『エンタメ ターミナル』では舞台を中心としたエンターテインメント関連情報をWEB記事として発信しています。
掲載内容は、掲載日付のものとなりますので、最新情報は各自ご確認ください。
※ 記事・写真等の無断使用・無断転載は禁止しています。なお、リンクはフリーです。
新国立劇場『テンペスト』
制作発表が行なわれました
公演について(公演資料より)
シェイクスピア生誕450年のメモリアル・イヤーに贈る『テンペスト』。
シェイクスピアが単独で書いた最後の戯曲で、彼の代表作の一つに数えられています。
魔術の力を借りて、一人の男が過去に自分に仇をなした者たちを集めるところから物語は始まります。
やがて最後には一堂に会した登場人物全員に向かって、ある思いを語り出します。
そこに込められた彼の、そしてシェイクスピアのメッセージとは?
今回演出をするのは2011年に『天守物語』で泉鏡花の耽美世界を見事に現代に甦らせた白井晃。
新国立劇場初登場となる古谷一行、長谷川初範、高野志穂をはじめ、
魅力あふれる実力派俳優陣とのタッグでこのシェイクスピアの晩年の傑作をどのように舞台化するか、
期待は高まります。どうぞお楽しみに!
STORY
元ミラノ大公プロスペローは12年前、弟アントーニオとナポリ王アロンゾーの謀略により
その地位を追われ、娘ミランダとともに海に流された。
やがて漂着した孤島で魔術の修練を積み、空気の精エアリエル、
醜い怪物キャリバンを従えて暮らしていた。
その島は豊かな自然に恵まれ、妙なる楽の音がこだまする一種の桃源郷であった。
そこにアントーニオ、アロンゾー一行の乗った船が差し掛かると、
船は突然の嵐に遭遇し、全員命からがら島に上陸する。
だがその嵐は一行の到来を知ったプロスペローが魔術で起こした嵐だった……。
制作発表が行なわれました
(2014年4月9日/新国立劇場)
▲白井さんが思い描く「一番小さなテンペスト」とはいかに?
▲白井さんの演出、そしてこのキャスト、これは面白くなりそうです。
▲こちらのお二人、兄弟役。
▲こちらのお二人も、兄弟役。
▲「母親似のファーディナンドです」という伊礼さんの言葉に大爆笑するみなさん。
父親役の田山さん・・・ガックリ・・・(笑)
◆新国立劇場 演劇芸術監督:宮田慶子
新国立劇場では今までに何本もシェイクスピア作品を手掛けております。最近では『リチャード三世』その前は『ヘンリー六世』三部作、『真夏の夜の夢』もやっております。数ある優れたシェイクスピア作品がある中、今回はシェイクスピア最後の戯曲と言われている『テンペスト』を上演します。私見(しけん)で恐縮ですが、この作品はあれだけたくさんの戦闘や権力闘争を描いてきたシェイクスピアが、最後の最後にシェイクスピアの晩年の哲学を戯曲に託したような作品だと思っております。ちょっと他の作品と趣が違うんですよね。大自然とその中で生きる小さな人間の存在を対峙させているかのような、そしてこの限りある生を得た人間が何を使命として命を全うするんだろうか、といろんなことを考えさせてくれる深い作品だと思います。シェイクスピア生誕450年という記念すべき年に取り上げることが出来たのは非常に嬉しいです。この作品は是非とも白井さんにお願いしたいと思いました。白井さんの演出、松岡さんの本、今日お集まりの素晴らしい俳優さんたちで作り上げます。私自身観るのを楽しみにしております。何かと気ぜわしい今の世の中で、中劇場で演劇の豊かさ、シェイクスピアの魅力、俳優さんたちの魅力をお楽しみいただけたらと思います。
◆演出:白井 晃
3年前に新国立劇場で『天守物語』をやらせていただき、その後シェイクスピアの『テンペスト』をというお話をいただき、重荷にも感じました(笑)。私自身シェイクスピアをまともに取り組むのは昨年の『オセロ』に続き、2作目となります。最晩年の『テンペスト』をやらせていただくということで、大きな仕事をいただいたと思います。日本人がこの世の中でやっていくものですので、どのような形で作るのが一番いいのかを考えました。今回、「一人の男の記憶の物語」として「一番小さなテンペストを作りたいな」と思いました。その中でプロスペローをどなたにやっていただこうかと考え、以前ご一緒させていただいた古谷さんにお願いしました。古谷さんもこのセリフの量に驚いたようで、お悩みいただいたと思いますが、最終的には快諾していただきました。古谷さんの中にあるドラマをプロスペローに重ねていけたらいいなと思います。今日揃っていただいた強力な役者のみなさんは、これまでに何らかの形でご一緒したりお目にかかったりした方々です。正直かなりご苦労をかける芝居になると思うので(笑)気心が知れた方たちがいいかなと。その方が無理が言いやすいかなと(笑)。紅一点の高野さんは、初めてですが旦那さんはよく知っているので、初めてであっても気心知れているのと同然だなと。よろしくお願いします。
◆古谷 一行(ミラノ公国の正当な君主 プロスペロー役)
この作品のオファーを最初に頂いた時、年齢的にもセリフが入りにくくなっているので、これだけのセリフをこなしていくことが出来るのだろうかというのがありました。オファーを受けるお返事をしてから1年以上経っていますが、昨日、この作品をどのような形で上演したいと思っているのかという話を白井さんから聞きました。自分の中でいい感触めいたものがありました。どうなるかは分かりませんが、舞台上で絶句しないようになんとか乗り切りたいと思います。新国立劇場に出演するのも初めてです。出演のみなさんに支えになっていただきながら頑張ります。よろしくお願い致します。
◆高野 志穂(プロスペローの娘 ミランダ役)
ずっと学生時代をイギリスで過ごしていました。日本で三島由紀夫や夏目漱石を読むように、イギリスでは授業で普通にシェイクスピアをやります。私にとって第二の故郷のイギリスの作家の作品を、日本に帰ってきて日本を代表する新国立劇場で女優としてやらせていただくことは非常に嬉しく光栄です。白井さんとは初めてですが、がっつり付いて行くのでよろしくお願いします。
◆長谷川 初範(プロスペローの弟 アントーニオ役)
今回ミラノ大公の弟のアントーニオをやらせていただきます。20代の頃からシェイクスピアに憧れていましたがチャンスがなく、50歳過ぎてからこうやってやらせていただくことに幸せを感じています。シェイクスピア作品は2年前に『ロミオとジュリエット』でジュリエットの父親を演じて以来、2作品目です。古谷さんとは20代の頃ご一緒させていただいて以来の共演です。尊敬する先輩の胸を借りて弟として暴れたいと思います。生々しい人間をしっかりと演じたいと思います。
◆田山 涼成(ナポリ王 アロンゾー役)
私がこの『テンペスト』に出合いましたのは、高校1年生の夏です。自分の誕生日にこの作品に出合い、読みました。訳は坪内逍遙先生でした。文語調のセリフに付いていけないところがありましたが、すごく感動しました。その作品に出られることに感動しています。高校1年生の夏、彼女もいなくてコンプレックスの塊で、非常に暗い青年でした(笑)。しかしこの作品と出合い、なぜこの人は人を許せるんだろう?と思いました。それがなぜなのかはいまだに分かりません、今回白井さんの演出のもと、その謎解きが出来るのではないかと。「なぜ人を許せるんだろう」というのを僕のテーマとして頑張りたいと思います。
◆羽場 裕一(アロンゾーの弟 セバスチャン役)
田山さんの弟をやります。「これどうよ?」という感じです(笑)。白井さんが「一人の男の記憶の物語」とおっしゃっていましたので、あくまでもプロスペローの古谷さんの記憶の物語です。私と田山さんと長谷川さんのおっさん3人組は、ダークサイド、人生の陰の部分をやらせていただきます。古谷さんの人生の中にこういう嫌なやつがいたということで、僕たち3人が選ばれたのだと思います。だから3人の顔つきが違って当然です(笑)。田山さんの息子役が二枚目の伊礼君ということで、(田山:出てくるでしょう!笑)いやいやいや、この血は絶対にどこかで間違っていると思います(笑)。(田山:僕に似ているでしょ。笑)古谷さんの頭の中をのぞいているような感じで演じさせていただこうと思います。
◆伊礼 彼方(ナポリ王の息子 ファーディナンド役)
伊礼彼方です。きっと母親似のファーディナンドです(会場内大爆笑)。(田山:僕も若い時はもうちょっとやせていたの!!!)コンサートで一度だけ新国立劇場中劇場には立たせていただきましたが、芝居としては初めてです。シェイクスピア作品でこれほど多くの先輩方の中に身を置くと言うことに、非常に緊張しております。今の会見のお一人お一人のお話を聞き、僕たち若手の心を大きくしてくださる方々だなと思いました。このカンパニーの中で、僕もこういう役は久しぶりなのですが、恋する王子様役をさせていただきます。どっぷりと白井さんの演出のもとで、相手役の高野さんと皆様が気恥ずかしくなるような恋をしたいと思います。
◆野間口 徹(道化 トリンキュロー役)
笑いの作品にしか出たことがないので、このお話をいただいた時に、白井さんは「どうかしちゃったんじゃないか?」と思いました。返答に困ったのですが、以前白井さんとご一緒させて頂いた時にワクワクさせていただきましたし、40歳にもなり、逃げてきたシェイクスピアと向き合うのもいいかなと思い、この場におります。お客さんの笑いが取れればいいな、というのが第一目標です。頑張ります。
◆櫻井 章喜(賄い方 ステファノー役)
昨日顔合わせで、昨日から緊張しております。ステファノー役との共通点は、チョウチョが目の前を飛んでいたら、そのまますっと追いかけていくようなタイプだというところです。自分も肝心なところを見逃して怒られることもありますが、白井さんを始めみなさんの後を追いかけ、時々先走って失敗しながら、時々戦って、遊んで、いい芝居にしたいと思います。
◆碓井 将大(空気の精 エアリアル役)
妖精役をやらせていただきます。昨日からこの素晴らしいみなさんとの稽古が始まりました。緊張してまだ自分を上手く表現出来ません。今回は一番若い中でやらせていただくことになります。白井さんのお作りになる小さな『テンペスト』の中で、魔法というのは実生活に置き換えたら何になるのかな、妖精はどういうものかな、ということを突き詰めて、この大きな作品の一部を演じられたらと思います。個人的には今年23歳、4月に入社された方々に負けないように。91年生まれの中でも大きなことを成し遂げられるよう、日々精進したいと思います。
◆河内 大和(怪物 キャリバン役)
古谷さん演じるプロスペローを憎む怪物役です。台本の形容で「半分魚で半分化け物」と書いてありました。どういうふうに役作りをしたらいいのか分かりませんが、僕は見ての通り半分魚みたいなもんなので(場内爆笑)、存分に見てくれを生かして白井さんに導いていただいて、この作品の自分の役目を果たせるように頑張ります。
情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。