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赤坂ACTシアター『赤坂大歌舞伎』制作発表 コメント 2015年07月

(2015年07月08日記載)

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赤坂ACTシアター『赤坂大歌舞伎』制作発表 コメント
中村 勘九郎、中村 七之助が出席しました


写真 左から中村 七之助、中村 勘九郎

公演について(資料より)


2008年9月、十八代目中村勘三郎の“芸能の街・赤坂で歌舞伎を!”という一言から始まった「赤坂大歌舞伎」。
世話物の傑作『狐狸狐狸ばなし』/松羽目物『棒しばり』は、これまで歌舞伎を観たことがなかった方々の
関心をも喚起し、客席からは絶賛の嵐!!大成功を収めました。そして2010年、中村勘三郎が再び赤坂に登場!
山田洋次監督に補綴をして頂いた『文七元結』/舞踊『鷺娘』は、伝統芸能としての歌舞伎を継承しつつ、
現代、そして世界に通じる舞台を繰り広げ、笑って泣いて、ほろりと心にしみいる公演として観客を魅了しました。
2013年には、亡き中村勘三郎の遺志を継ぎ、中村勘九郎、中村七之助兄弟を中心に、
「赤坂大歌舞伎」の新たな歴史の1ページが、勘三郎の当り狂言であった『怪談乳房榎』によって開かれました。

そして2015年9月、4回目となる「赤坂大歌舞伎」は、糸操りの人形が三番叟を踊る、
ユーモア溢れる舞踊『操り三番叟』と、主要人物七役早替りが見所の『於染久松色読販 お染の七役』。
『操り三番叟』では中村勘九郎が、軽やかさと力強さを備えた品格ある舞いを繰り広げます。
また『お染の七役』では、中村七之助が、2012年の平成中村座公演での初挑戦以来、2度目の七役に挑みます!
ますますパワーアップした「赤坂大歌舞伎」にご期待下さい。

あらすじ/配役


一、操り三番叟 長唄囃子連中 

能楽の儀式舞踊である「三番叟」を基に、数多くの三番叟物と言われる作品が誕生しました。
『操り三番叟』はそのひとつで、糸繰りの人形が三番叟を踊るというユーモア溢れる趣向で楽しい舞踊となっています。
前半は翁の荘重さと千歳のしとやかさで品格ある厳かな踊りが主眼となります。
そして後見が人形箱から三番叟を取出すと、あたかも糸で操られているかのように踊り出します。
次第に糸が絡まり、切れ、動かなくなった三番叟を後見が糸をつなぐと、魂が宿ったかのように、
ますます鮮やかに、手ぶり足ぶりも面白く舞い続け、五穀豊穣を祈ってめでたく舞い納めとなります。

三番叟 ・・・・・ 中村 勘九郎
千歳 ・・・・・・ 坂東 新 悟
後見 ・・・・・・ 中村 国 生
翁 ・・・・・・・ 坂東 彌十郎


ニ、お染の七役 三幕七場
浄瑠璃「心中翌の噂」常磐津連中
四世鶴屋南北 作
渥美清太郎 改訂
於染久松色読販


「お染の七役」は、宝永年間に大坂で実際に起きたお染と久松の心中事件を題材に、
物語の舞台を大坂から江戸に置き換えた作品です。
質屋油屋の娘のお染と山家屋清兵衛の縁談が進められている中、お染には久松という言い交した相手がいます。
久松にもお光という許嫁があり、元は武家の子息で紛失した御家の短刀と折紙を捜しています。
姉の竹川も久松の身を案じ、短刀の探索の金の工面を土手のお六に頼みます。
お六と亭主の鬼門の喜兵衛は油屋で金を騙し取ろうとしますが…。
お染、久松、小糸、貞昌、土手のお六、お光、竹川という七役の早替りや、南北特有の世話場、
また常磐津による所作事と、見どころに溢れた南北の名作をお楽しみください。

油屋娘お染
丁稚久松 
許嫁お光 
後家貞昌 
奥女中竹川
芸者小糸 
土手のお六 中村 七之助

鬼門の喜兵衛 中村 勘九郎
油屋多三郎 坂東 新 悟
船頭長吉 中村 国 生
腰元お勝/女猿廻しお作 中村 鶴 松
庵崎久作 片岡 亀 蔵
山家屋清兵衛 坂東 彌十郎


≪特別番組≫
受け継ぐもの
赤坂大歌舞伎~勘九郎、七之助兄弟の新たな挑戦

放送予定日
7月25日(土)15:30~16:00 TBSテレビ
8月 9日(日)12:30~13:00  BS-TBS

制作発表が行われました(2015年6月29日)



◆中村 勘九郎
父が残してくれた財産の1つである『赤坂大歌舞伎』を、今年も出来るという喜びでいっぱいでございます。この7年間、本当に色々なことがありましたけれど、本当に早かったです。この赤坂ACTシアターという場所は、Bunkamura シアターコクーンやパルコ劇場と違って、歌舞伎座で上演している歌舞伎を演出を変えずに出来るという貴重な小屋でございます。そこで今回『操り三番叟』と『お染の七役』という2つの演目を選んだのですが、本当に歌舞伎の初心者から、歌舞伎をよく観て下さっているお客様まで、楽しめる演目になっておりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。





◆中村 七之助
また赤坂の地に戻ってこられたこと本当に嬉しく思っております。今回は、ある意味挑戦だと思っております。今まで1回目、2回目、3回目は、『狐狸狐狸ばなし』があったり、『文七元結』があったり、早替わり『怪談乳房榎』など、とても観ていてわかりやすく、面白い演目だったのですが、今回は両方とも古典を持ってきました。この公演が何をもって成功かはわからないのですが、ご好評をいただけたら第5回は、また赤坂ACTシアターでは、こんな演目も出来るんだという可能性が広がる9月の公演だと思っております。一生懸命、千穐楽まで勤めたいと思います。



―――勘九郎さんが『操り三番叟』、七之助さんが『お染の七役』これを選ばれた理由を教えてください。

◆中村 勘九郎
赤坂ACTシアターでやることが決まって、やはり赤坂という土地もあって、初めて歌舞伎をご覧になる方も多いんですね。
初めて観るものって、すごく大事だと思うんです。最初につまらないものを観たら、イヤになって足を運ばなくなってしまう
ということもあると思うので。わかりやすいもの、そして古典を大切にしたいという気持ちは父から受け継いでいるので、
その中でもわかりやすいものということで『操り三番叟』を。『操り三番叟』は、五穀豊穣を祈った、
とてもおめでたい踊りで、それに〝操り〟が付いているので、ちょっとコミカルになっているので、
肩の力を抜いて観ていただける、(次の)『お染の七役』の前菜のような存在になれたら良いなと思っています。

◆中村 七之助
今回は演目選びに、とても悩みました。『お染の七役』は、たぶん『怪談乳房榎』よりは早替わり的には早くないんですよ。
何を観るかというと、七役演じ分けるというのが最大の見どころだと思っております。
そしてストーリーもそこまで無いんです(笑)年齢も違いますし、性別も違いますが、
その中の役をどう自分の中で演じ分けるというよりも、その役になっているかというところがミソだと思っているんです。
今回、これを持って来たことによって、(赤坂ACTシアターで)花道がつけられるということもわかりましたし。
本当に可能性が膨らむ公演になるんじゃないかなと思いまして、『お染の七役』を挑戦をしてみようと思いました。

―――『お染の七役』を演じられるのは2回目ですが、最初坂東玉三郎さんから教わったということで、
印象に残っていることや新たに取り組みたい課題などお聞かせ下さい。


◆中村 七之助
玉三郎のおじさまからは色々な役を教わっているのですが、僕が人生の中で玉三郎のおじさまから教わった中で、
一番手取り足取り教わったのが、この『お染の七役』です。うちの父は稽古が大好きで有名な人ですが、
その父親に「また稽古に行くのか?」と言われたくらい毎日稽古してくれました。台詞の出し方も、いちから教わりました。
とても思い入れのある演目で、それをまたやらせていただくにあたって、赤坂大歌舞伎だから変えようという
気はありません。その玉三郎のおじさまから習った通りに自信を持って演じたいと思います。
玉三郎のおじさまから手の位置から、本当に細かく教わったんです。最後の最後に舞台稽古の時に
言われて、それは今回も胸に誓ってやろうと思っていますが、何か細かいことを言われるのかなと思ったら、
その時、中村座だったのですが、一言「中村座をあなたが揺らしなさいよ」と言ったんです。台詞をこう言わなくちゃ、
あそこはこうしなきゃっていうものを今全部忘れなさいということを言われました。
「あなたが一番だと思ってやりなさい」ということを言われたので、
この気持ちを忘れずに自分が一番だと思ってやりたいと思います。

―――『操り三番叟』の写真を見ると額に〝赤坂〟の文字が目につくのですが、
このアイディアはご自分で考えたのですか?


◆中村 勘九郎
そうですね。この『操り三番叟』の隈(取)というのは結構自由なんです。
この前、初演でやらせていただいたのが12月だったのですが、クリスマスツリーを描いたりとか色々したのですが、
やはり今回は赤坂ということで。

―――この赤坂ACTシアターでは歌舞伎座の演目が持ってこられると言っていましたが、
今回何か演出面で変えようと思っているところがあったら教えてください。


◆中村 勘九郎
『操り三番叟』に関しては出来ないと思います。変えるのが良いことではないと思うんです。
その上演、演出を変えずに出来るということは本当に少ないので。温かみのある劇場というか、
歌舞伎座独特の雰囲気をコンパクトにした感じがする劇場なので。
とても、歌舞伎を観ているという気になれる小屋なんじゃないかと思います。

―――『お染の七役』は、とても幅の広い演じ分けが必要ですが、
中村座で演じた時に一番苦労された役はどの役ですか?


◆中村 七之助
お染は大変でした。一番出来そうで出来ないんだなって実感しました。
花道を出てきて振り向いた時に娘になっていなくてはならない、この形が大変でした。
お母さんの役はやれないのにやっているという優しさの目で観てくださっていますが、
やはりお染や久松は、この年齢でちゃんと出来ないと、これから歌舞伎の古典というものが出来ないと思いますので。
お染はとっても難しかったし、死ぬまで勉強だと思っています。

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赤坂芸妓のみなさんより、出演者に花束が渡されました。
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『赤坂大歌舞伎』

 

日程:2015年9月7日(月)〜25日(金)

会場:赤坂ACTシアター

 

http://www.tbs.co.jp/act/event/ookabuki/

http://www.kabuki-bito.jp/theaters/other/2015/09/_1_4.html

 

 

 
 

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あらかじめご了承下さい。

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