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可児市文化創造センター+リーズ・プレイハウス日英共同制作公演 『野兎たち』記者発表会見 2020年01月

(2020年01月28日記載)

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可児市文化創造センター+リーズ・プレイハウス日英共同制作公演
『野兎たち』記者発表会見


公演概要(リリースより)

日本・英国の国際共同制作公演、いよいよ開幕!
可児市文化創造センターと英国リーズ・プレイハウスは、
地域の人々の「生きがいづくり」「居場所づくり」に力を注ぐ、日英を代表する地域劇場です。
両劇場は2015年に劇場提携を結んで以来、スタッフやアーティストがお互いの文化活動を学び、
地域コミュニティの中での劇場の役割に関しての概念を共有してきました。
そして2020年、本作でいよいよ演劇作品の共同制作に挑みます。
可児市文化創造センターから始まったこの演劇公演は、可児市だけに留まらず、
東京(新国立劇場)、英国(リーズ・プレイハウス)でも上演します。


あらすじ

可児市・中村家に、ロンドンで暮らす娘・早紀子が、婚約者・ダンとその母・リンダを伴い帰ってくる。
母・千代が迎え入れ、しばし流れる、和やかな異文化交流の時間。
だが早紀子は様変わりした自室や、娘の帰省を知りつつ不在を決め込む父・勝に不信感を募らせ、
「 “違う生き方”を選んだことで、自分は今も両親に罰さられているのだ」と鬱積した想いをダンに吐露する。
やがて、早紀子の兄・弘樹の見舞いと称して、彼の同僚が来訪する。名古屋で妻と暮らすはずの兄。
次第に、知られざる家族の姿が浮き彫りにされていく――。


キャスト/スタッフ

キャスト:スーザン・もも子・ヒングリー、小田豊、七瀬なつみ
サイモン・ダーウェン、アイシャ・ベニソン、田中宏樹、永川友里
演出:マーク・ローゼンブラット+西川信廣(文学座所属)
プロデューサー:衛紀生(ala館長兼劇場総監督)


記者発表会見が行われました。(2020年1月16日)


◆衛紀生(ala館長兼劇場総監督)/プロデューサー



私が初めてリーズ・プレイハウスと出合った時に、市民の皆さんが楽しそうに集っている様子を見て、
このような劇場が日本に10もあれば、日本人は幸福感を持って生活できるんじゃないかと思いました。
アーラとリーズ・プレイハウスは2015年に提携関係を結ぶことができました。
アーラはプレイハウスを目標として追いつこうという気持ちで創ってきました。
(現リーズ・プレイハウス芸術監督の)ジェイムス・ブライニング氏が
「これからプレイハウスも社会包摂をさらに進めていきたい」と話したと聞きました。
私どもも同じ足並みでプレイハウスと進めていく。その第1ページ目がこの制作だと思っています。
今回の大きな事業での私の役割は90%終わっていると思っています。
あとは、ここにいる演出家、役者、スタッフの皆さんに託したいと思います。
どうぞ、よろしくお願いします。

◆西川信廣(文学座所属)/演出


いま衛さんからお話があった通り、リーズとアーラが今までやってきた仕事の集大成であり、
同時に新しい関係のスタートだと思っております。これまでアーラで衛さんと色々な仕事をしてきましたが、
まさかイギリスのプレイハウスと一緒に作品を創るとは思っていませんでした。
先月12月からリーズで稽古を始めて、共同演出のマーク(・ローゼンブラット)と一緒に、
お互いにあるものを出し合い、無いものを補い合うことを繰り返してきました。
現在は一番大変なときで産みの苦しみという状態です。
しかし、とてもいいカンパニーなので、良い作品になるのではないかと思っています。

◆マーク・ローゼンブラット/演出


私は共同演出で、リーズ・プレイハウスではアソシエイトディレクターをしています。
衛さんとジェイムス・ブライニングが最初のアイディアを持ち「社会の片隅に追いやられた人たちの
話をやりましょう」ということで、日本とイギリスの両方の観客が何か感じられるものにしていこうと思いました。
3~4年前に、日本人とイギリス人の登場人物を出して、そのミックスで何か戯曲が書けないかと考えました。
日本の文化をリサーチいていく中で、興味深かったことは、日本では失踪したり行方不明になったり、
突然いなくなる人が多いということでした。それは社会のプレッシャーがすごくあり、
そこで消えてしまう人たちがたくさんいるということを知りました。
一番重要なのは、人が失踪した後に残された家族はどうやって、そのことに向かっていくのか。
それはすごく難しいことでしたが、作者であるブラット(・バーチ)さんが記録にしました。

◆ブラッド・バーチ/作


観客の心を打つような戯曲をイギリスと日本の観客の皆さんに観ていただくことは、
とても光栄なことだと思っています。演出家のマークさんが色々と説明してくれました。
行方不明や失踪してしまった人たちを探求していくと、このテーマは誰もが知っているような家庭で、
誰しもが起こり得ることだと思うのです。苦しみ、もがきながらそれに対応している人たちを描いています。

◆サイモン・ダーウェン/ダン・ヒューズ 役


素晴らしい劇場で仕事ができることを嬉しく思っています。
2月ここで公演をしますが待ちきれない気持ちです。
以前に仕事をしたことがあるイギリス人の役者さんや尊敬している作家、演出家の皆さんと一緒に
お芝居を創っていけることは嬉しいし光栄なことだと思っています。また日本人のキャスト、
スタッフと一緒にやっていけることに喜びを感じています。演劇を創るときの稽古の進め方は
どこでも同じかと思っていたのですが、色々と違うことがあります。
劇場が歓迎してくれるホスピタリティーにも感動しています。
イギリス人と日本人の登場人物が出てきますから言葉の違いもありますが、同じ言葉を喋っていても、
コミュニケーションが無いということはよくあることなので、このコミュニケーションの大切さと
いうことをとても大事に演じていきたいと思います。

◆アイシャ・ベニソン/リンダ・ヒューズ 役


イギリス以外の外国でも色々な仕事をしているのですが、今回は本当に素晴らしい経験です。
日本人の役者さんと芝居を創るということは初めてで、稽古の時でもやり方が違うんだなと
思うこともありますが、こうやってお芝居を創っていくのは、家族を創っていくのと同じ。
(芝居の中でも)家族を演じているので、みんなで楽しくやっていっています。
今回の作品づくりは役者にとって素晴らしいアドベンチャーです。

◆スーザン・もも子・ヒングリー/中村早紀子 役


私は普段イギリスに住んでいるのですが、東京生まれで、母が日本人です。
ずっと向こうで芝居をしてきましたが、日本で日本語で演技がしたいという気持ちがあったので、
このオーディションのお話が来たときは燃えました(笑)。
早紀子役を演じることこができるのは、とても嬉しく幸せなこと。頑張りたいと思っています。
今回、可児に来てお稽古をしていますが、私の演じる早紀子は可児生まれ、可児育ち。
物足りなくなって海外へ行き、ダンと出会います。その後、渋々婚約相手を故郷に連れて
帰ってくるのですが、そこで色々なハプニングがあるわけです。
自然がきれいな可児では、ボランティアの方々にも支えていただいております。
ここでお稽古をするからこそ身につけられるものがあると思うので、
それが演技の中に入れられたらと思っています。頑張ります。

◆小田 豊/中村 勝 役


アーラとリーズでこういう芝居をやると衛さんから聞いたときに、そればぜひやりたいと思い、
実際にやることになり嬉しく思っています。これが単なる翻訳劇ではなくて、作家も共同作業でやっていて、
素晴らしい俳優さんたちと頑張っています。芝居の創り方がイギリスの人たちと、
日本で芝居を創っていく過程が非常に違うので苦労しますし、いま産みの苦しみで頑張っています。
ぜひ、この公演がアーラとリーズのためにも成功することを祈っています。

◆七瀬なつみ/中村 千代 役


アーラとリーズ・プレイハウスの共同制作第一弾ということで、興味深い作品に参加できることを
とても嬉しく思っております。アーラに滞在してお稽古をするのは3年ぶり2回目となります。
お芝居のことだけに集中して、自然豊かなところで過ごせるということは、役者として、
とても幸せな時間を過ごしています。イギリスチームとのコミュニケーションは多少苦労はしていますが、
刺激的で良い作品づくりができているなと感じています。私は、もも子さんの母親役を演じるのですが、
イギリスで頑張っている娘がフィアンセとそのお母さんを連れて帰ってくるという、
とても幸せなお話しで始まるのですが、それぞれの家族の色々な問題が出てくる。
コミュニケーションの大切さを描いている作品ですが、家族はとても近い存在なのに、
近いからこそコミュニケーションをとることが難しいみたいなことを感じる作品で、家族って何かな?とか、
人の幸せとは何かな?とか。そういうことを感じていただける作品になると思います。
たくさんの方に観ていただけたらと思います。

◆田中 宏樹/斎藤 浩司 役


この作品はブラッド・バーチさんが、日本の文化を尊重して、理解して書いてくれた作品です。
しかも日本が舞台になっている舞台を書いてくださったので、僕たちも本に負けないように
良いお芝居をしなきゃいけないなと思っています。スタッフもキャストも、イギリス人と日本人ですが、
違うからこそ、お互いに支え理解し合おうとしているので、とても温かい現場ですね。
ただ登場人物は、皆とても苦しんでいる。僕も彼ら(登場人物)に負けないように、
この可児市の空気を吸いながら、稽古場でもがき苦しんで良いもの創っていきたいと思います。
どんな場所の人でも、それぞれ感じていただけるものがあると思いますので、
たくさんの方に観て喜んでいただきたいです。

◆永川 友里/中村 康子 役


このアーラとリーズ・プレイハウスの企画に参加できることを幸せに思います。
この作品を読んで、役づくりの中で色々と考えていることがあります。
家族や夫婦のあり方、幸せ、孤独って何だろうな?と毎日自問自答しています。
正解はないのかもしれませんが、自分なりの答えをこの稽古中に見つけ出せたらいいなと思っています。
私は東京出身なのですが、演じるのは岐阜出身という設定。毎朝、可児川沿いを歩いていると、
あぁこういうところで暮らし育ったんだな〜と、滞在しているからこそできる役づくりがあるので、
そういう環境を作っていただけたことがすごく幸せです。
イギリスチームと日本チームの家族のあり方、良い化学反応を舞台上で見せられたらいいなと思います。

(取材:住川禾乙里/撮影:伊藤華織)



 

 

可児市文化創造センター+リーズ・プレイハウス日英共同制作公演

『野兎たち』

 

東京公演 2020年2月8日(土)~2月16日(日)

可児公演 2020年2月22日(土)~2月29日(土)

リーズ公演 2020年3月12日(木)~3月21日(土)

 

公式サイト

 

 

 
 

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