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七瀬 なつみさんインタビュー『お国と五平』出演 2016年08月

(2016年08月23日記載)

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七瀬 なつみさんインタビュー 
ala Collectionシリーズvol.9『お国と五平』出演

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七瀬 なつみさんプロフィール

861_04 埼玉県出身。舞台、ドラマ、映画、CFなど、幅広い分野で活動。主な作品、映画『桜の樹の下で』『ランウェイビート等、テレビ『ぽっかぱっか』『おみやさん』『アテンションプリーズ』『肩ごしの恋人』『明日の光をつかめ2』他、舞台『欲望という名の電車』『華々しき一族』『浮標』『写楽考』『奇跡の人』『ヘッダ・ガーブレル』『紙屋町さくらホテル』他。
『屋上庭園/動員挿話』では(2006年第40回紀伊國屋演劇賞個人賞、第13回読売演劇大賞優秀女優賞受賞)。2012年4月~放送『おみやさん』(レギュラー出演)。

七瀬なつみさん公式ブログ
http://www.k-seven.co.jp/blog_nanase/



公演関連記事

ala Collectionシリーズvol.9 『お国と五平』『息子』製作発表

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▲写真左より、石母田 史朗、七瀬 なつみ、佐藤 B作、佐藤 銀平、山野史人、マキノノゾミ(演出)


七瀬 なつみさんインタビュー
(2016年8月8日、可児市文化創造センターにて)


「ala Collectionシリーズ」は、演出家と俳優、スタッフが可児市に滞在して舞台製作を行い、
可児市から文化発信している事業です。『お国と五平』という作品で初めてこの企画に参加する
七瀬 なつみさんにインタビューしました。
公演『お国と五平』は、可児市文化創造センター・小劇場を皮切りに、
全国公演で長岡、黒部、射水、日田をまわり、最後は東京・吉祥寺シアターで上演されます。

―――『お国と五平』は、大正時代に書かれた作品ですが、台本を読んで感じたことは。
言葉が難しくて難しくて、読めたとしても何のことやらで…(笑)。
言葉の雰囲気がわかっていても、意味までわからないと、何となくのセリフ回しになってしまうので、
一行読んでは電子辞書で調べてを繰り返しました。だから最初に読んだ時は時間がかかりましたね。
稽古場で演出のマキノノゾミさんから色々なことを教えていただいて、
よりもっと深く掘っているところです。今は、ひたすらセリフを(頭に)入れている最中で、
(普段のセリフの場合)何十回も読んでいたら噛まないものなのですが、今回はいまだに何度もよく噛みます(笑)。
「なんとかだぞぇ」とか、普段使わないような言い回しなので、
これがちゃんと自分のセリフになって行くのかが、今はちょっと不安なところです。

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▲稽古風景

―――現段階での役に対しての印象と、役作りする上で何かしていることは。
衛 紀生さん(可児市文化創造センター館長兼劇場総監督)が「お国は、ちょっと悪いところもあって」と
最初にお会いした時におっしゃっていました。旦那様の仇を打ちに五平と一緒に旅立って、
そのことだけを生きるエネルギーにしている、一途で真っ直ぐな奥様だと思っていたのですが、
よくよく後ろの方を読むと、まぁ女だし、色々あるよねという部分も出てくる。
恋愛の怖さ、恋をしてしまう怖さ、みたいなことなんでしょうね。
恋愛の妙みたいなものを、これから見つけていきたいと思います。
「形から入ると芯のものが伝わらない役を作ることになってしまう」と、佐藤B作さんもおっしゃっていましたが、
セリフが自然に言えるようになってくると、役に入ってきているのかなと思うので、
まずはセリフをすんなりと言えるようにすることが大事だなと思います。
あと、何年ぶりかに着物でのお芝居なので、そういったところも慣れていくようにしたいですね。

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―――現代劇との違いはどんなところでしょうか。
舞台は人っ子一人通らない那須野が原という山の中。現代劇だと、そのシーンだけというのはあまりないことですよね。
昔って仇を打ちに行くにしても、何百里も一歩一歩歩いていく。そんな途方もない、ゆっくり感というか、
現代とは、まったく別なものを感じますよね。情報も何もないところで、ずっと二人で、
どこにいるかもわからない仇を探すというシチュエーションに、現代との違いを感じますね。

―――今回初参加となる「ala Collectionシリーズ」についてはどのようにお感じですか。
なんて素敵な企画なんだろう!と思います。まず、この建物や劇場のまわりが本当に素晴らしいです。
ここで1ヶ月間、このお芝居のことだけを考えていられるというのが本当に幸せです。
今日、製作発表でも衛さんがお話しなさっていたように
企画から立ち上げて芝居を創り上げていく、心に秘めた情熱を今日改めて感じました。
この素敵な企画に呼んでいただいて本当に感謝です。
東京にいる時とは違う貴重な時間を過ごすことができてありがたいです。

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▲可児市文化創造センター庭

―――七瀬さんは、映像と舞台どちらのフィールドでも活動なさっていますが、それぞれの良さは。
映像は、30分や1時間のドラマがあったら、ココとココを繋げ、
演出家と編集の人たちによって作られる、ちょっとマジックのようなもの。
そのパーツごとに、パズルの1ピースを演じて、あとは監督や編集の方がまとめてくださいます。
だからなんとなく出来上がったものも、パズルの1ピースで参加したという気持ちです。
映像と舞台は全然違った面白さがあります。
長い時間を重ねて皆で1つのドラマを作り上げる感じは舞台の方が大きいような気がします。
芝居の初日は異常な緊張で、なんでこんな商売を選んでしまったのだろうと
逃げ帰りたくなるくらいの気持ちになりますが(笑)、舞台に出てお客様の前で演じて、
お客様がここで笑ってくれる、ここを観てくれていると感じるとすごく落ち着くんです。
これがお客様と創っているってことだなと思うんです。
お稽古期間は私たちキャストやスタッフだけで作る時間ではありますが、
舞台に乗ってからは、初めてお客様と一体になる感じを味わいます。
このライブ感はたまらないですね。毎回本当に怖くて逃げ帰りたくなるのですが、
これからもお話をいただいたら舞台は続けていきたいと思いますね。

―――今後、挑戦したいことは。
今はお話しをいただいたものに対して、私が私らしく調理するということを楽しみたいという気持ちです。
どんなものが来るかが楽しみで、来たものに挑戦していく、そんなスタンスでやっています。
デビューの時は、おばあちゃまになってもできる商売って何て素敵なんだろうと思っていました。
もちろんそこまで辿り着ける人は一握りかもしれないけど、年齢に関係なく色々な役に挑戦していきたいです。
ちなみに、今までやった役で好きだったのはアラン・エイクボーン『コミック・ポテンシャル』のロボット女優ジェシー役。
近未来のお話で、人間そっくりのロボット。色々なセリフがプログラムされているんです。
ここのセリフはこのくらいの感情でとか、涙の量とか、そんなことが全てプログラムされているのですが、
そのロボットが段々感情を持って、自分自身の感情を発見してくというお話でした。

―――最後にみなさまにメッセージを。
昔の作品、時代を感じる作品ということで難しそうと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
本当に肩の力を抜いて楽しんでいただける作品になっていると思います。
2作品を全然違う役で佐藤B作さんが出演されているのも見どころだと思います。
ぜひ楽しんでいただけたらと思います。



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▲可児市文化創造センターにて

 

ala Collectionシリーズvol.9

『お国と五平』『息子』

 

作:「お国と五平」谷崎 潤一郎/「息子」小山内 薫

演出:マキノノゾミ

出演:佐藤B作、七瀬なつみ、石母田史朗、佐藤銀平、山野史人

 

可児公演

2016年9月3日(土)~9月8日(木)

可児市文化創造センター・小劇場

 

東京公演

2016年10月6日(木)~10月13日(木)

吉祥寺シアター

 

全国公演

【長岡】9月15日 【黒部】9月17日 【射水】9月19日 【日田】9月24日

 

http://www.kpac.or.jp/collection9/

 

 

 
 

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