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明治座『三月花形歌舞伎』製作発表会見
中村勘九郎、中村七之助登壇
公演概要(リリースより)
2020年3月、明治座は3年ぶりに花形歌舞伎を上演いたします。
中村勘九郎、中村七之助をはじめ、桜の季節に相応しい華やかな顔ぶれが揃います。
昼の部は歌舞伎の様式美溢れる古典の名作『車引』に続き、
「しがねえ姿の横綱の土俵入りでござんす」の名台詞でお馴染みの長谷川伸の傑作『一本刀土俵入』、
加えて『芝翫奴』『近江のお兼』の舞踊二曲とバラエティに富んだ作品をお楽しみいただけます。
夜の部は200年以上にわたって受け継がれる四世鶴屋南北の不朽の名作『桜姫東文章』を
通し狂言でご覧いただきます。
あらすじ
昼の部
『車引』に登場する三つ子の兄弟、松王丸は左大臣藤原時平に、梅王丸と桜丸は
時平に陥れられた菅丞相(菅原道真)と斎世親王に仕えています。
梅王丸、桜丸は無念を晴らそうと時平が乗る牛車の前にたちはだかり…。
横見得や石投げの見得、元禄見得など様式美溢れる古典の名作です。
『一本刀土俵入』は長谷川伸の傑作で、相撲の親方に見放され一文無しの
駒形茂兵衛は親切な酌婦お蔦から金を恵んでもらい「必ず横綱になる」と誓います。
「しがねえ姿の横綱の土俵入りでござんす」の名台詞でお馴染みです。
続いて主人の供をして廓へ通う奴がユーモラスに踊る『芝翫奴』と、
男勝りの美しい娘が長い布晒を使って華やかに踊る『近江のお兼』の舞踊二曲。
バラエティに富んだ演目を是非お楽しみください。
夜の部
長谷寺の修行僧清玄と稚児白菊丸は相愛の仲。未来で夫婦になろうと心中をするものの、
清玄だけ生き残ってしまいます。十七年後、高僧となった清玄は吉田家の息女・桜姫が
白菊丸の生まれ変わりだと知ります。桜姫は屋敷に押し入った盗賊の釣鐘権助の子を生み、
出家を望んでいますが…。『桜姫東文章』は文化十四(一八一七)年に初演され、
大南北と称された四世鶴屋南北ならでは人気演目の一つです。
息女の桜姫が遊女にまで転落するという物語性としたたかな存在感。
因果の糸に絡まれる清玄。対する権助の無法ぶりなど因果因縁と奇想天外な展開に溢れた人気演目です。
製作発表会見が行われました。(2020年1月20日)
◆三田芳裕/株式会社明治座 代表取締役社長
3月は中村屋ご兄弟に出演いただき『三月花形歌舞伎』を行います。
歌舞伎公演は、私どもにとっては3年ぶりとなります。
3年後に明治座は創業150年を迎えます。
明治6年創業ですが、その当時からずっと歌舞伎公演を中心に行ってきております。
戦後になり公演も多様化されておりますが、その中でも歌舞伎公演は菊五郎劇団を中心に、
上演させていただいております。平成5年に新しい劇場ができ、その時のこけら落としも歌舞伎公演でした。
私どもの日本橋は歌舞伎まちでた。今でいう人形町界隈には、中村座と市村座がございました。
約200年、芝居まちとして栄えて参りました。そのDNAは土地の皆様にも残っておりまして、
この3年の間にも「今度の歌舞伎はいつ?」とお話をいただきました。
私どもも大いに期待をしておりますし、皆さまも楽しみにしておられると思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
◆安孫子正/松竹株式会社 代表取締役副社長・演劇本部長
今年は明治座から歌舞伎のお招きをいただきまして、大変嬉しく思っております。
三田社長のお話にもありましたが、明治座は東京で最古の歴史を持つ劇場です。
3年後に150年ということですが、その間、歌舞伎を中心に新派など色々なお芝居を上演してきた
素晴らしい劇場でございます。今回3年ぶりに歌舞伎公演ができるわけですが、
明治座さんから中村勘九郎さん、七之助さんにご出演いただけないかという強い熱望をいただきました。
色々な狂言をご相談させていただく中でも夜の部の『桜姫東文章』は、
「ぜひとも!」という明治座さんの熱望から実現できたお芝居でございます。
昼の部も狂言も素晴らしく、お二人には『一本刀土俵入り』にご出演いただきますが、
坂東彦三郎さん、坂東巳之助さん、中村壱太郎さん、中村橋之助さんと、
若い方もそれぞれのお役に挑戦できる、本当にありがたい機会をいただいたことに感謝しております。
歌舞伎座なら歌舞伎座、新橋演舞場は新橋演舞場、明治座さんは明治座と、
それぞれの劇場についているお客さまがいらして、なかなか他の劇場にお出かけにならないで、
明治座さん一本というお客様もいらっしゃるわけですが、歌舞伎が色々な劇場で上演させていただけること、
こんなに嬉しいことはございません。今回は若い方々にも古典歌舞伎を十分にご披露させていただくわけですが、
お二人のお父様の中村勘三郎さんは「古典が大事で、古典の力があるからこそ、そこから新しいことを型破りしていく」
という名言がございますが、そういう意味でも、若い方々の古典に対する場を設けていただいたことを
改めて感謝申し上げるとともに、この興行が大成功しますように、どうぞよろしくお願いいたします。
◆中村勘九郎
明治座に出演するのが4年ぶり、4回目ですが、今まで松本幸四郎さんや菊之助さんとともに
本当に明治座さんで楽しい舞台を勤めさせていただきました。
今回は花形ということで、彦三郎さん、巳之助さん、壱太郎さん、橋之助さんとともに、
若いパワーを結集して、力強く、パワフルでドラマティックな作品を来てくださったお客様に
お届けできたらと思っております。よろしくお願いいたします。
◆中村七之助
4年ぶりに明治座さんに出演させていただきますこと、本当に嬉しく思っております。
昼の部『一本刀土俵入』のお蔦と、『桜姫東文章』の桜姫を勤めさせていただきます。
出演者一同、力を合わせて素晴らしい舞台を勤めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
ーーーそれぞれの役に対する意気込みをお聞かせください。
◆中村勘九郎
昼の部『一本刀土俵入』は駒形茂兵衛は、うちの祖父と父が大切に勤めていた役で、
父からも教わった私に取っても大切な役です。お話自体は長谷川伸先生がお書きになった作品で、
心が温まるというか、演じていても日々新鮮に勤められますし、大好きな役の1つです。
私が勤めるのは今回3回目ですが、七之助とよく話し合って勤められたらと思っております。
夜の部の『桜姫東文章』は、明治座さんが言ってくださったのですね。
こんなに早く、桜姫はコクーンでは七之助は勤めておりますが、
この東文章として2人でやるとは思っていませんでした。
私も最初にお話をいただいたときに、(釣鐘)権助と清玄か〜、やってみようかな、、、という感じで。
ぶっ飛んでいる話なので。この作品が、歌舞伎だけではなく色々な舞台でやっていましたけれど、
観させていただいて色々な発見ができる、まだまだ出尽くしていない、掘り下げる要素がたくさんあるお芝居なので、
面白くこの世界観が伝えることができたらいいなと思っています。
◆中村七之助
『一本刀土俵入』『桜姫東文章』どちらも若かりし時に勤めているお役なので、
そこからの年月をかけて、歌舞伎と向き合ってきた時間が、どういう風にこのお役に出せるのか、
初めて演じさせていただいた時と、どう違ってくるかというのは楽しみでもあります。
桜姫は坂東玉三郎のおじさまが監修もしてくださいます。
前のBunkamuraシアターコクーンでの『桜姫』は串田和美監督が演出で、
どなたにも教わらないでいくという串田監督のご意向でした。
今回は1から教わって、どういうアプローチをしていくのか楽しみです。
ーーー今回、花形歌舞伎の座長ということで、またご子息も舞台に立ち、令和という時代になって、
自分たちが作っていく下の世代を見ていく立場で、思うところをお聞かせください。
◆中村勘九郎
花形歌舞伎の若手でやらせていただくので、初役もそうですし、3回目のお役もとても大切。
こういう大事な重要な役を勤めさせていただける場所というのは、
私たちにとりましても、本当にありがたいです。
勉強というとお客様に失礼にあたるのですが、勉強しながら、その役や先人たちの教えや型というものを
全て体に叩き込んで歌舞伎の魅力、その作品が持つパワーというものを少しでも届けられたらいいなと思います。
僕たちが子どものころも、そういう姿勢で臨んでいた父をはじめ、先輩方を観て「かっこいい、この役やりたい」と
憧れてきたので、そうやって子どもたちの世代にも憧れてもらえるように輝き続けていきたいなと思います。
◆中村七之助
このような大役を演じさせていただける花形歌舞伎は大事にしたいですし、
ずっと死ぬまで修行ですから、花形が消えても、そういう修行という心は常に持って
勤めていくのが歌舞伎役者だと思います。気持ちは変わらないでしょうが、
若い頃から挑戦として勉強ということを思い続けて、桜姫はなかなか出る機会のない通し狂言ですので、
先人たちが残してきたもののを汚さないように勤めていきたいと思っています。
明治座 三月花形歌舞伎
開演時間:昼の部11:00/夜の部16:00
料金(税込)
一等席(1階席、2階席正面)15,000円
二等席(2階席左右) 7,500円
三等A席(3階席正面)5,000円
三等B席(3階席左右)3,000円
公式ページ
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