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新宿南口・紀伊國屋サザンシアターにて20日(月・祝)まで上演
こまつ座第110回公演・紀伊國屋書店提携『父と暮せば』500回上演達成しました
“井上ひさし 戦後70年”に込められた、こまつ座の平和への願い
こまつ座は、「日本のシェイクスピア」とも称される作家・劇作家の井上ひさしが1984年に旗揚げし、現在も井上の遺志を引き継ぎ、井上に関連する作品のみを専門的に上演する劇団です。
井上ひさしは当たり前の日常(平和)を守るという一貫した想いで、戯曲や小説を書き続けてきました。その思いを引き継いでいるこまつ座は、戦後70年を迎える今年を「井上ひさし 戦後70年」と銘打ち、大切な人をなくしたすべての人に向けて、井上ひさしの作品を通して戦後70年を考える一年にするべく上演を重ねてきました。
『父と暮せば』は、残された膨大な広島の被爆者の手記を編み込んだ井上の代表的な戯曲です。1994年の初演以来幾度もの上演を重ねる中で、読売演劇大賞の優秀作品賞や優秀演出家賞(鵜山仁)、朝日舞台芸術賞寺山修司賞・紀伊國屋演劇賞個人賞(栗田桃子)など数々の賞に輝いてきました。
本作は、希望への祈りを込めて、幸せとは何か、平和な日常を取り戻すとは何かを問う、こまつ座のライフワークとも言える作品です。日本各地を巡る全国公演にとどまらず、モスクワ(01年)、香港(04年)でも上演されました。さらに英語、中国語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、ロシア語にも翻訳され出版されています。また、パリ、ニューヨーク、オタワ、トロントでもリーディングでの上演がなされるなど、世界各国でも井上の平和への思いが広がっています。
舞台は、原爆投下から三年後の広島。
図書館で働くひとり暮らしの福吉美津江(栗田桃子)のもとへ、父竹造(辻 萬長)があらわれる。竹造は、美津江がほのかに抱いた恋を実らせようとして、美津江の「恋の応援団長」としてあらわれたのだという。
「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」と父の言葉を拒絶する美津江と、娘のかたくなな心を解き放とうとする竹造。生き地獄のヒロシマを舞台に繰り広げられる父と娘の優しくも壮絶な命の会話を通して、平和の尊さを後世に語り継ぐこまつ座渾身の作品。
演出: 鵜山仁
この約20年の積み重ねは、作者の井上ひさしさん、歴代の出演者、観客席の皆さん、そして広島の記憶を未来に伝えたいという志が力を合わせた結果です。どんなに世の中がかわっても、人間の喜び悲しみ、賢さ愚かさはかわらないのかもしれない。だからこそ、忘れないことが大切なのでしょう。500回の列に加われたことに感謝したいと思います。
出演: 辻萬長
色々な人たちと演じ繋いできているということは、「いい作品とめぐり逢ってよかったなあ」という熱い思いがします。テーマが重いだけに、いつもそうですが、幕が降りたとき「やったぁ!」という気持ちにならないんです。「これでよかったんだよな」という感じですかね。この500回を一つの節目として、今年はあと58回演じます。
出演: 栗田桃子
20年の間にどれだけたくさんの方達が、この作品に関わってチカラを下さったのか…その記念すべき500回目の舞台に立てること、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。私にとっても大切なこの作品をこれからも1人でも多くの方に観ていただきたいと思います。
こまつ座第110回公演・紀伊國屋書店提携
『父と暮せば』
作: 井上ひさし
演出:鵜山仁
出演:辻萬長 栗田桃子
公演日程:2015年7月6日(月)~20日(月・祝)
会場:新宿南口・紀伊國屋サザンシアター(紀伊國屋書店新宿南店7F)
お問合せ: こまつ座 03-3862-5941
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