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宝塚歌劇 星組公演
三井住友VISAカード ミュージカル『ロミオとジュリエット』
礼 真琴、舞空 瞳 制作発表会見
公演概要(リリースより)
三井住友VISAカード ミュージカル『ロミオとジュリエット』
Roméo & Juliette
Le spectacle musical de GÉRARD PRESGURVIC
D’après l’œuvre de WILLIAM SHAKESPEARE
原作/ウィリアム・シェイクスピア 作/ジェラール・プレスギュルヴィック
潤色・演出/小池 修一郎 演出/稲葉 太地
ウィリアム・シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を、
ジェラール・プレスギュルヴィック氏が新たにミュージカル化した本作品は、
潤色・演出:小池修一郎により、2010年に星組で日本初上演。
素晴らしい楽曲と美しいラブストーリーが絶賛を博し、2011年から2013年にかけ、
雪組、月組、そして星組と重ねた再演も高評価を得るなど、再演の呼び声が高い人気作となりました。
2021年、満を持して星組での上演が決定。2013年の新人公演でロミオ役を演じ、
鮮烈な印象を残した礼真琴が、2021年、星組トップスターとして再びロミオ役に挑みます。
世界で最も知られている儚くも美しい究極の愛の物語を、どうぞお楽しみください。
パフォーマンスが行われました。
会見に先駆けて公演の雰囲気が伝わるパフォーマンスが
礼 真琴、舞空 瞳によって行われました。
制作発表会見が行われました(2020年12月11日)
◆小池修一郎
本日はコロナ禍の中、ご来場いただきありがとうございます。
今世界が全てが味わっている苦境の中に公演をする意味。
この作品のテーマは“愛”ですので、“愛”というものについてもう一度考える縁となって、
メッセージを世界に発信するというと少々大げさではありますが。
医療関係者の皆様やコロナウイルスに罹患された方だけではなく
影響があった方たちはたくさんいらっしゃると思います。
これから次の時代に向かっていく時に、愛は絶対に必要であると改めて認識していただき、
かつ、私たちの舞台から何らかのエネルギーを得ていただいたらありがたいなと思っております。
この舞台『ロミオとジュリエット』は、10年前、梅田芸術劇場で幕を開けました。
この時、宝塚版を作ったのですが、宝塚版の特徴は何だと聞かれたら、
一言で「“愛”があることです」と答えます。
“愛”という役は、オリジナルであるフランスの舞台ではありません。
いろいろな国で上演されていますが、“死”という役は出てくるけれど、“愛”は出てきません。
最初に流れるナレーションの中で “愛”と“死” について言及されていたので、
そこで“死”だけが踊っているよりも、やはり“愛”も出てきて舞う方が良いであろう。
そして、死と愛の葛藤、戦いというものを描くのがおそらくミュージカル版の
『ロミオとジュリエット』にとっては1番好ましいことではないかと思いました。
その“愛”は誰だと考えたときに、入ってまだ2年目でしたね。
礼真琴が星組に配属されました。最初に出たのが私の『太王四神記 Ver.II』だと
思うのですけれど、大変素晴らしいバネを持っていて。
今年の主席の子だというので「おお、そうか頼もしいな」と思いました。
単にすごくバネのある体というだけではなくて、
ダンスそのものをこんなにできるんだと思って非常に感心しましたし、
これを活かさない手はないと思いました。
そこで、星組で『ロミオとジュリエット』をやることになり、
“愛”と“死”の、その“愛”はという時に、
下級生の彼女に大きい役を与えるに値するかどうか、非常に難しいところなのですが、
彼女の場合は、例えば「こんな若い子にこの役をやらせて良いの?」
「キャリアが足りないのではないか」というような考えを、
見た人がたちまち全員そんなことを忘れてしまうぐらいの、
力や技術、表現力そして魅力も全て持っていたと思ったので踏み切りました。
その後、『ロミオとジュリエット』は他の組でも上演されていくようになりました。
2013年に星組にまた回ってきた時に、新人公演で主役のロミオ役をやってもらいました。
とても初々しく、ダンスだけではなくて、歌唱力においても傑出したものがある。
これだけ歌えて、そして、これだけ踊れて芝居もできるならば、
そしてこの明るい個性を合わせて、宝塚史上に残るスターになるだろうなと思いました。
彼女がトップに就任してご一緒するわけですが、その時に『ロミオとジュリエット』を
またやるということは、彼女は今回“愛”という役ではありませんが、
ロミオの元に“愛”が返っていくような、1つのメビウスの輪のような、
結ばれ、完結していくような気がしております。
相手役の舞空瞳もよく歌えるのですが、ご存じの方も多いと思いますが傑出したダンサーでもあります。
今回の公演は、多分フィナーレまで激しいダンスはあまりありませんが。
大変踊れる人でもあり、演技もできて彼女も主席と言うことで、
主席コンビと言われていますけれど、宝塚史の中でも技量と表現力のバランスが整ったコンビです。
このコンビが作り出す舞台は、恐らくコロナに打ちひしがれたであろう世界、
日本だけだはありません。全てに対して発信していく力を持っているのではないかと思って非常に期待しております。
客観的に見て、今の日本のショービジネスの世界でも、いや日本だけではないかもしれない。
高いレベルにいる2人だと思うので、ぜひ楽しみにしていただいて、堪能していただきたいと思っております。
◆礼真琴
本日はこのような状況の中お集まりいただきまして、本当にありがとうございます。
コロナ禍の中にあり、制作発表をさせていただきますこと光栄に思っております。
今年は私たちにとりましても、日本中、世界中の皆様にとりましても、
戦いの日々であったと思います。我々も、ステイホーム期間が長かったこともあり、
今自分がどうしたら良いのか分からなくなるときもありました。
そのステイホーム期間中に小池先生からご連絡をいただきました。
「今こそ君たちが前を向いて、皆様の希望となるときだ。
このエンターテインメントが皆様に光を与えられるんだ」とメッセージをいただきました。
そのメッセージをきっかけに「これではいけない、自分たちは先へ先へと進んでいかなければいけないんだ」と思いました。
昔から、ここぞ!と言うときに背中を押して下さる小池先生と今回ご一緒させていただけますこと幸せに思っております。
初演で“愛”という役をさせていただきました。
役が発表されたときは、原作を何を読み返しても見当たらない。
これは人なのか、男なのか、女なのかも分からない状態でスタートした“愛”という役でした。
柚希礼音さん、夢咲ねねさんが演じる『ロミオとジュリエット』の間で、
“愛”を表現していくのは、その時はまだタカラジェンヌとしても右も左も分からない
経験不足の私でしたが、お稽古中もとても本当に幸せな時間でした。
公演が開いてからも、幕開きで、せりで上がらせていただいた時は緊張で震えていましたが、
皆様の温かい拍手と評価をいただけたことで、この“愛”という役がなければ今の私はここにいなかったと心から思っております。
そして、2013年に星組で再演させていただいた『ロミオとジュリエット』では、
本公演では役代わりに挑戦させていただきまして、新人公演でロミオ役をいただきました。
あの頃は、本公演で自分の力不足を痛感していた毎日でしたので、
新人公演はとにかく若さと勢いと、そして一度きりの本番に向けて、
ただただ元気とパワーで乗り切ったようなところもあったと思います。
こうして7年ぶり、公演は8年ぶりになると思います。
またロミオという役に挑戦させていただける機会をいただきましたことが幸せに思っております。
もう一度、原作、原点に返って一から究極の愛の物語を学びながら、愛に溢れた、
そして1人の女性を守る強い男性になるようにロミオ役を必死に務めてまいります。
この状況の中、劇場に足をお運びいただきますお客様へ、
平和と愛、そして勇気をお届けできるような舞台作りをできるよう、
お稽古に励んでいきたいと思います。皆さまの期待に添えられるような、またその期待を超えていけるような
舞台にしたいと思って精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
◆舞空瞳
本日はこのような状況の中お集まりいただき、ありがとうございます。
この何度も再演を重ねられてきた大切な『ロミオとジュリエット』という作品に
出させていただけること、大変に光栄に思うと同時に、身の引き締まる気持ちでいっぱいでございます。
私も客席から何度も観ていて、憧れていたこの作品に出させていただける
感謝の気持ちを持って、愛を皆様にお届けできるように、小池先生の指導の下、
精一杯皆さんについてまいりたいと思います。
皆様に素敵な舞台をお届けできるように、精一杯精進いたしますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
―――小池先生におうかがいいたします。礼さん舞空さんのスターとしての個性について、
先生が感じられてきたことをお聞かせください。
◆小池修一郎
礼はやはり明るさでしょうね。はじけるような、若いということもありますけれど、
弾力性と申しますか、体だけでなく精神的にも弾力性のある人だなと思います。
なので、弾む・・・ちょっと古い言い方かもしれませんが“ゴムまり”のような
明るさというのが彼女の最大の魅力ではないかと思います。
『ロミオとジュリエット』は悲劇ですが、いろいろな役をやった時に
ただ暗い鬱病的にならずに、その中にある希望を求める力を表現していくんじゃないかと思います。
単純に言えばオーラと言うことかもしれないけれど、
ただオーラというのとは異なっていて、
役を通して表現することのできるところが魅力だと思います。
舞空瞳は、前回の公演『ポーの一族』では、ちょこっとしか出番がなかったのですが、
あとは客席から観ているだけですが、まだ若いので、とてもシャイというか、
はにかんだ可愛らしい感じです。でも『モーツアルトオペラロック』という公演を観た方はは分かると思いますが、
1幕の最後で踊り狂うところとか、ちょっと憑依をしたような。
なかなかすごいガッと来るところがあります。多分本質的には大変濃厚というか、
テンションが実が高い、振り幅が大きい。ただ今は仕事というか立場というか、トップ娘役を務めるということが
誠心誠意、精一杯でしょうから、まだそういうものが出てくるところにはないと思います。
たぶん、例えば『カルメン』とか女性として強い自らの願望とか欲望とかを表現する役をやったときに
濃厚なものを出す人なのではないかと。宝塚にいる間にそれをどこまで出す役に巡り会うか分かりませんが。
普段は楚々として可愛らしいお嬢さんです。そこが良いところだと思います。
―――『ロミオとジュリエット』の上演は少し間が開いていますが、その理由を教えてください。
◆小川友次理事長
2010年に星組で上演してから、雪組と月組でやっています。
2010年当時、星組は梅田芸術劇場と博多座で上演したのですが、大劇場ではやっていなかったので、
柚希礼音さん率いる星組で、大劇場でやりたいということから、2013年星組公演として上演。
その後は(この作品は)やっていません。
『ロミオとジュリエット』は、トップ男役、トップ娘役2人に照準を合わせた作品です。
それまで我々は待つと言いますか、トップが現れるのを待つ。
その時のタイミングでやるという形なんです。
今年10周年という形で正に満を持しての上演となります。
私自身の思いは、時を経ていますから、これまでの公演を超えるように、
また、今こういう状況下でありますので、
より思いや希望を伝える公演にしてもらいたいなという思いです。
―――キャストのお二人に。役をどのように演じたいかということと、
名曲揃いのミュージカルですので、特にお好きなナンバーがありましたら教えて下さい。
◆礼真琴
新人公演でロミオ役をさせていただいた時は、自分では必死に作っているつもりだったのですが、
今見返すととても幼くて、声も今に比べると高くて、自分では少年の印象だったと思います。
今回はコスチュームも今までのロミオとは少し雰囲気も変わっておりますので、
男らしい部分をより見せていけたらいいなと思っております。
新人公演の時には前半部分がカットになっていてので、今(パフォーマンスで)歌わせていただいた
「いつか」と「僕は怖い」は初めて歌わせていただきました。前半の部分も大切に歌っていきたいと思っております。
全曲が大曲なので、一から改めて音をとると、とてもヒィ〜となるのですが、リズムなど素晴らしさを感じながら
稽古をさせていただいています。大好きな歌は、今日の最後に歌わせていただいた「エメ」でしょうか。
お客様にとっても耳に残る幸せになれる曲だと思いますので、
併せて幸せをお届けできるように私も幸せを感じながら歌わせていただきたいと思っております。
◆舞空瞳
ジュリエットという役は本当にピュアでまっすぐで、物語としては悲劇ですが、
人生の中で命を懸けてロミオを愛して、愛する人と生きることがとっても幸せと思って人生の幕を終える役であります。
とても幸せな人生を舞台上で演じ、皆様に心を動かしていただけるように、精一杯役作りに励んでいきたいと思います。
礼さんもおっしゃっていた通り、すべての曲が素晴らしく、客席から何度も聞いて、CDや映像でも拝見していました。
どの曲も大好きなのですが、まだまだ未熟な私には歌ってみると大変難しく、挑戦だなと思っております。
やはり私も礼さんと同じで「エメ」を今歌わせていただいてとても幸せです。
物語の最後に2人が天国でこの曲の中で踊るシーンが私も拝見させていただいた時に、
印象深く残っているので、愛を皆様にお届けできるように大切に歌っていきたいなと思っております。
情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
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