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目黒雅叙園 創業85周年 特別企画展 映画「利休にたずねよ」×百段階段
2013年11月26日(火)~2014年1月13日(月・祝)
内覧会が行なわれました
創業85周年を迎えた目黒雅叙園では、
2013年11月26日(火)~2014年1月13日(月・祝)まで、
園内・東京都指定有形文化財「百段階段」において、
映画「利休にたずねよ」×百段階段 特別企画展が開催されています。
先日カナダで行われた第37回モントリオール世界映画祭において
「最優秀芸術貢献賞」を受賞し、12月7日(土)より全国公開を控えている、
話題の映画「利休にたずねよ」。
原作は第140回直木賞受賞小説「利休にたずねよ」で、
千利休の美へのあくなき情熱と、利休への執着をめぐらせる人間模様、
そして生涯秘め続けた若き日の物語が繊細、かつ艶やかに描かれています。
出演は、千利休を演じる市川海老蔵、妻役を中谷美紀、
織田信長を伊勢谷友介、豊臣秀吉を大森南朋が演じるほか、
今年2月に亡くなった市川團十郎が利休の師匠役として特別出演され、
海老蔵と初の親子共演を果たされたことでも話題を集めています。
同展では、豪華キャストたちが劇中で着用した貴重な衣裳をはじめ、
小道具、 映像・パネルによる紹介、音楽に至るまで、
文化財「百段階段」の各部屋の背景を生かした展示で、
映画「利休にたずねよ」の世界との融合が楽しめます。
映画「利休にたずねよ」公式サイトはこちら
※同展覧会では映画本編の上映はありません。
http://www.rikyu-movie.jp/
エンタメターミナルのサイトでの映画「利休にたずねよ」掲載記事はコチラ
下記説明には映画の内容にも触れています。映画鑑賞前の方はご注意ください。
◆ 十畝の間(じっぽ)
天井には前室に8面、本間に15面、合計23面の襖仕立ての鏡面に荒木十畝による四季の花鳥画が描かれています。
黒漆の螺鈿細工が随所に見られる重厚な造りの部屋です。
<今展覧会では>千利休を重用し、茶の湯を権力の演出装置として
巧みに利用した戦国の覇者・織田信長。この最初の部屋「十畝の間」では、
名物狩りで信長と宗易(のちの利休)が出会った場面を再現します。
◆ 漁樵の間(ぎょしょう)
室内はすべて純金箔、純金泥、純金砂子で仕上げられ、彩色木彫と日本画に囲まれた美しさは
息を呑むほどの絢爛豪華さです。床柱は左右ともに巨大な檜で、
精巧な彫刻 (中国の漁樵問答の一場面)が施されています。
格天井には菊池華秋原図の四季草花図、欄間には尾竹竹坡原図の五節句が極彩色に浮彫されています。
<今展覧会では>天下統一を果たした秀吉の庇護のもと、
“天下統一の宗匠”として名を馳せる利休ですが、その名声は次第に秀吉の心に渦巻く
“むさぼり”に火をつけることとなります。この部屋では、利休に対して、
尊敬と妬みの気持ちを持つ秀吉による「北野大茶会」の場面をご覧いただけます。
◆ 草丘の間(そうきゅう)
格天井の秋田杉及び欄間には礒部草丘の四季草花絵、瑞雲に煙る松原の風景が描かれています。
障子建具は非常に手の込んだ面腰組子です。
<今展覧会では>百姓から天下人まで成り上がった秀吉。
その夫の威光すら寄せ付けぬ利休におそれを感じる妻・北政所。
華麗で煌びやかな衣裳でその世界を表現します。
◆ 静水の間(せいすい)
奥の間の床柱は黄檗丸洗。格天井の秋田杉には池上秀畝の鳳凰・舞鶴、欄間四方には
小山大月の金箔押地秋草が描かれています。
次の間の天井及び欄間は橋本静水等の画伯によるものです。
<今展覧会では>信長にまで「美は私が決めること」と豪語する利休。
その美への思いから権力者に翻弄されていく…。その利休の暮らしを再現。
一番の理解者でありつつ、夫が心に秘める想い人の影を訝る妻・宗恩。
秀吉に見初められ側室に所望される娘・おさん。千家の暮らしを垣間見れる部屋です。
◆ 星光の間(せいこう)
奥の間の床柱は北山杉天然絞丸太で、次の間の床柱は槇出節、
両室とも格天井及び欄間いっぱいに板倉星光の四季草花が描かれています。
<今展覧会では>利休の茶の師匠である武野紹鷗(じょうおう)。
若き利休の美意識に興味を抱き、高麗の女の世話を任せます。
この体験が利休のその後の人生を左右することに。
市川團十郎、市川海老蔵の最初で最後となった映画初共演シーンを再現します。
◆ 清方の間(きよかた)
美人画の大家、鏑木清方が愛着をもって造った落ち着いた静かな茶室風の室です。
特に奥の間の床柱は径一尺五寸の北山杉の天然総絞丸太でこのような逸材は今日、
市場でもなかなか見出せないものです。廻り廊下の北山丸太を扱った
化粧軒、障子建具、組子など、細心の造りです。扇面形杉柾板に四季草花、
欄間の四季風俗美人画ともに 清方の筆です。
<今展覧会では>高麗の派閥争いに巻き込まれ、さらわれ、
日本へと売り飛ばされた李王朝の血を引く娘。 若き日の利休との叶うはずのない恋は、
ある事件へと姿を変えます。 それは利休の情熱が故に引き起こされたものでした。
この部屋では、物語の鍵となる重要な場面を体感いただけます。
◆ 頂上の間(ちょうじょう)
天井画は松岡映丘門下の作品です。前室、本間ともに格天井で、本間の床柱は黒柿の銘木を使用。
<今展覧会では>映画『利休にたずねよ』のスチールパネルや予告編映像を展示しています。
宮本まさ江さんが手掛けた映画「利休にたずねよ」の衣裳を中心に構成されています。
映画を観てから訪れるも良し、展覧会を観て想像を膨らませてから映画を観るも良し。
目黒雅叙園 文化財「百段階段」の各部屋の装飾と共に、作品の一端を感じ、
イマジネーションが広がる展覧会となっていました。
内覧会では各部屋の説明や、この部屋の展示が映画では
どのようなシーンなのかという解説がなされました。
映画は、千利休の生涯を回想する形で描かれていて、
美の本質に迫るストーリー展開。そして彼の心に秘められた物とは何だったのかという
ミステリーな様相をもみせています。
スタジオセット撮影のほか、三井寺、大徳寺、神護寺、南禅寺、彦根城といった
国宝級の建造物でのロケーションも敢行され、
利休が実際に使用した「長次郎作 黒樂茶碗 銘 万代屋黒利休所持 万代屋宗安伝来」を
はじめとする茶の名器を使用し「利休の所作」を再現。
「美」を追求し、こだわりぬいた映画となっています。
この展覧会で展示されている衣裳にも丁寧な仕事が見て取れます。膨大な中からの
ほんの一部ではありますが、この衣裳を間近で見ることが出来る貴重な機会をお見逃しなく。
▲入口の看板。螺鈿細工の施されたエレベーターで上がると、”昭和の竜宮城”と呼ばれた
趣ある建物へタイムトリップ。
▲この雰囲気を出せるのは文化財「百段階段」ならではです。
手前が今回の展示衣裳、遠くに見えるのは建物の一部。
▲「漁樵の間」の彫刻は細やかな手仕事です。
▲衣裳展示と共にそのシーンがどのようなものかの解説パネルがありました。
▲(左)利休の身につける物は良い物をシンプルに。そういうところにも彼の生き様が表われているようです。
▲(右)対して、秀吉はど派手です。
▲着物を染めるのに使われた草木染めの原料などもあわせて展示されています。
▲かつて結婚披露宴などでも使われていた部屋。実りがある、縁起が良いものが描かれています。
▲「清方の間」には、鏑木清方によって目黒に縁のあるものが描かれています。
その中に目黒川にかかる太鼓橋の絵があるのですが、中央には市川團十郎が
「矢根五郎」を演じている姿が描かれています。
市川團十郎は目黒に住み目黒雅叙園があったあたりに別荘を持っていたと言いますから
目黒とは大変縁のある人物で、無類の芝居好きだったという清方ならではの題材です。
映画「利休にたずねよ」は、十二代目市川團十郎、 十一代目市川海老蔵にとって
映画での最初で最後となった親子共演も話題となっています。
この映画の展覧会が目黒雅叙園 文化財「百段階段」で
開催されているというのも、縁を感じますね。
目黒雅叙園 創業85周年 特別企画展
映画「利休にたずねよ」×百段階段
開催期間:2013年11月26日(火)~2014年1月13日(月・祝)
会期中無休
開催時間:10:00〜18:00(最終入館17:30)
会場:目黒雅叙園 東京都指定有形文化財「百段階段」
入場料:1,200円(前売 1,000円) 学生600円 ※小学生以下無料
問い合わせ:03-5434-3140(10:00〜18:00 営業部)
※同展覧会では映画本編の上映はありません。
https://www.megurogajoen.co.jp/event/rikyu/index.html/
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