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宝塚歌劇 星組公演
『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット ピンパーネル)』制作発表会が行なわれました②
ミュージカル
『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット ピンパーネル)』
THE SCARLET PIMPERNEL
Book and Lyrics by Nan Knighton Music by Frank Wildhorn
Based on the Novel “The Scarlet Pimpernel” by Baroness Orczy
Original Broadway Production Produced by
Radio City Entertainment and Ted Forstmann
With Pierre Cossette, Bill Haber, Hallmark Entertainment and
Kathleen Raitt
潤色・演出/小池 修一郎
1997年にブロードウェイで初演後、大ヒットを記録した
ミュージカル「THE SCARLET PIMPERNEL」。
宝塚バージョンのオリジナルを加え日本初上演した2008年の星組公演は、
フランク・ワイルドホーンの名曲の数々と共に、冒険活劇としての面白さ、
すれ違う夫婦の心理描写をドラマティックに描いて絶賛を博し、
第16回読売演劇大賞優秀作品賞、第34回菊田一夫演劇大賞を受賞致しました。
続く2010年の月組による公演も大好評を収め、その後も再演の呼び声の高い
傑作ミュージカルが、7年振りに宝塚歌劇の舞台に甦ります。
新トップコンビ紅ゆずると綺咲愛里を中心とした新生星組が刻む
『THE SCARLET PIMPERNEL』の新たな1ページに、どうぞご期待下さい。
<主な配役>
パーシー・ブレイクニー 紅 ゆずる
マルグリット・サン・ジュスト 綺咲 愛里
ショーヴラン 礼 真琴
ロベスピエール 七海 ひろき
◆小川 友次(宝塚歌劇団 理事長)
この『スカーレット ピンパーネル』はフランク・ワイルドホーンの素晴らしい音楽で、2008年に星組公演で、小池マジックで素晴らしい作品にしていただきました。僕も初演の時に見させていただいて、その時の感動は今でも覚えております。その星組の紅(ゆずる)と綺咲(愛里)のお披露目で公演をさせていただくことになりました。宝塚歌劇団は103周年を迎えました。100周年の正月公演は柚希礼音と小池修一郎先生の『眠らない男・ナポレオン —愛と栄光の涯(はて)に—』で開けました。新世紀は星組が輝き続けていなければいけないと思っております。その後、北翔海莉が去年退団いたしましたが、新世紀になっての二人が星組を引っ張ってくれて、歌劇団では過去最高の、6作(大劇場、東京合わせて12作)で新記録を爆進中。超大入りを続けてくれています。そして今回、満を持して紅と綺咲のトップコンビのお披露目として、3月に宝塚大劇場、4月に東京宝塚劇場での公演となります。紅は星組っ子ですから、この星組が輝いていないと、宝塚が輝かないと思っております。新生星組を皆様のお力で、ご支援賜りますように、よろしくお願いいたします。
◆小池 修一郎(潤色・演出)
この『スカーレット ピンパーネル』宝塚版は2008年の初演でございます。もう9年経ったのかと驚いてしまいますけどれど、その後、2010年にも(月組で)再演していただき、お客様には大変愛された作品だと記憶いたしております。今回、紅ゆずるのトップ就任に際して、満を持してと申しますか、2010年から7年ぶりの再々演ということになりました。ある意味、この作品が星組に返るということになるのですが、ちょうど、紅ゆずるは最後の新人公演で『スカーレット ピンパーネル』の主役を演じて、大変好評を得て今日の彼女が居ることに繋がったのではないかなと思っております。そういう意味でも、紅ゆずるにとって『スカーレット ピンパーネル』のパーシー・ブレイクニー役というのは、彼女の人生の中でも大きい役なのではないかなと思っております。客席から今のパフォーマンスを見ていて、新人公演の頃を思い出しながら、よくここまで成長したなと思う部分が多々ありました。星組のスタートして、星組らしい伝統というものが彼女の中にすごくあるのだなと感じました。それは大らかなスター性です。でも今の彼女を見ていると、ちょっと憂いを秘めたような雰囲気もあって、そこがまた魅力として、これからお客様にアピールしていけるんじゃないかなと思いました。そういった新しいスターの誕生というのを、この作品を通じて見ていただけるということを大変嬉しく思っています。トップ娘役の綺咲愛里と男役二番手の礼真琴というフレッシュな布陣も大変面白い駒並びだと思っておりますので、これも今後の星組を見る上で、ともて楽しみになるのではないかなと思っております。
◆◆紅 ゆずる
星組の紅ゆずるでございます。この星組主演男役として、お披露目公演『スカーレット ピンパーネル』をさせていただけることは、私にとりまして大変光栄であり、そして大変嬉しく思っております。15年間育って参りました星組で培ってきたものを、この『スカーレット ピンパーネル』で皆様の前にお披露目できたらなと思っております。そして、小池修一郎先生のもと、厳しくご指導していただきまして、初日には皆様のご期待に添える舞台をお見せできるように邁進していきますので、皆様ぜひ足をお運びください。
◆綺咲 愛里
星組の綺咲愛里でございます。歴代素晴らしい上級生の方々が演じられた、このマルグリット・サン・ジュストという役に挑戦させていただけるのは、大変光栄なことだなと感じでおります。そして、この大劇場から紅さんの相手役として出させていただけること、とても光栄に思います。初日までお稽古を精一杯重ねていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
◆礼 真琴
星組の礼真琴でございます。今回は紅さん、そして綺咲(さん)のお披露目公演に『スカーレット ピンパーネル』という超大作で、この素晴らしいこの機会にショーヴランという役をさせていただきます。本当に身の引き締まる思いと緊張でいっぱいでございます。『眠らない男・ナポレオン —愛と栄光の涯(はて)に—』ぶりとなりますが、小池先生からまた沢山学んで、勉強して、星組の戦力とれるように精進して参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
―――3名がどのように輝くことを期待していますか?
◆小池 修一郎
今回、紅ゆずるのトップ就任に伴ってといいますか。彼女は2002年初舞台なので、もう21世紀入団の子たちがトップスターになる時代に入りました。そういう意味では、(2000年から)もう17年も経っていますが、21世紀型というか、時代の感受性というか、その時々のスターたちが持っている輝きで宝塚というものが続いてきたと思うのですが。彼女は、それまでの人たちと比べて、どこか違うなと思うところがいっぱいあります。中でも、お笑いのセンスというのは大変有名ですが(笑)先ほど(パフォーマンスでの)のパーシーを見ていただいてもわかると思いますが、意外と憂いのある感じというのは魅力になるんじゃないかなと思います。彼女は、新人公演でパーシー役を演じる前にバウホール公演で『アンナ・カレーニナ』で、夫のアレクセイ・カレーニン役を演じていました。当時の彼女のキャリアと実際の年齢からしてあり得ないくらい壁があった役だと思うのですが、その公演でちゃんと演じている彼女を初めて見ました。こんなに役の実在感を出せる人なんだなと認識して驚いた記憶があります。たぶん彼女は面白いとか、ちょっとすっとんきょなというところが特徴でもあり、そこが人気を集めるところだと思いますが、同時に笑わせながらも役の本質をきちっと掴んで出していくのかなというのが楽しみなところです。やっぱり二面性をうまく使い分けているというか、ブレンドして行くという意味ですごく楽しみですね。綺咲は、普段はすごくギャル系の子なんですね。つまり紅とのコンビで『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』や『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』では可愛らしい女の子を演じていました。トレンディだし、アイドル性みたいなものが売りだとは思うのですが、いまパフォーマンスを見て、彼女の歌声とかの艶やかさと雰囲気にちょっと驚きました。なかなかマルグリットは二人の男性それぞれに愛される役なのですが、演技をした時に彼女が持つ艶やかさという部分で補っていけるかなと見ていて感じました。普通のコンビよりも大人っぽいものができるのかなと今日は感じました。そして礼真琴は、キャリアといても男役スターとしても、ちょうど真ん中くらいだとは思いますが実力派です。(ショーヴランは)『レ・ミゼラブル』のジャベール役をやった方のために書かれた役なので、渋い大人の男という設定です。私からすると少年漫画のヒーローのようなイメージです。彼女のショーヴランは子供っぽくなるかなと思ったのですが、ここまで芸歴を積んでいますので、若さを活かしつつも、男の暗いたぎる情熱というものを表現できるだろうなという風に思いました。とても楽しみにしています。
―――これを受けて、どのような役作りしていきたいですか?
◆紅 ゆずる
私が演じさせていただくパーシー・ブレイクニーという役は、本当はすごく信念と正義感が強く、フランスの貴族を救うために平和なイギリスからわざわざ自分の身を危険にさらしてまで助けようとする。そんな面を持ち合わせていながら、イギリスの社交界では道化のような振る舞いをしてみたり・・・。人の目を欺いても正義を貫き、フランス貴族を助けるために愛する妻のマルグリットにも隠すことで二人の関係がギクシャクしていき、その自分自身の私生活と、自分のしたい正義論みたいなものが、ぐちゃぐちゃになってしまって、自分の思っている理想とするものが一体何なのか悩み始めます。とても二面性のある役だと思っているので、その部分をしっかりと出していきたいなと思います。
(小池先生の《笑い》と《憂い》の二面性といわれたことについて)私自身二面性はとてもあると思います。自分で言うのもなんですが、喋らなければとても利口に見えると、よく言われます。でも、喋らないというのは、ちょっと無理です(笑)。パーシーが育ってきた環境やバックボーンがとても大切になってくると思うので、そういうことも掘り下げていきたいと思います。
◆綺咲 愛里
マルグリットは、本当に強い女性で、芯のある一本筋の通った女性像だなという風に感じております。先ほど、小池先生もおっしゃいましたが、パーシーと結婚してから、どんどん気持ちがすれ違って、心の微妙な揺らぎとか細かい部分をしっかりとお芝居で表現していけたらなと思っております。そして、小池先生のご指導のもと、しっかりとお稽古場で沢山のことを学んで、自分に吸収して取り入れていきたいと思っております。
◆礼 真琴
ショーヴランという役は、パーシー・ブレイクニーと同じように、彼は彼なりの正義感を持っているんだと思います。その野心や信念というものが少し残酷なのですが、人としての感情はちゃんとあるんじゃないかなと思います。マルグリットへの愛や、それを諦められない自分へのもどかしさ、人間の面倒な部分も小池先生がおっしゃるように大人っぽく演じていけるように頑張りたいと思います。
―――今回の星組バージョンで新たに演出を変えるところがあれば教えてください。
またロベスピエールの役は、どのようになるのか教えてください。
◆小池 修一郎
2ヶ月ほど前まで、梅田芸術劇場製作のミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』が上演されていたので、ご覧になった方もたくさんいらっしゃると思うのですが、宝塚版は80人を1つの組というのに対して、いくつか役を増やして宝塚版を作っております。今までと同様、王太子のエピソードを入れた形での物語や、楽曲の展開は基本的には変わりません。ただ、去年上演された梅芸版に書き加えられましたロベスピエールの曲というのがありますが、宝塚歌劇団というのはフィナーレがあるので、実質の時間が短いので、長さとしては短めかもしれませんが、梅芸版とは違う形でロベスピエールの楽曲は増えるようになると思います。でも、全体のもので何かが無くなってしまうということは今は考えていませんので、圧縮される形です。トータルとしては、今までの『スカーレット ピンパーネル』とそんなに大きくは変わらないと思っています。
―――前回、前々回、シマウマ柄のようなびっくりする衣装がありました。
今回衣装や装置などで何か考えていますか?
◆小池 修一郎
今回、紅だから変わった動物ということはありません(笑)。実は、衣装デザイナーの有村淳先生にも相談したのですが「変なことはしないほうがいいと思う」と言われました。生地は新たに染めたりしているので、私も仕上がりを楽しみにしています。基本ラインは変わっておりません。初演から、再演をするときに少し手直しをしましたので、それを再現するということに専念しております。毎回、目先のことが変わることが大事かというと、宝塚の場合、一昨日『エリザベート TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート』を終えたのですが、つくづく思ったのは、演技者たちが、すごく自分たちなりの役作りを必死で構築していくことから、私の演出や歌詞、振りや衣装のシルエットとかは一緒なんだけど、皆様がお受け取りになられる印象が非常に違うというのを経験として痛感しております。こちらが、秩序を変えてしまうということよりかは、彼女たちが必死で物語や役を全うしていく結果、また新たな『スカーレット ピンパーネル』が生まれるのだという風に思っております。
―――好きな場面を教えてください。
◆紅 ゆずる
私が好きな場面は、新人公演で「ひとかけらの勇気」を歌わせていただいた時に、最初は口から心臓が飛び出るんじゃないかと思うくらい緊張しまして、銀橋を通るのも初めてだったのですが、真ん中に来た時に、お客様からの拍手をいただいて、とても何か違うものが開けたような感覚がすごくありました。その「ひとかけらの勇気」という歌と自分の心情がすごくリンクしたという思い出がございます。今回も、自分の新しい出発点と「ひとかけらの勇気」がリンクして、お客様にお届けできたらと思っております。
◆綺咲 愛里
作品自体とっても大好きなのですが、1番幸せになれる場面が結婚式です。とても綺麗なお衣装を着て、とても華やかな場面なので、とても大好きです。
◆礼 真琴
私は本科生の時に星組の『スカーレット ピンパーネル』を観て、毎休日に観に行くほど好きな作品だったのですが、その時にピンパーネル団の皆さんが変装するところの、今日こそはタネを見破ってやろうと毎日楽しく観ていました。今回は袖から見られるので、すごく楽しみな場面です。
◆小池 修一郎
自分の出るシーンでは?(笑)
◆礼 真琴
あ、自分のやるところでは(笑)、「君はどこに」の歌のところで、バレリーナのような娘役さんたちが後ろで踊っている幻想的な場面がとても素敵です。
宝塚歌劇 星組公演
ミュージカル
『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット ピンパーネル)』
日程:2017年3月10日(金)~4月17日(月)
会場:宝塚大劇場
日程:2017年5月5日(金)~6月11日(日)
会場:東京宝塚劇場
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2017/scarletpimpernel/index.html
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