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『剣 幸 kohibumi concert in MUSICASA』剣 幸さんインタビュー
公演について(リリースより)
歌と手紙の朗読で綴る恋文コンサート『剣 幸 kohibumi concert in MUSICASA』が
2019年3月14日、15日に代々木上原ムジカーザで行われます。
この公演の内容や今の気持ちを剣 幸さんにお伺いしました。
“四季折々の歌を人生になぞらえてみたい…今回はそんなことを考えています。
紺野さんが奏でる美しい旋律にのせて、心に響く歌、そして愛あふれる手紙たちを探し出し、
皆さん共感していただけるkohibumiの世界を創りたいと思っています。”ーーー剣 幸
剣 幸さんインタビュー(2019年1月31日 取材・撮影・文:住川禾乙里)
―――長年続けている『恋文コンサート』ですが、毎回内容をどのように決めていらっしゃいますか?
◆ 剣 幸
代々木上原にあるムジカーザでの公演も10年を越えました。前身の形を含めると20年近くになるかな。
内容は私が「いいな」と思った手紙と歌をコラボしたコンサートで、毎年やっているので中身は全く変わらない感じです(笑)。
でも今回は“四季”をテーマにしていて、春夏秋冬があって最後はやっぱり春に戻るという流れにしようと思っています。
春は全てのものをリセットしてくれるような力がある気がするので。
青春があったり晩秋があったり、人生とリンクさせられるところがあるかなと思って
“四季”を感じられるような歌を集めて、今は、それに合うような手紙を探しています。
――― 最初に、この『恋文コンサート』をやろうと思ったきっかけは?
◆ 剣 幸
宝塚を退団してから数年は普通のコンサートをしていました。でも、私は歌手ではないので持ち歌を持っていない。
自分の歌を披露するコンサートではなく、自分の好きな曲を歌うだけだったので
「何かもっと違うことができないかな?」と思ったんです。芝居とは違うやり方として朗読の面白さも感じていたので、
それを組み合わせてみたらどうかな?と思いました。そんな時に、もしかしたら“手紙”って良いかもと思って、
探してみたらあるわあるわ。「世の中に、こんなに手紙を集めた本があった!」と初めて気がつきましたし、
きっと世の中の人たちは、こういう時代だからこそ“手紙”を大事だと思っている方が多いんだろうなと教えられました。
身近なところだと父や母、子どもに向けたりとか、企業が“手紙”を募集していたりとか。
色々と探しているうちに戦没兵士の手紙と出合いました。ご家族の方々が残していたり、娘に託したり。
それは“手紙”だからこそものが残るわけで、自分のお祖父さんやひいお祖父さんたちがどうやって生きて
家族を支えてきたのか、今の自分のルーツを知ることができる。
これほど繋がりのあるものってないなと思って感動しました。
メールは今すぐに伝わるという便利さはあれど、“手紙”は時代を越えて形として残せるもの。
当時は手紙を送っても届くまで一ヶ月ぐらいかかったりした時もあったけれども、
手元に届いた手紙は黄ばんでも大切に取っておく、そこがすごいなと思いましたね。
戦争当時のことは忘れてはいけないし、その時の気持ちを伝えようとした人々のことや強い信念、
お国のためと考えていた人たちがいたことを、今知らない人の方が多くなっているので。
そういうことも伝えていけたらいいなと思っています。
―――手紙はどのように探しているのですか?
◆ 剣 幸
図書館に行ったり、手紙をやっている割には結局インターネットにも頼って“手紙”というキーワードで
出てくるものを集めたりもしています(笑)。便利なこの世の中、メールでも何でもすぐに調べられるし伝わるから、
その良さは感じつつも、やっぱり昔の手紙でしか伝えられなかった思いが詰まったものが感動的だったりしますよね。
インターネットをやりつつも(笑)。だからこそ忘れてはいけないものという気がしてやっています。
毎回「すごく良いお手紙が見つかった!」と思っていて、「これ以上のものまだあるのかな?」と思いながら、
それと同じくらい心が震えるものを探したいと思って、毎年また新しいステージが作れるようにと
アンテナを張っています。
―――剣さんの中で、手紙と歌のリンクのさせ方にこだわりはありますか?
◆ 剣 幸
ありますね。例えば普通に聞いて「恋人に対して歌っているのだな」と思う歌があるとしますよね。
でも、ちょっとポイントを変えて考えた時に「家族に対しての愛」と思えるようにも歌える歌だとしたら、
その歌の聞き方や見方が変わってくると思うので、いつもそうありたいなと思っているんですね。
そのままではなく、この手紙からこの歌にいったらどうなるかな?というところの面白さを探していたりもしますね。
―――前回のコンサートに伺って、聞いている側、見ている側としても新しい発見を感じました。
◆ 剣 幸
そう言っていただけるとすごく嬉しいです。そういう風に思っていただけるようにと思ってやっているんです。
でも今回は自分に足かせをつけてしまったので(笑)。“四季”というテーマの中で選んでいくとなると、
手紙もその匂いのするものを探していきたい。いつもは手紙を探してから歌を選ぶのですが、
今回は逆のパターンなので、なんとか頑張って良い手紙が見つかるように探しているところですね。
―――手書きの文字からも伝わってくるものがありますよね。
◆ 剣 幸
戦争当時って良い便箋だってなかったと思うし、鉛筆で書いても消えちゃうこともあったと思います。
誰かに「ありがとう」とお礼を書く時に、「どの便箋を使おうかな?」とか「どの色で書こうかな?』とか考えること、
それが相手に送るという気持ちの表われですものね。すごく大事なことだと思います。
―――手紙を読むというのは役としてセリフを読むのとは違うと思いますが、
どのように感情で読まれているのですか?
◆ 剣 幸
書いた人の状況や時代もあるし、何を伝えたかったかということが一番大事だと思うんですよね。
それが伝われば良いなと思っているので、書いた人の気持ちになって読むこともあるし、
客観的に捉えて、この人はこういうことをこの人に伝えたかったんですよという喋り方もある。
それは私が手紙から感じ取ったものを私なりに解釈してやっているので芝居とは全然違いますね。
一番大事なのは、その方が書いた手紙の内容を間違いなく伝えたいという思いです。
―――『恋文コンサート』は、剣さんにとってどういうものなのでしょうか。
◆ 剣 幸
私は舞台人で、すごく舞台が好きです。スレートプレイやミュージカルは、
どの国の人でも、どんな年代でも表現できるという“ある”ものを演じるという面白さがあるのですが、
それはものとしてちゃんと“ある”中で自分をどうやって活かしていくかということだと思います。
この『恋文コンサート』は、私が「この歌を聞いてもらいたい」「素敵な手紙がありましたよ」と、
直接見てくださるお客様にお届けできます。自分が考える感動を共有できるわけで、
自分で全て作ることができるという面白さは、“ある”ものを演じるのとはまた全然違う感覚です。
もちろん大変な部分もあるのですが、その一生懸命探してきた後に、
自分の中に残るものやお客様が言ってくださる言葉(感想)を聞いて、「よし、また次頑張ろう!」と思えますし、
舞台人の私にとっては唯一これがあるから「また一年やるぞ」と」いう気にもさせてもらえるものです。
私自身も、その手紙や歌に助けられたり力を貰ったりしているので、できる限り、続けていきたいものだし、
みなさんに観ていただけたら嬉しいなと思っています。
―――最後にメッセージを。
◆ 剣 幸
時代を越えた手紙もあるし、すごく身近なものもある。
そういう中で人間って笑って、泣いて、面白いんだよという人間くさいところがみなさんに伝わればいいかな。
舞台の役とは違う、私自身が選んだものなので、あの空間を一緒に味わっていただけたらと思いますし、
終わった後に身近な人にちょっと手紙でも書いてみようかなと思っていただけたら嬉しいです。
歌と手紙の朗読で綴る恋文コンサート
『剣幸kohibumi concert in MUSICASA』
出演:剣 幸
紺野紗衣(ピアノ)
期間:2019年3月14日15:30〜、19:00〜
2019年3月15日14:00 完売
会場:代々木上原ムジカーザ
料金:6,000円(全席指定)
公式サイト
取材協力【MERCER BRUNCH TERRACE HOUSE TOKYO】
一面ガラス張りのデザイナーズビルの最上階で、焼きたてフレンチトーストのブランチ&ステーキが楽しめるお店です。
ランチ:【平日】11:00〜17:00(L.O 16:30)/【週末】10:00〜17:00(L.O 16:30)
ディナー:【日〜木・祝】〜23:30/【金土祝前日】〜24:00
【定休日】無休(5Fは日曜定休)
アクセス:東京メトロ千代田線・銀座線・半蔵門線【表参道駅】B2番出口 徒歩2分
マーサーブランチテラスハウス トウキョウ 公式サイト
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