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『嘘と勘違いのあいだで』水 夏希さん、栗原英雄さんインタビュー 2019年06月

(2019年06月26日記載)

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『嘘と勘違いのあいだで』
水 夏希さん、栗原英雄さんインタビュー

公演について(リリースより)

グレッグ(辻本祐樹)とジニィ(新垣里沙)は結婚前提で同棲している。
ある日、グレッグはジニィに別の男がいるのではとヒッソリ疑い始める。
そして、「両親に会いに行く」というジニィの計画を怪しみ、コッソリ付いていくことに。
しかし、これはジニィの年上の不倫相手・フィリップ(栗原英雄)との関係をキッチリ終わらせる為の嘘だった。
ジニィよりも先に「両親の家」にウッカリ到着してしまったグレッグが訪ねると、
そこにはフィリップの妻・シーラ(水夏希)がおり、ジニィの母親だとスッカリ勘違い。
何故かチャッカリ意気投合してる二人のところへジニィが到着、
そしてジニィの突然の来訪にドッキリするフィリップ。

それぞれがそれぞれを勘違いしつつ嘘でごまかしつつ、
そのはざまで揺れ動く4人の可笑しさと愚かさと愛しさと。

コメディの巨匠、アラン・エイクボーンの名作「Relatively Speaking」を
演出の保科由里子の新翻訳でお送りします!
これはホント!!

水 夏希さん、栗原英雄さんインタビュー(2019年6月19日 取材・撮影・文:住川禾乙里)



―――それぞれが演じる役について教えてください。


水 夏希
私が演じるシーラは田舎生まれの田舎育ち。世の中や社会に興味がなくて、
自然の中で自然体に生きることに幸せを感じている奥さんです。
あまり生き急いでいない感じの人で、そこから勘違いが生まれてくるんじゃないかなと思います。
私は生き急いでいるので真逆な感じです(笑)。

◆栗原英雄
水さんとは夫婦で郊外に住むくらいのお金を持っているセレブですね。
演じるフィリップは、たぶん銀行の執行役員くらいの役職を持つ男なのですが、
結婚をして30年近くなり、僕自身が倦怠期を感じて色々な行動を起こしていきます。
自分で愛人を持っていながら妻の浮気を疑ったり嫉妬したり。
自分勝手で、ちっちゃな男です(笑)。

―――奥さんの浮気も疑っちゃうんですか!?


◆栗原英雄
そうなんですよ、妄想したりして。

水 夏希
自分が浮気しているからですよ!(笑)。

◆栗原英雄
妻は自分のものなんですよ。さらにステータスとして愛人を持つみたいな感覚でしょうか。
ただ、愛人ができたとしても妻とは離婚はしないという、ずるい男ですね。

水 夏希
時代的にも男性が家庭の一番上にいるという感じですね。

―――そういう男性はどう思いますか?

水 夏希
え~(笑)。シーラは、そういうところも「まぁ可愛らしいなぁ」と思える人です。

―――心の広い方なんですね。今回お二人は意外にも初共演ということですが、お互いの印象は?

水 夏希
よくお芝居は拝見していました。すごくきちんとしていらして真面目。
キャリアもおありなので、何でもできる完成された俳優さんだと思うのですが、
今回の役フィリップが思いもよらない一面を見せるので、私的にはすごく面白い。
あぁ〜、こういう一面もある人いるよな~みたいな(笑)。

◆栗原英雄
僕もお芝居を観て楽屋ではお会いしていたのですが、初めてご一緒します。
やっぱりクール・ビューティーというイメージだったんですよ。
でも、実際にお稽古場で話をしてみたら、とても気さくな方でした。
変に構えずに済むので、稽古が楽しいです。

―――コメディー作品ということですが、コメディーならではのテンポ感の難しさとかあるのでしょうか。

◆栗原英雄
(水さんを見て)難しいよね。

水 夏希
難しいです。

◆栗原英雄
あえて間を外したり、逆に畳みかけたり。人の不幸って面白かったりするじゃないですか。
人が困って、どうしたらいいのだろうって思えば思うほど、ダメな方向に進んでいったり。
あとは勘違いが生み出すドタバタや、嘘に嘘を重ねてそれが違う方向にいってしまうとか。
実際の生活の中でもそういうことありますよね。

―――逆に、その日常でありそうなことをステージでやって、お客様に見せるという難しさもありそうですね。

◆栗原英雄
そこが難しいですね。どうしても僕たちは役者だから「こうじゃないか」って一片的に見てしまうんです。
だから、実生活のように芝居をしながらも、トンチンカンなことをやっていたりするわけで、
それをいかにシンプルだけど多面的にやっていくのか。立体的にして立ち上げていくのは難しいところですね。

 

―――辻本祐樹さん、新垣里沙さん、お二人の印象は?

水 夏希
私は二人とも共演したことがあって、若さと感性が本当に新鮮です。
辻本くんは、お稽古場でも演出家から言われたことをどんどん吸収して、どんどん変わっていくんです。
(新垣)里沙ちゃんは、「私ならこう読まないな」という台本の読み方をするんですよ。
あぁ〜ここが可愛らしいコツかぁと、勉強になります(笑)。

◆栗原英雄
本当にフレッシュですね。僕は辻本くんは「はじめまして」です。
里沙ちゃんは、随分前に一度ミュージカルで一緒になったことがあるのですが、
大人になったな〜と思って見ています。パンチ力がある女優さんに育ってきたと思いますね。
辻本くんは、やっぱりキャリアのある人だから器用ですね。
これから稽古を重ねていくと、もっと色々な面が見えるのかなと思いますね。

―――今回のタイトルにかけて「勘違いしていたな~」ということはありますか?

水 夏希
腹筋を鍛える商品『SIXPAD(シックスパッド)』を『シックスパック』だと思い込んでいました(笑)。

◆栗原英雄
シックスパックはお腹の割れ方だからね(笑)。
この作品が決まってPR映像を撮影した時に、最後に「嘘と勘違いのあいだ(に)」と言ってしまって、
演出家が「嘘と勘違いのあいだ(で)です」って。もう一回撮り直ししました…。

水 夏希
ニュアンスの勘違いで、よく海外の方が「YES」なのか「NO」なのかわからないというように、
通じていると思っていたけれど、思い違いをしていたとかありますよね。同じ言葉でも中身が違っていたり。

◆栗原英雄
受け取り方も、受け取り側の心情や立場、色々ことで微妙に違ったりするものね。
「おおきに」という言葉が、「ありがとう」だけではなく、断っている時にも使うというのは、
大人になってから知りました。

 

―――今回ご夫婦の役ですが、役づくりでお話しされたことはありますか?

◆栗原英雄
何歳で結婚したとか、どこで出会ったとか、設定については細かくやりました。

水 夏希
結婚というものが自分の中で未知の世界。(この前に出演した)『細雪』でも色々な結婚の形があるんだなぁと
間近で見ていましたし、両親と旅行に行って、50年間連れ添っている夫婦ってこんな感じなのか〜とか。
想像をするしかないので難しいところですが、お稽古をしていると「そういうことあるよね」みたいな
要素が入っているんですよね。「これいる?」「いらない?」「あ、やっぱりいる」とか。

◆栗原英雄
台本に書かれている端々に、あぁこういうこと実生活でもあるなって思います。

―――長年連れ添っている夫婦という設定ですものね。

◆栗原英雄
二人とも頭で考えちゃうタイプなんですけど。

水 夏希
すごい!よくおわかりで(笑)。

◆栗原英雄
頭で考えずにいられるようになっていければ、夫婦感が自然に深まってくるんじゃないですかね。
今、そっちの方向に行き始めていて、それを大切にしてお稽古しています。

水 夏希
(翻訳・上演台本・演出の)保科由里子さんが、すごく丁寧にやってくださるし、
細かい仕掛けもちょいちょい入れて面白いネタを埋め込んでいってくださっているので、
すごくありがたいですね。

―――では最後にメッセージを。

◆栗原英雄
巷に生きている人たちの面白さや人生を観て欲しいですね。
人と人との関わりや社会、夫婦といった中には色々な機微がある。そういうものを表現できたらと思います。
でも、コメディーなので、とにかく楽しんでいただきたいですね。
誰かが死んだとか、殺し合いがあるとか、天から何かが襲来するとか、猫が踊るとか、
絨毯が飛ぶという派手なことはないのですが…(笑)。
人間同士のボタンの掛け違いで起こるドタバタ劇って普通の生活の中にもあると思うので、
それを僕らが舞台で表現するので楽しんでいただけたらと思っています。

水 夏希
時代を経ても人間の関係性って変わらないな、「こういうことあるよね」というものを
お客様にリアルタイムで共感してもらえる作品だと思います。
栗原さんもおっしゃっていましたが人の悲劇は観ている方にとってはコメディーだったりするので。
とっておきの楽しみを味わっていただけると思うので気軽に観にきていただけたらと思います。

◆栗原英雄
チャップリンが面白いことを言っていましたよ。
「人生はクローズアップで見れば悲劇だけど、ロングショットで見れば喜劇」。
そういう楽しみ方ができる作品だと思うんですよ。追い込まれている人を見て
「うわ〜、あの人大変だな」と思うけど、引いて見た時に「あれ?ちょっと待てよ~」、
これってちょっとバカバカしいことじゃない!?と見えてくる。
そういう風になったらいいなと思っています。

水 夏希
必死ですけどね!(笑)。

  

 

 

『嘘と勘違いのあいだで』

 

出演者:辻本祐樹 新垣里沙 栗原英雄 水夏希

日時:2019年7月17日(水)〜28日(日)

会場:六本木トリコロールシアター

チケット:全席指定:7,800円(税込)

 

http://www.show-biz.jp/usokan/

 

 

 
 

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あらかじめご了承下さい。

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