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「十一月歌舞伎座特別公演 ようこそ歌舞伎座へ」公演レポート、舞台写真掲載
★各演目写真及び内容に触れておりますので、ご観劇前の方はご注意ください★
『ようこそ歌舞伎座へ』日替りゲスト=尾上松緑、ご案内=中村虎之介
提供ⓒ松竹
公演概要/公演レポート
11月1日(金)、歌舞伎座11月公演「十一月歌舞伎座特別公演 ようこそ歌舞伎座へ」が初日の幕を開けました。
一幕目は中村虎之介のご案内による『ようこそ歌舞伎座へ』。
アップテンポの洋楽に合わせて場内が明るくなると、花道にタキシード姿の虎之介が登場します。
いつもとは雰囲気の異なる開幕に客席からは大きな拍手が起こります。
虎之介のお客様へのご挨拶ののち、「幸四郎による歌舞伎座裏側の場」では、松本幸四郎が歌舞伎座の舞台の裏側を映像でご案内。
普段は見ることのできない舞台裏の映像をたっぷりと上映しました。続く「虎之介による歌舞伎あれこれの場」では、
近松門左衛門の名作『傾城反魂香(けいせいはんごんこう)』に見立てて舞台上に虎が登場し、
虎之介と虎のコミカルなやり取りに客席からは笑い声も。観客を巻き込んだ見得の実演、立ち廻りに続いて、
秘伝の一巻が鼠に奪われ、名作でおなじみの動物たちと虎之介によるだんまりとなります。
その後、舞台上の写真撮影タイムののちに、初日は尾上松緑がゲストとして登場。
尾上音蔵の流暢な同時英語通訳で観客にご挨拶をしました。そして最後は歌舞伎ならではの口上で締めくくり。
歌舞伎座の舞台裏から古典的演出までをわかりやすく、楽しくお伝えする特別な公演の幕開けとなりました。
『ようこそ歌舞伎座へ』ご案内=中村虎之介、<映像>松本幸四郎
提供ⓒ松竹
『ようこそ歌舞伎座へ』ご案内=中村虎之介
提供ⓒ松竹
続いては、河竹黙阿弥作
『三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)』。
幕末の頽廃的雰囲 気を漂わせ、流麗な七五調の台詞が聞きどころの黙阿弥の代表作の一つです。
この度は同じ「吉三」 の名前を持つ三人の盗賊が月夜の晩に出会う「大川端庚申塚の場」を上演。
節分の夜更け、女を偽り盗みを働くお嬢吉三(尾上左近)は、夜鷹から百両の金を奪い取ります。
お嬢が「月も朧に白魚の…」の名台詞を朗々と語ると、客席を一気に作品の世界へと誘います。
その様子を見ていたお坊吉三(中村歌昇)が駕籠の中から現れると、二人は百両の金をめぐって争います。
二人の仲裁に入ったのは、和尚吉三(坂東亀蔵)。刀を切り結ぶお嬢とお坊を、和尚が割って止める美しい絵面では、
客席の緊張感が高まります。その後三人は、和尚のとりなしによって義兄弟の契りを交わし…。
歌舞伎の様式美を目で見て、耳で聞いて楽しむ一幕に、大きな拍手が送られました。
『三人吉三巴浪』お嬢吉三=尾上左近
提供ⓒ松竹
『三人吉三巴浪』左より、お嬢吉三=尾上左近、和尚吉三=坂東亀蔵、お坊吉三=中村歌昇
提供ⓒ松竹
『三人吉三巴浪』左より、お嬢吉三=尾上左近、和尚吉三=坂東亀蔵、お坊吉三=中村歌昇
提供ⓒ松竹
三幕目は、華やかな毛振りが見どころの舞踊
『石橋(しゃっきょう)』。
唐の国の清涼山にある石橋のもとには、文殊菩薩の使いである獅子の精(尾上松緑、中村萬太郎、中村種之助、
中村福之助、中村虎之介)が現れます。美しく咲き乱れる牡丹の花のなかで獅子の精たちが戯れ、
舞台上には獅子の勇猛さとともに、神秘的な雰囲気が漂います。
高揚する音楽に合わせて次第に獅子たちが勇猛な獅子の狂いを見せると、最大の見どころである毛振りが始まります。
勇壮な獅子の毛振りに力強い拍手が送られ、客席の盛り上がりが最高潮となったところで、華やか に打ち出しとなりました。
『石橋』獅子の精=尾上松緑
提供ⓒ松竹
『石橋』左より、獅子の精=中村種之助、中村萬太郎
提供ⓒ松竹
『石橋』左より、獅子の精=中村虎之介、中村種之助、尾上松緑、中村萬太郎、中村福之助
提供ⓒ松竹
「十一月歌舞伎座特別公演」では、ご観劇以外にもお客様に歌舞伎座での特別なひと時をお過ごしいただけるよう、
趣向を凝らした様々な企画が盛りだくさん。芝居見物の合間に、場内の様々な展示やスタンプラリーを楽しむ観客で、
場内は大いににぎわった様子を見せました。
歌舞伎座に入ってすぐの大間(ロビー)の吹き抜けには、歌舞伎には欠かせない和傘が華やかに お出迎え。
入場してすぐに広がるいつもとは一味違う光景に、立ち止まって上を見上げる観客の姿も見られました。
また、各階ロビーに設けられた当月上演の『三人吉三巴白浪』や『石橋』に因んだフォトスポットでは、
実際の舞台さながらの小道具や大道具のなかで、記念撮影を楽しむ観客でにぎわいました。
小道具や大道具の展示の他にも、場内を各所に設置された「歌舞伎印巡(すたん ぷらりぃ)」も実施中です。
また当月は筋書(プログラム)の販売の代わりにリーフレットをご来場のお客様に配布。
表紙と 裏表紙をつかった「立判古(たてばんこ)」(江戸時代のおもちゃ絵の一種。「組上絵」とも呼ばれ、
歌舞伎の舞台を再現したものも多く作られた)では、歌舞伎座の舞台と石橋のペーパークラフトがお作りいただけます。
舞台に加えて、幕間には当月公演を彩る遊び心あふれたさまざまな仕掛けにもご注目ください。
1階大間「ようこそ歌舞伎座へ」和傘展示
提供ⓒ松竹
2階『三人吉三巴浪』
提供ⓒ松竹
2階ロビー「小道具ふれあい広場」
提供ⓒ松竹
2階ロビー『石橋』フォトスポット
提供ⓒ松竹
3階ロビー「御休處ひと粋屋」
提供ⓒ松竹
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情報は書き込んだ時点のものですので、実際の内容と異なる場合があります。
あらかじめご了承下さい。