『エンタメ ターミナル』では舞台を中心としたエンターテインメント関連情報をWEB記事として発信しています。
掲載内容は、掲載日付のものとなりますので、最新情報は各自ご確認ください。
※ 記事・写真等の無断使用・無断転載は禁止しています。
宝塚歌劇団星組トップスター 北翔海莉 千秋楽公演後の退団会見
皆様の応援、お支えのお陰で、本日無事に宝塚歌劇団男役の北翔海莉、卒業することが出来ました。
本当にありがとうございました。今の気持ちは皆様の質問にお答えしていきたいと思います。
―――宝塚での舞台を全て終えて、北翔さんにとって宝塚歌劇とはどんな存在でしたか?
数日前に舞台機構のアクシデントがあり、その時開演時間が押してお客様には大変ご迷惑を
おかけしてしまいましたが、舞台を支えてくださっているスタッフの皆様の迅速な対応を目の当たりにし、
共演者との信頼関係、待っていてくださるお客様の存在、そんなことを改めて感じました。
宝塚の縮図を、神様に改めて見せてもらったような感じが致しました。
こんなに素晴らしいところで(音楽学校時代を入れて)21年間も修行させていただけた経験は宝物です。
―――芸能活動、舞台活動、ご結婚のご予定は。
出来れば寿にいってみたかったのですが(笑)、まだそのご縁はこれからなんじゃないかなと思います。
宝塚歌劇団の男役の北翔海莉は本日卒業しましたが、これからも世の為、人の為、
エンターテイナーとしての北翔海莉でありたいなと思います。
―――在団中から芸事にいろいろと取り組まれてきましたが“男役芸”とは。
それを封印してしまうのか、活かしていくのか。
“男役芸”というより、“清く正しく美しく”というのが宝塚の伝統芸だと思います。
私は男役ですが女役も経験がありますし、それが宝塚の芸のひとつだと思って追求してまいりました。
男役の魅せ方、男役の美学ではなく、宝塚のモットーに基づいた舞台姿、精神的な面を
これからも封印せずに繋げていけたら嬉しいかなと思います。
―――星組の後輩にエールを送るとすると、どんな言葉をかけられますか。
一年半様々なジャンルのものに挑戦させていただきました。
今の星組に私は何を残せたのだろうかと思うと、自分ではよく分かりませんが、
挑戦する心、諦めない精神、限界を作らないということが
みんなの心の片隅に残っていたらいいなと思います。
―――素晴らしいサヨナラショーでしたが、なにかリクエストしましたか?
今までの私の主演公演や思い出の作品を入れるというのはサヨナラショーの作りとしては
いつもの形でしたが、”Climb Every Mountain”という曲を入れさせていただきました。
岡田先生とビルボードライブをさせていただいた時に、この曲を歌いました。
卒業の時に全ての山に登った私が歌うのではなく、今の星組の下級生たちがこれからもいろいろな
困難や試練があると思うけどしっかり山を登って行くんだよというメッセージ性も込めて、
この曲を最後にしようと思いました。
―――お花はカサブランカでしょうか。その花を選んだ思いは?紅さんとどんなことを話しましたか?
カサブランカです。ユリの中でも強く、どんな状況でも咲き誇るという意味を込めております。
19年間様々な道のりでしたが自分の義を貫いてきたという意味でこの花を選びました。
さゆみちゃん、あ、紅さんからお花をいただいた時に、持ち方をずっとしゃべっていました。
いつも通り、楽屋通りの会話でした。時代を担う紅さんからしっかりお花をいただけたということは
(本当は私からバトンタッチなのですが)、幸せなことだなと思いました。
―――今現在の心境とファンの方にメッセージを。
今日はどんな一日になるのかなと思いましたが、やはり最後の最後まで悔いはないのですが、
舞台に対してもっとこうしたいという芸事に対するゴールはなく、それに満足する自分ではありませんでした。
宝塚の舞台は最後でしたが、役に入ってしまったら邪念がなかったので、役としての人生を全うし
気が付いたら終わっておりました。さすがにサヨナラショーの最後の曲では
ペンライトの光を見て皆様の目に見えない力を感じ、そこで初めて今までぶれなかった感情がぶれました。
(いろんな道のりではありましたが)こんな私を見付けて応援して下さったファンの皆様が
ずっと諦めないで信じて付いてきてくださいました。
皆さんの応援がなければ私はトップになっていなかったなと思います。
そして星組のみんなが温かく受け入れてくれてしっかりサポートしてくださったからこそ
今日の日を迎えることが出来ました。昨日は雨、明日も雨予報の中、
今日はお天気も良くて、皆様に守られた一日でした。
―――宝塚のトップコンビについて、相手役の妃海 風さんについて。
宝塚はどうしても男役がメインになって添え花のような娘役というふうに思われがちですが、
私はそうではなく、ひとりの妃海 風という舞台人と一緒に切磋琢磨してきましたし、
共に同じゴールを目指していける仲でございましたので、
そう言う意味では本当にすごい相手役さんだな、素晴らしい人と組ませていただいたなと思います。
ふうちゃん、妃海さんは、向上心も追求心もそうですが、何よりも宝塚を愛する気持ちが強い方で
私は宝塚ファン歴がなく宝塚に入ったので、こうしたらファンの方が喜ぶということ、
お客様の目線のことを教えていただきました。彼女の幸せオーラのお陰で星組がいつも明るく
幸せに過ごせたんじゃないかなと思います。時代を担う紅さん、綺咲さんも
受け継いでくれるんじゃないかなと思っております。
相手役を尊敬する気持ちを忘れずに、次の世代に繋げていって欲しいなと思います。
<パレード>
▲美城 れん
▲妃海 風
▲北翔 海莉
▲一歩一歩を踏みしめるようにゆっくりと歩き、ファンの声援に笑顔で応えていた姿が印象に残りました
情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。