『エンタメ ターミナル』では舞台を中心としたエンターテインメント関連情報をWEB記事として発信しています。
掲載内容は、掲載日付のものとなりますので、最新情報は各自ご確認ください。
※ 記事・写真等の無断使用・無断転載は禁止しています。なお、リンクはフリーです。
山本耕史・中川晃教主演『ロックオペラ モーツァルト』
稽古場取材を行いました
フランスで記録的なスーパーヒット!
全く新しい舞台体験。ヨーロッパですでに150万人を魅了。
フランス公演
『ロックオペラ モーツァルト』は、2009年9月パリにて初演。当時の衣装をまとった俳優や歌手ら総勢60人が出演し、バイオリニストとロックバンドの生演奏が融合するという豪華かつスタイリッシュな演出で、クラシックやオペラファンのみならず、幅広い層で話題を席捲!観客の熱狂ぶりはすさまじく、翌年フランス国内ツアー、スイス公演、ベルギー公演、2011年秋パリにて再び公演、ヨーロッパツアーを実施、計305回公演、通算150万人を動員するフランスミュージカルとして記録的なヒットとなりました。
公演に先行してCDリリースされた劇中歌は、フランスで50万枚を売り上げNo.1ヒット、その他2曲の劇中歌もヒット。2010年にカンヌで開催された、世界的な音楽の式典「NRJミュージックアワード」では、“フランスグループ賞”“フランス曲賞”“フランス新人賞”と3つの賞を獲得しました。
ミュージカル『十戎』や『太陽王」も大ヒットさせたプロデューサーのアルベール・コーエン曰く「当時の常識に従わなかったモーツァルトは、初のロックスターだったと言える」と語ります。日本公演の衝撃的な試み。二人が交互に演じる、モーツァルトとサリエリ。山本耕史と中川晃教が初競演!
主演のモーツァルトと宿敵サリエリには、日本の気鋭のキャストである山本耕史と中川晃教がダブルキャストで初競演を果たします。名曲を創り出す天才と、その才能に嫉妬し狂気へと突き進む策士。この光と影とも言える両極端な二役を山本と中川が交代で演じ、全公演に出演するという斬新な取り組み。演じる俳優にとっても大きな挑戦といえます。
モーツァルトを一途に愛する妻コンスタンツェに秋元才加、そしてモーツァルトの才能にいち早く気づき、音楽の道へと導いた父レオポルトを、本作が初舞台となる高橋ジョージが演じます。更に、鶴見辰吾、キムラ緑子とモーツァルトの人生を彩る個性豊かなキャラクターに、ベテラン俳優からアーティストまで、各界から実力溢れるキャストが結集致しました。
新演出で挑む日本語版「ロックオペラ モーツァルト」
演出はブロードウェイの奇才フィリップ・マッキンリー
2003年にヒュー・ジャックマン主演「ボーイ・フロム・オズ」を、そして現在のブロードウェイで一番の注目を集めているミュージカル「スパイダーマン」をヒットに導いたフィリップ・マッキンリー。05年には日本版「ボーイ・フロム・オズ」の演出も手掛け日本の観客の反応を肌で知るフィリップが、日本版「ロックオペラ モーツァルト」の演出を手掛けます。
すでにフランスで上演された作品を再演出するに当たり、全編音楽で綴ったフランス版の楽曲の迫力はそのままに、モーツァルトと、モーツァルトの才能に嫉妬し殺意さえ抱いていたというサリエリに焦点を当てた“男の物語”として、演劇の要素を深めた新演出で上演致します。現在はヨーロッパをツアー中のアリーナショー「ベン・ハー・ライブ」といったショーアップした演出を得意とするマッキンリー。彼こそが、フランスではスタジアムなど大規模な会場で上演され“スペクタクル”と称される本作の演出を手掛けることができる唯一の演出家と言っても過言ではありません。
そして2013年、日本初のロックオペラとして再び甦ります。
どこにでもいる若者、その一喜一憂の姿。しかし、類い希な才能を背負った運命。そして、そのすべてを羨んだ、もう一人の男。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。その35年の短い人生は、音楽史に燦然と輝く天才の伝説でありながら、また、若者であれば誰もが共感する”挑戦”の連続だった。
モーツァルトが生きた時代(1756年・ザルツブルグに生まれ、1791年・ウィーンにて没す)、一流の音楽と言えば、それは宮廷の音楽を指した。父親も宮廷楽士であったことからモーツァルトも幼い頃から宮廷に出入りし、その才能は誰もが認めていた。しかし、モーツァルトは宮廷のしきたりに縛られず、自分の魂が欲する“音楽”、広く大衆が聞き、楽しむ“音楽”を創作する道に突き進む。
そんな型破りな行動も、ずば抜けた天分故に、宮廷からも支持される。時に、下世話と思われる題材をオペラに仕立てるが、それすら高い評価を受けるのだ。
しかし、そんな名声を疎ましく思うひとりの男がいた。ウィーンの宮廷楽長、アントニオ・サリエリ。しかし皮肉にも、サリエリ自身が高い素養を持つ音楽家であったために、彼は誰よりも早く、モーツァルトの無二の才能に気づく。それは、「この世のものとは思えない」魅力と独創性に満ちていたのだ。
音楽家として宮廷で絶対的な地位を築こうとするサリエリにとってモーツァルトは羨望を超え、邪魔な存在になりつつあった。
モーツァルトの異常な創作意欲は、徐々にその命を削り始めていた。そんな中、匿名の楽曲の依頼が舞い込む。取り憑かれたように筆を走らせるモーツァルト。それは、何者かが用意したモーツァルト自身の鎮魂歌となることも知らずに……。
山本耕史、中川晃教が、モーツァルト役、サリエリ役を交代で演じます。両名とも、全ての公演に出演します。
◆山本耕史
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (Wolfgang Amadeus Mozart)
アントニオ・サリエリ (Antoni Salieri)
今僕は頭からほんの10分ちょっとやっただけですが、汗が引かないくらいのパワフルな作品です。休む間もなくどんどん展開する作品になっているのではないかと思います。僕たちはフィリップ・マッキンリーさんについて行く毎日です。時には厳しく時には優しくみんなを前進させてくれています。皆様の前で稽古を披露するというのは僕も初めてなので、まだ本番の気持ちではありませんが、見ていただくことで本番を想像できるようないい機会だったと思います。
◆中川晃教
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (Wolfgang Amadeus Mozart)
アントニオ・サリエリ (Antonio Salieri)
今日は公開リハーサルという形で見ていただきました。どんな風になるのだろうという緊張感があり、後できっと演出家からだめ出しをもらうかなと思いますが・・・(笑)。この作品では山本耕史さんと僕の二人がモーツァルトとサリエリを演じています。日本初演としてその辺りが楽しさだと思いますが、稽古場ではフィリップ・マッキンリーさんの合図でこの2つの役を切り替えないといけないというところが大変です。でもそういう時間が楽しいです。音楽という部分でもたくさんの日本の方に親しんでいただけるものにしたいと思います。
ーーー稽古が始まって約1ヶ月が経ったということですが、フィリップさんの演出で驚いたこと、刺激を受けたこと、また何か思わず笑ってしまったエピソードなどございましたらお願いいたします。
◆山本耕史
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (Wolfgang Amadeus Mozart)
アントニオ・サリエリ (Antoni Salieri)
日本語が分からないはずなのに滑舌が悪いとセリフをはっきり言ってくれと言われて驚きます。音楽もダンスも芝居も統括して見ているので、何を聞いても答えてくださるので心強く思っております。
◆中川晃教
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (Wolfgang Amadeus Mozart)
アントニオ・サリエリ (Antonio Salieri)
僕も何で日本語のセリフが分かるんだろうと思ったのですが、「みなさん、僕は日本語のセリフを全部アルファベットにして書いてもらった台本を持っています」とおっしゃって、なるほど!と。見ていないようですごく見られている時もあります。全然意識していないようなことを見抜かれることもあり、俳優として決して楽しいことばかりではありませんが、そのかわりラストシーンまで通したら今まで経験したことがないような体験がお客様も含めて味わえると思いますし、それが感動に繫がるのではないかと思います。モーツァルト役は二度目となりますが、全然違うモーツァルトを作ることができるのを嬉しく思います。
◆秋元才加
コンスタンツェ・ウェーバー (Constanze Weber) …ウェーバー家の三女
海外の演出家の演出を受けるのは初めてです。稽古が始まって1週間で、「みんな頑張ったから1週間記念パーティーをしよう」とおっしゃってピザなどを頼んでくれて、稽古は集中しますが楽しむ時は楽しむという経験をしました。カンパニーみんなの気持ちをあげ上げてくださるというのが初めての経験だったので驚きました。
◆鶴見辰吾
酒場の主人 (L’aubergiste) …マンハイムの酒場店主
運命 (Destiny) …運命を象徴する化身
毎日刺激的にやっております。日本でもアメリカでもいい演出家は黒い服を着てどなる、蜷川さんと一緒だなと(笑)。色々な刺激があります。自発的に俳優が動くような指示を出してくれます。例えば「君たちはなんでここにいるのか、3つの理由を考えろ」と。ワークショップ的なことをしながら進めていくので役者としては新鮮で面白いんです。「芝居というのは熱々のポテトを投げ合ってそれを落とさないように次の人に渡すことだ」と。そういう忘れかけていた芝居の面白さを思い出させてくれたような感じです。
◆キムラ緑子
セシリア・ウェーバー (Cécilia Weber) …コンスタンツェの母
最初はとてもとまどいました。いつも私が芝居を作っている過程と全く違うやり方で、フィリップさんはどこに立つか、どこからどこに行ってセリフを言うかの位置決めをやります。いつもはぼちぼちやっていこうかという芝居の作り方をやっていましたので、本当にそれが驚くことで、すごい勢いで睨まれて、たぶん私が一番怒られていると思います(笑)。それでちゃんとやらなきゃ、がんばらなきゃと。カーテンコールの立ち位置も、3.7に立つ(目印の3番と4番の間という意味)とか、そういう感じなんです。すごく刺激と緊張感のあるいい稽古場だと思います。稽古場で見ていてもどんどん出来ていく場面場面がすごく素敵です。照明や衣装が入ったらどんなに素敵な作品になるのだろうと、私自身もわくわくしています。
◆高橋ジョージ
レオポルト・モーツァルト (Leopold Mozart) …モーツァルトの父
こんなに毎日規則正しく一カ所に通うというのは人生で初めてで、学校に来ているような感じです。フィリップが先生で、毎日新鮮です。初舞台なので全部みなさんに教えてもらっていて、目からウロコです。主演のお二人もそうですがみなさん歌がうまいので、僕は一曲目でとてもプレッシャーなんですよね。今日聞いて僕の歌に感動していただいたと思います(笑)、これがロックオペラだ!と。今までのミュージカルとはひとあじもふたあじも違います。全編見ていただいたら絶対に感動すると。フランス版のオリジナルを見て感動して泣きましたが、完全に超えています!これは本当に覚えておいてください。面白エピソードとしては、俺に「ジョージ、エレガントにやってくれ」と。(素の自分と)真逆ですよ(笑)。でも、すっかり役になりきっていますから、うちの家族は家に帰ってもそういう雰囲気なので驚いてますよ。モーツァルトの父親役ができるとは、最高の作品に携われたなと思います。一人でも多く来ていただくためにみなさんのお力をお借りしたいと思います。よろしくお願いいたします。
『ロックオペラ モーツァルト』
山本耕史、中川晃教が、モーツァルト役、サリエリ役を交代で演じます。
両名とも、全ての公演に出演いたします。
演出:フィリップ・マッキンリー Philip McKinley
上演台本:吉川 徹
東京公演
2013年2月11日(月・祝)~17日(日) 東急シアターオーブ
※2月9日(土)、10日(日)プレビュー公演
大阪公演
2013年2月22日(金)~24日(日) 梅田芸術劇場 メインホール
情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。