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日本オペラ協会公演 歌劇『紅天女』で主演を務める 笠松 はるさん インタビュー 2019年12月

(2019年12月30日記載)

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日本オペラ協会公演 歌劇『紅天女』で主演を務める 笠松 はるさん インタビュー

インタビューについて

長年愛され続ける少女漫画の金字塔「ガラスの仮面」の作中劇『紅天女』が新作オペラとして上演されます。
オーディションを勝ち抜き、主演の阿古夜×紅天女を掴んだ笠松はるさんに、
今作への意気込みと、女優としてのこれまでとこれからについてお話を伺いました。

笠松 はるさん インタビュー(2019年12月22日 取材・文:栗原晶子 )


ーーースーパーオペラ『紅天女』のオーディションを受けたいきさつを教えてください。

◆笠松 はる
『紅天女』がオペラになるというニュースと共にオーディションがあることを知りました。
私は東京藝術大学で学部から大学院まで声楽を学んでいましたが、
卒業後はずっとミュージカルや演劇の世界にいたのでオペラは自分からは少し遠い存在になっていました。
「ガラスの仮面」は昔から大好きだったので、一ファンとして「紅天女が上演されるんだ!」という
気持ちでそのニュースを目にしていました。
けれど、周りの友だちから「受けないの?」と聞かれたんです。
「受かりっこないよ。もうずっとオペラはやっていないし……」と初めは答えていたのですが、
オペラのキャストを一般公募するというのはとても珍しいことなので、
「出すだけ出してみたら?」と背中を押してもらい応募に至りました。

ーーーオーディションにはどのように挑まれましたか?

◆笠松 はる
クラシックの歌オーディション自体が学生以来でしたので緊張しました。
これまで受けてきたミュージカルのオーディションでは、作品の中の役として求められていることを表現します。
オペラに関しては発声技術や音楽そのもの、オペラ歌手としての能力を厳しく審査されるだろうということもあり、
相当練習しましたし、かなり緊張しました。
この作品では阿古夜と紅天女の二役を演じるのですが、最初のオーディションでそれぞれの楽曲、
二曲を歌う機会をいただきました。役の切り替えも表現できることが嬉しくてのびのびと歌えたのが
今考えると良かったのかなと思います。

ーーー合格して紅天女を演じると聞いた時はどんな気持ちでしたか?

◆笠松 はる
実はオーディションの結果がわかるまでの時間、やっぱりダメだったのかなとあきらめたり
モヤモヤしていたのですが、私の師匠である浅利慶太先生の百箇日(法要)の日に合格のお知らせをいただきました。
劇団四季はすでに退団していますが、自分の演劇の師が天に召され、これから自分はどういう風に演劇に向き合って
いけばいいのだろう、どうしていくのだろうとさまざまな思いがある時期だったので、
この合格は浅利先生が私の新しい挑戦に対して「頑張りなさい」と言ってくださったような気がして、思わず手を合わせました。


ーーー浅利先生のお名前が出ましたので、笠松さんのこれまでの演劇人生を改めて振り返りつつお聞かせください。
大学院卒業後は、劇団四季に入団され、大きな作品のヒロインを次々に演じられましたよね。


◆笠松 はる
初舞台から3年間は言ってみれば「もがき期」でした(笑)。
何も出来ないただの音大生を次から次へと大きな作品のヒロインに抜擢していただきました。
もともと劇団四季のファンだったので、今まで観ていた素晴らしい女優さんたちと、
その当時の自分を勝手に比べて、自分を追い詰めて、もがいていましたね。

ーーーもがき期を脱したきっかけは?

◆笠松 はる
3年目に『サウンド・オブ・ミュージック』の初演に出演させていただいたことがきっかけでした。
それまでは、作品を牽引されてきた先輩に手取り足取り教えていただきながら舞台に挑んでいましたが、
『サウンド・オブ・ミュージック』は新作で、自分も演出家とディスカッションしながら作品を作っていきました。
そうした経験を通じて「自分がここにいていいんじゃないか」という気持ちになれたんです。
「石の上にも三年」って言いますけど、本当だなぁと思います(笑)。

ーーー在団時、浅利先生から贈られた忘れられない叱咤激励の言葉はありますか?

◆笠松 はる
「アンタは音符の上のひらがなを順番に歌っているだけだな」とよく叱られましたね。
浅利先生は「作品においての言葉のイメージを大切にすること」というのを、晩年もずっとおっしゃられていました。
言葉のイメージ、「語感」を大切にすることは今も常に心がけています。

ーーー演じることは、苦しい、しんどい、怖いことだとSNSでおっしゃっていましたね。

◆笠松 はる
そうですね、いつだって怖いです。でも怖さと戦って作品に向き合うということが仕事なんだよなとも
思えるようになりました。私は、割と器用な人間だと思われがちなのですが、実はガリ勉タイプなんです。
立っている時に自分のお腹の中がその役と違うところにちょっとでも行ってしまうと、立っていることすら怖くなります。
物語も音楽も進んでいくけれど、とても空虚なものを発してしまうみたいな怖さです。
腹を据えて演じるために、お稽古前もお稽古中も体力、集中力をとてつもなく使いますが、それでも続けられているのはやはり、
舞台が好きだから。日常では味わえないドラマチックな感覚を体感することが出来るからです。
そのドラマチックな感覚をお客様も一緒に感じている、つながっているなと思えた時は、何より幸せですね。

ーーー 劇団四季退団後は、ミュージカルや朗読劇、ストレートプレイなど
幅広いジャンルの作品にご出演されていますね。


◆笠松 はる
大作ミュージカル以外のことも経験して、自分の幅を広げてみたかったというのが退団の理由でした。
歌わない私に価値があるんだろうか……、そんな思いもあって小劇場でのストレートプレイにトライもしました。
コンサートもやってみたいことの一つでした。コンサートや作品を通じて、改めてファンの方の存在を身近に、
強く濃く感じることができるようになり、皆さんに支えられてこの仕事が出来ているということもより強く実感しています。

ーーーそんな中、今回、オペラ『紅天女』に主演されます。
原作・脚本・監修を手がける美内すずえ先生からは何かアドバイスを受けましたか?


◆笠松 はる
美内先生には、作品のコンセプト説明会の時に、台本を読んで楽譜を勉強した上で
自分が感じていた疑問点にお答えいただきましたし、稽古中も色んなアドバイスをいただきます。
でも基本的には役作りは、こちらにすべて任せていただいています。
私は自他共に認める「ガラスの仮面」のファンですので、初めて『紅天女』の台本を開いた時は、
本当に読んでいいの?とドキドキしました。
原作マンガの中では、まだ『紅天女』にまつわる全貌が明らかになっていませんから……。
でもここまできたら、私の作品への愛の見せどころだなと思っています!

ーーー紅天女(紅姫)と阿古夜の二役を演じますね。

◆笠松 はる
実は二役といっても対象的な二つの役を演じ分けるというだけではないところが難しいです。
紅姫が阿古夜に影響を与えていたり、阿古夜なのだけれど中身は紅姫だったりという、
まるでグラデーションのような時間があるんです。
まずは紅姫、阿古夜それぞれの芯になる部分をしっかり作った上でそのグラデーションの部分を
どう演じていくのか、必死に役作りを進めています。
『紅天女』は「ガラスの仮面」の劇中劇ですが、作品単体で見てもとても魅力的なストーリーです。
阿古夜と仏師・一真の話が中心ですが、南北朝時代のその他の登場人物もとてもドラマチックで面白いです。
願わくばこの『紅天女』が『夕鶴』のように日本のオペラのスタンダードの一つになったらいいなと思っています。
そのためにも初演キャストとして、精一杯頑張ります。

ーーー2020年、『紅天女』の上演後も、出演作が続きますね。

◆笠松 はる
はい。『紅天女』の初演が終わると、翌月は再演となる舞台『花火の陰』(三越劇場2/5~2/10)への出演など、
さまざまな作品に携わらせていただく予定です。今回の『紅天女』もそうですが、
畑違いだからこそ出せる良さもあると信じて活動を続けていきます。
「あの人、振り幅がすごいよね」そんな風に思っていただけたら嬉しいですね。

 

 

日本オペラ協会公演 スーパーオペラ

美内すずえ原作『ガラスの仮面』より

歌劇『紅天女』

 

日程:2020年1月11日(土)~15日(水)

会場:Bunkamuraオーチャードホール

※笠松 はるさんの出演は1/12(日)、1/14(火)

 

原作・脚本・監修:美内すずえ

作曲:寺嶋民哉

総監督:郡 愛子

指揮:園田隆一郎

演出:馬場紀雄

特別演出振付:梅若実玄祥

 

https://www.jof.or.jp/performance/2001_kurenai/

 

 

 
 

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