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ハウス食品PRESENTS アトリエ・ダンカンプロデュース
交響劇『船に乗れ!』稽古場会見
▲写真左より木の実ナナ、福井晶一、山崎育三郎、田中麗奈、小野武彦
高校生役キャスト
公演について(公演資料より)
藤谷治の青春音楽小説「船に乗れ!」が初の舞台化
藤谷治氏の『船に乗れ!』(ポプラ社刊)は、音楽一家に生まれ、早くからチェロを学び、哲学書を読み漁るなど自分を「高貴な人間」だと思っていた主人公・津島サトルが、二流の音楽高校に入学し、バッハやモーツァルト、メンデルスゾーンなどの名曲とともに、ニーチェやソクラテスの哲学を通奏低音に、さまざまな出会い、恋愛、挫折を経て成長する、青春という季節のきらめきと残酷さを描いた感動の青春音楽小説3部作です。
爽快な第一楽章「合奏と協奏」、哀切な第二楽章「独奏」、感涙の第三楽章「合奏協奏曲」で構成される物語は、恋人でヴァイオリニストの南枝里子、ピアノ教師の北島先生と弾くメンデルスゾーン『ピアノ三重奏曲』から、ベートーベン『春』、チャイコフスキー『白鳥の湖』、バッハの『無伴奏チェロ組曲』、クライマックスのバッハ『ブランデンブルク協奏曲第5番』、フィナーレのモーツァルト『ハフナー』まで、そして二人のサトルが歌うパブロカザルスの『鳥の歌』など、どれもが胸を突き刺し、哀しくも、生きることの歓びを切々と謳います。
作品の発表当時は、新聞・雑誌・テレビ等のメディアで数多く取り上げられ、本屋大賞のベストテンに選出されるなど、話題をさらいました。
この『船に乗れ!』が、ミュージカルはもちろんのことコンサートやショー、テーマパークなどダイナミックな演出に定評がある菅野こうめいによって初舞台化されることが決定いたしました。全編クラシック音楽の調べにのせて、“クラシック”と“青春”と“哲学”が融合した“交響劇”という新スタイルのミュージカルが誕生します。
45歳になったサトルによる高校時代の回想によって綴られる『船に乗れ!』。主人公津島サトルの高校時代を若手ミュージカル俳優として絶大な人気を誇る山崎育三郎が、45歳のサトルを劇団四季を昨年退団し、上演中の舞台「レ・ミゼラブル」でジャン・バルジャンとジャベールの二役を演じている福井晶一が務めます。青春の残酷さに直面しながらも成長していく姿を、そして苦悩を乗り越え成人したサトルを山崎と福井が体現します。
共演は、サトルの初恋相手となる南枝里子に声優・アイドル・歌手として活躍する小川真奈を抜擢。サトルの親友でありオーケストラ仲間に平方元基、増田有華・谷口ゆうな(ダブルキャスト)、オーケストラメンバーに松岡卓弥、加藤雅美、入野自由・石井一彰(ダブルキャスト)、輝馬、前山剛久、木内健人、西岡優妃、吉田萌美といった若手俳優が結集し、サトルとともに青春を過ごします。更に、担任教師役に文学座の金沢映子、サトルが尊敬する哲学教師役に加藤虎ノ介、枝里子の母親に木の実ナナ、サトルの良き理解者であるピアノ教師に田中麗奈、サトルの祖父に小野武彦とキャリアと実力を兼ね揃えたキャストが顔を揃えます。そして物語の中枢を担うオーケストラには、現役の音大生で編成するオーケストラ・東邦音楽大学管弦楽団から41名が実際に出演者としても参加します。
この俳優達と共に、エターナル(永遠・不滅)なクラシック音楽がドラマを彩る、豪華で斬新な舞台が船出します。
STORY
裕福な音楽一家に生まれた津島サトルは、幼い頃からチェロを学び、
芸高を受験するも失敗。不本意ながらも新生学園大学附属高校音楽科に進む。
大好きな哲学書を読み漁り、ヴァイオリン専攻の南枝里子に恋をする。
しかしドイツへの短期留学をきっかけに、二人の仲に亀裂が入ってしまう。
そして、帰国したサトルには、受け入れ難い真実が待っていた…。
稽古場会見が行われました(2013年11月13日)
◆プロデューサー:株式会社アトリエ・ダンカン社長 池田道彦
5年前に藤谷治さんの『船に乗れ!』(このタイトルはニーチェの言葉からですが)という小説が出て私も読みました。青春の思いが詰まっていて大変素晴らしい小説だと感動いたしました。これを舞台化したいとその頃から思っておりましてようやく夢が叶いました。小説の登場人物がオーケストラをやっていて、クラシック音楽と哲学に囲まれた中での青春の色々な生き方を描いていますので、実際にクラシックの演奏は東邦音楽大学の皆様に出演していただきます。新しい形の舞台に挑戦してみようと思います。準備には時間がかかりましたが、その分思いが詰まっております。
◆「船に乗れ!」原作者:藤谷治
この小説は私自身の高校時代をモデルに私の分身のような人が回想して書いていくという形で書きました。そうしたらこんな(舞台化という)ことになってしまって・・・(笑)。主人公は高校時代当時と現在の2人で演じ、他にもたくさんの女優さん、俳優さんが出ます。こんな大がかりな舞台となり、怯えきっております。出演者の皆様を見たら、高校時代にこんな子はいなかったなと思う位かわいらしくて、美しくて、僕とだいたい同じだと思うのは山崎(育三郎)さん位です(場内笑)。いい舞台になればいいなと思っております。ものすごく大きな話になって責任が持てませんが(笑)池田プロデューサーと菅野こうめいさんのお力に期待して私自身も楽しみたいと思います。
◆脚本・演出・作詞:菅野こうめい
プレ稽古は始まっておりますが、今日から本格的な稽古がこの稽古場で始まります。この日が迎えられるたことを光栄に思いますし、私たちをサポートして下さっているハウス食品さん、主催各社の皆様にカンパニーを代表して感謝申し上げます。この『船に乗れ!』ですが、サトルという男の子が新生学園高校音楽科での3年間を描いたものです。
池田さんから2年前に藤谷治さんが書いた『船に乗れ!』という小説があるのだけど読んだことはあるかと聞かれ、ありませんと答えました。そうしたら舞台化したいので3日後の打ち合わせまでに読んで欲しいと言われました。慌てて取り寄せて読みました。全編に音楽が流れクラシックが聞こえてきました。舞台化を前提に読んでいるので、まずは舞台化出来るスタイルを探さないといけません。読んでいくうちに主人公の心情を音楽が表していたのでミュージカルだなと思いました。しかし、流れてくるのは全てクラシック音楽。クラシックを相手にミュージカルというのも難しいかな・・・と。ミュージカルになるかどうか分からないけど、ミュージカルだろうなという思いが自分の中にはありました。ミュージカルをやっている人間としては、簡単にミュージカルという言葉を使いたくなかったのです。ミュージカルになるかどうかは分かりませんでしたから。でも企画書を書かなければいけなかったのです。その時、主役は音楽なので「シンフォニックドラマというのはどうでしょう」と僕は言いました。なぜかというとこの物語を立体化していくのにオーケストラは外せない要素だと思いましたので、ステージの上にオーケストラがいてその前でお芝居が繰り広げられるというスタイルがいいと思いました。だからシンフォニックな劇ということでその言葉を思いつきました。それを日本語に直して「交響劇」という形が決まりました。
それから脚本作業に入り、クラシック音楽を歌にして主人公たちが歌ったり、オーケストラが弾いたり、まさに俳優と音楽家たちが交響しあう劇になるのではないかと、次第にその思いは強まって参りました。その結果ベートーヴェン、ヴィヴァルディ、チャイコフスキー、という作曲家たちの名曲に歌詞を付けて歌い上げる形にしました。
藤谷さんの原作の中で一番僕が面白かったのは、演奏シーンです。藤谷さんもチェロをお弾きになっていたので、演奏している時にどんなことを思って曲を弾いているのか、オーケストラの中でどんなことが行なわれているのか、そういうことが巧みに文章として書かれています。テンポが速い時には早く読み進められるようになっている名文だと思います。そういう演奏シーンも立体化していきたい。これはショーシーンになるだうと思い取り組んでおります。
例えば、今回はモーツアルトの魔笛を丸々演奏している間にお芝居が行なわれるようなところがあります。音楽にあわせてお芝居を作っているのです。そう言う意味で俳優さんたちは演技が音楽に支配されるというのは初めての経験だと思います。新しいミュージカルのひとつのカタチ、交響劇になっていると思います。
交響劇とはどのようなものなのか、ワンシーンが披露されました。
M7バレエ組曲「白鳥の湖」より第1曲「情景」が高校生役キャストにより披露されました。
夏の清里の合宿所でオーケストラの練習をしているシーンで、
それぞれが悪戦苦闘しながら演奏する心理描写がクラシック音楽に乗せて表現されています。
◆津島サトル(新生学園の生徒 チェロ)山崎育三郎
この作品の原作を3~4年前に読ませていただいておりました。音楽大学の附属高校が舞台になっているのですが、僕自身が音楽大学附属高校出身です。台本にもあるのですが、ひと学年で男子が5人出てきますが僕の時は6人でした。僕の同級生にチェロの津島君がいました。僕の役と同じ設定ですね。そして仲が良かった子が伊藤君。これもこの作品と同じ。非常に縁があるなと思います。舞台化の際には僕がやるしかないんじゃないかと勝手に思い込んでいました。ハウス食品さんの協力もありましてついに舞台化。大劇場で今までの日本になかったような交響劇として、41人のオーケストラが共演します。東邦音楽大学は僕の母校ですから後輩との共演です。単に演奏するのではなく芝居をしながらステージで生きます。クラシックの名曲に日本語が付いています。歌稽古が始まったばかりですが、こんなに難しい楽曲はありません。みんなの歌声を聞いて日本版「グリー」のようだなと。合唱団のミュージカルの音大バージョン。新しいスタイルが出来ているのですごいことになると確信しております。
◆津島サトル(現在のサトル 45歳)福井晶一
初めてこのお話を頂いた時は、クラシックにも哲学にも縁がない僕になぜお話をいただいたのかと正直不思議だったのですが、池田社長に歌唱力がある40代を探しているので是非福井君にやって欲しいと言っていただき、気持ちよくなって受けさせていただくことになりました。その後で原作も読みました。僕は小さい頃から野球をやっていて甲子園を目指しておりました、その中で青春の挫折というものも味わい、自身の姿と照らし合わせて読みました。すごく共感出来るところもありましたし、僕の年代だから感じるところもありましたので、頑張りたいなと思っております。今回『レ・ミゼラブル』でも共演させていただいているStarSの山崎育三郎君と同じ役で年齢の違う役を演じられるのも楽しみですし、素晴らしい俳優陣の方々と共演できるのを楽しみにしております。僕も歌稽古で苦労していますがその分素晴らしいものになると思います。
◆南枝里子(新生学園の生徒 ヴァイオリン)小川真奈
今回このような素敵な作品に携わらせていただくことになりとても嬉しく思っております。一生懸命演じたいと思います。宜しくお願い致します。
◆伊藤慧(サトルの同級生 フルート)平方元基
僕は音大生としてもう一度青春を駆け巡りたいと思います。みなさんと一緒に手を繋いで素敵な青春にしたいと思います。是非劇場にお越し下さい。
◆鮎川千佳(サトルの同級生 ヴァイオリン)増田有華
このお話を頂いたときにはどういう役どころなんだろうと思い原作を読みました。菅野こうめいさんともスチール撮影の時に「増田は三枚目だから」と言われて、その時にどうやって三枚目を演じたらいいかプレッシャーでしたが、大阪出身でばりばりのお調子者の時もあったので、そういうところを存分に発揮できたらと思います。
谷口ゆうな(Wキャスト)
今回はダブルキャストで増田さんと同じ役をやらせていただくということで、キャストが発表された時かなりざわついたと思います。私もざわつきましたが(笑)、菅野こうめいさんが「お前はそれでいいんだ」と言って下さいました。青春のお話ということで高校時代をやりなおすつもりで、ピュアな透明感を持ってやらせていただきたいと思います。
◆生田寛(サトルの同級生 コントラバス)松岡卓弥
コントラバスは見るのも触るのも初めてで、ミュージカルも初めてです。とても緊張しておりますが、皆さんと力を合わせてお客さんに感動を与えられるような素敵な作品にしたいと思います。
◆沢寛子(サトルの同級生 フルート)加藤雅美
今回このように素敵なキャストの皆様と出来ることを嬉しく思っております。原作ファンの方はもちろん、原作を読んで色んな方にも楽しんでいただけるように、みんなと一緒に頑張っていきたいと思います。
◆合田先輩(サトル達の1年先輩 ヴァイオリン)入野自由
(会見はお休み)
石井一彰(Wキャスト)
この舞台の出来によって、これから僕に高校生の役が来るかどうかがかかっています(笑)。素晴らしい舞台ですので宜しくお願い致します。
◆戸田先輩(サトル達の1年先輩 チェロ)輝馬
もう一度高校生が出来るということでワクワクドキドキしています。フレッシュな気持ちで頑張りたいと思います。宜しくお願い致します。
◆白井(サトルの同級生 ヴァイオリン)前山剛久
僕自身大阪出身なのですが、役でも大阪弁をしゃべります。男性キャストの中では最年少になるので精一杯みなさんに追いつけるよう頑張ります。
◆柳沢(サトルの同級生 クラリネット)木内健人
素晴らしいキャストの中で出来ることを幸せに思っております。高校生なのでフレッシュに若々しく頑張りたいと思います。
◆浅葉(サトルの同級生 ピアノ)西岡優妃
嬉しいことにミュージカルが初めてです。素晴らしいキャストやスタッフに囲まれて必死に頑張りたいです。オーケストラのようにキレイな音が出せるように頑張ります。
◆吉岡(サトルの同級生 ヴィオラ)吉田萌美
高校生の時に吹奏楽部に入りフルートをやっていました。大学は音楽大学で歌を勉強していたのでとても似ているところがあり楽しみです。頑張ります。
◆金窪健史(倫社教師)加藤虎ノ介
キャストのみなさん、スタッフのみなさんと共に素晴らしい作品になるように努力していきたいと思います。
◆久遠みつ子(音楽教師)金沢映子
原作を読み、あの頃悩んでいたことなどを思い出しました。この作品に参加させていただけることを嬉しく思います。生徒役のみなさんと一緒にキラキラした教室の雰囲気や練習風景などイキイキとしたシーンを作っていけるように頑張りたいと思います。
◆北島礼子(ピアノ教師)田中麗奈
学生の時は先生は先生として見ていたので、抱えている劣等感や生活感などはあまり感じ取ることが出来ませんでした。今回の私の役はそういうところも時折見せてしまう役柄なので、先生というよりはひとりの女性として親しみを持って見ていただけるよう、そして少しミステリアスなところが出せるよう、やらせていただこうと思います。
◆南トシ子(枝里子の母)木の実ナナ
ハウスさんが100周年という記念公演に新しい劇場で出来ると言うことでワクワクしています。ハウスさんの応援してくださっていたのが『イカれた主婦』で山崎育三郎くんと一緒にやり、育ちゃんのすごさを感じていました。今回は別の子の母親役です。演出家がどのように作っていくってくださるのか楽しみです。私は高校に数ヶ月しか行っていないので、高校のことはよく分からないんです。みなさんが青春青春って言っているのを今聞いておりましたが、私は今も青春だと思っております。今回は若い方がたくさんいて「若さが吸い取れそう!」(着席していた場所からどんどん報道陣の近くに歩んでいることに気が付き)どんどん前に行っていましたね(笑)。私としてもデビューして52年、こういうおとなしい役は初めてです。ロックも好きですが、未熟児だったのでクラシックバレエを習っておりまして、クラシック音楽も好きなんです。私は本当に舞台が大好きなので若い皆さんと一緒に楽しみたいと思います。菅野こうめいさん、育ちゃん、みんながいれば大丈夫!是非観に来てください。
◆松野(サトルの祖父 学園理事長)小野武彦
私ごとになりますが5年ほど前からサックスを習い始め、その先生が原作者・藤谷さんと同じ音大の卒業生です。そのお父様もとても魅力的な哲学の先生で、身近な作品だなと思っておりました。住まいは小田急沿線の柿生です。(小説の舞台になっているので)思わずソバ屋さんあるのかなと探してしまいました。時々号泣してこの本を読みましたので、ここにいる全員でその気持ちを伝えられたらいいなと思います。
▲山崎育三郎
▲福井晶一
▲田中麗奈
▲木の実ナナ
ハウス食品PRESENTS
アトリエ・ダンカンプロデュース
交響劇『船に乗れ!』
2013年12月13日(金)~21日(土)
東急シアターオーブ
お問い合わせ
アトリエ・ダンカン 03-3475-0360 (平日12:00-18:00)
http://www.fune-ni-nore.com/
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