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OSK日本歌劇団 真麻里都さんインタビュー
8月大阪・9月東京で上演の『CRYSTAL PASSION 2016 ~情熱の結晶~』で主演!
『CRYSTAL PASSION 2016 ~情熱の結晶~』公演について
●第一部 Higher ~空へ~ <作・演出・振付>麻咲梨乃 <音楽>竹内一宏
●第二部 BLACK AND GOLD <作・演出・振付>三井 聡 <音楽>麻 吉文
【出演者】
真麻里都・楊 琳・恋羽みう・愛瀬光・舞美りら・遥花ここ
翼和希・麗羅リコ・千咲えみ・壱弥ゆう・柚咲ふう・雅晴日
OSK日本歌劇団 真麻里都さんインタビュー(取材日:2016年7月5日 / 取材・文 住川絵理)
【まあさ りと プロフィール】5月15日生まれ。京都府京都市出身。2006年、『春のおどり』で初舞台。
OSK日本歌劇団 真麻里都さんのインタビューが実現しました。
―――まずは、新橋演舞場での レビュー『夏のおどり』お疲れさまでした。
約2年ぶりとなった新橋演舞場での公演はいかがでしたか?
新橋演舞場はやっぱり広かったですね。横に広いので、客席のどこに目線を合わせたらいいかちょっと迷いました。
客席全体を見渡すには自分のいる場所からすごく顔を振らないといけなかったので、
それを考えて過ごしていたらあっというまの3日間でした。
―――立場的にも2年前と変わられて、今回は新トップスターの高世麻央さんの
東京お披露目ということでもありましたが、どのような心境でしたか。
前トップの桜花昇ぼるさんが卒業され、高世麻央さん、桐生麻耶さんの次の立場で立たせていただく
ということで、自分がその場所でどんな役割をしたらいいのか考えました。
これからもっともっと勉強しなければいけないなということを、すごく感じています。
―――新トップスターの高世さんはどんな方ですか?
素敵です!!!
私が初舞台の頃の高世さんは正直言ってとても厳しい方というイメージがありました。
私がまだ学校生の頃、ラインダンスの場面に出させていただいたことがありました。
その公演で、ラインダンスの頭飾りや基礎など、いちから全部教えてくださったのが高世さんです。
舞台に対する心構えを始め、これまで本当にたくさんのことを教えていただきました。
高世さんと共演する機会も多いのですが、私の印象としては、トップスターになられてからの高世さんは、
背負っていらっしゃるものが大きくなった分、団員みんなに対する愛も大きくなっているような気がします。
高世さんご自身もおおらかに、みんなを包み込んでくださるんです。
―――今年の『春のおどり』『夏のおどり』では、今まで長い時間を一緒に過ごした高世さんご自身とも
重なるような曲「歩き続けて」が披露され、真麻さんも一緒に歌っていらっしゃいましたね。
一緒に歌う中で顔を見合わせた時に「付いていきます」と思いながら歌っていました。
大きな声では言えませんが(笑)「安心してください」という気持ちも込めました。
―――真麻さんが高世さんに言われて印象に残っているのは?
最近よく高世さんが言ってくださるのは「自分を出しなさい」ということです。
「自分のやるべきことは分かっていると思う。だからもっともっとそれを出しなさい」と。
自分としては出しているつもりですが、高世さんからはそれが見えていないということなので、
どのように出していけばいいかなと、今はまだもがいています。
―――和物レビュー「花の夢 恋は満開」はやってみていかがでしたか?
幇間、伊達男、火消しと3役もさせて頂きましたし、楊と悠浦とは常に一緒で楽しかったです。
―――洋物レビュー「Take the beat!」は、引っ込んだと思ったら出演しを繰り返していらっしゃいましたね。
そうでしたね。過去最高の秒数で出ました。特に戦いのシーンが終わってから次のシーンに出るまでの間が
忙しかったですね。戦いで死にながら、次着替えなきゃと思っておりました(笑)。
―――真麻さんの、早替わりの極意は?
無駄な手は、はぶくこと!
着る順番で重ねておきます。手袋の左右を間違えたりチャックがかんだりしたらそれだけで時間が取られてしまうので、
そういうことがないように気を付けています。
―――今年で入団10年が経ちましたが、舞台人としてどうありたいですか?
自分らしくいたいなと思います。素直に、舞台に立った時に楽しめること、何も作らずにいられたらいいなと思っています。
―――話はさかのぼりますが、真麻さんは子供の頃、どんなお子さんでしたか?
子供の頃からバレエを習っていて発表会などにも出ていましたが、舞台上で一切笑わなかったんです(笑)。
見られるのは嫌なのに舞台に立ちたいという矛盾した感じがあったんですよね。当時は舞台上で
全然笑っていないことに気付いていなかったのですが、高校生位になってからそれに気付きました。
踊ることはずっと楽しかったのに、表情に出ていなかったんですね。
3歳からバレエ、12歳でタップダンスを始めました。母が言うには、ずっとおもちゃのマイクを持って
松田聖子さんや小泉今日子さんの曲を歌っていたらしいです。ちゃんとおじぎもして、なり切っていたらしいです(笑)。
―――踊ることを仕事にしたいと思うようになったのは?
母が宝塚歌劇を良く観ていたこともあり、私も子供の頃から宝塚の舞台を観て育ちました。
どちらかというと勉強よりも、踊ることが好きで、
「私も舞台に立ちたい」という気持ちは子供の頃からずっと持っていました。
本格的に意識したのは中学生位からですね。
―――OSKの舞台はご覧になっていましたか?研修所時代の想い出は?
テレビでしか観たことがなかったので、OSKの学校に入学してから観ました。
当時、あやめ池にあった学校にも半年通いました。私たち82期生が入所して間もなく研修所の移転もあり、
1期上の先輩とはあまり学年差を感じる事もなく、割と自由に過ごしていました。
ただ、その分、5か月後にあった舞台実習では、上級生の方からのご指導がドカンと来ました(笑)。
―――初舞台のことは覚えていますか?
初舞台の時と、舞台実習の時の記憶がごっちゃになっているんです。舞台実習の時の経験が大きすぎて、
同期みんなそう言っています(笑)。私は同期の中で一番上だったこともあり、
上級生に呼ばれて「あなたがまとめなさい」と言われることもありました。
―――男役として10年経ち、男役としての極意は?
「包容力」ですね。包容力はすぐには付かないですし、
年数をかけて出て来るものなんじゃないかということを実感しています。
初舞台生に「男役として」ということを伝える時には、私自身もすごく悩んでいたので、
どうやって伝えようかなとすごく考えますね。
―――OSKの魅力を伝えるとしたら?
真面目で真剣、そして飾っていないところが魅力なのではないかと思います。
特に「Take the beat!」の中の「ジャストダンス」の場面は真剣にみんなで頑張って、
楽しんで、伝える、ということを心がけました。そう姿勢が魅力ではないかと。
―――ありのままの私を観て、と?(笑)
そうですね。ありのままの私を観てという気持ちです。
「ジャストダンス」では自分を飾って見せることよりも、そのままを見せたいとう気持ちでした。
―――今年の8月大阪・9月東京で上演の『CRYSTAL PASSION 2016 ~情熱の結晶~』はどんな公演になりそうですか?
新作舞台となります。第一部の「Higher ~空へ~」は、作・演出・振付が麻咲梨乃先生で、
麻咲先生の振付は私自身大好きなので楽しみです。曲に振付がはまる感じがとても気持ちがいいんです。
踊りながら「あ!これこれ!」って思うんです。和のテイストも入るそうなのでどのような感じになるのか楽しみです。
第二部「BLACK AND GOLD」、作・演出・振付は三井聡先生です。昨年の『春の踊り』で初めてご一緒しましたが
コンテンポラリーのような感じもあったので、新たな刺激になりそうです。
8月の近鉄アート館は、壁も黒くて暗転中も何も見えなくてドキドキします。
でもその閉ざされた空間でお客様も近くでご覧になっているので、限られた世界だからこそ
伝えられることもあるのかなと思います。9月の三越劇場は、趣があってすごくきれいですよね。
今回はショーの2本立てなので、劇場にすごく合うのではないかなと思います。
―――踊り続けるのですね。
「今回、膝が笑うぐらい、足ガクガクコースになるから」と言われました(笑)。それ位踊ります。
―――洋物ショーの2本立てというのも珍しいですよね。
「L’Arc-en-Ciel(ラルクアンシェル)~虹色のパリ~」「Dispersion(ディスパー ジョン)~煌めきの瞬間~」
もありましたが、「L’Arc-en-Ciel(ラルクアンシェル)~虹色のパリ~」がミュージカルの要素が強かったので、
洋物ショー2本立ては、ほぼ初めてですね。洋舞を踊り続ける公演は珍しいです。
―――先ほどちょっと小耳にはさんだのですが、メンバーは真麻さんのダンススピードに
付いていける劇団屈指のダンサーたちが集まっているそうですね。
ひゃ・・・(笑)。非常に・・・大変なことになりました。
ファンの皆様からも、「真麻さんの踊りが観たい」とおっしゃっていただくことも多く、
この公演が発表になった時、とても喜んでくださいました。「すごく楽しみです」というお声もいただくので、
皆様のお声に応えらるよう、みんなの体調も見ながら、ケアしつつ、踊りまくりたいと思います。
―――2回公演もありますから体力勝負ですね。
そうなんです(笑)。例えば、振付の先生方が「(早着替え)これ位でいける?」とお聞きになる場合、
ちょっと大丈夫かな?と思うラインでも「はい、いけます!」と言い続けた結果、
裏でも大忙しなスピーディーなショーが出来あがって行くんですよね。
その実績を作った結果、早替えなどもギリギリのラインが基本形になっていくんです(笑)。
―――追いこんで良いものを創る、でも内心は本当にそれで大丈夫なんだろうかというせめぎ合い?(笑)。
ほんとそうなんです(笑)。
―――普段、他の舞台はご覧になります?
観に行きますね。ミュージカルもダンス公演も好きです。男性が踊っている姿を観ると、
男性の力はすごいなと思いますね。リフトも軽々されていて、これが自分で出来たらすごいだろうなと思います。
男性とも踊ってみたいです。自分が女性として踊りたいということではないのですが(笑)、
外部出演でそういう経験が出来たら得るものが大きいのではないかなと。
―――言い続けていたら、実現するかもしれないですよね。
そうですね!ダンスもタップも好きなので、外部出演で男性の方と踊って、その経験をまたOSKで表現していきたいです。
―――それでは、『CRYSTAL PASSION 2016 ~情熱の結晶~』に向けて、メッセージを。
ダンスシーンが続くので、意識を持ってやらないとそれぞれの色が出にくいのかなと思います。
なので、先生の思われる色をみんなで出していけたらいいなと思います。
情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。