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劇団☆新感線2014春興業
いのうえ歌舞伎『蒼の乱』
製作発表が行なわれました
公演について(公演資料より抜粋)
劇団☆新感線の劇団本公演としては前回の『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ』から
約1年半ぶりの新作となる本作品“いのうえ歌舞伎”『蒼の乱(あおのらん)』。
今回はまさに、「正調中島(かずき)節」炸裂!
覚えめでたき「王道“いのうえ歌舞伎”」復活の作品になりそうです。
“いのうえ歌舞伎”とは、神話や史実などをモチーフとし、
ケレン味を効かせた時代活劇のシリーズで、近年では、その持ち味に加え
ドラマ性に重きをおき、人間の業を浮き彫りにした作品作りへ進化しています。
◆今回描かれるのは、新たな切り口から描かれる
平将門をめぐる“国づくり”の物語。
モチーフは“日本の三大怨霊”の一つに語られ、さまざまな逸話を残す歴史上の
大人物でもある平将門。その将門をめぐる物語を、これまでのイメージとは
まったく違う角度、切り口で描いていきます。
ここ数年、座付き作家の中島かずきがこだわってきたテーマ“国づくり”。
歴史の大きな流れの中で構築されていく「国をつくる」というテーマを、
日本の平安時代を想定した架空の国を舞台に描きます。
業を背負った女と自分に真っ直ぐな男が運命の出会いをし、
国をつくる第一歩を踏み出す・・・。
カタルシスに溢れたストーリーは必ずや観る人を引き込むことでしょう。
◆唯一無二の存在感が光る天海祐希と、新感線初参加の松山ケンイチが舞台初共演
主演は、劇団☆新感線には2003年『阿修羅城の瞳』、2010年『薔薇とサムラ
イ~GoemonRock OverDrive』に続く3回目、4年ぶりの登場となる天海祐希。
“いのうえ歌舞伎”作品で女性ゲストが主演を務めるのはこれが初めてのことで、
天海は将門の妻となる強く美しい女性“蒼真”を演じます。
唯一無二の存在感を持つ彼女にしか演じられない人間の器の
大きななんとも“男っぷりのいい(?)”カッコいい役柄に加え、
舞台上では歌ったり踊ったりの見せ場も満載。
その蒼真に相対する“将門小次郎”を演じるのは、
劇団☆新感線初参加の松山ケンイチ。朴訥で爽やかなキャラクターで、
新鮮な将門像に挑みます。天海とは映像での共演はあるものの、舞台では初共演。
蒼真と小次郎、二人の間にはほのかな愛情が生まれたかと思えば激しい感情の
やりとりもあり、複雑な人間関係の変化に伴う微妙な感情の揺れなども
大きな見どころとなります。
また2009年『蛮幽鬼』、2011年『髑髏城の七人』以来、
劇団には3回目の出演となる早乙女太一が今回は過去二作品とはかなり印象の違う
役柄で登場。彼の実弟・早乙女友貴(新感線初参加!)との凌ぎを削る兄弟対決を含む、
華麗な殺陣シーンにもぜひご注目ください。
そして梶原 善、森奈みはるといった、もはや“準劇団員”ともいえる
おなじみの役者たちに、粟根まこと、高田聖子、橋本じゅんら
個性派劇団員たちも勢揃いし、彼らの魅力が存分に凝縮された役どころを演じます。
さらにはシェイクスピアからアングラ劇まで精力的に舞台に立ち続ける
演劇界の重鎮、平 幹二朗も満を持して初参加、スケールの大きい重厚な演技で
新感線の劇世界に深みを加えます。
STORY(内容に触れています)
時は平安時代。
都では中央集権の政のもとに朝廷では貴族たちが贅沢三昧にくらし、
地方の民たちには税が重く課され貧しい暮らしを強いられていた。
不満のたまる地方の民たちは小さな叛乱を起こしては貴族によって封じられていた。
あるとき、左大臣の屋敷で国の行く末を占っていた渡来衆の一団が、
国家大乱の卦を出したことを口実に武士たちに襲われた。
窮地に追い込まれた彼らの長である蒼真(天海祐希)と、
蒼真の親友、桔梗(高田聖子)は、坂東から京に出てきていた
将門小次郎(松山ケンイチ)に救われる。
蒼真と小次郎の運命の出会いである。
二人はその運命に導かれ夫婦となり、小次郎の故郷・坂東の地を目指し都を後にする・・・。
そこに都を騒がす大盗賊、帳の夜叉丸(早乙女太一)が現れ、
蒼真達を海賊・伊予純友(粟根まこと)のもとへと連れていく。
純友は、実は蒼真たちにとっては渡来の仲間。彼は小次郎に、
国をひっくり返してともに新しい政府を立てようと誘うのだった。
その様子を伺っていたかのように、純友の元に現れたのは朝廷に
仕える弾正淑人(梶原 善)。何を企んでいるのか、
単身、宿敵の海賊の頭領・純友に会いに来たのだった。
一方、坂東に戻った小次郎と蒼真は、彼の叔父と国司、その妻・邦香(森奈みはる)らの
蛮行に坂東の民は苦しめられ続けていたことを目の当たりにし、
小次郎の“生涯の友”である相棒・黒馬鬼(橋本じゅん)と一緒に
彼らを一気に蹴散らす。そこに再び夜叉丸が現れて今度は
小次郎を蝦夷の大王・常世王(平 幹二朗)に会わせたいという。
常世王の隠れ住む山奥で、王は小次郎に「この東国に小次郎が望む国を作ってほしい」と語る。
その話に共感した小次郎は純友と常世王と共に反乱軍を組織し長となり
“将門新皇”として朝廷と戦うが、ある出来事をきっかけに行方をくらましてしまう。
そこで妻である蒼真が小次郎の意志を継ぐ者として、
“将門御前”と名乗り、反乱軍を率いていくことになるが・・・。
製作発表が行われました(2014年1月30日)
▲最初は緊張の面持ちのみなさんでしたが・・・
◆演出:いのうえひでのり
劇団☆新感線のお芝居を始めた初期の頃は、舞台上で劇画的なことをやろう!と、ひたすら追求した時代がありました。もちろん「いのうえ歌舞伎」も舞台の上でやれる楽しいことをしよう!ということで、歌ったり踊ったりチャンバラしたり、お笑いのようなことをやったりして来ました。(劇団員の)年齢と共にそういうこともきつくなってきて、ここ数年は割とシリアスでヘビーな内容が多かったので、今回の『蒼の乱』は「いのうえ歌舞伎」の原点に返るという訳でもありませんが、久しぶりに爽やかな作品になると思います。それは主演に天海祐希さんを迎えるということも大きいです。天海さんはご存じの通り、現実離れしたキャラクターの方が光るような気がして、普通にOLをやっていても何かあるんじゃないかと思わせるタイプなので(笑)、スケール感を感じさせる女優さんを生かすのであればスケールの大きな話がいいなと。今回は「国のリーダーとは」ということも問いかけている国盗りの話になりました。相手役には松山ケンイチくんにお願いしたのは、国盗りの話でありながら無垢なる男の成長を描いているので、国のリーダーに成長していく様子を彼なら表現してくれるのではないかと思い楽しみです。「いのうえ歌舞伎」はインチキ話というか、なんちゃって日本史のようなところがあるので(中島かずきさん 思わず苦笑)そういう漫画くさいところにくさびを打つつもりで平幹二朗さんに登場を願ったわけですけれども、この間顔合わせと本読みをして平さんにも読んでいただいたき、これがまた素晴らしくて、「もうそれでいいんじゃないか。今すぐ本番になってもいいんじゃないか」(報道陣から笑い)というほどでした。インチキな話に説得力を持たせてくれるんです(笑)。これは実際にあった話なんじゃないかと思わせるほどです。今回で3度目の早乙女太一くんは、前作2作同様また謎の多い剣士の役です。最初に出たとき17歳の高校生、今22歳、場当たりをやって「大人になったな」と思いました。後は劇団員一同頑張っています。(高田聖子が登壇しているにもかかわらずこの挨拶で場内爆笑)爽やかで楽しい芝居になると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
◆作:中嶋かずき
今、いのうえが色々と失礼な発言を致しましたが(笑)、インチキなことしか書いていないと思われがちな気がしますが、天海さんも決して人間離れしているわけではなくスケールの大きな女優さんだということだと思います。(いのうえの挨拶を)何を言っているんだこの人はと思いドキドキしながら聞いていました。
『シレンとラギ』で書かなければいけないことを書いたつもりにはなったのですが、それはそれとして今回のキャスティングを考えた時、天海さんはスター中のスターですし、光りを持っているこの方をどれだけ大きくするかが新感線らしいかなと思いました。「いのうえ歌舞伎」は最初は伝記ファンタジーのような雰囲気で悪霊や妖怪、あやかしが出てくるようなラインをやっていました。その頃、平将門はいつか書く日が来るのだろうなと思っていました。でも人間ドラマを中心に描くようになり、ファンタジー要素を消して、ドラマの中で大きなウソをつくような作品に変わっていったし、自分の気持ちもそうなっていったので、平将門を書く日はもうないのかなぁと思ってある種諦めていました。しかし今回、人間ドラマの部分から平将門を書いてみようかとやり始めたところ、関東で反乱を起こし中央政権を独立させる話ですので、昔書いた蝦夷の反乱を書いた『アテルイ』や『髑髏城の七人』などのように日本に交わる者たちの作品として、野蛮な土地だと思われていた関東での話になったなと。ただ難しいだけではなくて愉快な人たちも次々と出てくるところも含めて、新感線らしい話かなと思います。
▲現実離れしたキャラクターの方が光るような気がしてとか、
人間離れした・・・と言われ、思わず顔を覆う天海。
◆天海祐希(蒼真役)
また劇団☆新感線公演に出させて頂けるということで、本当に嬉しく思っております。いのうえさんがおっしゃるように人間離れした部分があるとするならば、是非それを思う存分舞台の上で発揮したいなと思っております。今回は濃いメンバーで大変嬉しく思っております。本読みでは世界観が出来ていて、とても楽しみに思いました。平さんはその場で正解を出されておりましたので、私も早く正解を出したいなと思います。くれぐれも体調に気を付けて頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
◆松山ケンイチ(将門小次郎役)
初めて劇団☆新感線に参加させて頂きます。一番最初にお金を払って観た舞台が劇団☆新感線の『レッツゴー!忍法帖』で何て楽しいことを、東京ではやっているんだろうと思いました。(いのうえさん笑う)そのことを今でもはっきり覚えています。その劇団☆新感線に役者として出演させて頂けることを幸せに思っております。本読みをした時には、大笑いしました。それ位楽しいものですし、早くみなさまに届けたいと思います。よろしくお願いします。
―――今回、松山さんと天海さんは夫婦役ですよね。
天海「(低い声で)ええ」
(場内大爆笑)
松山「人間離れした天海さんの夫役と言うことは僕も人間離れしなきゃいけない。
そういうバランスは意識していかないといけないなと思います。
稽古の中でどうやったら天海さんと夫婦になれるのかを
模索していきたいなと思います」
▲いのうえの挨拶を聞いて微笑む早乙女。
◆早乙女太一(夜叉丸役)
僕は13歳か14歳の頃、劇団☆新感線の『髑髏城の七人(アオドクロ)』を観て、本当に感動して夢のような自分が手が届かない存在だなと思っておりましたが、そこに自分が参加させて頂けることになった時の喜びを今でも覚えています。今回は3度目で、一度目は謎が多い殺し屋、二度目は変わった殺し屋で、今回もまた謎が多い役でそろそろ飽きられるんじゃないかなぁと。(隣で脚本の中島が「ごめんね」とささやく)いやいやいや、あきられないように新鮮な感じで観て頂けるよう、稽古で作りあげていきたいと思います。
―――弟さんの早乙女友貴さんと殺陣の対決があるそうですね。
そのあたりは兄弟でお話されたり?
(早乙女)していないですね。兄弟はほとんどしゃべらないので(笑)
僕が初めて新感線に出させてもらったのも17歳、弟も今回初めてで17歳。
ちょっと並ばれた感じがジェラシーというか。
でも嬉しい気持ちもあります。
◆高田聖子(桔梗役)
インチキ劇団員の高田聖子です(笑)最近は悪い役が多くて、天海さんと前回ご一緒した時も敵対する役でした。今回は作家の中島さんから天海さんのサポート的役割だからよろしく頼むと言われ、先ほどから話題の人間離れした日本一のハンサム女優のサポートが私に出来るのかどうかと不安になりまして、先日スポーツジムに入会しました(笑)足手まといにならないように頑張ります。
―――劇団☆新感線、初出演の方に何かアドバイスを。
(高田)気を付けることは、インチキだということに気づかないようにして
いただけたら。あとは楽しんでいただけたら。
◆平幹二朗(常世王役)
僕は35歳の時に劇団を辞め、寄るべき大樹の陰がないままに45年位を一匹狼で様々なジャンルの芝居に挑戦して生き延びて今日まで参りました。その私に今や日本の演劇興行界を震撼させている劇団☆新感線からまさかのオファーがあり、初参加させていただけることを大変嬉しく思っております。お話があった時は驚きましたが実は内心では「いつかこの日が来るのではないか」という期待のようなものがあったことは正直なところです。僕が演じる常世王は腐敗した中央政権から独立した国を理想郷として作りたいと思っていて、その思いが崩れたまま長として山奥に住んでいる男です。同じような志を抱いている将門に出会い、彼は自分の夢を叶えてくれる男と思い、東国で新しい国造りをするように誘惑するというか、勧めていく男です。そういう男の野性味と神秘性を表現出来ればいいなと思っています。若い人たちのエネルギーのるつぼに老人が一人迷い込むようですが、楽しんで稽古を含めて4ヶ月近くを挑戦したいと思います。
―――平さんは、劇団☆新感線のお芝居をご覧になったことは?
(平)拝見していないのでDVDを3本観させていただきました。
とても僕には出来ないと思い、オファーはこれじゃないなと思いましたが、
脚本の上で年齢を考慮していただけるということなので、思い切って挑戦します。
―――天海さん、松山さん、お互いの印象は?
(天海)松山さんは、映画で2回ほどご一緒しましたが舞台では初めてで、
がっつりお芝居をさせていただけるので楽しみにしております。
丁寧で誠実にお芝居をされる方だなと思っておりましたので、
私もそういうところを盗みたいですし、正面から松山くんのお芝居を
受け止められるように頑張りたいです。
(松山)ものすごい存在感のある女優さんなので、
そういう力がある方と夫婦役をやるということは
自分もそこまでいかないといけない。
全身全霊でぶつかっていかないと夫婦に見えないと思いますし、
今のままではまだまだ足りないと思っております。
稽古の中でじっくり作りあげていきたいと思います。
劇団☆新感線2014春興業
いのうえ歌舞伎『蒼の乱』
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
【東京公演】
2014年3月27日(木)~4月26日(土)
東急シアターオーブ
お問い合わせ
サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(10:00~19:00)
【大阪公演】
2014年5月8日(木)~27日(火)
梅田芸術劇場 メインホール
お問い合わせ
キョードーインフォメーション 06-7732-8888(10:00~19:00)
企画・製作 劇団☆新感線・ヴィレッヂ
公式サイト http://www.aonoran.com/
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あらかじめご了承下さい。