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宝塚歌劇星組 ル・スペクタクル・ミュージカル
『眠らない男・ナポレオン ―愛と栄光の涯(はて)に― 』制作発表 コメント
▲右 ナポレオン役:柚希礼音、左 ジョセフィーヌ役:夢咲ねね
公演について(公演資料より抜粋)
ル・スペクタクル・ミュージカル
『眠らない男・ナポレオン ―愛と栄光の涯(はて)に― 』
L’Homme sans sommeil: Napoléon ~Au-delà de l’Amour et de la Gloire
Écrit et mis en scène par Shuichiro Koike, composé par Gérard Presgurvic
作・演出/小池 修一郎
作曲/ジェラール・プレスギュルヴィック
宝塚歌劇100周年の記念すべき第一作品目の題材となったのは、ナポレオンの半生。作曲に『ロミオとジュリエット』のジェラール・プレスギュルヴィックを招いて、小池修一郎との日仏コラボレーションでの創作活動が行なわれています。「宝塚から世界へ発信するオリジナル作品」を目指した、超大作ミュージカル。フランスが生んだ最大のヒーロー、ナポレオン・ボナパルトの栄光に彩られた人生の軌跡を、妻ジョセフィーヌとの愛と葛藤を中心に、切なくも激しい魅惑のメロディの数々に乗せて、壮大なスケールで描きます。
主な配役
ナポレオン 柚希礼音
ジョセフィーヌ 夢咲ねね
マルモン 紅ゆずる
ミュラ 真風涼帆
タレーラン 北翔海莉
STORY(内容に触れていますのでご注意ください)
革命後のフランスに台頭したナポレオン・ボナパルトは、コルシカ島の田舎町で下級貴族の家に生まれながら、数々の戦功を立てて、フランス皇帝にまで登り詰めていく。その才能は少年の頃から発揮されていた。士官学校時代、クラスで行なわれた雪合戦において、卓越した戦術と陣地構築で少人数の仲間を勝利に導いたのだ。
1789年のフランス革命勃発後、フランス国内は不穏な情勢になっていくが、1794年テルミドールのクーデターによりロペスピエールらジャコバン派が失脚し、軍の総司令官バラスが権力を握るようになる。バラスは反乱勢力を鎮圧するため、その軍事的才能に注目していたナポレオンに指揮権を委ねるが、ナポレオンは手勢約5千の兵力で2万5千を数える反乱軍を見事一日で鎮圧するというめざましい結果を残した。
その後、バラスの夜会に招かれたナポレオンは、子ども2人を持つ未亡人でありながら、バラスの愛人として妖艶な魅力を発していたジョセフィーヌに魅了され、押しの一手で結婚までこぎつける。しかしながらイタリア方面軍最高司令官に任命され、新婚3日も経たずイタリアの戦場へと旅立たなければならなかった。
戦場へ赴いてもジョセフィーヌを忘れられずに、毎日毎日情熱的な愛の手紙を送り続けるナポレオンに対し、パリに残ったジョセフィーヌは、騎兵大尉イポリットとのアヴァンチュールにうつつを抜かし、派手な生活を送っていた。
破竹の勢いでイタリア戦の勝利を挙げたナポレオンだが、やがてジョセフィーヌの浮気や不品行を知ることとなり、エジプト遠征から帰還した1799年、離婚を決意するが・・・
制作発表会が東京宝塚劇場で行われました(2013年11月11日)
登壇者のコメントを紹介致します。トークショー形式の会見で司会は竹下典子さん。
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◆小林公一(宝塚歌劇団理事長)
宝塚歌劇団は老若男女全てのお客様に楽しんでいただけうよう「清く・正しく・美しく」の精神で時代と共に常に進化してまいりました。これからもそれは続けていかないといけないものだと思っております。この作品は来年の宝塚歌劇100周年の元旦より宝塚大劇場で公演されます。伝統の力、革新の力、そして様々な可能性を多くのお客様に感じていただける作品にすべく、小池先生、柚希、夢咲を中心としたスタッフ、生徒一同が一丸となって稽古に取り組んでおります。また作曲を手掛けていただきましたジェラール・プレスギュルヴィックさんには全勢力を込めてお作り頂き素晴らしい曲が出来ました。心から感謝申し上げます。この作品が宝塚歌劇100周年を華々しく幕開けし、多くのお客様に楽しんでいただけるよう、今宝塚歌劇に携わるものが一丸となって頑張ってまいります。皆様にもご支援賜りますよう宜しくお願い致します。
◆小池修一郎(宝塚歌劇団演出家/作・演出)
100周年の新年にジェラールさんと新作を創ることになり、題材をいくつか挙げて打ち合わせを始めました。フランスの作家の彼もイメージを掴みやすいのではないかということと、ビジュアルという点では大きいので違うかもしれませんけども、柚希礼音という宝塚歌劇が誇るスターのキャリアを生かせるということで色々と検討した結果、ナポレオンという人物を題材にしてみてはどうかということになりました。ナポレオンを題材にした作品は、宝塚歌劇では30年ほど前に、花組の高汐巴さん主演、植田紳爾先生作・演出の『愛あれば命は永遠に』という公演がありましたが、30年を経て今のフランスのミュージカルの創り方にお互いが歩み寄っていくと、どのような感じになるのかというのが今回ある意味実験でもあります。そこで新たな面白い演劇が生まれたらと思っております。宜しくお願い致します。
---脚本のご苦労点は?
脚本の基となるもののイメージに対してジェラールさんが曲を書いて下さいました。今は私がその曲に歌詞をハメ、セリフを考えて、脚本と曲をすりあわせるという作業をしているところです。言葉の壁がありますので、お互いが理解していくのに少し手間がかかりますよね。この作業が最も悩み苦しんでおります。(出演者の)みなさんにもまだ半分ぐらいしか渡していないので、これから少しずつ出来上がっていきます。
---ナポレオン像はどのように?
下級貴族と呼ばれていた訳ですから軍人になってもそれほど上には行けない立場だったのですが、動乱の中で上にあがり、時代の流れや彼自身の行動により皇帝と呼ばれるまでになったんですよね。「運勢」の中で自分を伸ばしかつ揺れながら限界に挑戦する。挫折もするんですが人生の山と谷が魅力的だと思います。世界史の中でもあまりちゃんと出てこない人だと思うのです。極端なところもあるけど、最初から偉そうだったのではなく、頑張り屋の少年というところから始めたいなと。柚希は堂に入ったというか、ここまでキャリアを築き上げましたが、変わらない屈託のない明るさや元気さ、良い意味での柔らかい幼さを残していると思いますので、ナポレオンの半生を演じる時に若い頃の柔軟さと上り詰めたときに持つであろう緊張感というか、貫禄の両面を表現出来ると思いますので、満を持してと言う感じでございます。夢咲も同じで、若い役が多かったと思うのですがもう一方で大人の女性も出来る人だと思います。ジェラールさんに「彼女たちにこの役が出来るであろうか?」と相談した時「柚希さんは(ナポレオンのイメージより身長は)大きいけれど声量もあるし立派なナポレオンになるであろうと、夢咲さんはコケティッシュだからジョセフィーヌとそういうところは合うんじゃないか」とおっしゃっていました。
◆柚希礼音
ついに100周年の初頭を飾る記念公演のお稽古が始まりました。本当に偉大な先輩方が創ってこられた100年の歴史の重みをひしひしと感じ、とても身の引き締まる思いです。その節目の時に、こうして大劇場に立たせていただける喜びを感じ、小池先生を信じ、スタッフの方と出演者全員が一丸となって必ず素晴らしい作品になるよう、頑張って稽古に励みたいと思います。そして、大好きなジェラール・プレスギュルヴィックさんの創った曲を歌わせていただける喜びを胸に、お客様が感動していただける舞台となるよう励んで参りますので、どうぞよろしくお願い致します。
---ナポレオンについてかなり勉強されたかと思います。小柄な方だったようですがどういうイメージを創りあげていますか?
「不可能なものはない」「達成するために面倒なことは何もない」という名言を残されています。その名言をおっしゃるような方なんだなと思います。野心もあり、でも最初は貴族や平民関係なく力があるものが地位に就くべきだという素晴らしい考えをお持ちです。そしてヨーロッパを統一したいと考えた。とても冷静で頭が良く、地に足が付いた素晴らしい男性像だと思うので、そう演じたいなと思っております。映画や本を見ましたが、人に媚びず自分の意思がしっかりしていて、目標のためには眠らずに(笑)勉強してしっかり進んでいく人なので、すごいなと思います。
---今日のパフォーマンスを経ての感触は?
やはり素晴らしい曲だなと思いました。曲をいただいて譜読みをしているだけでも世界が広がって想像が広がります。今日の1曲目と2曲目も全然違って、素敵な曲だなと思いながら歌いました。
---『ロミオとジュリエット』の曲風とは違いますか?
どうなんでしょうね。(と小池先生を見つめる)
(小池:ジェラール調というのは強烈にあると思います。シンプルなメロディーが繰り返しますが和音の感覚が彼独自の感じなんです)
同じようなメロディーをどんどん転調していくことによって心情が変わっていくような感じを表現させてくれるので、それに乗っていきたいなと思います。
---お衣裳も素敵ですね。
本当に豪華でこれも100周年を飾らせていただく豪華さで責任を感じます。マントは重いのですが、ありがたい重みです。
◆夢咲ねね
私も100周年の頭にこうして大劇場で最初の日を迎えられるということは、本当に嬉しいと思うと同時にプレッシャーを感じずにはいられません。しかし、小池先生を信じて、柚希さんが創られるナポレオンと共に、自分も成長していけるように頑張って参ります。どうぞよろしくお願い致します。
---ジョセフィーヌは大変魅力的な女性ですけれども、どういうふうに演じようと思っていますか。
色々な本や映画を見たのですが、たくさんの解釈があってどれを信じたらいいか分からないところもあるのですが、私が感じるジョセフィーヌの思いや、女として共感出来る部分を広げていけたらいいかなと思っております。子どもが2人いる未亡人の役は初めてですが子どもがいる役をずっと演じてみたかったので嬉しいです。
---今日のパフォーマンスを経ての感触は?
最初に聴かせて頂いた時にとてもキレイな曲だなと思いました。ジョセフィーヌが生まれ育ったマルティニーク島のことをイメージ出来るなと思いましたが、ジョセフィーヌが人を魅了させていく曲調にしだいになっていき、人を惹き付ける歌詞になっているのでとても素敵です。
---お衣裳も素敵ですね。
集合日にデザイン画をたくさん見せていただいたのですが、本当にキレイな衣裳ばかりで早く皆さんに見ていただきたいです。
▲ジェラール・プレスギュルヴィック インタビュー映像
今作の全曲を手掛けています。半年前から小池先生とスタッフ陣が足繁くパリの私邸を訪ね、打ち合わせが行なわれました。10月には大阪のホテルで3週間弱こもって作曲が行なわれたそうです。
宝塚歌劇星組 ル・スペクタクル・ミュージカル
『眠らない男・ナポレオン ―愛と栄光の涯(はて)に― 』
主演・・・柚希 礼音、夢咲 ねね
宝塚大劇場公演
2014年1月1日(水)~2月3日(月)
東京宝塚劇場公演
2014年2月14日(金)~3月29日(土)
http://kageki.hankyu.co.jp/
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