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『レビュー ニッポン・モダンタイムス』 初風諄さん、安奈淳さん、高橋正人さんインタビュー 2019年04月

(2019年04月26日記載)

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『レビュー ニッポン・モダンタイムス』
初風諄さん、安奈淳さん、高橋正人さんインタビュー

公演について(リリースより)

4月29日(昭和の日)、4月30日(平成最後の日)、5月1日(令和の初日)という
元号改元の日を挟む記念日にイイノホールで開催される『レビュー ニッポン・モダンタイムス』。
聞き馴染みのある戦前ジャズソングを宝塚OGが歌とダンスで辿るコンサート。
ご出演される初風諄さん、安奈淳さん、そしてプロデューサーの高橋正人さんにお話をお伺いしました。

初風 諄さん、安奈 淳さん、高橋正人さんインタビュー
(2019年4月24日 取材・撮影・文:住川禾乙里)


―――今回のコンサートで初風諄さん、安奈淳さんのお二人にオファーした理由を教えてください。 


◆高橋正人
レコード会社で戦前の音楽を出した時に発売記念コンサートをペギー葉山さんや雪村いづみさんなど、
その年代の昭和の香りを歌ってくださる方を中心にやろうとしていたのですが震災で断念したことがあります。
名曲はレジェントたちが歌い続けていくことも大切ですが、若い人たちにも歌い継いでいって欲しいと思います。
『アマポーラ』や『ブルースカイ』など、昭和15年頃はこうやって歌っていたのだなということが
わかるようにしたいと思いますので、戦前の時代の空気がわかる人で歌のムードや世界観を大切にしてくださる
お二人は欠かせない存在ですし、ご出演いただけて長年の夢が叶いました。

―――オファーを受けてどう思われましたか?

◆安奈 淳
宝塚でジャズのLP盤を出したのは私が初めてなんですよ。
当時からジャズは好きでしたが、まだ若かったから軽くレコーディングをしていました。
ステージで歌うことになって、取り組んだらすごく重みを感じましたね。
それにレコーディングは譜面を見ながら歌うけれど、今回は覚えて歌わなきゃいけないので、
頭に叩き込むのに半年かかりました。自然に歌詞が口から出るように歌えるまで、
そのくらいの時間がかかる。昔は、もっと早く覚えていたのにと思いますね。
でも自分で努力ができたということはすごく良かったしいい経験になりました。
自分の財産にもなりますから、オファーしてくださって本当にありがたいと思っております。

◆初風 諄
全部そらでも歌える(譜面を読まずに)くらいの昭和生まれです。だからオファーをいただいたかな?と思います。
今日のお稽古で『ビギンザビギン』を聞いていたら、(振付師の)県洋二先生の振り付けが
オーバラップしてきて懐かしかった。この時代は、良い歌がいっぱいありますからね。

◆高橋正人
県洋二さんは、元日劇ダンシングチームのダンサーだったと思うのですが、宝塚で教えてらしたの?

◆初風 諄
宝塚で振り付けしていたんですよ。

◆安奈淳
素敵だったのよね〜。『シャンゴ』とか『ラブ・ラブ・ラブ 』にも振り付けとして入っていらしたかな。
(作・演出の)鴨川清作先生と一緒に入っていましたよね。

◆初風 諄
美男子で素敵だった。振り付けの時間になると、お姉様方も網タイツですごくおしゃれして。
タンタタタ〜ンって♪

◆安奈淳
ジャズの曲も多かったし、一目見て県先生の振り付けだってわかるのよね。
今は大体色が似てきちゃった気がしますね、時代の流れでね。

―――ジャズの魅力はどんなところにありますか?

◆初風 諄
当時(歌唱指導の)水島早苗先生という方が教えに来られたんですよ。
その時に後打ちのビートを習って、なかなか上手にできないのですが楽しいなと思って。

◆安奈 淳
私も水島早苗先生。その前が小島正雄先生。

◆高橋正人
ジャズ番組のディスクジョッキーの草分けですね。

◆安奈 淳
今考えるとすごい方たちが教えに来ていたのよね。

◆初風 諄
当時(歌唱指導の)水島早苗先生という方が教えに来られたんですよ。
その時に後打ちのビートを習って、なかなか上手にできないのですが楽しいなと思って。

◆安奈 淳
ジャズのレッスンは任意でしたが私たちは行っていましたね。チャッチャチャチャチャチャ…♩とか。

◆初風 諄
ケチャップケチャップ…

◆高橋正人
何ですか、それ!?

◆初風 諄
リズムの取り方でね、ケチャップが♩ケチャップが♩って(笑)。
シンコペーション(強と弱の拍の取り方を変えて変化を持たせる)というか、
テンポの取り方を面白く教えてくださって楽しいうちに覚えちゃいました。

◆安奈 淳
昔のゆったりとしたスイングって減りましたよね。音楽もテクノっぽくなってきているから。

◆高橋正人
ダンスの県洋二さんは戦前の方でしょ。水島早苗さんは戦前のジャズボーカルの大御所。
つまりお二人は戦前の血脈を受け継いでいるということですね。

―――ジャズのテンポの取り方を最初に勉強されたということでしたが、
他のジャンルの音楽とはどんな違いがあるのでしょうか?


◆初風 諄
“自由”なんじゃないですかね。拍が決まっていなくてアドリブがあったり。
自由に歌っていいのかなと思いますね。

◆安奈 淳
演歌やシャンソン、ジャズも根本はみんな一緒なんだけど、色や空気が全然違うと思います。
ジャズはアメリカの匂いがするとか、シャンソンはフランスのパリの匂いがするように、
匂いや色が違ってくる。演歌は明るい歌もあるけれど、紫色でちょっと湿っぽいイメージ。
そういった空気感が全部色分けされている気がします。私にとってジャズは複雑で明るい色。
今回歌う『ブルースカイ』や『The Man I love』は
「彼のことが好きで好きでしょうがないわ」と言っている歌だし。
『夜も昼も』みたいに「夜も昼もあなたのことを考えている」という内容。
シャンソンは「私はあなたに捨てられたらどうしたらいいでしょう」みたいな
失恋の歌が多いでしょう?そう考えるとジャズは歌っていて楽しくなります。

◆高橋正人
当時、ミュージカル・プレイを映画化した『アニーよ銃をとれ』といった洋画がいっぱい入ってきて、
アメリカのポピュラーソングが流行っていましたが、ご覧になりましたか?

◆初風 諄
洋画館で『アニーよ銃をとれ』は、4回くらいも見ましたよ。

―――今回歌われる曲はどのように選ばれたのでしょうか?

◆高橋正人
安奈淳さんが歌う『ブルースカイ』は私が選曲しました。『夜も昼も』は、前に聞いて素晴らしいなと思ったので。
『アマポーラ』は全員が歌いたいという曲でしたが、今回は初風さんが歌われます。

◆初風 諄
最上級生が歌います(笑)。この曲は、いろいろな歌詞があるんですよね。今回の歌詞もとても良い。

◆安奈 淳
『アマポーラ』は、ジュリーが歌っていたわよね。

◆初風 諄
そうなの?ジュリちゃん…。あれ?ジュリーって沢田研二さん?樹里咲穂ちゃんじゃないのね(笑)。

◆高橋正人
(笑)。お二人が宝塚歌劇団在団中は(演出家の)内海重典先生や高木史朗先生はいらしたのですか?

◆初風 諄
白井鐵造さんもいらっしゃいました。高木史朗先生は新しい音楽を取り入れるのが早かったわね。
内海先生はオリジナルが多かったかな。

◆高橋正人
戦前の曲は使われなかったのでしょうか?

◆安奈 淳
私は記憶に無いわね。私は鴨川清作先生が多かったので、ニーナ・シモンやメル・トーメといった、
新しい音楽を使っていました。

◆初風 諄
南安雄さんという作曲家の方がいらして、ものすごく難しいハーモニーなのですが、そこでみんな鍛えられました。
NHKで『音楽の広場』や『名曲アルバム』をやっていらっしゃった方。

◆高橋正人
今思えば、錚々たるメンバーの方がご指導に入られていたのですね。

◆初風 諄
日本舞踊も花柳禄寿先生とか、若い頃に習えないように方々ばかり。

◆安奈 淳
藤間勘十郎先生とかね。私たちすごく贅沢をさせてもらっていたけれど、その時は全然わからなかった。
『うつしよ紅葉』で織田信長やって振り付けしてもらった時、尾上松緑先生が唄いながらやっていたので、
テープで録音しておけばよかったと後悔しています。
子どもの頃、3階席から宝塚の舞台を見ていたら、1階席はアメリカ軍の水兵さんがズラッと座っていて、
かっこいいな〜と思っていたのよね。そこで上級生が『スワニー』を歌い出したら、
みんな立ち上がってウワッ〜って。子ども心に驚いちゃった。
やっぱりアメリカの歌は嬉しかったのでしょうね。あの景色は、もう二度と見られないわね。

◆高橋正人
『ビギン・ザ・ビギン』は、戦後再開した宝塚劇場で越路吹雪が歌ったら、兵隊さんに大ウケだったんですって。
当時は、日本人が入れないスペースもあったそうですね。

◆安奈 淳
当時はアーニー・パイルのアメリカ軍に接収されている時代だからね。

◆高橋正人
初風さんは空襲はどうでしか?

◆初風 諄
疎開をしていて、知らない方が作った防空壕に入れさせてもらいました。

◆安奈 淳
すごい!生きた証ですね。語り継いでいって欲しい。

◆初風 諄
だって昭和16年9月生まれで、12月に開戦ですからね。

◆安奈 淳
終戦して2年が経って生まれました。貧しい時代だけど父や母もジャズが好き。
それまで演歌は聞いたことがなかったし、日本映画を見たことがありませんでした。
ところが寿美花代さんが出演された『源氏物語』はしっかりと見ました。

◆初風 諄
新宿コマ東宝に初めて映画が来たのが『オクラホマ』。
『ウエストサイド物語』や『回転木馬』も見て育ってきているので、
子どもの頃にそのような経験ができていることは本当に親に感謝ですね。

◆高橋正人
『シング・シング・シング』は最近コマーシャルでも使われているでしょう。
ベニー・グッドマンやグレン・ミラーは80年前の音楽で古いけど、
時代とともに音楽もまわっている気がしますね。

◆安奈 淳
流行は繰り返す。このような名曲はずっと残っていって欲しいですし、どんなジャンルでも音楽は永遠。
音楽の無い世界は考えられないじゃない。

―――最後にメッセージをお願いします。

◆初風 諄
みなさんもよくご存知の曲が多いので、ちょっと緊張して歌わなきゃと思います。
今回はバンドの人数も多いので、生楽器の演奏を聞いているだけでも楽しいので、
この楽しさをお客様にお伝えできたらいいなと思います。

◆安奈 淳
今回歌う三曲は全部英語で歌います。間違えても何か口から出るようしておかないとダメなので、
それだけがちょっと怖い。知り合いが客席にいてそちらに気をとられて間違わないように、
いつもは目をつぶって歌っています(笑)。
でも今回はダンスもすごく素敵なので、ぜひ多くの方に楽しんでいただけたらと思います。

 

 

『レビュー ニッポン・モダンタイムス』

 

開催日時:2019年4月29日~5月1日(5回公演)

4月29日(月・祝) 夜の部18:00開演

4月30日(火) 昼の部13:00開演 夜の部17:00開演

5月 1日(水) 昼の部13:00開演 夜の部17:00開演

(全5回公演 開場は開演の30分前)

上演時間:2時間30分の予定

会場:イイノホール

入場料:全席指定 12,500円(税込)※未就学児入場不可

 

演奏:渡邊恭一とモダンタイムス楽団

Tp 上石統 Tb 榎本裕介 Sax/cl渡邊恭一 Sax/cl 宮木謙介 Vl 磯部舞子

Gt/bj青木研 Pf山本琢 Bass寺尾陽介 Ds桃井裕範

 

構成・演出:プロデュース 高橋まさひと

監修:毛利眞人(音楽評論家)

振付:真波そら

ヘアメイク:chicchi

ステージ・ディレクター:斉藤憲三

音楽監督:渡邊恭一

編曲:渡邊恭一/青木研

稽古ピアノ:高橋明美

制作補:藤井みなみ

協力:

保利透(ぐらもくらぶ)小針侑起 

メロネスト ㈱ A people オフィス胸の振り子

メインビジュアルデザイン:イシダノリヨシ

制作:アルマムジカ/オフィスバトゥータ

 

チケット一般発売:2019年1月12日(土)10:00~

※各専用ページは発売日に公開される予定です。

 

東京音協オンラインHP

 

チケットぴあHP

発売日特電:0570-02-9501

(1/12(土)10:00~23:59/Pコード不要)

1/13(日)以降:0570-02-9999/Pコード 136-835

セブン-イレブン、チケットぴあ店舗(直接購入可能)

 

イープラスHP

ファミリーマート店内端末「Famiポート」(直接購入可能)

 

ローソンチケットHP

発売日特電:0570-084-634(1/12(土)10:00~23:59/Lコード不要)

1/13(日)以降:0570-084-003/Lコード32282

1/13(日)以降:0570-000-407 (オペレーター対応10:00~20:00)

ローソン、ミニストップ店内端末「Loppi」(直接購入可能)

 

お問い合わせ:東京音協 03-5774-3030(平日11:00~17:00)

 

公式サイト

 

 

 

 
 

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