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スタジオライフ『LILIES』製作発表会見に
主要キャストを始め劇団員25名が集結しました
全員男性の劇団「スタジオライフ」の珠玉の名作4回目となる再演が決定!! 脚本と演出を手掛ける倉田淳を除き男性だけで構成され、「耽美派」の劇団として女性ファンを中心に絶大な 支持を集める劇団スタジオライフは、代表作である「LILIES」(原作:ミシェル・マルク・ブシャール) を4 年ぶりに再演いたします。 1996 年にカナダで映画化もされ、世界各国で数々の映画賞を受賞した愛の名作「LILIES」を倉田淳が類ま れな脚色力でアレンジ。2002 年の初演以来、少年同士の純愛と人間ドラマを描いたストーリーの奥深さはもち ろん、女性役も全員男性が演じるという同劇団独自の表現手法と美しく耽美な世界観が話題を呼び、前回紀伊国 屋ホールで公演を行った際は当日券を購入するために100 名以上のお客様が行列を作るなど大きな話題となり ました。カトリックの戒律の厳しさと純粋な愛との葛藤を描いたカナダ戯曲の名作を、今回新たに起用した同劇 団の若手俳優たちがエネルギッシュに演じます。また、2011 年に文学座アトリエ60 周年記念三作品連続上演 企画(『トロイアの女たち』『カラムとセフィーの物語』『ダーウィンの城』)で第18 回読売演劇大賞優秀スタッ フ賞、第38 回伊藤熹朔賞新人賞を受賞するなど各界から高い評価を得ている美術監督の乘峯雅寛氏を新た に迎え、舞台美術デザインを一新。同劇団ならではの耽美な世界観とともに新しい「LILIES」をお届けします。
1952 年、カナダ郊外の刑務所。囚人たちの告解を聞くために訪れたビロドー老司教は
突然、看守や囚人たちに監禁される。そして、彼の目の前で囚人シモンの計画による囚
人達の手の込んだ芝居が始まる。そこには40 年前の自分の姿があった。奔放な少年シ
モンと惹かれ合うヴァリエ。そんなふたりに嫉妬心を抱くビロドー。修道院で出会った少年
達に何があったのか―。封印された過去の悲劇がよみがえる。
1985 年結成。1987 年から、男優が女性役をも演じるという手法をとり、現在は男優40名、女性演出家・倉田淳1 名のみで構成されている演劇集団。その耽美な世界観と、演出家 倉田淳の独創的な脚色力と美しく繊細な舞台演出が話題を呼び、20 代~40 代の女性を中心に圧倒的な支持を得ている。1996 年2 月の「トーマの心臓」(原作萩尾望都)初舞台化の成功を機に、萩尾望都作品や「ヴェニスに死す」(原作 トーマス・マン)、「死の泉」(原作 皆川博子)等の文芸耽美作品を始めとし、人の心の機微を深く追求する作品を精力的に上演している。劇団創立20 周年を迎えた2005 年には直木賞作家・東野圭吾の「白夜行」を2 部構成で初舞台化し大好評を得た。2006 年には長年の念願だったシェイクスピア作品「夏の夜の夢」を上演し大成功を収め、以後「ロミオとジュリエット」、オリジナルの楽曲を使ったわかりやすいシェイクスピア作品を目指した音楽劇「十二夜」や「じゃじゃ馬ならし」を上演。2014 年には結成30 周年を迎える。
倉田淳より、「LILIES」再演に際してのコメント
「今、恋をしたい人達に贈る愛の試練――
愛に飢えた人達は純愛の価値に気付き、それを求める。この物語に登場する三人の男達はみな孤独であり、愛を求めている。彼等は想う相手にそれぞれの優しさを与える。その優しさはクリスタルライズされた愛の優しさだ。どこまでも清々しく透明さに満ちている。しかし返ってくるのは毒々しい残酷さに満ちた嫉妬の影。あなたなら、どんな嫉妬を返しますか?」
【略歴】
東京都出身。スタジオライフの脚本家兼演出家。
1976 年 演劇集団「円」研究所の第一期生として入所、芥川比呂志に師事、80 年まで演出助手を務める。1985 年河内喜一朗と共にスタジオライフを結成。1996 年の萩尾望都原作『トーマの心臓』を上演するまで殆どのスタジオライフの作・演出を手掛ける。近年はロンドン最新演出『レ・ミゼラブル』の映像・美術を担当したマット・キンリー、デザイナーの宇野亞喜良、BUCK-TICK の今井寿や作曲家の村井邦彦などの一流アーティストをスタッフに迎えて重厚な舞台作りを行っている。
又、英国の演劇事情にも通じており、’97 年よりロンドン、ニューヨーク、日本で日本人俳優のためのアクターズ・スタジオ正会員講師によるワークショップも企画、開催している。
仲原裕之 松村泰一郎 鈴木翔音 藤森陽太 笠原浩夫 山本芳樹ほか、スタジオライフの俳優総勢25名が集結しました。
◆倉田淳 挨拶
私共スタジオライフは1985年に旗揚げし、今年で28年目を迎えております。1987年から男性俳優だけの劇団になりました。その時はオリジナル作品をずっと上演していたんですけれど、1996年に萩尾望都先生の『トーマの心臓』という作品を初舞台化させていただき、その後は多くの萩尾作品、少女漫画の原作を舞台化してまいりました。そういう中で出会ったのが『LILIES』という作品でした。1996年『トーマの心臓』を上演した際に、萩尾先生のファンの方から「これは絶対にスタジオライフに合うはずだから」と言われ「(邦題)百合の伝説」というDVDをいただきました。これを観てみたらとても面白く、元は戯曲ではないかなと思い色々と調べ始めました。インターネットが今ほど栄えていない頃なのでどのように調べたらいいかと思案しておりまして、ロンドンの演劇専門書籍を扱う店で聞いてみました。「今イギリスにはないし、私もそういう戯曲は知らないけれど探してみようか」と書店の方が言ってくださいました。翌年1997年にうちのポストにこの本が入っていて「やった!」と。色んな方に翻訳していただき、フランス版と英語版の2冊を訳して頂き、読んでみたら一気に引き込まれました。素晴らしい戯曲でした。上演すべく劇団内で相談を始めましたが、壮大な物語なのでまだうちには早いのではないかということになり、足かけ5年温め、2002年本邦初演にこぎ着けました。
舞台は1952年のカナダにある男子刑務所ですので、男優集団のスタジオライフにはうってつけです。非常に演劇的に奥行きがある構造になっています。人間にとって愛とは何かを深く描いています。愛の真実と愛の裏切りを行なう人間の業が、この芝居テーマでもあります。刑務所が舞台にはなっていますが自分の思いと共通していたり、誰々さんのようだなと思ったりしながら重ねあわせることが出来るようなリアリティーがあります。だから世界中で上演されているんじゃないかなと思います。
舞台装置は今回美術デザイナーの乗峯雅寛さんにお願いし一新することになりました。役者たちもトリプルキャストにし、若い人たちにも挑戦してもらいます。新たな試みが色々とありますのでどうぞよろしくお願い致します。
▲写真左:司会を務めた曽世海司、写真右:上演台本・演出を手掛ける倉田淳
◆仲原裕之 シモン役
スタジオライフ
『LILIES』
原作:ミシェル・マルク・ブシャール
上演台本・演出:倉田 淳
期間: 2013 年11 月20 日(水)~12 月8 日(日)
会場: シアターサンモール
http://www.studio-life.com/stage/lilies2013/index.html
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