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松竹創業120周年 スーパー喜劇『かぐや姫』製作発表
3月新橋演舞場・4月大阪松竹座で上演
公演について(資料より)
“スーパー喜劇”は藤山直美の“喜劇”と三代目市川猿之助(現猿翁)の“スーパー歌舞伎”の
夢のコラボレーションとして平成17年に『狸御殿』を世に送り出し、
笑いと涙、さらに歌舞伎の技法をふんだんに盛り込んだ内容で一大旋風を巻き起こしました。
そして今年、10年の時を経て待望の第二弾『かぐや姫』を上演します。
藤山直美がかぐや姫を勤め、多彩なジャンルで活躍する豪華出演陣が共演します。
あらすじ(資料より)
太陽の王と月の女王との間に生まれたかぐや姫は、ある月の掟を破ってしまい、罰として蒼い星(地球)に
流刑されることに。いにしえの地球に落ちたかぐや姫は、竹林で月庵と照乃夫妻に拾われ、人智を超える
早さですくすく育ちます。月での記憶を失いながらも、不思議な力を宿していたかぐや姫、
人々を明るくさせる福女ぶりの噂に尾ひれはひれがついて広がり、次々とムコ候補が名乗り出ます。
そこへ噂を聞いた帝がかぐや姫に会いたいと参内を命じ、使者として京之介という男を遣わします。
最初は犬猿の仲の二人でしたが、やがてそんな二人が恋に落ちてしまいます。
ところが事もあろうに月からお迎えの知らせが届きます。かぐや姫からその話を聞いた
京之介はなんとか姫を守ろうと決めるのですが・・・
製作発表が行われました(2015年1月15日)
◆松竹株式会社 安孫子正
本年は松竹創業120周年という節目の年でございます。この3月4月にスーパー喜劇『かぐや姫』を上演する運びと相なりました。スーパー喜劇は10年前に初めて『狸御殿』を上演し、今回10年ぶりの第2作目の上演となります。近年、藤山直美さんに作品を提供して下さっている佐々木渚先生のお作と、齋藤雅文さんの演出で公演させていただきます。澤瀉屋(おもだかや/つくりはわかんむりです)さんが作られたスーパー歌舞伎と藤山直美さんに繋がる喜劇をあわせた、“スーパー喜劇”ということで、新しいジャンルの大型の喜劇を創っていこうということの中でございます。素晴らしい顔ぶれでこの芝居が上演出来ます事を嬉しく思っております。お客様に心から喜んでいただける喜劇が求められていますので、いい作品にしていきたいと思っております。皆様方におかれましてもお力をいただき、ご声援のほどお願いいたします。
◆佐々木渚(脚本)
このたび『かぐや姫』ということで、藤山直美さんをはじめ水谷八重子先生、上條恒彦さん、大津嶺子さん、そして澤瀉屋のみなさまと、たくさんの素晴らしい役者さんに参加していただけることになりました。直美さんの『かぐや姫』ということで、観に来て下さるお客様が期待していただいていると思いますので、楽しい『かぐや姫』を観ていただきたいなと思っております。
◆齋藤雅文(演出)
『かぐや姫』は藤山直美さんが(スーパー喜劇の前作)『狸御殿』をやっているころからおっしゃっていたことで、澤瀉屋さんのスーパー歌舞伎(『カグヤ』)へのオマージュでもあります。直美さんの芸質の本領はリアルさと、それから実は、歌舞伎や新派に根っこがあるように思います。みんな引っ張り出して、今、直美さんが見せられるものを提示したいと思っております。
◆エグゼクティブスーパーバイザー:市川猿翁 メッセージ
「益々頑張ってください。期待をしておりまーす!!
フレーフレー直美!! フレーフレー直美!!
親子二代にわたり大ファンの市川猿翁でございました」
◆藤山直美(かぐや姫)
私が『かぐや姫』をやるということは対極のものであると分かっております。齋藤さんと佐々木先生に「ものすごく大きな竹を作るから!」と言われたのでそれでかぐや姫をさせてもらうことになりました(笑)。藤山の家の喜劇の本家である新派から水谷八重子先生に出ていただきまして、上條恒彦さん、大津嶺子さん、そして総本家の歌舞伎の方から澤瀉屋のみなさんに来ていただきますので、お客様が楽しんで帰っていただけたらいいなと思っております。来月からお稽古ですのでどうなるのか分かりませんが新しいひとつのジャンルになったらよろしいのですが、ひとつのジャングルになりそう気がいたします。珍獣が集まりましたので楽しいお芝居になるように努力いたします。
◆市川笑也(中宮 琴乃)
中宮 琴乃を勤めます。まだ脚本があがっていませんが、序幕を読ませていただき面白いと思います。“スーパー喜劇”はなぜ面白いかと言うと“スーパー”なんですね。“デパート”じゃなくて“スーパー”なんですと言い続けてきましたが、「よりよくお客様を楽しませよう!」というのが“スーパー”のコンセプトです。私の師匠・猿翁は「お客様あっての演劇である。お客様をどれだけ楽しませることが出来るかというところで頑張らないといけないんだよ」、と言っております。宣伝のほどよろしくお願いいたします。
◆市川猿弥(かぐや姫に仕える月のうさぎ 耳彦)
“スーパー喜劇”は二度目の出演です。前回は直美さんとも宙乗りをさせていただきまして、いろんな想い出のある作品です。前回狸で今回うさぎです。なんで動物ばかりなのかなぁ・・・(笑)。今回も面白い作品になればと思いますのでよろしくお願いいたします。
◆市川春猿(かぐや姫に仕える月のうさぎ 赤目)
赤目という、うさぎのお役です。スーパー歌舞伎(『カグヤ』)でもうさぎの赤目というお役でした。赤目といえば春猿ということで嬉しく思っております。前回の『狸御殿』の時は、直美さんとご一緒するシーンは笑ってセリフが言えない状況が多々ありましたので、今回は仕掛けて来ても舞台で笑わないように、頑張って舞台を勤めたいと思っております。
◆市川月乃助(かぐや姫と恋に落ちる 京之介)
“スーパー喜劇”は今回初参加でございます。直美お姉さんとは一昨年の『さくら橋』からご縁をいただき、昨年の『笑う門には福来たる』、そして今回また呼んでいただき嬉しく思っております。重ねて嬉しいのは、ここ数年お世話になっております、水谷八重子さんをはじめ新派の方々、そして上條恒彦さん、大津のお姉さん、苦楽を共にしてきた一門のみなさんと一緒に幕を開けること出来るのは私にとりまして嬉しいことでございます。師匠が“夢見る力”と申しておりました。その力を持ち続けて2ヶ月間精一杯勤めたいと思います。
◆大津嶺子(地上でのかぐや姫の育ての母 照乃)
序幕の脚本を読ませていただきましたが、歌があって踊りがあってとても楽しそうです。私はそのシーンに名前が出ていないのがちょっと残念ですが、みなさまどうぞよろしくお願いします。
◆上條恒彦(太陽の王 日輪/かぐや姫の育ての父 月庵の二役)
直美さんとは『大阪から来た女』という芝居でご一緒し、今回が二度目となります。“スーパー喜劇”は初めてのジャンルなので興味津々です。よろしくお願いします。
◆水谷八重子(かぐや姫の母 月の女神 月光)
直美さんにはいつも新派の面々がいろんなところでお世話になって、少しでもご恩返しが出来たらと思っております。初めての“スーパー喜劇”なのでどこまでお役に立てるか分かりませんが、張り切って役に立ちたいと思っております。
<質疑応答>
―――ポスターを見るとかぐや姫というよりは金太郎さんのようですが、
どういう感じのかぐやになりそうでしょうか。
◆齋藤雅文
直美さんがかぐや姫をやる限り、最初の登場シーンは竹の中から(ポスターのような)
ああいう風に出てくるんじゃないかと思います。東京に初めてゴジラが登場したように(会場爆笑)
直美さんらしくと申しましょうか、歌って踊って立ち廻りをして、ありとあらゆることをしたい。
その一番の象徴がポスターの写真だと思います。
◆藤山直美
まだどうなるのか分からへんのですが、新派からも、澤瀉屋さんからもたくさんの役者さんがいらっしゃいますので、
踊るところはみんなできっちりやりましょうと。八重子さんも上條さんも歌っていただきましょうと。
みんなで出来ること全部やろうかという試みです。各役者が適当にこなすことがないように、
芝居をなめることがないように。(急に後ろを振り返り)ね、猿弥さん(笑)。
(猿弥:僕はいつも一生懸命ですから!)
―――前回藤山直美さんと市川猿弥さんの宙乗りを楽しく拝見しましたが、
今回宙乗りあるのでしょうか?
◆齋藤雅文
当然飛ぶんじゃないでしょうか。
◆藤山直美
いやもう年やから~・・・
◆齋藤雅文
そう言っているんですが。(記者から飛んでくださいという声がかかり)
じゃあ飛びます!
◆藤山直美
猿弥さんやってよ~・・・
◆市川猿弥
直美さん主役だし、飛ばないと月に帰れないですよ!飛びます、飛びます!
―――今回の公演で楽しみにしていることは?
◆大津嶺子
なにはともあれ楽しくって明るくってという舞台にして、みなさんに楽しんでいただけるものに
したいと思います。そのために頑張ります。
◆上條恒彦
頑張ります!
◆市川笑也
前回の『狸御殿』の時は、台本をいただいた時にセリフが書いてなくて
「よろしく」とだけ書いてありました。今回はそういうことがないんじゃないかなと
期待しております。
◆市川猿弥
僕は稽古中から常に楽しいと思っているんです。さっきも控室で
楽しさが始まっていますので、1か月の稽古が始まるとより楽しくなるだろうなと。
ねぇ、(直美)姉さん。姉さんに全てかかっております!(笑)。
◆市川春猿
直美さんの日々手を変え品を変え仕掛けてくる(アドリブ)が楽しみです。
前回も毎日違うことをしてくれましたんで、お客さまも「今日は何をやってくれるんだろう」と
いうことで二度三度四度五度と観に来ていただけたらなと。その点もご宣伝いただけたら。
◆市川月乃助
藤山のお姉さん、八重子さんを始めとする新派のみなさん、自分が在籍する一門、
この組み合わせは夢を見ているようで、この公演に出演出来るのが夢のようで、
それが楽しみです。
◆水谷八重子
どんなお芝居、どんな作品が出来上がるのか、観客の気持ちで
待ち焦がれている状態です。どんな役目が来てもそれに応えようと
覚悟しております。でも、ひとつ、高所恐怖症で飛行機も乗らないので、
それだけはよろしくお願いします。
◆藤山直美
「役者が集まったらすごいことするな、素人と違うな」と思っていただけることを
出来たらいいなと思います。チケット代をいただいていますので、
「ちょっと他では見れへん、やっぱりこのメンバーで役者が揃うとすごいことできんねんな」
というふうに思ってもらえる舞台になればいいなと思っております。
―――ご自身がおやりになることとからめてここがいつもと違う“スーパー喜劇”だというところを。
◆水谷八重子
まだ脚本も一部しかいただいていないですし、歌詞はありましたがどんな音楽なのか分からないので
暗闇で手さぐりしている状態です。
◆市川月乃助
“スーパー歌舞伎”を長年やらせていただいた自分としてはその中で培ったものを、
そしてここ数年新派に出演させていただき培ったものを自然に出せたら。
踊りも立ち廻りも、何があるか分かりませんが、さすがだなと思われるような、
見ている方が納得できるのが“スーパー”なところだと思います。
◆大津嶺子
まだ分かっていない部分があるのですが、前の『狸御殿』の時は狸役でとても楽しかったです。
日頃しないことをさせていただけるので、他とは違う舞台で楽しみです。
◆上條恒彦
序幕の脚本で歌うところはなかったので、「ああ良かった」と思いましたが、
先ほど演出の齋藤さんに歌うところがあると聞きましたので、
どんな歌が来るのか楽しみです。
◆市川笑也
前回の“スーパー喜劇”では私はものすごく緊張しました。
お客様に笑いを提供するのはこんなに緊張感があるものなのかと。
私に付いてくれている裏方の人たちが舞台に出るまでに「あんなに緊張した笑也さん見たことないです」と
言われるくらいでした。また緊張を味わえるのかなと思っております。
◆市川猿弥
台本がまだなので前回との違いも分かりませんが、前回とは違った話にはなると思います(笑)。
喜劇の中に歌舞伎があり、歌舞伎の中に喜劇があり、いいとこどりをした感じの作品になることは間違いないですね。
◆市川春猿
台本が出来てないことばかり言われ、先生かわいそうですね。
“スーパー”と名が付くからにはいろんな意味で衣裳やかつら、大道具なども
普段と違うものが出来上がってくるのではないかな、と思っております。
同じことをしても仕方ないので、新しいことを取り込んでいくのが“スーパー”の所以です。
◆藤山直美
“スーパー喜劇”には歌も踊りもありますが、物語として成立していなければいけない、
ということが一番大事なんです。そこに踊りがあって、歌があって、
そこにケレン味の面白さがあってということになりますが、それに引きずられて
物語をごまかすのは私は一番嫌いなのです。
踊りを踊るというより下座に乗るという感じでしょうか。ミュージカル!と言って
この年で手を挙げて足を挙げていたら次の日起きられませんから・・・(笑)。
物語や人物がちゃんと成立した上で、相乗効果を出せたらいいなと思います。
情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。