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新橋演舞場「レビュー 夏のおどり」に出演するOSK日本歌劇団トップスターの翼和希さんインタビュー 2025年07月

(2025年07月25日記載)

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新橋演舞場「レビュー 夏のおどり」に出演するOSK日本歌劇団トップスターの翼和希さんインタビュー



★関連記事→翼和希トップスターお披露目公演「レビュー 夏のおどり」取材会 翼和希、千咲えみ登壇

公演概要(リリースより)


8月22日(金)〜26日(火)に新橋演舞場で開催される
翼和希トップスターお披露目公演「レビュー 夏のおどり」に出演する
OSK日本歌劇団トップスターの翼和希さんにインタビューをしました。

翼和希インタビュー(2025年6月27日)


ーーー改めましてトップスター就任おめでとうございます。

◆翼和希/OSK日本歌劇団トップスター
ありがとうございます

ーーーNHKの連続テレビ小説『ブギウギ』への出演からトップスター就任、そして記念公演と、
一気に駆け抜けてこられた印象があります。あらためて、テレビ出演で学んだことはありますか?


◆翼和希
映像に出させていただいて、舞台との違いをすごく実感しました。
舞台って、遠くのお席の方にまでちゃんと伝わるように、少し大きめの表現になるんですよね。
それが舞台ならではの魅力でもあると思うんです。でも映像は、ほんのちょっとした仕草や目の動きだけでも気持ちが伝わる。
そこが面白いなって思いましたし、すごく勉強になりました。
それに『ブギウギ』に出させていただいたことで、OSKに対する想いも今まで以上に強くなった気がします。
自分の役を通して劇団の歴史を追体験できたのは、本や資料を読むよりもずっと深く、自分の中に落とし込めたように思います。
「この歴史があるから、今の私たちが舞台に立ててるんだな」って、あらためて感じましたし、長く応援してくださっている方々や、
これまで劇団を支えてこられた先輩方への感謝の気持ちも、すごく強くなりました。
もっともっとこの劇団を盛り上げて、たくさんの方に知っていただける存在にしていきたいな、って思っています。



ーーー普段は劇団員という仲間と一緒に作り上げていく舞台ですが、
テレビでの俳優さんたちとの共演はいかがでしたか?


◆翼和希
劇団員同士って、長い時間を一緒に過ごしている分、お互いのことをよくわかってるんです。
だからこそ、安心感の中で舞台をつくっていけるんだと思うんですよね。
でもテレビのお仕事は、その作品のために集まった方々と一緒にお芝居をするので、また全然違った空気感がありました。
出演されている皆さんがそれぞれ第一線でご活躍されている方ばかりで、その中に入れていただけたのは本当にありがたくて。
毎日が学びの連続で、まさに“武者修行”という感じでした。劇団のメンバーも出演してはいましたが、
あまり一緒に過ごす時間もなかったので、自分で戦う日々でした。
現場では、皆さんの芸事に対する真剣な姿勢がすごく印象的で、「私ももっと頑張らなきゃ!」って思わされることばかりでした。
それに、私たちの劇団は女性だけで成り立っているので、男性の俳優さんと一緒にお芝居すること自体がとても新鮮でした。
私は男役なので、男性の方のお芝居を間近で見られるのは本当に勉強になりましたし、
自分が出ていないシーンの時もセットに隠れて見学させていただいたり。すごくたくさんのことを吸収させてもらいました。
あの経験は、自分にとって本当にかけがえのないものだったなと、今あらためて思います。


ーーーその後、トップ就任記念公演で各地をまわられましたが、思い出はありますか?

◆翼和希
『ブギウギ』の影響もあって、「OSKを初めて知りました!」っていう方が増えました。
地方公演に行くと「あっ、テレビで観た“歌劇”だ!」って、すごく新鮮な反応をいただけて、それがとっても嬉しかったですね。
「ちょっと観てみようかな」って思ってくださる方が増えて、そこから今も応援してくださっている方がたくさんいるのは、
本当にありがたいなって思います。記念公演の『レゼル Les Ailes~翼のおくりもの』は、岩国市からスタートしました。
その後、別の作品を挟んで、年明けにはシンガポールにも行かせていただいて。
歌劇という文化があまり知られていない場所だったので、最初は客席に“?”が飛んでいるような雰囲気だったんですけど、
中詰めの演出で客席に降りた時に「盛り上がっていいんだ!」ってスイッチが入った瞬間があって。
そこからの一体感がすごかったんです。忘れられない体験になりました。
お客様の反応がダイレクトに届いてくる、あの感じがすごく嬉しかったですね。
その後は名古屋、東かがわ、京都の南座へと続いていきましたが、どの場所でもお客様がすごく喜んでくださって、
毎回、その場にいる方と“生で交流している”という実感がありました。
それから、2025年の2月には、ミュージカル『三銃士』にも出演させていただきました。
朝ドラを経験したことで、お芝居がさらに好きになっていたので、あの作品で心を動かすことの楽しさをあらためて味わえました。
トップに就任してからのこの期間は、どの公演も一つひとつが自分にとって大切な糧になっていると感じています。

ーーーそして、先日には大阪・松竹座での「春のおどり」公演が無事に終わりました。
初日には、たくさんのファンの皆さまに見守られて、劇場前でのご挨拶もありましたね。


◆翼和希
実は私、初日が雨になることが多くて…。
この日もあいにくの雨だったんですが、そんな中でも外で待ってくださっていた皆さまには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
でもそれだけ『春のおどり』を楽しみにしてくださっていたんだな、っていうのがすごく伝わってきて、とても嬉しかったです。
コロナ禍を経て、なかなか直接お話ししたり顔を見てご挨拶する機会って減っていたので、舞台以外で皆さんの前に立てる時間って、
本当に貴重だなって改めて感じました。
「楽しみにしててね!」って、直接お伝えできたのは、私にとってもすごく大切な時間になりました。


ーーー楊琳さんからバトンを受け継いでトップスターになって、初めての松竹座での公演でしたが、
OSKの歴史を紡いできた先輩方への思いなど、気持ちの面でステージに立つことについて、何か変化っていうのはありましたか?


◆翼和希
舞台に向き合う気持ち自体は、トップに就任する前からずっと変わっていないと思っています。
でも、その想いがより一層強くなったと感じたのは、やっぱり『ブギウギ』に関わらせていただいたときですね。
あの経験を通して、改めてOSKの歴史や重みを実感できた気がします。
トップになったことで、“自分が一番先頭に立つ”という責任も感じましたが、それをプレッシャーにするというより、
「任せてもらえたんだ」って、前向きに受け止めることができました。
楊さんから受け継いだ大切なバトンは、やっぱりしっかり抱きしめていたいし、自分ひとりでというより、
みんなで一緒に盛り立てていきたい、という気持ちが大きいですね。みんなで受け継いだものだから、
一緒に盛り上げていきたいって思っています。

ーーー翼さんは「背中で引っ張る」というよりは、「みんなで一緒に」というタイプでしょうか?

◆翼和希
そうですね。今は近い距離にいる方がいいんじゃないかなって思うんです。
みんなと同じ場所にいながらも、ほんのちょっとだけ前にいて、
「いつでも振り返ればすぐそこにいるよ」っていう距離感でいたいなと。
そんなふうに寄り添える存在でいられたらいいなと思っています。


ーーー松竹座「春のおどり」を終えた今の気持ちを教えてください。

◆翼和希
まずは…ホッとした気持ちと、達成感。このふたつですね。
最後まで走りきれたっていうのは、本当にありがたくて。
昨年よりも公演回数も増えましたので、内容的にも体力的にもかなりハードな部分があったので、
無事に終えれたのは本当に良かったなっていうのは率直な気持ちです。

ーーー今回の2作品は、下級生にもたくさんの見せ場があり、最後までワクワクが止まらない、
思わず「もう一度観たい!」と思えるような作品でした。


◆翼和希
そうなんです。「今回はみんなのお披露目の場なんだよ」って、演出の中村一徳先生もおっしゃっていて。
「お披露目ということは、それぞれに難しい課題が与えられているってことだから」って。
その言葉に、すごく納得しました。大きな劇場で歌わせてもらえる場面をいただいたり、
少人数のナンバーに下級生が入っていたり、しっかりピックアップされて前に出ているからこそ、
それぞれが自分の課題と向き合って、一生懸命戦っていたんだなと思います。
そうやって経験を重ねて、日々の中で少しずつ積み上げていくものって、必ず次につながると思うんです。
頑張っている姿を見るたびに「もっともっと応援したい!」って気持ちになりますね。


ーーー今回は「翔~Fly High」の歌詞の原案も手掛けられていますが、どんな思いで書かれましたか?

◆翼和希
最初に先生から「何でもいいから書いてみて」って言われたときは、「えっ、どうしよう!?」って思いました(笑)。
でもせっかくなら、今の自分の気持ちをそのまま込めてみようと思って、思いつくままにいろんな言葉を出して
提出させていただきました。翼和希として、何か行動を起こすときは「OSKがもっと良くなるために」
「今、自分にできることってなんだろう?」っていうことを常に考えるようになっていて。
そう思っているうちに、自然とたくさんの言葉が浮かんできたんです。
自分たちが今こうして舞台に立てているのは、決して当たり前のことじゃなくて。
先輩たちが、血と汗と涙で積み重ねてきた歴史があるからこそ、今の私たちがいるんだっていうことを、
あらためて感じながら書かせていただきました。「いつもありがとうございます」という感謝の気持ちと、
「これからもよろしくお願いします」という未来への想い。それを、りく先生が丁寧に言葉としてまとめてくださって、
さらに松岳一輝先生が素敵なメロディをつけてくださって形になりました。
自分にとっても、すごく大切な作品になりました。

ーーー相手役の千咲えみさんにキャッチコピーをつけるとしたら?

◆翼和希
〈生粋のハッピー人間〉ですね(笑)。
人を楽しませることが本当に大好きで、そのためなら時間も労力も惜しまない。
全部を全力で捧げられる子なんです。それって本当にすごいなって思うし、
舞台人としてすごく大切なことだなと、いつも感じています。
どうしたら人が楽しんでくれるかをちゃんと考えて、それをすぐに行動に移せる。
そして、相手のことを思って動ける、そんなところが彼女らしさだと思います。
やっぱり根っこの部分に、エンターテインメント性があるんですよね。まわりの人まで自然と笑顔にしてしまう、
そういう空気を持っている子なので〈根っからのエンターテイナー〉っていう方が、しっくりくるかもしれません。


ーーー同期生であり、相手役の千咲さんは、翼さんにとって、どんな存在ですか?

◆翼和希
「相手役」って言葉が実はあんまりしっくりこないねって話をしていて(笑)。
ずっと一緒にOSKで歩んできたからこそ、「相方」っていう感覚が強いんです。
お互いにわかり合っている部分が多いし、気づけばいつも隣にいて、自然と支え合ってる。そういう存在ですね。

ーーーでは、翼さんにとってお客様はどんな存在ですか?

◆翼和希
本当に「尊い存在」だと思っています。お客様がいらっしゃらなければ、そもそも私たちは舞台に立つことができません。
もちろん、舞台は1人では作れないものなので、スタッフの皆さんや先生方の支えがあってこそ
成り立っているというのは常々感じています。
でもそれ以上に、観に来てくださるお客様がいて初めて、舞台が完成するんですよね。
その日のために時間をつくって、お金を払って、わざわざ足を運んでくださって、
私たちと同じ空間・時間を共有してくださるって、本当にすごいことだなって思うんです。
だからこそ、「また観に来たい」と思っていただけるように、
私たちも毎回、全力で、心を込めて舞台をお届けしなきゃなと、あらためて思っています。


ーーーもしも、ご自身でひと場面作品が作れるとしたら、どんなことをしたいですか?

◆翼和希
宙乗りがしたいです!(笑)
ありがたいことに、私はOSKに入ってから「やれたらいいな」と思っていたことを、
本当にたくさん経験させていただいています。
1年目でディナーショーに出演させていただいたり、シンガポールにも行かせていただいたり、
日本全国を巡らせてもらったり……OSKに入っていなければできなかったことばかりです。
もともとタップダンスが好きで、今回の公演では『座頭市』を観て憧れていた
“下駄タップ”をやらせていただけたのも、本当にうれしかったです。
そう思うと、自分の名前にも「翼」が入っているので……いつか飛ばせていただけたら、本望です!(笑)

ーーー最後に「夏のおどり」への向けた意気込みをお願いします。

◆翼和希
夏の暑さを吹き飛ばすOSKの“熱さ”があります!でもその熱さは生の舞台でしか味わえないもの。
だからこそ、皆さまの貴重なお時間をぜひOSKに注いでいただけたら嬉しいですし、私たちも全力でお迎えいたします!
まだOSKをご覧になったことがない方にも、ぜひ一度足を運んでいただきたいですし、
いつも応援してくださっているファンの皆さまには、何度でも来ていただきたいです。
毎公演、その日、その瞬間にしかないものをお届けできると思っています。
劇場で、皆さまとお会いできるのを楽しみにしています!



撮影:photographer 大塚雄太

 

 

OSK日本歌劇団

翼和希トップスターお披露目公演「レビュー 夏のおどり」

 

日程:8月22日(金)~26日(火)

※25日(月)16時公演はイープラス貸し切り

劇場:新橋演舞場(東京都中央区銀座6-18-2)

https://www.osk-revue.com/2025/06/14/1-209.html

 

 

 
 

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