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明治座『五月花形歌舞伎』囲み会見コメント
写真 左から市川 右近、片岡 愛之助、市川 猿之助、市川 中車
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公演について/配役と見どころ(資料より)
【昼の部】11:00~
一、歌舞伎十八番の内 矢の根
曽我五郎 市川 右近
五月人形のような華やかな装いの五郎が豪快な荒事を魅せる歌舞伎十八番の一つ。
矢の根を研いで仇討ちに備える五郎の初夢に、助けを求める兄の十郎が現れ出て…。
二、男の花道
加賀屋歌右衛門 市川 猿之助
田辺嘉右衛門 片岡 愛之助
土生玄碩 市川 中車
人気女方の歌右衛門と名医土生玄碩(はぶげんせき)のかけがえのない友情を描いた心温まる名作。
歌右衛門を失明の危機から救った玄碩から届いた苦境を知らせる手紙に、
大事な舞台と大恩人との狭間で悩む歌右衛門が取ったその行動とは…。
【夜の部】16:00~
一、あんまと泥棒
泥棒権太郎 市川 猿之助
あんま秀の市 市川 中車
あんま秀の市の家に押入った、泥棒の権太郎。
お金を奪い取ろうと秀の市を脅すも、その話術にはぐらかされてしまい…。
二人の対話の妙が滑稽で可笑しい作品。
湧昇水鯉滝
二、通し狂言 鯉つかみ
片岡愛之助六役早替り宙乗りならびに本水にて立廻り相勤め申し候
俵藤太秀郷
鯉王皇子金鯉
滝窓志賀之助
滝窓志賀之助実は鯉の精
瀬田平
関白中納言橘広継 片岡 愛之助
一昨年の明治座を沸かせた『鯉つかみ』が、さらにみどころを増して帰ってきます。
有名な俵藤太(たわらのとうた)の大百足退治からお家滅亡を図る鯉の精の退治までを、
通し狂言としてよりわかりやすくご覧いただきます。早替り、宙乗り、本水を使った大立廻りに泳ぎ六法、
スピード感にあふれるエンタテインメントをお楽しみください。
囲み会見が行われました(2015年5月1日)
◆市川 猿之助
この4人が揃って一緒の舞台を勤めるということはなかなかないと思うので、この顔合わせは1つの見どころではないかなと私は思っております。(普段は)それぞれが独立して活動をしておりますから、なかなか時期が合わないのですが、今回はぴったりと重なりました。
◆片岡 愛之助
初めて歌舞伎をご覧になられる方にも、すごくわかりやすい演目だと思っております。右近さんの『矢の根』もザ・歌舞伎というものですし、(『鯉つかみ』では)早替りや本水を使ったりしますから、まだ歌舞伎をご覧になったことがない方にも、ぜひ来ていただきたいです。
◆市川 中車
年代も近いこの顔合わせでやれることは、思いっきりできる自由さもありますし、顔合わせも色々な組み合わせがあるものですから、僕自身とても刺激があります。また、それがお客様に良いかたちで伝わるのではないかと、それが見どころだと思います。
◆市川 右近
とても爽やかな新緑の季節に相応しい演目で、歌舞伎の色々な部分を楽しんでいただけるので、この機会に歌舞伎をご覧になったことの無い方にも、ぜひ明治座に足をお運びいただきたいと思います。
―――(お稽古が)朝4時までかかったということですが、何かハプニングがあったのですか?
◆片岡 愛之助
いえいえ。新しく作る場面もありますし道具の配置数が多かったりしますので、
そういう意味では綿密に打ち合わせをしないといけません。
怪我や事故が起きたらえらいことなので、それをきっちりきっちりと組み立てていくと、
そのような時間になってしまいますね。
稽古が4日しか無い中で新しいものを作るので(笑)。
◆市川 右近
パプニングが起きると午前8時とかになりますね。4時とかに終わっているのは、まだ良い方です(笑)。
◆片岡 愛之助
早い方ですよね。意外と早く終わったな〜と(笑)。
◆市川 右近
(愛之助さんに向かって)何かおっしゃったらしいじゃないですか。
この時間までやるなら朝までやりましょうよって。
◆片岡 愛之助
そうなんですよ(笑)。
―――猿之助さん、かなり体を動かす場面もあったと思いますが、
相当体力を使われるのではないですか?
◆市川 猿之助
今月大変なのは(愛之助さんに向かって)こちらです。僕は宙乗りも、早替りもやりませんので。
だからものすごく稽古も(時間が)かかった、大変な舞台なんです。
これがこのまま来月は大阪へ行きますから、大変ですよ、それを作り上げるというのは。
僕は高みの見物で(笑)。
―――午前8時とかなったら大変ですが、愛之助さんは体力に自信があるのですね。
◆片岡 愛之助
そんなことも無いですが、やっぱりきっちり(お稽古を)やっておかないと。
普通のお芝居だと1カ月お稽古しますから。それを2~4日で舞台稽古のような流れでやりますから。
◆市川 猿之助
時間がないからね。
―――他のところでお稽古とかはないのですか。
◆片岡 愛之助
(今回のような場合は)こっち(舞台)へ来てから合わせるだけですね。
◆市川 猿之助
皆さんがそれぞれ違うところでに出ているので、個人的な稽古は自分でやりますけれど、
皆揃ってが4回くらいしかないんですよ。
―――それぞれが色々なところで活躍されているということですよね。
◆市川 猿之助
歌舞伎はおかげさまで、毎月色々なところで開けられて(公演をして)いるのでね。嬉しい悲鳴です。
それだけご愛顧くださるお客様が多いということです。
―――中車さん、4回しかお稽古がないということですがプレッシャーは。
◆市川 中車
最初はもちろん、こんなことがあるものかと思いましたけど、そんなことがあるようで(笑)。
2年前はお稽古が1回だけしかなかった時もあります。少しだけですが、その体制がわかりました。
今も愛之助さんが4時と言われて早かったなと思いましたが、大体午前8時と聞いておりましたので、
順調に進んだなと思いました。稽古も色々な都合で2回だったりとかいうこともありますし、
4回やらせていただければ、ちゃんとやらせていただけたなという感じですね。
僕は本当に準備しないと出来ませんが、皆さんは毎月のことなので、すごいとしか言いようがないですね。
本当に歌舞伎は、それも含めて観に来ていただきたいです。
僕なんか振り向いたら号泣しているくらい、それくらいキツい世界なので。
―――歌舞伎のお芝居には馴染みましたか?
◆市川 中車
いえいえ全然かぶいていないです。早く時間が経って欲しいです。やるしかないです。
―――皆さんからご覧になって中車さんはいかがですか?
◆市川 猿之助
まだ言うところまで来ていないです。始めたばかりだから、上手い下手じゃなくて、
どれだけ舞台の数を踏むかですから、そりゃもうさっき言ったように時間が解決するしかない。
これから、こういう苦しみを一杯共にしていきたいと思います。
◆市川 右近
努力家と言いますか、ストイックに取り組んでいらっしゃいます。
(歌舞伎は)25日間興行というのが普通なので、合わせられるのが残りの5日か6日というところ。
皆が各地から集まって来てやるのですが、それまでは個々に自習をしてきているから合わせられるわけで、
最後の残りの数日でヨーイスタートじゃ絶対に間に合わない。
中車さんは並外れていらっしゃって『一本刀土俵入り』というお芝居を巡業公演でやった時に、
お芋を食べながら喋るシーンがあるんですが、2月くらい前から毎日お芋を食べていて。
普通は自主稽古の時には芋は食べないだろって話になると思うのですが、
それを聞いた時に、どれだけストイックなんだろうと思って(笑)。
それくらい取り組み方が、人の三倍、四倍という思いが見えますのでスゴイなと思いますよね。
―――製作会見で命をかけますと中車さんおっしゃっていましたが…。
◆市川 中車
しきたりとか全くわからないことばかり。自由にやってはいけないところなので、
そういうことに1個1個気付くには時間しか、お稽古しかなくて。
それを40いくつから始めたので、残り少ないので、あとは一生懸命やるだけです。
―――先程お芋のお話が出てきましたが、活かされていますか?
◆市川 中車
今回手紙を書いたものを丸めるという場面があるのですが丸め方1つもわかっていなくて、
(片岡)秀太郎さんにご指導いただいて。丸め方1つでも、こういうことがあるので、
そんなことも知らないというのは本当に恥ずかしいなと思いますが、恥を忍んでやるしかないです。
だから、お芋は活かされていないです!
―――お稽古をやりながら色々な方からアドバイスを受けたりということですね。
◆市川 中車
そうですね。そういう時も幸せですが、最終的には猿之助さんに聞くようにしています。
愛之助さんの『鯉つかみ』に出させていただきますが、誰もやっていない役なので見本が無いんですね。
猿之助さんにお伺いしたりということはあります。
―――『男の花道』で男の友情はテーマになっていますが、何かエピソードはありますか?
◆市川 猿之助
友情とか最近は希薄になっているのでね。何でもメールで済ませてしまうような。
現代には無いものだからこそ、こういう作品に感動していただきたいですね。
人との繋がりがまさに主題になっているお芝居なので。
人類の持っている良いところだと思うので、人間のそういうところに感動していただきたいですね。
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