの多い中、今の周防監督のご挨拶でさらにプレッシャーが高まりました(笑)。やはり原作ファンの方、社交ダンスファンの方、宝塚ファンの方、色々なな方が見にいらっしゃる公演だと思いますので、いろんな方に楽しんでいただけるようにしていきたいと思っています。とてもいいタイトルだと思う『Shall we ダンス?』の「we」というところには「一緒に楽しみましょう」「みんなで楽しみましょう」ということで、今まで支えてくださったファンの方、そして100年まで繋げてくれた生徒、スタッフを含めて、みんなで宝塚が続いたこと、そしてダンスやエンターテイメントというものの素晴らしさをみんなで分かちあえるような、原作の人情味、人間の根源の素晴らしさ、それに宝塚の華やかさを加えて、みんなで楽しめるハッピーな作品にして、年末年始、そして今後宝塚が100周年、101周年、200周年まで続くものとなるよう作っていきたいと思いますので、どうぞご宣伝、ご声援、ご協賛よろしくお願い致します。
▲藤井大介(第二幕『CONGRATULATIONS 宝塚!!』演出担当)
『CONGRATULATIONS 宝塚!!』は文字通り、「おめでとう宝塚」「バンザイ宝塚」といった意味合いのショーなんですけれども、全部小柳さんに言われてしまいました(笑)。99年のとりを飾らせていただく、そして100周年東京の幕開きを飾らせていただくということで、大変責任を感じておりますが、本当に今まで宝塚を支えてくださった皆様、応援してくださったお客様方への感謝の気持ちをまず第一に、お祭りモードでお客様と一緒になって盛り上がれるショーにしたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。
▲壮一帆 ヘイリー・ハーツ役
この度は周防監督の本当に素敵な作品『Shall we ダンス?』を宝塚で舞台化するということで、私にとりましてこんなに幸せなことはございません。そして、雪組に組替えする前から、花組では大変お世話になっていた藤井大介先生のショーに再び出られるということで、こちらもまた私にとりまして大変喜ばしく、幸せなことでございます。今は別の公演のお稽古中ですけれども、その合間を縫ってこの制作発表の為に社交ダンスのお稽古をしました。本当にハマる人の気持ちが分かるぐらいすごく楽しいダンスですね。その楽しさを、まず雪組の組子みんなと分かちあって、『Shall we ダンス?』という素敵な作品を通してお客様にもその楽しさが伝わるように、組子一丸となって頑張りたいと思っておりますし、宝塚ならではの『Shall we ダンス?』をみなさまのご期待を裏切ることなく、大いに自信をもって公演していきたいと思います。
そして『CONGRATULATIONS 宝塚!!』は、主題歌を歌っているだけでも自分がワクワク楽しくなってくるような、そして今回の制作発表のためにコーラスを録音したのですが、そのメンバーもみんな歌っているだけで本当に楽しいと言っていたので、まずその楽しさというエネルギーをショーに大いにぶつけて、エネルギッシュに楽しい99周年の締めくくりと100周年の東京の幕開きを、華々しくみなさまにお見せできるように一生懸命頑張りたいと思いますのでよろしくお願いします。最後になりましたが今回ご協賛いただきましたNTT東日本様、NTT西日本様に、心より御礼申し上げます。
▲愛加あゆ ジョセリン・ハーツ(ヘイリーの妻)役
私は『Shall we ダンス?』は本当に大好きな映画で、日本版もハリウッド版も映画館で上演された時にすぐに見に行くぐらい大好きな作品だったので、まさかこうして自分が雪組にいるときに公演できるということを本当に光栄に思います。本日はこのようなダンスホールでの制作発表ということで、私も社交ダンスのお衣裳を着させていただいたんですけれども、本番では壮さん演じられる、ヘイリーの妻・ジョセリン役を演じさせていただきます。早霧さん演じられるエラと壮さんの繰り出すダンスの世界の裏で、私は壮さんとの夫婦愛をしっかりと演じて参りたいと思います。そして、ショーの『CONGRATULATIONS 宝塚!!』、私は藤井先生のショーにずっと出たかったのですが、今回初めて出させていただくということで、本当に嬉しく楽しみです。先ほど壮さんが歌われていた曲を聞いていて、とてもワクワクしました。精一杯お客様に楽しんでいただける舞台をしっかりと務めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。
▲早霧せいな エラ(女性ダンス教師)役
皆様見ての通り、女役でございます(笑)。と、言いましても先日まで『ベルサイユのばら』でオスカル役をさせていただいていたので、実際は二度目なのですが、さすがにオスカルはスカートをはいておりませんでしたので、このようにスカートをはいて皆様の前に立つ、今この瞬間さえもかなりドキドキしております。初日には女性の方から憧れていただけるような、格好良い女役・エラになって、皆様の前に現れたいなと思っておりますので、ご期待いただけたら嬉しいです。ショーではいつも通り、男役・早霧せいなで挑みたいと思っております。お芝居とショーのギャップをお客様に楽しんでいただけたら、それが私が一番望んでいることなので、頑張りたいと思っております。藤井先生とご一緒させていただくのは宙組時代ののショー以来で、小柳先生とは(新人公演はありますが)実は作品としては初めてなんですよね。とても楽しみにしております。
(質疑応答)
―――周防監督、映画の制作発表もこの東宝ダンスホールだったと記憶しておりますが、今日宝塚のパフォーマンスをご覧になって、いかがでしたか?
制作発表もこの場所だったのですけど、実は社交ダンスの企画をしている時に、東宝のプロデューサーがうちに東宝ダンスホールがあるから一度のぞいてみたらどうか、と言われて見学しました。ここに来て、サラリーマンが踊る姿を見て、『Shall we ダンス?』を作ろうと決断しました。映画の中で竹中直人さんが演じたドニー青木のような人たちがいっぱいいたんです。宝塚で上演すると言われたときにまず思い浮かべたのは「ドニー青木はどうなる?」と(笑)。映画のキャラクターが宝塚でどうなるのか、これが楽しみです。僕も映画を作るときに痛感したんですけど、社交ダンスって基本的に自分が踊って楽しむもので、競技会だと審査員に見てもらうものなんですね。いわゆる舞台で踊る踊りとやっぱり違う。僕は先ほどの踊りを拝見させていただいて、そこはまず宝塚で作るということで「舞台で見せる社交ダンス」をこれから作られていくと思うので、それをすごく楽しみにしています。その一端を感じることができたパフォーマンスでした。久々に社交ダンスを見て思い出しました。実際の社交ダンスと舞台の上のダンスは見せ方が違うと思うのでそこが楽しみです。
―――周防監督からのお言葉を受けて感じたことをそれぞれ。
◆小柳 原作はとても映画的かつ当時日本映画の中でもサラリーマンの男性主役というところが新しかったですし、サラリーマン男性の夢というのが面白かったと思うのですが、それに対して今回の宝塚版はプロローグやショーシーンを入れてショーアップしていく部分と、女性の夢、女性側の感情をもう少し宝塚ならではということで掘り下げられたらと思っています。その時どう思っていたのか?という部分も書いていこうと。宝塚は女性のお客様が多いので、共感していただけるかな?と。それもあり、男役の早霧さんに娘役とは違う視点で、仕事を持っている自立した女性を演じて頂き、悩みとかを描けたらいいなと思っています。またドニー青木をはじめとするコメディ要素は宝塚だからといってごまかすことはなく(笑)、竹中直人さん、渡辺えりさんに負けないぐらい笑いを取っていきたいです。たまに私の肩書きにコメディ作家と付いていたりしますから(笑)。宝塚だからそこはやらずに感動的に、というような気持ちは一切なく、宝塚だからこうきたのか!!大爆笑!というように、笑い納め、新年初笑い、ここまでできるぞ!かつ、こんなにゴージャスだぞ!と。なるほどね、と思っていただけるような方向にしていきたいと思っておりますのでご期待ください。本当に正々堂々とやっていきたいと思っております。
―――出演者の皆様はいかがですか。
◆壮 先ほど舞台袖でも周防監督とお話をさせていただいて、どのような気持ちで作られたのか、社交ダンスの競技と見せるダンスは違うというお話を聞かせていただき、とても新鮮にかつ嬉しく伺うことができて、これからやっていく上でとても貴重なアドバイスをいただいたなと思いました。宝塚でしかできない『Shall we ダンス?』を原作のエスプリをなくすことなく、良い意味で脚色してお届けできればいいのかなと思います。あと、ドニー青木さんに関しては、本当にやりたいと言っている人が、組内でものすごく多くてですね、私に言ってもしょうがないのに、みんな「やりたいです、やりたいです!」と立候補してくる人がすごく多いので、ここは一つ、オーディションか何かで(笑)。厳選なるオーディションで選ぶと、そこもまたひとつお客様に楽しみにしていただける部分になるのではと思います。あの、時間に余裕があれば、私もそのオーディションには参加したいと思います(笑)。
◆愛加 私は奥さんの役なので、どこまで踊るかなどはまだ分からないんですが、私が初めて映画を見たときの感動は、宝塚で見た方にも同じような気分を味わっていただきたいと心から思っているので、自分の気持ちも忘れずにしっかりとジョセリン役を務めていきたいと思いますし、もちろんドニーさんの役は私も楽しみにしております。頑張りますのでよろしくお願いします。
◆早霧 ドニー青木役をやると思っておりました・・・!(笑)なので90度にキュッて回るのをよく練習していたんです(笑)。『Shall we ダンス?』を舞台化する聞いた時、そのように自分は思っていたのですが、このように女性講師役ということで、やはり教える立場なので中途半端に社交ダンスをやってはいけないと思っております。今日も振付を社交ダンスの二ツ森司先生とみどり先生につけていただいて、本番も先生の振付で踊ることになると思います。先生から教えていただいた社交ダンスの雰囲気を宝塚の舞台でさらに華やかさをプラスさせて舞台に臨めたらと思っております。
―――小柳さん、出演者の名前が外国名ですが、ハリウッド版がベースということでしょうか?
◆小柳 いえ、ハリウッド版でもなく、日本版でもなく、第三の宝塚バージョンということで考えております。ちょっとイギリスをイメージしつつ、どこか現代の外国・・・イギリスの都市部であろうという感じでやろうと思っております。基本的に見ていらっしゃる方が、日本のお客様に共感していただけるように。(映画のように)江古田とか看板があっても、ちょっと宝塚では・・・と思いますし、また日本が舞台だと家に入るとき靴を脱ぐのか?というような話になって、とても大変なので(笑)、そこは宝塚の華やかさを残しつつ、でもどこか遠い国の話ではなく、この妻は私だわ、旦那はあんまり話してくれないわ・・・とか、男性は言えないよね、こんなのという。ハリウッド版を見たとき、そのあたりは少し違うニュアンスだったので、宝塚では日本バージョンの原作のテイストを残しつつ宝塚版、というのが一番すんなり見られる舞台設定かなと思っておりますので、新しい名前でやらせていただこうかなと思っています。
―――小柳さん、ダンスコンテストの場面などでショーアップされるのですか?
◆小柳 そのあたりは時間とショーナンバーの入れ方次第なのですが、一カ所はやはり社交ダンスというものをきっちり見せていく場面は作りたいなと思っております。さっき監督がおっしゃっていたように、客席向きの部分と中で相手を見ていく部分という両方の楽しさ、面白さを伝えられたらいいかなと思っております。
―――(全日本ダンス協会連合会です)1年に1回小冊子を出しておりまして、そこに今回のチラシを入れさせて頂きます。全国のダンス教師に配布させて頂きます。壮さん、男役として社交ダンスを踊るにあたって苦労などはありましたか?
◆壮 やはり普通のデュエットダンスと違って、社交ダンスの組み方は違うんだなというのが今回一番大きく思ったことですね。ホールドって絶対この形をキープするというのが違うので、どうしても早霧と一緒に踊っていると腕が落ちてしまったりとか、無意識のうちにリードの仕方も宝塚版のリードの仕方になってしまうところが大いにありましたので、今日の社交ダンスに関しては練習期間も短くて、まだまだ拙いところがあったんですけれども、せっかく得た機会ですから、この機会にしっかりと社交ダンスというものを学んで、これからの男役としてのデュエットダンス、宝塚のデュエットダンスというものに繋げていくことができればいいなと思います。今おっしゃいましたように、全国の社交ダンスの先生や生徒の方々が、たくさん見に来られるであろうというお話でしたが、どうかその辺りは温かい目で(客席爆笑)、見守っていただければと思います!何よりも自分たちが楽しむことが大切だと思いますので、基本はしっかりとマスターした上で、自分たちが楽しんでそしてお客様にもその楽しさを共有して見ていただけるように頑張りたいと思います!
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