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中村勘九郎 襲名記念『赤坂大歌舞伎』
制作発表が行われました
◆怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)
絵師菱川重信には、美貌の妻お関と生まれたばかりの真与太郎がいます。偶然にお関と知り合い、一目惚れした浪人の磯貝浪江は、重信に弟子入りします。
重信がかねてから頼まれていた高田南蔵院の天井画の完成が間近となったある日、浪江は下男正助を脅し、重信殺害を手伝わせます。
悪業を隠してお関と夫婦になった浪江でしたが、今度は正助に四谷角筈十二社の滝壺へ真与太郎を棄てにいかせます。その正助も殺害しようと、悪に加担する三次に後を追わせますが…。
うわばみ三次/下男正助/菱川重信/三遊亭円朝 中村勘九郎
菱川重信妻 お関 中村七之助
磯貝浪江 中村獅童
『赤坂大歌舞伎』は今回で3回目となります。まだ3回目ではありますが赤坂の地に定着したのではないかと思います。これもひとえに過去2回、中村勘三郎さんが実績を作ってくださったたまものだと思います。5年前『赤坂大歌舞伎』をお願いしたときに、勘三郎さんが「やっぱり歌舞伎座や新橋演舞場とは違ったものをやりたい。まだ歌舞伎をご覧になったことが無い方にも歌舞伎のおもしろさを伝えたい」というところで演目を選んでいただき、過去2回大盛況となりました。本来は今回も勘三郎さんのご予定だったのですが、残念ながらお亡くなりになりました。
今回は『怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)』です。素晴らしいザッツエンタテインメントというべき、外連味たっぷりの出し物です。経緯としては、4年前に歌舞伎座で勘三郎さんが演じられた際に私は大変感動し、楽屋で「赤坂で出来ませんか?」と勘三郎さんにお願いしました。これは回り舞台や、舞台一面の滝、花道を使った早替りがあるので、赤坂では難しいだろうなと思いながらもお願いしたら「いつかやろうよ」とおっしゃってくださいました。今回、最初は違う演目で予定しておりましたが、松竹と勘九郎さんと相談させていただきこの演目になりました。現役の歌舞伎役者の中では、この演目が出来るのは中村屋だけです。中村獅堂さんは大河ドラマ撮影中のお忙しい中、ご出演いただくことになりました。どうもありがとうございます。『赤坂大歌舞伎』の新しいスタートだと思っております。お力添えをお願いいたします。
『怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)』は勘三郎さんにとっても、歌舞伎にとっても思い入れのある作品です。歌舞伎は今、大勢のお客様に見ていただけるようになりましたけど、長い間なかなか大勢のお客様に来ていただくのが難しい時期がございました。歌舞伎座も20年ぐらい前は歌舞伎を毎月上演することができませんでした。平成2年の8月に、勘三郎さん(当時は勘九郎さん)を中心にして、若い俳優さんで納涼歌舞伎を行いました。それ以来ずっと歌舞伎が毎月上演できるようになりました。大きな節目となった作品です。その時に、どういう芝居をやったらいいかと勘三郎さん(当時は勘九郎さん)と話して、この『怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)』が選ばれました。そのこともあり、本当に大事な作品です。歌舞伎を初めてご覧になる方にも楽しんでいただける芝居です。勘三郎さんが亡くなった後、『赤坂大歌舞伎』で何をやるかと話し合った中で、色々な意味でこの時期に『怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)』を上演することがいいのではないかなと思ったしだいです。勘九郎さん、七之助さん、獅童さんによって、中村屋がこの作品を作り上げた時の思いを受け継いで、いい芝居を作っていただきたいと思います。
今回この『赤坂大歌舞伎』が3回目ということで、第1回、2回と父がやらせていただき、先ほど八木さんが定着したと言ってくださった。それがとても嬉しいです。父もその土地に定着して芝居を行うことを望んでいましたし、それで面白いものが今後も作れるなと話しておりました。だから、定着したという言葉は私たちも嬉しいです。その父は逝ってしまいましたが、息子の私たちにやらせていただけるということで、お見捨てくださらなくてありがとうございます。嬉しいです。初めて歌舞伎を見る方にも見やすい物を上演し、裾野を広げるというか、それをコンセプトに赤坂で初めて、本当に多くの方が来てくださいました。第1回目で「棒しばり」をやりました。いろんな場所でやっていますし、東京でやってもそんなに反応はないのですが、赤坂でやったときにはものすごい反応をいただき拍手がなりやまなかったので、やはり初めてご覧くださる方が多いんだなと思いました。今回は、『怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)』を選びました。一番の理由は分かりやすさ、おもしろさ、エンターテインメント色が強い作品だということです。予備知識なく楽しんでいただけると思います。父が平成2年の初演時に三世實川延若さんから教わり6回やっています。子供の頃から僕も憧れのの役で、おととしの8月に初めてやらせていただきました。その時、憧れていて裏などでも見ていましたが、やってみないと分からない事があるんだなと思いました。早替りのことや、役のことなどを教えてもらって、それが遺志という形になってしまいましたが、父が切り開いた赤坂の地で、この演目、役をやらせていただくことを本当に幸せに思っております。『怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)』で2回公演は初めての経験です。父もやっておりませんからどうなるか分かりません。けれどもまだ31歳。動ける限り動いていい芝居をして、少しでもお客様に笑顔になっていただいて、劇場を後にしていただくというのが私の夢でございます。ここ2~3回父がやったのとは違う演出も出て参ります。その辺りもお楽しみいただけたらと思います。一生懸命勤めますのでどうぞよろしくお願いいたします。(司会者に向かって)TBSの方もアナウンサーの綺麗どころを集めてきてくださいね(笑)。皆様どうぞお力を貸してください。
うちの父が好きな演目というのは見た後、楽屋に私たちが行くと「やりたいかい?やりたいだろう!大きくなったらやってよ」って絶対に言うんですよ。この演目はずっと、「やりたいだろう!」って言っていました。これは映像にも残っています。小さい僕たちに何度も言っていましたから。命がけで教わって作り上げたものなので、本当に愛していた演目です。子供の頃は兄と二人でシャワーを滝にして写真を撮ったりしていました。2月にうちの兄の襲名が終わり、3月は「勘太郎改め勘九郎」というのがなくなる。その一歩目として赤坂で『怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)』が出来るというのは、素晴らしいことです。松竹の我孫子さんはもちろん、TBSの八木さんも毎月のように見に来てくださいます。そんな愛すべき赤坂ACTシアターで父が愛した演目をやるというのは素晴らしいことだと思います。ぜひぜひ見に来てください。
このたび急遽出演させていただくことになりました。二人ともいっぱい話してくれたので言うことなくなっちゃいました。しかも、「綺麗どころを連れてきてくださいというのは僕のセリフですからね(笑)」。マスコミのみなさん、もう平成のプレイボーイは勘九郎さんに譲ろうと思います(笑)。この3人は色々なところで昔から一緒にやっていたので、先ほど三人の名前を呼んでいただいて何とも言えない気持ちになりました。勘三郎のお兄さんが愛した演目に再び出演させていただけることは大きいです。昨年、初めて任されたコクーン歌舞伎も乗り越えることができました。その時も三人で同じ方向を向いて突っ走ることができたので、今回も心強いですし楽しみです。コクーン歌舞伎もそうですが、この赤坂大歌舞伎も勘三郎兄さんが作ってくださった道です。お客様に楽しんでいただけるお芝居を作る精神を受け継ぎつつ、新しいことにも挑戦し、いい芝居を作りたいと思います。
中村勘九郎襲名記念
『赤坂大歌舞伎』
公演期間:2013年3月8日(金)~24日(日)
会場:赤坂ACTシアター
お問い合わせ サンライズプロモーション東京
0570-00-3337 (10:00~19:00)
http://www.tbs.co.jp/act/event/kabuki2013/
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