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出演:仲村トオル、山田優ほか 構成・上演台本・演出:白井晃
世田谷パブリックシアター『オセロ』開幕
世田谷パブリックシアターの取り組み
狂言師・野村萬斎が芸術監督を務める世田谷パブリックシアターでは、“現代を生きる私たちが、いま、観るべき演劇とは”ということを常に問い続けながら、新たなる創作方法を模索しています。なかでも、演出家・白井晃とは、これまでも数々の作品づくりに取り組んでまいりました。
昨年秋、白井は、劇作家・川村毅が世田谷パブリックシアターの劇作ワークショップ「劇作家の作業場」から立ち上げた戯曲『4 four』(2012年)を演出。異色とも思える川村毅×白井晃の舞台は、多くの演劇ファンから熱い支持を得て、世田谷パブリックシアターの代表作のひとつとなりました。その白井が、今度はシェイクスピア四大悲劇のひとつ『オセロ』に挑みます。脚本は、敢えてクラシックで格調のある福田恆存訳を選び、現代の視線で大胆に再構成いたします。古典を現代の視線で見つめ直し、新たな魅力を引き出した“私たちの物語”を、ぜひご覧ください。
『オセロ』開幕!!
客席全体が舞台に!? 観客はヴェニスの市民として参加! 360°見回して楽しむ舞台
舞台と現実の世界が虚実ないまぜに……観客はその事件の目撃者となる!
劇場に入ると、舞台は客席と同じ高さで前方まで迫り出し、舞台の脇には「演奏家席」、また一方には「楽屋」を思わせる洗面台が並んでいる。客席には舞台稽古時に使用する「演出家机」が設置されたままとなり、殺伐とした蛍光灯の明かりに剥き出しの大道具や舞台裏が照らし出される……。
一体、何が起きるというのだろうか。
物語は、ヴェニスの将軍オセロ(仲村トオル)の旗手イアーゴ(赤堀雅秋)が、同輩キャシオ(加藤和樹)を取り立てるオセロを恨み、陥れようと策を練ります。オセロの妻デズデモーナ(山田優)とキャシオの浮気を疑わせる罠を仕掛け、その結果、嫉妬に狂ったオセロは破滅の一途を辿るという、シェイクスピア四大悲劇のひとつです。今回の白井演出では、舞台上にオセロ役の俳優(仲村)とデズデモーナ役の俳優(山田)が現れ、一座の演出家を兼ねているイアーゴ役の俳優(赤堀)が、客席に設けられた演出家席から舞台をじっと見つめています。やがて演出家は、“芝居”を通して、舞台の上でも現実の世界でも、 オセロ演じる主演俳優を破滅に至らしめようと目論むように。“俳優が演じる役柄”と“素の俳優”と いう二重構造を用いて心情をシンクロさせることで、さまざまな感情が渦巻く『オセロ』の真髄を浮き彫りにします。また、成功しすぎたムーア人(黒人)・オセロに対する周囲の目が、どのような悲劇を呼ぶのでしょうか。観客全員がヴェニスの市民として舞台に取り込まれ、その事件の目撃者となることでしょう。白井が劇場構造を使って、一体どのような罠を仕掛けるのか。これまでにない『オセロ』の誕生です。
◆仲村トオル
400年間も演じ続けられてきた演目であるからには、観客に支持されてきただけでなく、役者にとっても何か「よきもの」であるからこそだろうと想像していましたが、初日を終えて、ほんの少しそれを感じ始めています。演じ甲斐、挑戦し甲斐があり、いくつもの高いハードルを跳んでいくような充実感を得られた初日でした。
◆山田 優
観客参加型の舞台なので、お客様が入ったことで役者のエネルギーがパワーアップして3時間の舞台があっという間でした。お客さまには、悲劇であり
ながら悲しいだけではない何かを感じとって、一緒に物語をつくっていってもらえたのではないかと思います。
◆白井 晃
お客様が入って初めて見えてくる芝居なだけに俳優の方も感覚、感情がリアルに立ち上げられて、人間の愚かな感情の部分がうまく伝わってくれたように思えました。初めに考えていた『オセロ』のイメージが、かたちに結びついてくれたかなと思います。正直、ほっとすると同時にうれしかったです。
『オセロ』
作:W.シェイクスピア
翻訳:福田恆存
構成・上演台本・演出:白井 晃
振付:井手茂太
出演
仲村トオル 山田 優 赤堀雅秋 高田聖子
加藤和樹 水橋研二 有川マコト 近藤 隼 谷村実紀 / 白井 晃
演奏:生駒祐子 波多野敦子 清水恒輔
公演日程:2013年6月9日(日)~23日(日)
会場:世田谷パブリックシアター
一般 S席 6,500円 A席5,000円 他各種割引あり
ツアー公演
6月25日(火)・26日(水) 名古屋公演/アートピアホール
6月29日(土)・30日(日) 兵庫公演/兵庫県立芸術文化センター
7月 3日(水) 新潟公演/りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2013/06/post_313.html
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