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岐阜県・可児市文化創造センター ala(アーラ)館内見学レポート
アーラとは、どんな場所?
岐阜県可児市にある劇場をメインとする文化総合施設『可児市文化創造センター ala(アーラ)』。
名鉄「日本ライン今渡」駅から徒歩5分の丘の上にあり、広い芝生と池がある中庭を越えたところにあるL字型の建物です。
ホワイエも広く素敵なデザイン
正面入り口を入ると情報コーナー・インフォメーションコーナーがあり、
芸術に関する図書やCD、DVD鑑賞ができるスペースになっています。
主劇場(宇宙のホール)は、オーケストラピットも兼ね備えており、1〜3階まで1019席。
舞台上から客席を眺めると、柱の照明が美しく、赤い座席が並び包まれるような空間です。
客席後方に座ってみても距離感をあまり感じず鑑賞しやすそう。
赤と黒で統一されている
バルコニー席も見やすくて魅力的
小劇場(虹のホール)は、演劇や小コンサートなどで利用されることが多いのだとか。
両サイドの座席は中央に向かって配置されているので、首が痛くなる心配はありません!
前方中央ブロックの座席は舞台にすることもできる可変式になっています。
劇場ステージの真裏にある広い搬入口
美術ロフトは、絵画、彫刻などの製作室。演劇ロフトは、演劇やダンスの練習に使われる部屋で、
大きな鏡が設置されているので、ミュージカルやバレエなどの練習にも使われるそう。
音楽ロフトは、合唱やオーケストラなどの練習に使うことができる部屋。
ピクチャーレールがあるので、絵画などの展示としても利用できます。
スタジオが並ぶ廊下
PAルーム
2階には、150人が収容できるレセプション・ホールや、
多目的に使えるワークショップ・ルーム、研修室、キッズルームなどがあります。
研修室
キッズルーム
可児市の映画館と呼ばれているシアター
G階(B1F)は、映画鑑賞やシンポジウムなどで使われる100人収容できる映像シアター。
全座席に折りたたみテーブルがついている
鮮やかなエメラルドグリーンの座席
大道具を作るだけではなく、ここで衣装を縫うことも!
工具もきれいに整頓されています。
演劇練習室や音楽練習室のほか、美術工芸や日曜大工の工具などが揃う木工作業室も。
舞台の大道具、小道具の製作もできる広いスペースが劇場がる館内にあるのも魅力です。
館内には、レストラン「カテリーナ・ディ・アーラ」があり、コース料理や日替わりランチなどが味わえます。
アーラの情報が掲載された新聞などが貼り出されている“よむ壁画”
レポート(2020年1月15日 取材:住川禾乙里/撮影:伊藤華織)
「エンターテインメントを可児市から全国へ」という企画を発信している施設があると聞き、
2013年に初めて岐阜県可児市の可児市文化創造センター ala(アーラ)へ行きました。
その時は、公演の制作発表の取材で伺ったのですが、
まず、キャストやスタッフが1ヶ月以上可児市に滞在して演劇製作をするということに驚きました。
役者の皆さんにお話を聞くと、どの方からも「芝居のことだけに集中できる贅沢な時間」という返事が。
大都会の何でも揃う環境も魅力的だけど、自然豊かな土地で必要最小限のものがある場所で、
役に没頭することで想像力が広がり、いつにも増して集中できるということらしい。
芸術に関する資料もあります
夕方には勉強する学生の姿も
アーラ館内には、テーブルとイスがいたるところにあり、読書や勉強をする人、近所の人たちとの会話を楽しむ人の姿が。
公共施設といえばイベントがある時に、たまに行く場所というイメージが強い人も多いと思いますが、
ここアーラでは、地域の人たちが参加するイベントやワークショップが数え切れないほどあり、
またサポーターとしてボランティア協力をするなど、市民の生活の中に溶け込んでいます。
例えば「私のあしながおじさんプロジェクト」では、地元の企業、団体、個人からの寄附で、
市内在住・在学の中学、高校生にアーラで行われる公演のチケットをプレゼントするというプロジェクト。
子どものころから芸術、文化に触れるチャンスができるというわけです。
運営するスタッフと利用する市民がアーラを通して、信頼関係を築き積み重ねてきた実績。
この地域からの文化発信は、劇場と市民のあるべき姿。理想的な空間がアーラにはありました。
過去の公演ポスターがずらり
情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。