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日英共同制作公演『野兎たち』 スーザン・もも子・ヒングリーさん、七瀬なつみさんインタビュー 2020年01月

(2020年01月29日記載)

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可児市文化創造センター+リーズ・プレイハウス日英共同制作公演『野兎たち』
スーザン・もも子・ヒングリーさん、七瀬なつみさんインタビュー



関連記事→可児市文化創造センター+リーズ・プレイハウス日英共同制作公演 『野兎たち』記者発表会見

公演概要(リリースより)

日本・英国の国際共同制作公演、いよいよ開幕!
可児市文化創造センターと英国リーズ・プレイハウスは、
地域の人々の「生きがいづくり」「居場所づくり」に力を注ぐ、日英を代表する地域劇場です。
両劇場は2015年に劇場提携を結んで以来、スタッフやアーティストがお互いの文化活動を学び、
地域コミュニティの中での劇場の役割に関しての概念を共有してきました。
そして2020年、本作でいよいよ演劇作品の共同制作に挑みます。
可児市文化創造センターから始まったこの演劇公演は、可児市だけに留まらず、
東京(新国立劇場)、英国(リーズ・プレイハウス)でも上演します。


あらすじ

可児市・中村家に、ロンドンで暮らす娘・早紀子が、婚約者・ダンとその母・リンダを伴い帰ってくる。
母・千代が迎え入れ、しばし流れる、和やかな異文化交流の時間。
だが早紀子は様変わりした自室や、娘の帰省を知りつつ不在を決め込む父・勝に不信感を募らせ、
「 “違う生き方”を選んだことで、自分は今も両親に罰さられているのだ」と鬱積した想いをダンに吐露する。
やがて、早紀子の兄・弘樹の見舞いと称して、彼の同僚が来訪する。名古屋で妻と暮らすはずの兄。
次第に、知られざる家族の姿が浮き彫りにされていく――。

キャスト/スタッフ

キャスト:スーザン・もも子・ヒングリー、小田豊、七瀬なつみ
サイモン・ダーウェン、アイシャ・ベニソン、田中宏樹、永川友里
演出:マーク・ローゼンブラット+西川信廣(文学座所属)
プロデューサー:衛紀生(ala館長兼劇場総監督)

インタビュー(2020年1月15日)

可児市文化創造センター+リーズ・プレイハウス日英共同制作公演『野兎たち』で、
初共演にして親子役を演じるスーザン・もも子・ヒングリーさん、七瀬なつみさんにインタビューしました。

―――今回の作品に出演すると決まったときのお気持ちを聞かせてください。

◆スーザン・もも子・ヒングリー/中村早紀子 役



私はロンドンに住んでいて、ほとんど日本で活動したことがありません。
今回、オーディションの話があったときに「日本の舞台に立ちたいな」と思いました。
やっぱり生まれた国ですし、東京でもできる。そして可児という土地も初めてだったので、
絶対やりたい!と燃えていました(笑)。
オーディションは、日本語と英語の両方やらなければならなかったのですが、
普段、日本語で演技をすることがないので、そこはかなり気をつけて頑張ってやりました。
合格の連絡をいただき、すごく嬉しかったです。

◆七瀬なつみ/中村千代 役


可児市と英国リーズの共同プロデュース。国際的な大きな企画に参加できる!と嬉しかったです。
5月に1度ワークショップがあったので行かせていただきました。
もも子さんが演じる「早紀子役のお母さんにしては、ちょっと若いかな」と最初に言われていたので、
ワークショップだけでも参加してみようということだったのですが、
行ってみたら「うん、大丈夫かも!」ってことになったので…。
「それは喜んで良いんですよね!?」って。そんなことも含めて、いろいろ嬉しかったです(笑)。

―――台本を読んでみて、まずどんな印象を持たれましたか?

◆スーザン・もも子・ヒングリー
最初に読んだときは、国際結婚で親同士が会う、まずそこが複雑な関係。
実際に、私の両親もそうなので分かるな〜と思いました。さらに兄の問題も入ってきます。
具体的には言えないのですが、これは絶対面白くなるなと思いました。

◆七瀬なつみ
海外で暮らしをしていた娘が、フィアンセとお母様を連れて帰ってくる。
普通に見たら、とても幸せな家族に見えると思います。息子もエリートだし、とっても裕福な家庭だし。
でも蓋を開けてみると、外からは全然分からない色々な問題があったりする。
それは、どの家庭でも大なり小なりきっとあるのではないかと思うんです。
物語の中だけど、すごくリアリティーがあるなと感じます。

―――お稽古を拝見しましたが、七瀬さんの演じているお母さんが、お客様をおもてなしをするシーン。
一生懸命に取り繕うけれど、どこかぎこちない表現が、日本人らしさを感じ、すごくリアルに感じました。


◆七瀬なつみ
そうですよね。イギリスの方が脚本を書いているんですよ。とても日本的な感覚があります。
イギリスでも日本でも、スッと受け入れてもらえるような内容になっているんじゃないかと思います。

―――可児市でのお稽古の前にイギリスでもお稽古されていましたよね?

◆スーザン・もも子・ヒングリー
2週間イギリスでお稽古をやりました。
昨日は、皆で多治見に行って、ろくろを回して陶芸体験を体験してきました。

◆七瀬なつみ
イギリス人のキャストや舞台監督も一緒で面白かったですよ。
こういう機会があると、皆の距離も近づきますし、ここに来たらやっぱり色々体験したいですよね。

―――コミュニケーションの面はどうですか?

◆スーザン・もも子・ヒングリー
通訳の方がいることでスムーズにいっています。
共同制作で二つの違う文化を同時にやるからこそ、新しい物になっていく。
新しいプロセスなので、それに合わせた自然なペースがあると思います。
初めは思い通りに伝わらなかったところもありますが、進めていくうちに分かってきて上手くいってますよね。

◆七瀬なつみ
そうですね。ちゃんと通訳さんもいらっしゃるのですが、もも子さんもバイリンガルだから大活躍しています。
最初は上手くいかなかったところも、本当になめらかにコミュニケーションが取れてきていますね。

―――今回お二人は初共演ということですが、お互いの印象は?

◆スーザン・もも子・ヒングリー
初めて会ったのがリーズでしたよね?稽古初日に「あ、お母さん役をやる方だ」と思いました。
落ちついていて穏やかな方。日本で活動をしたことが、あまりないので、
まず日本人の役者さんだ〜という気持ちがありました。色々なことを学べるんだろうな〜と思いましたね。

◆七瀬なつみ
すごくなめらかな日本語。日本にどれくらいの期間いらっしゃったのかと思ったら、そんなにいなかったそうで。
もう、そこにリスペクトですよ!お若いのに引っ張って行ってくれて、すごくしっかりしていらっしゃる。
これから日本でどんどん活躍して欲しいし、たくさんの方に知ってもらいたいって思っています。

◆スーザン・もも子・ヒングリー
ありがとうございます。

―――まだお稽古序盤だと思いますが、現時点での役づくりの構想はありますか?

◆七瀬なつみ
私は早紀子ちゃんのお母さん役で、自分としては家族のためにと一生懸命やってきたことが、
どうも上手くいかない。外から見ると、すごく素敵なのだけど、コミュニケーションが全く取れていなかった家族。
それが早紀子が帰ってくることで、本当の意味での家族のつながりや大事な物を見つけていけるストーリーになっています。
それを丁寧に紡ぎ出せたら良いなと思います。

◆スーザン・もも子・ヒングリー
私が演じる早紀子は10年前に日本を離れていて、ずっとイギリスに住んでいます。
家族との関係も微妙な感じで、いやいや日本に帰ってきている雰囲気。
その気持ちは、どんな感じなのだろう?どう表現すればいいのだろう?と考えています。
今はまだ態度が悪すぎているかもしれません(笑)。徐々に“やっぱり親のことが好き”“可児も大好き”と、
早紀子の中で、どうやって認めていくのか探っているところです。


―――舞台にもなっている可児市には、どんな印象をお持ちですか?

◆七瀬なつみ/中村千代 役
前に可児市に来たとき(ala Collectionシリーズvol.9『お国と五平』に出演)にも思いましたが、
アーラには、いつも人が集まってきて活気がありますよね。本当に素敵な空間。
ご飯を食べに行った時にも「何で可児市に来ているの?」と聞かれて、「アーラの公演に出るので」と答えると、
「うちの子どもも今度発表会やるんだよ」って。市民の皆さんとのコミュニケーションがすごく厚いなぁと思います。
“アーラ”と言うと、皆さんとても優しくしてくださる(笑)。距離がグッと縮まって温かいですね。
あとは自然が豊かで気持ちがいい。

◆スーザン・もも子・ヒングリー
山もきれいで空気もおいしい。この前アーラで成人式がありました。着物を着た新成人の方が800人くらいいらして。
私やイギリスメンバーは、間近で振袖姿の人たちを見たことがなかったから本当に喜んでいました。
お稽古の休憩になるたびに、袴姿の男の子と写真を撮りました(笑)。
アーラは人が集まるところ。市民ボランティアの方が、当番制でケーキを焼いてくれたり、お寿司を作って下さったり。

◆七瀬なつみ
本当に幸せです。

◆スーザン・もも子・ヒングリー
「日本の現場は、いつもこうなのですか?」と聞いたら、「この現場だけだよ〜」って(笑)。
サポーターの方にも助けていただいて幸せに芝居づくりをしています。

―――お芝居だけに集中できる空間づくりは嬉しいですよね。

◆七瀬なつみ
こんな贅沢はないです。

◆スーザン・もも子・ヒングリー
本当に集中できます。

―――今回の公演は、可児市と東京、イギリスでも上演され、それぞれの地域の皆さんがご覧になります。

◆七瀬なつみ
楽しみですよね。日本のお客様の反応とリーズのお客様では違うと思いますし。

◆スーザン・もも子・ヒングリー
東京と可児でも違うでしょうね。リーズはイギリスの北部にあって、そこの人たちのキャラクターも違うんですよ。
リーズ出身のスタッフも「リーズのお客様に合いそうな作品」と言っているので、喜んでくれるんじゃないかなと思います。

―――作品を通して伝えたいことと最後にメッセージをお願いします。

◆スーザン・もも子・ヒングリー
同じ家族でも違う意見があって、でも、家族だからこそどこかで共通しているところもあるんですよね。
支え合って、頑張っていくところが伝わるといいなと思っています。
いま、イギリスはヨーロッパ離脱の問題を抱えています。友達同士でも意見が全く違って
「この人とは話をしたくない」とか思うぐらい強く思っているのだけど、それでは生きていけないから、
共通するところを見つけ合っていくのです。規模や範囲は違えど、それと同じようなことがこの家族で起こっている。
お父さんとお母さん、私のキャラクターも全然違う。考え方が違ったりもしますが、
そこを分かり合わなければいけないということも大事ですよね。

◆七瀬なつみ
最近、特に人と人とのコミュニケーションが希薄になっているような気がして、
そこから不幸な事件が起きているのだと思います。分かっているつもりでも分かっていなかったり、
家族の中でも近い存在だからこそ、意外に難しいコミュニケーションがあったり。
この物語で“家族とは何か”“家族にとっての幸せとは何なのか”、そんなことを感じながら観ていただけたらと思います。
観終わってから、パートナーや家族、自分にとっての大切な人を、
より一層愛おしく思ってくれるような作品になったらいいなって思います。



(取材:住川禾乙里/撮影:伊藤華織)

 

 

可児市文化創造センター+リーズ・プレイハウス日英共同制作公演

『野兎たち』

 

東京公演 2020年2月8日(土)~2月16日(日)

可児公演 2020年2月22日(土)~2月29日(土)

リーズ公演 2020年3月12日(木)~3月21日(土)

 

公式サイト

 

 

 
 

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あらかじめご了承下さい。

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