情報紙から飛び出した 演劇系エンタメ サイト
Copyright Since1999 情報紙ターミナル
Copyright Since2010 株式会社ERIZUN

ミュージカル『いつか~one fine day 2021』に出演する藤岡正明さん、西川大貴さんインタビュー 2021年05月

(2021年05月20日記載)

『エンタメ ターミナル』では舞台を中心としたエンターテインメント関連情報をWEB記事として発信しています。
掲載内容は、掲載日付のものとなりますので、最新情報は各自ご確認ください。

※ 記事・写真等の無断使用・無断転載は禁止しています。なお、リンクはフリーです。

 
この記事おススメ!って思った方は   をクリック!
Loading...

ミュージカル『いつか~one fine day 2021』に出演する
藤岡正明さん、西川大貴さんインタビュー


(写真左から)藤岡正明さん、西川大貴さん

関連記事→速報!『いつか〜one fine day』 2021年6月CBGKシブゲキ!!にて公演決定!
https://enterminal.jp/2021/02/itsuka2021/

あらすじ

保険調査員のテル(藤岡正明)は後輩・タマキ(大薮丘)の担当だった仕事を引き継ぐよう
新任の上司・クサナギ(藤重政孝)から命じられる。
それは交通事故で植物状態の女性・エミ(皆本 麻帆)の事故の原因を調べるというもの。
しかし、エミの代理人・マドカ(松原凜子)と友人・トモヒコ(西川大貴)は調査に非協力的で敵対。
仕事が進まないなか、病死した妻・マキ(浜崎香帆)のことをまだ整理できずにいる
テルに声をかけてきたのは、意識がないはずのエミだった。
俄かには信じがたいと思いながらも自分にしか見えないエミと交流を重ねるうちに、
事故の陰に幼い頃にエミを捨てた消息不明の母親・サオリ(土居裕子)の存在が浮かび上がってくる。

Based on the Korean Motion Picture ‘One Day’ directed by LEE Yoon-ki and produced by Invent Stone.
©2019, Musical ‘いつか~one fine day’ was developed by conSept LLC.

藤岡正明さん、西川大貴さんインタビュー(2021年5月11日 取材・撮影・文:栗原晶子)

2021年6月9日から20日までCBGKシブゲキ!!にて上演される
オリジナルミュージカル『いつか~one fine day 2021』。
初演につづき主役の夏目テルを演じる藤岡正明さんと、新たに田亀トモヒコを演じる西川大貴さんに、
作品への思い、役柄やカンパニーついてお話を伺いました。

ーーー 2019年から2年の時を経ての再演となりますが、初演からの思いをお聞かせください。

◆藤岡正明
『いつか』の初演、初日が終わった時は、正直不安だったことを覚えています。
やはり大きな、大きな答えのないテーマを抱えた作品なので、どう受け止められるだろうと。
でも公演を重ねていくなかで、お客様からは「考えさせられた」「人がそこに生きている感じがして刺さった」
「このテーマ(尊厳死についてなど)を考えるきっかけをもらえた」という、たくさんの感想をいただきました。
我々は問題提起をしたいわけではなくて、こういう生き方、人生の終わらせ方を選ぶ人がいる、
そういう人の気持ちってどこにあるんだろう、それを完全にわかることは出来ないけど、
わかろうという努力を積み重ねて、提示しただけでした。
だからお客様からの声に報われた部分が大きかったですね。
結果として、この作品に参加できてよかったという喜びに変わりました。
今回はあまり大きな荷物をお客様にも自分にも背負わせたくないなと思っています。
それはコロナ禍という状況があって、今、生活している誰しもが大きな荷物を抱えているから。
だから僕自身はあくまで、作品の中でテルとしてそこにあり続けたいなと思っています。




◆西川大貴
僕は初演を劇場で観ていまして、ここ数年で観たミュージカルの中でトップ3に入る作品だなと思っていました。
繊細なテーマを扱ったこの作品について、演出の板垣(恭一)さんは現代の日本、
今生きている人たちにとっての何かギフトになるような作品として、
このミュージカルを舞台の上にあげてみたかったとおっしゃっていました。
僕もオリジナルミュージカルを作るのでわかるんですが、それってとてもバランスが難しい。
「なんでミュージカルにしたんだろう」とか「無理やり明るい曲でごまかそうとしてるけれど、
現実ってそんなにハッピーじゃねーぜ」って思っちゃったりすることもある。
でも、この作品はそういうアンバランスさが一切ないんです。植物人間になってしまった女の子が
(藤岡さん演じる)テルの目の前に現れて……っていうファンタジー的なものと、
リアリティ―がすごくうまく合わさっていて、お芝居と音楽が調和している作品。
実際、本読みに参加してみると、セリフ量も多いのに、音楽が空間を支配していて、作品の中にずっと流れているように感じます。
物語の着地が受け入れられるように、音楽の力が作用しているなと初演を観た時も思いましたが、
演じる側になってもやっぱりそうで、この作品がミュージカルである意味を改めて感じていますし、
その作品に出演できる喜びを感じています。


ーーー 作品の中で歌われる曲についてお聞かせください。

◆藤岡正明
僕、実はソロ曲ないんですよね。ずーっと出てるんだけど。
エミやマキとか誰かと歌ってて。あってもプチソロって感じなんです。

◆西川大貴
え、そうですっけ? 個人的には、表題曲でもある「♪いつか」の中でマサさんが歌う早口っぽいところが好きです。
あの言葉とリズムのハマり方が最高なんです。

◆藤岡正明
あれね! でも曲ってことで言ったらトモが歌う「♪金魚鉢」は、書きおろしの新曲ですよ。
今回、単純に過去をなぞるわけじゃなくてこの『いつか』っていう作品を、
我々が稽古に入るずっと前から板さんと(作曲家の桑原)まこちゃん、
プロデューサーの宋さんを交えて新たに進化させようっていう思いの表れだと思うんですよね、新しい曲を作るっていうのは。
そこに注目してもらいたいし、なんと言っても今回トモを演じるのが西川さんということで……。
2021年の『いつか』を決めるのは、西川さんのあの歌だと!(笑)。

◆西川大貴
勘弁してくださいよ。でも、そうなんです、板垣さんから「新曲は当て書きだから」って言われて、
嬉しい話なんですけど、今の話でプレッシャーに負けそうです(笑)。
今回はトモがテルに対してディスるだけの歌じゃなくて、寄り添うというか、提案するような内容になっていると言われています。

◆藤岡正明
前回のトモの曲は、僕に対して直接的に「偽善者」って責める歌だったんですよね。
でも「♪金魚鉢」は僕よりももっと向こう側にいる人に対して歌っている、そういうアプローチの曲だと思います。
トモがテルを見ながら歌ったとしても、実は向いているアングルっていうのはやっぱりお客様であって、
それがより強くなっている印象ですね。
今度のトモの歌では、励まされたりもするんですよ。だからそれをどうキャッチできるのかがこの曲に関しての個人的な課題です。

ーーー 初演時と今では私たちを取り巻く環境も変わってきていますよね。
2021年のテルとトモは、それぞれどんな魂を持った人間だと捉えていらっしゃいますか?


◆藤岡正明
そうですね、初演の時はトモが「俺はゲイだ。LGBTのGだ。」って言ってたのが、今回は「LGBTQIAのGだ。」になりましたね。
そういう背景もありつつ、僕が演じるテルは、そもそもは強い意志を持って何かに取り組むような人ではなく、
反骨心とかバイタリティーに対しては割と疎いタイプだったんじゃないかと思うんです。普通の幸せを普通に喜べる人。
世の中には、仕事に生きる人、お金や夢や趣味、恋人や友人や家族に生きる人、一人で自由に生きる人もいます。
その中でいうとテルはきっとマキちゃんという奥さんとこれから先、一緒に歩んでいって、
子どもが生まれたり、小さいながらもマイホームを建てたり、ちょっといいものを食べに行って喜んだり。
そういうことに幸せを見出して喜びに変換できる人だったんだと思います。
だから奥さんの死があって、テルの魂の色って変わったんじゃないかなと思っていて。
マキと二人のシーンでは、変わる前の色も見えると思います。
そんなマキとの関係があったからこそ、エミと出会った。というか、
それがなければテルには見えなかったと思うんです、エミのことが。

◆西川大貴
トモが抱えている要素って元々多い上に、設定が少し変わったりして、
まだトモって人間のことをこうだ! と断言できる段階ではありません。
でもただ、強くて弱い人、弱くて強い人。自分がトモのことを理解できる部分もたくさんあるけど、
きっと理解できないところもたくさんあるし、もしトモがここにいたとしたら、
人として納得できないなって思うところも正直あるんじゃないかなって思います。
新しい稽古場に入る時はいつも「よし、次の舞台も頑張るぞ!」って意気込みで行くんですけど、
入った初日に「アレ、芝居ってどうやるんだっけ?」ってなっちゃうんですよね。
今、久しぶりにその感覚を味わっています。最初から決めてかかると何にも出来なくなる役だなと思うし、
頭で考えれば考えるほど、乖離してしまうような気がして、だから(稽古初期の今は)参考になる映像を見たり、
トモになるためのカケラを集めているところです。

ーーー トモはテルの後輩、タマキのような「ポンコツが好みだ」と告白しますが、お二人はどんなタイプの人が好きですか?

◆藤岡正明
仕事とプライベートではやや違うんですよね。
よくアドリブとかいれて自由人だねって言われるんですけど、
実は稽古場で試しつつ、本番までにかっちりFIXしていくタイプなんです。
だから稽古場でいつまでもセリフ覚えてないとか、準備出来てないことが続く人とか見るとね……。
こう見えて仕事に関しては僕、かっちりタイプなんです。
でも、プライベートでは逆で、ある程度抜けている人のほうがほっこりするというか。
異性のタイプでいうと、何でもやってくれちゃう面倒見のいい人いるじゃないですか、
「もう、こんな散らかして!」とか言って全部やってくれる感じの人、ダメなんですよ、僕。
一人暮らしも長かったし、割と自分で家事も出来ちゃうので、管理されるの苦手なんです。

◆西川大貴
不器用な人、好きですね。生身っぽいっというかね。器用だとその人自身が見えない気がして。
そういう人よりは、人間として不器用な人。
あ、でも「私、不器用なんで……。」って言って何もやらないとかそういうことではないんですけど。

◆藤岡正明
自分で言っちゃうやついるよね。「不器用なんで……」とか、逆に「器用貧乏なんで……」とか。あれ嫌いなんだよなぁ。

◆西川大貴
わかる……(笑)。恋愛はヘンな人が好きですね。ヘンな部分がないとドキドキしないです。
いろんなヘンがあると思うんですけど、ちょっと発言がズレてるとか、
あくまで自分基準だけど「あ、そこ半歩ズレて考えるんだ」みたいなのがあるといいな。

◆藤岡正明
不器用でヘンな人って、(エミ役の)皆本麻帆しか出てこなかったんだけど(笑)。
彼女は俳優としてはとても器用だけど、トークとかすると本当に不器用だなって感じじゃない?

◆西川大貴
え、それ答えにくい……。でも麻帆は生身感がある女優さんだし、めちゃくちゃ稀有な存在だと思います。
2017年のミュージカル『Second of Life』では演出家と俳優という関係だったので、なんかちょっと気恥ずかしい部分もあるし、
さかのぼると2001年に僕が初舞台を踏んだ『アニー』で一緒だったんですけど、スマイル組とトゥモロー組で分かれていたので、
実は舞台での共演は初めてなんです。
当時は主役のアニーとミュージカルが何かもわからないタップダンス教室に通う少年だったのが、
今回エミとトモはソウルメイトという関係だし、なんか、感慨深いですね。いろいろ話し合いながら進めていきたいと思います。

◆藤岡正明
エミの母親・サオリ役の土居(裕子)さんもチャーミングでほんと、昔から大好きなんですよ。
エースストライカーの風格がありながら、ちょっと抜けている感じというか、自然体で可愛らしいんですよね、全然あざとくないの。
それが許される数少ない大人の女優さんだと思います。

ーーー 公演本番に向けて、どんなカンパニーになりそうですか?

◆西川大貴
カラーがいいカンパニーだなって思います。薄桃色、水色、萌黄色みたいな、調和が取れている感じ。
あるじゃないですか、そういう色の中に一人だけショッキングピンクがなんで混ざってる?みたいな(笑)。
でもこのカンパニーにはそういうのはないです。
皆さん個性はあるけど、似ている要素が入っている感覚があって面白いし、素敵なカンパニーだなと思います。
ディスカッションもたくさん出来そうです。板さんとは2度目なんですけど、たくさんしゃべってくださる演出家さんなので、
負けじと途中でカットインしていろいろ質問していこうと思っています。

◆藤岡正明
作品作りってチームプレーなんです。そのためには皆が能動的でないといけないんですよね。受け身でいるだけではもったいない。
でも「能動的であれ」といわれてそうするのはその時点ですでに能動的ではないじゃないですか。
自分から何かを持ち込んだり、挑戦したり、試してみたりしやすい現場が必要なんだなと。
そういうカンパニーにしたいなと思いますし、その点に関してはすでに手ごたえを感じてます。
皆、もう試し始めていて、生き生きとしている感じがするんですよね。

ーーー 劇場は前回のシアタートラムからCBGKシブゲキ!!に移りますね。

◆藤岡正明
シアタートラムも大好きな劇場なんですけど、今回シブゲキ!!になったことで、
観終わった後、劇場を出た時に広がる街の景色が、今観てきた『いつか~One fine day』という作品の世界と
そのままつながっているように受け取ってもらえるんじゃないかな。
ファンタジーでありながらドラマなので、たぶん劇場に入る前と出た後には違う景色を見てもらえるんじゃないかと思います。

◆西川大貴
初演を観た時に、すごく光を感じる作品だなと思ったんです。
マサさんがおっしゃったように、ファンタジー要素はありながらもドラマとして、
繊細なテーマを扱っているのに、光を感じるのが素晴らしいと。
それこそ渋谷の景色が劇的に何か変わるということではなく、半歩変わって見えたらいいなと思っています。
人間の体調とか気分ってあっという間に変わっちゃうじゃないですか。
前日は絶好調だったのに、ちょっと失敗したり、嫌なことがあるだけでガクンって落ちちゃうこともある世の中だから、
その半歩のエネルギーというのが大きいし、大切だと思うんです。ぜひ光を感じに渋谷に来ていただきたいですね。

ミュージカル「いつか~one fine day 2021」PV情報


<ミュージカル「いつか~one fine day 2021」PV>
https://youtu.be/Gk_Yv-SPN1U

<期間限定6月20日(日)まで「いつか〜one fine day」 in Concertで楽曲をチェック!>

【期間限定】私を見て -「いつか〜one fine day」in Concert –
https://youtu.be/Ft0i1SrM5ls

【期間限定】やりたいこと -「いつか〜one fine day」in Concert –
https://youtu.be/vB1xEyBFhFo

【期間限定】ロミオとジュリエットとハムレット -「いつか〜one fine day」in Concert-
https://youtu.be/afDVRnd6dZQ


 

 

ミュージカル「いつか~one fine day2021」

 

期間:2021年6月9日(水)~6月20日(日)

会場:CBGKシブゲキ!!

上演時間:125分予定

 

STAFF:

脚本・作詞・演出:板垣恭一

作曲・音楽監督:桑原まこ

 

出演:

藤岡正明 皆本麻帆

松原凛子 西川大貴 藤重政孝

大薮丘 浜崎香帆

土居裕子

 

チケット代金:一般10,500円/平日ソワレ割9,500円(全席指定・税込)

 

https://www.consept-s.com/itsuka2021/

 

 

 
 

情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。

[ PR ]