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開幕目前 現代能楽集Ⅹ『幸福論』~能「道成寺」「隅田川」より に出演の
瀬奈じゅんさんのコメントが届きました!
世田谷パブリックシアター芸術監督である狂言師の野村萬斎が企画・監修を務める「現代能楽集」シリーズは、
芸術監督方針である「地域性、同時代性、普遍性」「伝統演劇と現代演劇の融合」「レパートリーの創造」という
三つの柱にもとづき、古典の知恵と洗練を現代に還元し、現在の私たちの舞台創造に活かしていきたいという
考えから、生まれたシリーズです。
2003年以降、川村毅、鐘下辰男、宮沢章夫、野田秀樹、倉持裕、前川知大、マキノノゾミなど、
日本の演劇界を代表する錚々たる顔ぶれが作・演出を手掛けてきました。それぞれが能の物語に着想を得て新作を書き下ろし、
時には能の演出手法に触発されながら、新たな「現代能楽集」を生みだしてきました。
記念すべき第10弾となる今回は、近年、演劇賞を立て続けに受賞している、気鋭の劇作家/演出家・瀬戸山美咲と、
たぐいまれな筆力をもつ劇作家・長田育恵により、今を生きる私たちのための現代演劇を創作。
出演者6名は「道成寺」「隅田川」でそれぞれ異なる役を演じ、それぞれの幸福論を立ち上げます。
「道成寺」では、父・母・息子の幸福な家族がさらなる幸福を激しく求めた結果の悲劇を描き、
「隅田川」では、運命的に出逢う3世代の女たちが、誰の目も届かない社会の片隅でありえるかもしれない物語が紡がれます。
現代に生きる人々の幸福とは何なのか。是非劇場でご体感ください。
ーーー現代能楽集Ⅹ『幸福論』~能「道成寺」「隅田川」の出演依頼をどのように感じましたか?
また、ご出演を決断されたいきさつなどありましたら教えてください。
◆瀬奈じゅん
『現代能楽集』は、野村萬斎さん(世田谷パブリックシアター芸術監督)が企画・監修されるシリーズとして存じ上げていて、
その一員に加わることができるという喜びをまず感じました。これまで狂言や日本舞踊には触れてきたけれど
能には関わったことがなかったこと、シアタートラムの濃密な空間でじっくりと芝居ができることも楽しみで
ぜひ挑戦したいと思い、お受けしました。
ーーー壱「道成寺」で演じられる作家・安藤千佳、弐「隅田川」の家裁調査官・真鍋夏帆の役どころや、
演じるにあたっての意気込み、稽古に入っての発見などを教えてください。
◆瀬奈じゅん
「道成寺」で演じる安藤千佳は、小説教室の講師も務める作家。高橋和也さん演じる生徒と、
その家族の真実の姿を引き出す、そんな役割も担っています。
私の出演場面は高橋さんと二人きりで対峙するのですが、
場面によって全く異なる安藤をお見せしたいと思っています。
「隅田川」の真鍋夏帆は家裁調査官で、結婚もしているキャリアウーマン。
台本を読んで真っ先に感じたのは、順風満帆に見える彼女にも、人知れぬ闇があるということ。
いずれの作品も、登場人物は何かしらの満たされない想いを抱えています。
ベースとなっている能の「道成寺」も「隅田川」も、いずれも「幸福」というキーワードは浮かびにくい作品。
現代劇に置き換え、原作のエッセンスを含む登場人物がそれぞれの闇を明らかにしていくことで、
「幸福とは何か」を見つけるため歩んでいく……そんな力をお客様に与えられたらと願っています。
ーーー今回の公演タイトルは『幸福論』。ここ最近で、瀬奈さんが“幸福”を感じたエピソードをお聞かせください。
◆瀬奈じゅん
コロナ禍の影響で出演予定だった公演が中止になり、これまでにないほど家族と向き合う時間が訪れました。
ずっと一緒にいて、美味しいものを食べて、雪遊びをして…三食ご飯を作り続けるのは大変でしたけれど(笑)。
不謹慎かもしれませんが、とても幸せな時間でした。
また、「私は何をしたいのか」をじっくり考えるきっかけともなりました。必要なことやそうでないこと、
様々なことをそぎ落とし、最終的に行き着いたのは「お客様に楽しんでいただきたい」ということ。
今回の『現代能楽集』のようなシリアスな舞台でも、正反対のコメディ作品でも、
「こんな瀬奈じゅんを見てみたい」と想像を膨らませていただけるような女優であり続けたいという結論に至りました。
ーーー最後に、観客の皆様へのメッセージをお願いいたします。
◆瀬奈じゅん
大手を広げて「観にいらしてください!」とは言い難いのが正直なところではありますが、
私たちは俳優として、生きるべき場所で生きています。
出演者もスタッフの皆さんも細心の注意を払い、開幕に向けて努力を重ねています。
「道成寺」「隅田川」二つの作品を通して皆様にとっての「幸福」を見つめ、
明日に向かって歩んでいく活力としていただければ。
また、ライブならではの臨場感も味わっていただければ幸いです。劇場でお待ちしています。
現代能楽集Ⅹ『幸福論』~能「道成寺」「隅田川」より
日程:2020年11月29日(日)~12月20日(日)
チケット好評発売中
※12月10日(木)19:00公演終演後には瀬奈じゅんさん、
長田育恵さん、清水くるみさんによるポストトークを開催。
会場:シアタートラム
作:長田育恵(弐「隅田川」)・瀬戸山美咲(壱「道成寺」)
演出:瀬戸山美咲
企画・監修:野村萬斎(世田谷パブリックシアター芸術監督)
出演:瀬奈じゅん 相葉裕樹 清水くるみ 明星真由美 高橋和也 鷲尾真知子
お問い合わせ:世田谷パブリックシアターチケットセンター
03-5432-1515(10:00~19:00)
https://setagaya-pt.jp/performances/202011koufukuron.html
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