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創立15周年特別記念『バレエに愛された男 熊川哲也とKバレエ展』
2015年2月26日(木)~3月9日(月)松屋銀座8階イベントスクエアで開催
オープニングセレモニーが行われました
英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル(首席ダンサー)として世界の頂点を
極めたバレエ・ダンサー熊川哲也が、自ら芸術監督を務めるKバレエカンパニーを設立して15年。
彼の比類なきスター性はもちろん、“総合芸術としてのバレエ”を追求し尽くした完成度の高い舞台は
多くの観客の心を捉え、年間約50公演、観客動員10万人という世界でもまれにみる実績を重ね、
今や不動の地位を確立しています。西欧発祥の芸術であるバレエを日本で根付かせ、
発展をもたらしてきた熊川は、その多大な功績により2013年には栄誉ある紫綬褒章を受章しました。
この展示会では、「百年に一度の才能」と称される天才ダンサー熊川哲也の栄光の軌跡を辿ると共に、
自身のバレエ芸術への尽きせぬ情熱を注ぎ込むKバレエカンパニーの全容が紹介されます。
熊川版全幕バレエ第1作目の「ジゼル」から最新作「カルメン」まで全11作品を網羅し、
現代バレエ界の財産ともいうべき衣裳の数々、一流デザイナーによる舞台美術模型などが
一挙公開されます。さらに、日本人初受賞のローザンヌ国際バレエ・コンクールの
ゴールド・メダルや、英国ロイヤル・バレエ団在籍時の衣裳などの品々が展示されるほか、
ディアギレフのバレエ・リュス公演プログラム、ニジンスキーをはじめ伝説のダンサーたちの自筆サイン、
ベートーヴェ ン「第九」初版譜など熊川所蔵の歴史的価値の高いコレクションの初公開など、約140点が展示。
◆第1章 天才ダンサーの誕生~世界への扉を開く
バレエ界にセンセーションを巻き起こした天才ダンサー誕生。
日本にただ一つのローザンヌ国際バレエ・コンクールのゴールド・メダルをはじめ、
熊川哲也氏がプロフェッショナル・ダンサーになる前の快挙を示す品々の展示や秘蔵映像が公開されます。
◆第2章 世界の頂点へ~英国ロイヤル・バレエ団時代
英国ロイヤル・バレエ団在籍中の10年、熊川が着用していた代表的レパートリーの
衣裳が展示されます。「ラ・バヤデール」のソロル、「くるみ割り人形」の王子、
「ラプソディ」など、その多くは本邦初公開。
◆第3章 芸術への飽くなき探究~熊川版グランド・バレエの世界
Kバレエカンパニーが、創立からわずか15 年の間で世界のトップカンパニーへと
発展した活動の支柱である「熊川版全幕バレエ」から、豪華絢爛な衣裳の数々と、
一流デザイナーによる舞台美術模型や小道具などが展示されます。
第1作「ジゼル」から最新作「カルメン」まで、Kバレエカンパニー全11作品を網羅。
また会場限定で、「カルメン」のダイジェスト映像も上映。
◆第4章 未来に向かって~熊川哲也のプロジェクト
「生徒からプロフェッショナル・ダンサーへの架け橋となる場に」という熊川氏の
想いから誕生したジュニア・カンパニー「Kバレエユース」が2015年4月に
世界初演する全幕バレエ「トム・ソーヤの冒険」、その制作の舞台裏を公開。
新企画「Ballet Gents(バレエジェンツ/宮尾俊太郎を座長に据えた
男性バレエダンサーユニット)」の紹介も。
◆第5章 偉大なる歴史との対話~芸術監督の部屋
バレエ芸術とその歴史への造詣を深め続ける熊川氏が、近年収集しているのが
歴史的意義をもつコレクション。ディアギレフのバレエ・リュス公演プログラム、
ニジンスキーはじめ伝説のダンサーたちの自筆サイン、
熊川氏の振付作品「ベートーヴェン第九」の創作にインスピレーションを与えた
「第九」初版譜やシラー詩集などが展示されます。
◆熊川哲也コメント
日本において15年間で11作品を発表することが出来たのも、
たくさんの方々のご理解とご協力があってのことですし、
素晴らしい豪華絢爛な衣裳やセットがなければ成し得なかったと思います。
自分の名前でこうして展覧会を催すというのは、恐縮な気持ちでいっぱいです。
まだまだしなくてはいけないこともたくさんありますし、42歳という年齢で過去を振り返る
というのがいいのかどうかまだ分かりませんけれども、素晴らしい作品がこの扉の中に
山ほど詰まっております。9年ぶりにこの松屋さんのご協力を得て開催することが出来ました。
前回は5万人なので、今回は7万人位動員したいです(笑)。皆様ぜひともお願いいたします。
今日はオンワードの洋服で決めてきました。
(テープカットの後、熊川さんの囲み取材が行われました)
―――展覧会をご覧になっての感想を。
我ながらよくこの年数でこれだけの作品を作り上げたなという自負です。
―――幼少期のものも展示されていますね。
アスリートとしては非常にデリケートな年齢なので、若かりし頃の自分の輝かしいものを見ると
切なさもあるけれど、豊かさもありますね。自分を振り返るいいきっかけになるのかなと。
ただそれが手前味噌になるだけではいけないので、僕自身というよりは作品とか
豪華な衣裳をご覧いただけたらと思います。僕も展示を見てびっくりしました。素晴らしいですよ。
―――こみあげてくるものはありますか?
ありますね。
―――ご自身の中で特に印象に残っている展示はどれですか。
全てです。軌跡ですから。バレエの偉大さや、古き良き時代の先人の功績をリスペクト
しての古典芸術ですから、(本展の第5章では)僕のコレクションも展示しています。
僕という個人を超越した時空を超えた偉人たちの世界がここにあると思います。
―――バレエダンサーを目指す若い世代のみなさんへメッセージを。
憧れはいいですが、僕みたいになろうと思わない方がいいと思います。
自分らしい生き方をして、素晴らしい人間になって欲しいなと。
それが素晴らしい芸術性を生んで、素晴らしい人生になるんじゃないかなと思います。
―――この15年楽しいことも辛いこともあったのではないかと思いますが。
辛い時代の思い出は特にないです。劇場でお客様の喝采を浴びると全てが報われるのです。
―――展覧会で改めて衣裳をご覧になっていかがですか。
一堂に集まると作品の持つ力を感じました。人間じゃ叶わない、神々しい世界を感じました。
―――ロイヤル・バレエ団時代のものなど、プライベートな時間で見返すようなことはありますか?
ないですね。今回いい機会で、松屋さんに感謝です。
―――子供の頃の初舞台の衣裳もありますが、ご覧になっていかがですか。
ちっちゃいね(笑)。人間成長するなと。
たしか「白雪姫と七人のこびと」のこびとの隊長でした。
一番目立つ赤の衣裳で当時からそういう星の下にいたんだなと・・・(笑)。
―――この展覧会、どんな方に見に来て欲しいですか。
どんな方でも!映画やミュージカルなど一般的に近い存在ではない
バレエやオペラなどのクラシックが日の目を浴びて、すみずみまで見られるチャンスはそうそうないと思います。
バレエは遠い存在であり続けなければいけない高貴な世界だと思っていますが、それがここまで見られるとなると、
必ず自分の中にストライクが入ると思いますし、豊かな時間が過ごせると思います。
今回の展示も素晴らしいですが、これがきっかけで舞台に足を運んで
いただけるようになるといいなと思います。
▲子供の頃の衣裳も展示。
▲英国ロイヤル・バレエ学校での期末試験実技テストやローザンヌ国際バレエ・コンクールの貴重な映像資料も。
▲Kバレエで上演されてきた数多くの衣裳が間近で見られます。
▲細やかなディティールにうっとり。
▲衣裳だけでなく小道具も間近で見られるのは嬉しいですね。
『バレエに愛された男 熊川哲也とKバレエ展』
会期:2015年2月26日(木)~3月9日(月)
時間:10:00〜20:00(最終日は17:00まで。入場は閉場の30分前まで)
入場料:一般1,000円、高大生700円、中学生500円、小学生300円
会場:松屋銀座8階イベントスクエア
問い合わせ:松屋銀座TEL03-3567-1211(大代表)
http://www.matsuya.com/m_ginza/exhib_gal/details/20150226_kumakawa_8es.html
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