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十七世中村勘三郎、十八世中村勘三郎 追善公演
歌舞伎座10月公演「十月大歌舞伎」
新橋演舞場11月公演「十一月新派特別公演」製作発表が行われました。
―――お父様(十八代目)が亡くなられてから、どんな思いで毎日舞台を続けてきましたか。
◆中村勘九郎
常に父がいました。役に取り組む、お役をいただいた時、「父だったらどうするんだろうな」ということを考え、
台詞の一言一言や間や空気だとか、すごく意識をしていましたね。
この2年間、すごく縁のある、父が残してきた宝物をやらせていただいているなと思います。
特に今年はコクーン歌舞伎があって、ニューヨーク公演があって、納涼(歌舞伎)と、
父がくれた宝物を大切に僕たちでやらせていただいているなと感じながら勤めておりました。
◆中村七之助
僕も兄同様、常に出の前にはまず「父が見てくれている」という気持ちで舞台に立ちますし、そして幕が下りた後は、
父から、「今日のお芝居はどう怒られるのかな」とか、「こう言ってくれるんじゃないか」ということを
常に思ってやっておりました。あとは、諸先輩方が見てくださって、ここはこうだよ、ああだよと
言ってくださるということは、父が愛されていたんだなということを、
また改めてずっと感じていましたし、今年は父のまいてくれた種に、私たちが一生懸命に水をあげて、
芽が出ているかどうか分からないですけれども、とりあえず一生懸命にキレイな花を咲かせなきゃいけないなと
そういう気持ちで今年はやらせていただいておりました。
その締めくくりとして、この十、十一月の追善、そして京都の顔見世は、
ちょっと思い出してしまうので、実は寂しいんですけれども・・・。
うちの父を偲んでと付けてくださっております。夜の部には『爪王』という踊りがあるのですが、
これも父に縁のある踊りでございます。この前の祖父の追善で久しぶりに私たち兄弟でやらせていただいて、
やりたいということを松竹のみなさまに言ったら、快く引き受けてくださいました。
そうやって、すごく充実した、父の為に芝居をしてきたんじゃないかなと思います。
―――新派公演は勘三郎さんが前々からやりたいと言っていた作品だったとか?
◆中村七之助
そうなんです。うちの父は歌舞伎が大好きで愛していましたけれど、新派のこともすごく気にしていたんですね。
新派には色々いいものがあるので、「この兄弟で何かをやれないかな」とずっと言っていて。
私たちも叔母が出ているのを、観てはいましたが一回も出たことが無かったので。
出演できることをすごく嬉しいなと思っています。
―――七緒八ちゃんも頑張っていますが、今回は出演されないのですか?
◆中村勘九郎
いえいえ、出ないです(笑)
―――二人で演じられるということに加え、歌舞伎と新派で相手役として共演できることについて。
◆中村勘九郎
この会場に袖から入ってきたのですが、このパネルが“ぽんぽん”っとあって。いま七之助が言っていましたけれども
「兄弟仲良く。一人一人が良い役者になってくれれば、二倍になるのだから」と父が言っていた言葉を思い出して。
これはね、たぶん喜んでくれたと思いますよ。この写真が二つ出たというのは。生きていても喜んでくれたと思うし、
今もすごく喜んでくれていると思う、うん。すごくありがたいことですし、こうやってできるということ。
自分たちの力でできるレベルでは全くありません。みなさんの力があって
オススメがあってできることだと思うので、そこをちゃんと分かって、その期待に応えられるよう。
倍返し・・・。そう!本当にそうなんですよ!半沢直樹のアレ(「倍返しだ」という台詞)
子どものころから言っていたよね!(七之助さんに向かい)本当に。
だから半沢直樹が父の口癖をとったのかもしれない?(笑)
『鶴八鶴次郎』は、まさか七之助とやるとは思っていなかったのですが、それは祖父の二十七回忌の新派をやる時に、
何をやろうかって時にこれ(『鶴八鶴次郎』)をやりなさいと言ってくれていたんです。
やっぱり『鶴八鶴次郎』やりたかったので、すごく嬉しかったです。父のも観ていましたし、
祖父のも映像で残っているのを観ていますから。本当にやりたい演目の一つでした。
厳しさや切なさ加減といい、最後の番頭佐平との二人のところなんかは、子ども心ながらボロボロ泣いていたので。
今回は柄本明さんが番頭佐平をやってくださいますけれども、今から楽しみです。
◆中村七之助
私も、こうやって二人で(相手役を)やっていくことに対して、すごく嬉しいと思います。
歌舞伎は照れくさくないのすが、新派だとちょっと照れくさいかなと思うんです。
兄弟に見えないようにしたいと思います。
『鶴八鶴次郎』観ていても、まさか鶴八をやるとは思ってもいなかったし、新派は初めてです。
そしてこんな大役をやらせていただくことで、
習うものか、習わないものかも分からないので。うちの叔母に色々と聞こうと思います。
―――新派の女形に対して、思いはありましたか?
◆中村七之助
僕で大丈夫かなって思いました(笑)。
どちらかというと、女形という生き物として女形を演じているタイプの女形なんで、
本当の女になるというスタンスであまりやっていなかったので、今回(新派への出演)は、私にとって、
もう一つの何かを踏み出せるんじゃないかなと、楽しみです。
声の出し方も全然違ってくるんじゃないかと思いますし。歌舞伎以外のこともされている玉三郎の伯父様とか、
春猿さんとかにアドバイスをいただいてやってみようかなと思います。
十七世 中村勘三郎 二十七回忌 追善
十八世 中村勘三郎 三回忌 追善
『十月大歌舞伎』
【昼の部】
一、新版歌祭文 野崎村
二、上 近江のお兼
下 三社祭
三、伊勢音頭恋寝刃
【夜の部】
一、菅原伝授手習鑑 寺子屋
二、道行初音旅 吉野山
三、鰯賣戀曳網
2014年10月1日(水)~25日(土)
歌舞伎座
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2014/10/post_80.html
十七世 中村勘三郎 二十七回忌 追善
十八世 中村勘三郎 三回忌 追善
『十一月新派特別公演』
一、鶴八鶴次郎
二、京舞
2014年11月1日(土)~25日(火)
新橋演舞場
http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/schedule/2014/11/post_179.php
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