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「猿若祭二月大歌舞伎」昼の部 公演レポート、舞台写真掲載 2024年02月

(2024年02月05日記載)

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「壽 初春大歌舞伎」開幕!公演レポート、舞台写真掲載


★各演目写真及び内容に触れておりますので、ご観劇前の方はご注意ください★

昼の部『新版歌祭文 野崎村』左より
久作娘お光=中村鶴松、百姓久作=坂東彌十郎、(後方)丁稚久松=中村七之助

公演概要(リリースより)


歌舞伎座2月公演「猿若祭二月大歌舞伎」が開幕。
2012年に逝去した十八世中村勘三郎の十三回忌追善興行として、
勘三郎の長男・勘九郎と次男・七之助、勘三郎の孫で勘九郎の長男・勘太郎と次男・七之助の
中村屋を中心に、勘三郎にゆかりのある演目と役者が揃い、稀代の名優に想いを馳せながら興行するひと月となります。

公演レポート


第一部は『野崎村』で幕開きです。
この度は、十八世勘三郎が「三人目のせがれ」と呼ぶほど目にかけた部屋子の中村鶴松がお光を初役で勤めます。
「鶴松にぴったりの役。父も喜んでいるはず」と語る中村七之助が初役の久松でお光と共演します。
場面は野崎村の百姓・久作(坂東彌十郎)の家。久作の娘のお光と、養子の久松は婚礼を控えており、
準備にとりかかるお光は喜々と大根を刻んでいます。
そこへ、実は久松と恋仲の 油屋の娘・お染(中村児太郎)が訪ねてくると、
和やかに久作の肩を揉んでいた久松がおどおどし始めます。
田舎娘・お光の朗らかで愛嬌のある様子と、町娘・お染の品格溢れる佇まいが対比をみせ、
娘二人は美男子である久松をめぐり恋の火花を散らします。
お染が久松へ思いの丈を訴える「クドキ」や、駆け落ちをしたのち悲惨な最期を迎えた
「お夏清十郎」の歌祭文に寄せ、久松とお染を諭す久作の長台詞など、見どころを情緒たっぷりに魅せます。
久松とお染が死を覚悟したことを感じ取ると、お光はある決心をして…。
思わず咽び泣く久作とお光の姿に、観客からはすすり泣く声も。
切ない恋を描いた情感溢れる名作に観客からは大きな拍手が送られました。


昼の部『新版歌祭文 野崎村』久作娘お光=中村鶴松
提供ⓒ松竹


続く『釣女』は、能舞台を模した松羽目の舞台で演じられる“松羽目物”の舞踊劇です。
舞台に登場したのは太郎冠者(中村獅童)と大名某(中村萬太郎)。
二人は妻を持とうと縁結びの神として名高い西宮の戎神社に参拝します。
大名は釣竿をさげると、さっそく世にも美しい上臈(坂東新悟)を釣り上げます。
これを見 た太郎冠者は、自分も美しい妻を娶りたいと釣竿をさげますが…。
太郎冠者の釣り上げた醜女(中村芝翫)はその見た目でも笑いを誘いますが、
愛嬌があり太郎冠者を見つめる姿に愛らしさが滲みます。
常磐津の滑稽味溢れ、 風情漂う演奏が響くなか、松羽目物の品格も感じられる一幕となりました。

昼の部『釣女』左より
上臈=坂東新悟、太郎冠者=中村獅童、大名某=中村萬太郎
提供ⓒ松竹


昼の部の切は、『籠釣瓶花街酔醒』
十八世勘三郎が襲名披露をはじめ、数々の名演を魅せた当り役の佐野次郎左衛門を中村勘九郎、
女方の大役・兵庫屋八ツ橋を中村七之助が共に初役で勤める話題の舞台。
「いつか二人でやりたい」と願っていた名作に、父・勘三郎追善の舞台で挑みます。
また、勘三郎と数々の共演で舞台を彩った片岡仁左衛門が八ツ橋の間夫の繁山栄之丞で出演する豪華配役。
幕が開くとそこは満開の桜が咲き誇る吉原仲之町。あばた顔で田舎者の佐野次郎左衛門がやってきて、
兵庫屋 八ツ橋の絢爛豪華な花魁道中に出くわすと、そのあまりの美しさに次郎左衛門は心奪われます。
次郎左衛門の驚きは観客にも伝播し、観客はハッと息をのみました。
次郎左衛門の姿を見て八ツ橋が微笑む名場面に客席からはため息がこぼれます。
次郎左衛門が八ツ橋を身請けする話を聞きつけた八ツ橋の愛人・繁山栄之丞(片岡仁左衛門)に、
悪知恵を働かせる釣鐘権八(尾上松緑)が登場し、スリリングな展開をみせます。
七之助は、栄之丞への義理を立てるため、次郎左衛門への“愛想尽かし”をする八ツ橋の苦悩を色濃く魅せ、
「花魁、そりゃあんまりそでなかろうぜ」と絶望に満ちたセリフを吐く次郎左衛門を勘九郎が迫真の演技で魅せます。
そして、妖刀・籠釣 瓶を手にした次郎左衛門は…。
「人間の色々な感情が渦巻く、群像劇として素晴らしい芝居」と勘九郎が言うように、
それぞれが魅せるドラマに深くみせられ、場内は興奮に満ちた空気に包まれました。

昼の部『籠釣瓶花街酔醒』左より
佐野次郎左衛門=中村勘九郎、兵庫屋八ツ橋=中村七之助
提供ⓒ松竹


昼の部『籠釣瓶花街酔醒』左より
釣鐘権八=尾上松緑、兵庫屋八ツ橋=中村七之助、繁山栄之丞=片岡仁左衛門
提供ⓒ松竹


昼の部『籠釣瓶花街酔醒』左より
兵庫屋八ツ橋=中村七之助、佐野次郎左衛門=中村勘九郎
提供ⓒ松竹


一階大間(ロビー)には、十八世中村勘三郎の祭壇が設けられ、ご来場のお客様が手を合わせる姿を見せます。
また、二階ロビーには「猿若人形」と十八世勘三郎の想い出の写真パネル展示が行われています。

 

 

十八世中村勘三郎十三回忌追善

猿若祭二月大歌舞伎

 

公演日程:2024年2月2日(金)~26日(月)

【休演】13日(火)、20日(火)

会場:歌舞伎座

 

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/856

 

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