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ミュージカル『GREY』主演 矢田悠祐さん、演出家 板垣恭一さんインタビュー 2021年10月

(2021年10月23日記載)

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ミュージカル『GREY』主演 矢田悠祐さん、演出家 板垣恭一さんインタビュー 




★関連記事→conSept Musical Drama #6 ミュージカル『GREY』アフタートーク開催決定!

公演について(リリースより)


日本ミュージカル界大注目のコンビ、板垣恭一(脚本)と
桑原まこ(音楽)による初の書き下ろし完全オリジナル新作が、
2021年12月に俳優座劇場で開幕!




Books & Lyrics by Kyoichi Itagaki / Music by Mako Kuwabara

矢田悠祐 高橋由美子
佐藤彩香 竹内將人 梅田彩佳 遠山裕介 羽場裕一

ミュージカル『いつか〜one fine day』で高い評価を得た板垣恭一と桑原まこのコンビが、3年振りに新作を紡ぐ。
「社会派エンタメ」を標榜する板垣が今回テーマにしたのは“SNS社会とコミュニケーション”。
板垣特有の軽やかなストーリーテリングに乗せて人の心の闇に迫る。
また言葉に寄り添いじんわりと体の芯に染み込むような音楽を紡ぐ桑原の楽曲がこのテーマにどんな力を与えるのか期待大だ。

そしてconSeptによるミュージカル・ドラマシリーズ6作目となる本作には、
conSept作品初主演となる矢田悠祐をはじめ、オーディションでヒロイン役に大抜擢された佐藤彩香など
個性溢れる出演陣が集まった。

“そんなに優しくなんてなれないよ”

どうしたら、優しくなれただろうか
そんなつもりじゃなかったのに・・・と後悔する出来事の一つや二つ誰だって思い当たる節はある。
嫉妬、羨望、劣等、欲望、怯え、不安・・・傷つけ突き放す理由なんていくらでも思い当たるのに、自分は違うと蓋をしてしまう。
後悔しているのに、それでもその人をちゃんと認めて、向き合って、寄り添う事が途方もなく難しく感じてしまうときがある。
どうしたら、君に優しくなれただろうか。

これは一人の若い女性の自殺未遂をきっかけに、登場人物たちがそれぞれの“リアル”について自らに問う物語だ。

新星からベテランまで、この組み合わせからドラマが始まる!
主演の西田藍生(にしだ・あおい)役を務めるのは2.5次元作品からブロードウェイ・ミュージカルまで
幅広い才能で活躍する矢田悠祐。西田が構成作家を担当する劇中のテレビ番組「ザ・レジェンド・メーカー」の
悪い噂を暴こうとする局員・九条紫(くじょう・ゆかり)役は、アイドル歌手を経てミュージカルのフィールドで
早くから活躍してきた高橋由美子が務める。「ザ・レジェンド・メーカー」がきっかけで自殺を図る
ヒロインのshiro(しろ)役は、オーディションがきっかけでこの役を掴んだ新星・佐藤彩香が演じる。
西田とshiroの友人でカメラマンの羽生金銀(はにゅう・きらり)役を今年『レ・ミゼラブル』のマリウス役で
注目を集めた竹内將人が、野心家な美人アナウンサーの室井茜(むろい・あかね)役を、元AKB48のメンバーで
卒業後は着実にミュージカル俳優としてステップアップしている梅田彩佳が演じる。
また『モーツァルト!』のシカネーダー役など、近年の活躍が目覚ましい遠山裕介が演じるのは、
「ザ・レジェンド・メーカー」のプロデューサー、久世橙(くぜ・ともる)。
そして舞台・テレビドラマなど、幅広いジャンルで活躍するベテランの羽場裕一が、
「ザ・レジェンド・メーカー」の発案者である黒岩冬一郎(くろいわ・とういちろう)役を務める。
板垣恭一と桑原まこが織りなす意欲作のもとに、個性豊かな実力派が集った。


あらすじ


リアリティ番組に出演していた新人歌手が自殺した。
なぜそれは起きたのかの顛末を、エモーショナルな楽曲に乗せて送る群像ミュージカル。
藍生(あおい/矢田悠祐)は小説家志望で構成作家。欠員の出た番組に、学生時代のバンド仲間
shiro(しろ/佐藤彩香)を推薦する。
同じくバンド仲間だったカメラマン金銀(きらり/竹内將人)はそんな展開を喜びつつも心配げ。
番組プロデューサー橙(ともる/遠山裕介)や、局アナの茜(あかね/梅田彩佳)に可愛がられ、
shiroはたちまち人気者になる。
しかし番組スポンサーの一押しタレントより目立ち過ぎるという問題が起きる。
一方、テレビ局の報道局員、紫(ゆかり/高橋由美子)はshiroに別の思いを持っていた。
彼女は三年前に交通事故で亡くした娘みどりと似ているのだ。
紫の別れた夫で、番組を作った広告代理店の局担当、黒岩(羽場裕一)は番組存続のため
shiroの人気を下げる命令を現場に下す。皮肉なことにその責任が藍生に回って来ることで、物語は動き出す。


ミュージカル『GREY』主演 矢田悠祐さん、演出家 板垣恭一さんインタビュー
(2021年9月21日 取材・文:栗原晶子/写真提供:conSept)


2021年12月16日から26日まで俳優座劇場にて上演されるconSeptによるミュージカル・ドラマシリーズ第6弾『GREY』。
精力的に舞台出演を続ける主演の矢田悠祐さんと、
本作の脚本・作詞・演出を手がける板垣恭一さんに
『GREY』に関するキーワードをピックアップしながら作品に向けての思いをお話いただきました。 

ーーー 『GREY』は書き下ろしの完全オリジナル新作ですが、まずは作品の着想からお聞かせください。

◆板垣恭一

現代劇を作りたいと思っていたんです。conSeptの作品として
2019年に初演、今年再演された『いつか~one fine day』は韓国映画が原作でしたが、
オリジナルの登場人物も加えて作り上げた現代劇でした。
これを踏まえて、次は完全オリジナル作品が作りたいと宋プロデューサーと話を進めてきました。
現代劇を作りたいと思った理由は、今の演劇の世界が現代から目を背けすぎていないかと思っているから。
多くのお客様に気軽に観てもらえる現代劇が少ない気がしています。
僕が見てきた先輩方は、ちゃんと現代とエンタメを結び付けて、社会問題も練り込んだ作品を作っていたと思うんです。
井上ひさしさんしかり、つかこうへいさんしかり……。
90年代に入って作品の傾向は個人的な話と歴史大河ロマンに二極化したように思います。
数年前に二兎社が『ザ・空気』という現代劇を上演しましたが、これがとてもいい作品で、
お客様が多く観に来られていたんですよね。その事実もとても僕自身に刺さりました。
実は現代劇って求められているんじゃないかなと。

『GREY』はリアリティー番組に出演した若者がSNSの誹謗中傷によって自殺するという物語です。
架空の話ですが、皆が知っている事件などを組み合わせています。

こういう題材を真っ直ぐやってみようかなと思ったのが今作の着想の源です。

ーーー作品にはSNSが大きく取り上げられますが、今や皆さんにとってもSNSはとても身近なツールです。
どのように向き合い、どのように活用されていますか?

◆矢田悠祐

SNSは今の時代では必要不可欠なものだと思います。手軽に自分のことを知ってもらえますし、
発信したい情報を広げやすい、何かを介さなくてもストレートに届けられるのが利点です。
一方で、どこの誰かもわからない人の意見が簡単に目に入ったり、SNSがなかったら知る由もないことが
自分に届いてしまうという点は、自分の使い方が正しい正しくないに関わらず起こりうることで怖いですよね。
とはいえ、この先SNSなしで生きるっていうことは無理かなと思うので、難しいところです。
僕自身は発信に関しては、かなり注意深いほうだと思います。
もしかしたら、気をつけすぎて無難な発信になっているかもしれません。

◆板垣恭一
SNSって誰もが「何か言った気になれちゃうメディア」なんじゃないかと思っています。
「何か言った気にさせちゃえ」と思った人がいて、「誰が書いていい新聞の投書欄」のようなものを発明したんだと思います。
受け手がいる限りは自分の心のままに喋っているようでいて、「いいね」がつきやすいとか、
共感されやすい方に流れてしまいがちなんですよね。だからよほど強い意志を持ってコントロールしない限り、
自分の思ったことを言っているようで言わされちゃうという危険性を感じます。
この作品でも書きましたが、なぜバッシングが起きるのかと言うと、ほぼ間違いなく書いている人は、
正義の裏付けを探しながら人を叩いている。「皆が叩いているからいいと思った」というのはその典型で、
誰も裏なんて取らずに叩いているんですよね。匿名性のメディアの怖さです。
本来であれば発信するなら記名性にするべきものですよね。

ーーー作品のタイトル『GREY』からイメージすることを教えてください。

◆矢田悠祐

気分がグレイであることが多いかなと思っています。今、ありがたいことに舞台に続けて出演させていただいていますが、
コロナ禍でさまざまな条件もありますし、やはり閉塞感は続いているので。
稽古に入る前の今は、グレイと聞くとそんなイメージを抱いてしまいますし、
周りの皆さんもそう感じている人は多いんじゃないかなと思います。

◆板垣恭一
「グレイ=灰色」なんですけど、灰色と言ってしまうと世界はとても限定的になってしまう。
でも「白と黒の間」と言えば無限の灰色を表現できると思うんです。歌詞にも出てきますが、人生は白黒つくものじゃない、
だからすべての人の人生は白と黒の間にある。限りなく白に近い灰色もあれば、その逆もある。
だから矢田君が言ってくれたような、暗中模索の霧の中のようなネガティブな意味も込めながらも
グレイには無限の可能性もある……、そんな意味をタイトルにしています。

◆矢田悠祐
白と黒の間といえば、昔、アルバイト先の服屋の先輩が、いろんな濃さのグレイを組み合わせて
全身グレイでコーディネートしていてめちゃくちゃカッコよかったんですよね。
それを真似して僕もグレイの服をよく着ていたのを思い出しました。

ーーー今作は7人の登場人物による群像劇ですが、作品を作る上で心がけていることや、
群像劇を演じる上で意識することがあればお聞かせください。

◆板垣恭一

単純に群像劇が好きで、物語っていうのはいろんな人間がいて、それぞれに人生があり正義があるんだと言いたい。
だから利害関係がバッティングするような関係を組み込んでいきます。
全員がその場に対して間違ったことをしているわけではないのに、
集まるとヤバイことが起きたりする、これは僕たちが日常で体験していることでもあるかなと思うんです。
今回も学生時代の仲間との間に利害関係があるから事件が起きていく。どっちが正しいかといえば、どっちも正しい。
7人の登場人物に7つの正義をつけたいんです。

◆矢田悠祐
特に群像劇だからと構えて演じることはないかもしれないですね。
でも僕、役に向き合う時、常にしんどくないとおかしいなと思っちゃうタイプなんです。

◆板垣恭一
あ、それ、変態だ!(笑)。

◆矢田悠祐
(設定が過酷だったり)しんどい作品をたくさんやってきたからなのかもしれないですけど、
自分に負荷がかかる部分を探しながら役に向き合いますね。
群像劇では、それぞれの人物の考えていることや、経験してきたことが絡み合ってはじけたりする瞬間が観ていて納得できたり、
気持ちが動くと思うので、その交差する部分を大切にしながら演じることを心がけています。




ーーー矢田さんが演じる藍生について、現時点ではどんな印象を持っていますか?

◆矢田悠祐

第一印象は「赦されないでくれ!」って思ったんですよね。というのも、
藍生って行くところまでいっちゃう人なんだって思って、正直、理解するのが難しいなというのが現時点での印象です。
でも、板垣さんも仰る通り、それぞれの正義があると思うので、悩みながら探っていきたいと思います。

◆板垣恭一
難しい役を書いちゃったなって思ってます(笑)。でも矢田君に期待するのは、観た人に「あ、これ私だ」って思わせて欲しい。
難しい役だと言ったのは、多くの人が普段見ないようにしている部分を藍生として演じなくちゃいけないから。
作家の板垣としてはニヤニヤしながら、演出の板垣としては、さてこれをどう演出していこうかなと思って書いたんですよね。

◆矢田悠祐
自分の中に存在するもので作り上げる藍生という役がどうなっていくのか、やりがいがありますし、期待もしています。

ーーー藍生も向き合うキーワードの一つに、ハッピーエンドというワードが出てきますね。ハッピーエンドってどう思いますか?

◆矢田悠祐

好みかそうじゃないかでいうと、全部が解決して、清々しいハッピーエンドは別に好きじゃないですね。
ひねくれてるのかもしれないけれど、僕、少年マンガより青年マンガが好きなんですよ。
完全には救われなかったりだとか、謎が全部解けてなくてもいい、みたいな。

◆板垣恭一
全てが万事おさまるハッピーエンドは僕も好みじゃないですね。
嘘だとわかって観ているから、そこまで閉じてくれなくていいよと思っちゃうのかな。
ただ送り手から考えた場合に、先ほども言った通り、お客様は物語の中に自画像を探していると思うんです。
だから結末に限らず、作品の中でどんな人も祝福したいという思いはありますね。
受け手の側から見るとそこにいる登場人物の未来が知りたくなったらハッピーエンドと呼んでいいんじゃないかなとも思うんです。
観てくださる皆さんが、矢田君が演じる藍生の未来を知りたいと思うような作品に出来たらいいなと思ってます。

ーーー今作には「そんなに優しくなんてなれないよ」というキャッチコピーが付けられていますが、ずばり「優しさ」とは?

◆矢田悠祐

なんだろうなぁ。稽古場でこの人優しいなと思うのは、嫌がられるようなことでも相手にズバズバ言う人。
その人のためにと思って言ってあげる人を優しいなって思います。
僕は正直、あまり言わないので、そういう面においては優しくないかもと思ってます。

◆板垣恭一
優しさって他者への想像力っていうことに尽きるかなと思います。
自分と人は違うんだっていうことをベースに考えられるのが優しさだと思います。
それがないと例えばSNSを凶器として使ってしまったりする。そう思ってこの作品を書きました。

ーーー今回、初顔合わせとなるお二人ですが、改めて印象やお稽古前の現時点でお互いに伝えたいことがあればお願いします。

◆矢田悠祐

板垣さんはとてもロジカルな人だなと感じました。そして言語化するのが上手い方だなと思います。
僕は表現者でありながら、頭の中で思っていることを言葉にするのがとても苦手なので……。

◆板垣恭一
俳優さんっていうのはセリフという他人の言葉を体に入れるから、
自分の言葉をあまり持ち過ぎちゃうと演じづらくなるんじゃないかなとも思います。
上手く空っぽにしておかなくちゃいけないもんね。
僕から見ると矢田君は「沸々としている人」っていう印象です。
例えていうなら、着せられている服のサイズが合ってない感じを抱えているような。
矢田君の場合は、合っている服を探すより、自分で作るしかないんじゃない?
演出家としては、合う生地を探して、服を作りたいと思わせてくれる人ですね。

◆矢田悠祐
ありがとうございます。いろいろ見透かされている気がしますが、頑張ります!

ーーーでは最後に読者の皆さまへメッセージをお願いします。

◆板垣恭一

架空の現代ですが、皆さんがよく知っているテレビ局やSNS、リアリティー番組、大学の同級生、バンド仲間とか、
普通の人間関係、耳馴染みのある単語で説明できるものがたくさん出てきます。
「この中に自分がいるかもよ」みたいなことを楽しみに観に来て欲しいですね。
同時にミュージカル『GREY』という作品を通じて演劇というものが何を表現できるのかを体験して欲しいと思います。

◆矢田悠祐
実は(朗読劇などを除くと)日本人の名前の、日本人の役をやったことがほぼなくて、今回初めての感覚です。
藍生は一筋縄ではいかない役ですし、ご覧になる方もいろんな解釈を持てる作品だと思うので、
僕の新たな体験を皆さんも一緒に体験しに来ていただければと思います。



この度、本作品のメインビジュアルとPV第1弾が公開された。
映像の後ろに流れるピアノの旋律は本編の表題曲である「GREY」の一部。
PVは第2弾、第3弾も予定されている。
https://www.youtube.com/watch?v=u3Fws6XVllU

 

 

ミュージカル『GREY』 

 

日程:2021年12月16日(木)〜26日(日)

会場:俳優座劇場

 

脚本・作詞:板垣恭一

作曲・音楽監督:桑原まこ

 

出演者:矢田悠祐 高橋由美子

佐藤彩香 竹内將人 梅田彩佳 遠山裕介 羽場裕一

 

ミュージカル『GREY』公式HP

 

 

 
 

情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。

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